キャロル(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『キャロル』(原題:Carol)とは、パトリシア・ハイスミスの半自伝的小説に基づいた、1950年代を舞台に2人の女性の恋愛模様を美しくリアルに描いた恋愛映画。監督は、トッド・ヘインズで、主演をケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラの2人が務め、2015年公開となった。ルーニー・マーラが第68回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞したほか数々の映画賞にノミネートされた。ニューヨークを舞台に離婚調停中の人妻キャロルと、彼女に心を奪われた女性テレーズとのせつない恋愛が描かれている。
キャロルの夫。結婚後も母親に依存している。親権争いには非情な一面を見せ、キャロルに対して親権を認めない姿勢を見せる。一方、両親との食事の場にキャロルがいると、彼女にやさしそうにふるまう姿が見られる。結婚後もキャロルとアビーの関係を疑っており、アビーに対し敵対心をむき出しにしている。
リチャード(演:ジェイク・レイシー)
テレーズの恋人。毎朝一緒に自転車で出勤するくらい仲がいいと思っていたが、テレーズがキャロルと出会ったことによってテレーズとの関係に違和感を覚え始める。テレーズを繋ぎとめようとプロポ―ズをするも、テレーズはキャロルと車で旅に出る決断をしたことに怒りをあらわにする。
ダニー(演:ジョン・マガロ)
ニューヨーク・タイムズの記者。バーでリチャードが連れて来たテレーズを見て彼女に惹かれる。テレーズが写真を好きなことを知ると、それをきっかけにテレーズとの関係を深めようとする。一度、キスをしようとするもテレーズに拒まれてしまう。
トミー(演:コーリー・マイケル・スミス)
キャロルとテレーズが旅の途中で宿泊したホテルで出会ったセールスマン。テレーズに好意がある素振りを見せていたが、その正体はハージが雇った探偵。キャロルの素行調査を依頼されており、キャロルとテレーズが結ばれた時の音声を録音し、ハージに送った。この音声のせいで、キャロルは親権争いで不利な立場に立たされてしまう。
ジュヌヴィエーヴ・キャントレル(演:キャリー・ブラウンスタイン)
キャロルと別れたテレーズが訪れたパーティーにいた女性。
『キャロル』の用語
ドライマティーニ
カクテルの王様と言われている飲み物で、ジンとベルモットがステアされ、オリーブが入っている。キャロルは自身が忘れた手袋を届けてくれたテレーズを、お礼としてランチに誘う。その時にキャロルが頼んだメニューがポーチドエッグとスピナッチとドライマティーニ。テレーズは注文するものをなかなか決められずにいたが、キャロルの注文を聞いて「私も同じものを」と注文した。
The Price of Salt
パトリシア・ハイスミスが1952年に発表した半自伝的小説で、今作の原作となった作品。
『キャロル』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
キャロル「Flung out of space(天から落ちてきたよう)」
キャロルがテレーズに向けてこのセリフを言うのは劇中で2回。テレーズに手袋を届けてもらったお礼にランチに誘ったレストランで一度上記セリフをつぶやく。その後、ウォータールーでテレーズを抱きながら同じセリフをキャロルは彼女に向かってささやく。1回目との違いは、「My angel. Flung out of space.」と My angel.を付けたこと。2度同じセリフをつぶやくことからもこのセリフが重要なセリフであることが見て取れる。また、キャロルが同じセリフを話す言い方の違いからも、彼女がどんどんテレーズに惹かれていったことがよくわかる。
キャロルがテレーズの肩に手を置くシーン
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目次 - Contents
- 『キャロル』の概要
- 『キャロル』のあらすじ・ストーリー
- キャロルとの出会い
- クリスマス
- キャロルとテレーズに訪れる別れ
- 『キャロル』の登場人物・キャラクター
- キャロル・エアード(演:ケイト・ブランシェット)
- テレーズ・ベリベット(演:ルーニー・マーラ)
- アビー・ゲルハルト(演:サラ・ポールソン)
- ハージ・エアード(演:カイル・チャンドラー)
- リチャード(演:ジェイク・レイシー)
- ダニー(演:ジョン・マガロ)
- トミー(演:コーリー・マイケル・スミス)
- ジュヌヴィエーヴ・キャントレル(演:キャリー・ブラウンスタイン)
- 『キャロル』の用語
- ドライマティーニ
- The Price of Salt
- 『キャロル』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- キャロル「Flung out of space(天から落ちてきたよう)」
- キャロルがテレーズの肩に手を置くシーン
- ラストシーン
- 『キャロル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 大幅にカットされたキャリー・ブラウンスタインの出演シーン
- ロケ地はニューヨークではなくシンシナティ
- 運転を猛特訓したアビー役サラ・ポールソン
- 『キャロル』の主題歌・挿入歌
- ED(エンディング):『The Extra End』
- 挿入歌:Billie Holiday『Easy Living』