堂島遼太郎(ペルソナ4)の徹底解説・考察まとめ
堂島遼太郎(どうじま りょうたろう)とは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の4作目に登場するキャラクターである。本作の舞台「八十稲羽市」(やそいなばし)の警察署に勤める刑事であり、主人公であるP4主人公の叔父にあたる人物。P4主人公の両親が1年間海外出張をする事が決まった為、その間彼の面倒を見る事になる。生真面目で不器用だが、反面情に厚く、根は非情に優しい性格をしている。部下の足立透(あだち とおる)と共に、八十稲羽市で起きている怪奇連続殺人事件の捜査をしている。
ついに発覚する事件の真犯人
息を吹き返した菜々子は、それまでの具合の悪さが嘘のように元気を取り戻していく。その姿に安堵する遼太郎とP4主人公達特捜隊。遼太郎は前線に戻れるまでは、菜々子と一緒に病院で入院する事になる。
その頃、P4主人公達特捜隊の方は事件の調査へと戻っていた。生田目が事件の真犯人ではない、という結論に至っていた彼らは、菜々子が連れ去られるまでに起きていた一連の事件について振り返りながら改めて話し合う事になる。結果、彼らは生田目を操って「テレビの中」に人を落としていた真犯人が居た事に気づく。そしてそれが、遼太郎の部下の足立であると導き出す。そこでP4主人公達は、遼太郎の見舞いに訪れていた足立を捕まえ、その正体を問いただす事にする。自分が真犯人だと気づかれ焦る足立。さらにそこへ、遼太郎もやってきてしまった事から、彼にも足立の正体がバレてしまう。足立はもう「テレビの外(八十稲羽市)」には逃げ場がないと悟り、彼らから逃げる為に「テレビの中」へ入ってしまう。特捜隊は彼を追って「テレビの中」へ向かう。そうしてそこで足立、さらには足立の背後に隠れていた「アメノサギリ」と戦う事になる。アメノサギリは日本神話においては、「霧と境界線の神」とされている存在である。『ペルソナ4』本編内において、アメノサギリが自らその正体を詳しく名乗る事はないものの、「人の望みをかなえる」という神のような義務を持ち、それ故に「テレビの中の世界」を現実世界へ拡大させ、全ての人間をシャドウにしようと目論んでいた。アメノサギリ曰く、これは「人間自身が望んでいるもの」とのこと。しかしそんな事はないとP4主人公達特捜隊はアメノサギリの言葉を否定し、その目論見を阻止する為、戦いに挑む事になる。その後、特捜隊はなんとか2人との戦いに勝利。アメノサギリは「テレビの中」の奥深くに消えていき、P4主人公達は足立を連れて八十稲羽市へ戻る。戻ってきた八十稲羽市では、遼太郎に言われて足立の身柄拘束の為に警察達が待機していた。だが警察官いわく、「丁重に扱ってくれ」と言われたとのことで、足立は遼太郎が自分の正体を知ってもなお、部下だった頃と変わらぬ扱いをしてくれている事に気づく。自分の事を思ってくれる誰かがいる事を察した足立は、苦々しい思いに駆られながらも警察にその身柄を拘束される事となった。
真の黒幕と来てしまった「家族」との別れの日
足立の逮捕により、事件は完全に収束。一件落着したかのように思われたが、P4主人公が都会へ帰るその直前になって、実は真の黒幕が別にいる事が発覚する。P4主人く達特捜隊は事件解決の為、全ての黒幕である「イザナミ」に戦いを挑みに行く。イザナミは日本神話において、日本を生み出した神の1人とされている。PS2版『ペルソナ4』では、その正体について詳しく語られる事はなかったが、後にリメイク版として発売されたVita版『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』(P4G)にて明かされる事となる。イザナミは、八十稲羽市の土地神「イザナミノミコト」から分化して生まれた存在だった。「人々が共有する無意識の『願い』」から生まれた存在でもあり、それ故に人々の願いを叶える為に生まれたに等しい神であった。だが、人が持つ醜い願いや残酷な思いに耐えられなかったイザナミは、時が流れるにつれてそんな人間の実態から目をそらすようになってしまう。結果、イザナミの中にあった「人々の願いを叶える」という思いだけが強くなってしまい、暴走する事になる。イザナミは「人の望みを見極める為」に八十稲羽市に住む人々を観察し、最終的な結論として人々が望むのは「嘘や虚飾に目隠しされることを幸福と感じる世界」と導き出してしまう。そうしてそのような世界を作る為、今回の一連の騒動を巻き起こしたのだという。イザナミのもとへ向かったP4主人公達特捜隊は、激闘の末、イザナミとの戦いに勝利。それにより、P4主人公達はようやく本当の意味で事件を終わらす事に成功したのであった。
しかしいつまでも勝利の余韻に浸っている暇はなく、P4主人公が八十稲羽市を去る時がやってきてしまう。特捜隊の面々は彼を見送る為、八十稲羽市の駅に集まる。遼太郎も菜々子と共に「家族」であるP4主人公の見送りにやってくる。大好きな「お兄ちゃん」とのお別れの時に泣き出してしまう菜々子。自分に抱きつく菜々子をP4主人公も彼女を優しく抱きしめ返す。しかしいつ間でもそうしているわけにはいかず、遼太郎は「泣かないって約束したんじゃないのか」と父親として菜々子に言葉を投げかける。遼太郎の言葉に頷いた菜々子は別れを惜しむようにP4主人公から離れる。遼太郎はP4主人公に、「お前も俺達の『家族』だ」「ここに来てくれた事に感謝する」と伝える。それを受けたP4主人公は彼の言葉に頷き返す。そうして電車に乗り去っていくP4主人公を、遼太郎は菜々子と特捜隊の面々と共に見送ったのであった。
堂島遼太郎の関連人物・キャラクター
P4主人公/番長
本作の主人公。ゲーム内での決まった名前は存在しないが、PS2版『ペルソナ4』の説明書の「名前入力」の説明欄には「月森孝介(つきもり こうすけ)」という名が記載されている。またコミカライズ版は「瀬多総司(せた そうじ)」、アニメ版は「鳴上悠(なるかみ ゆう)」という名がつけられている。愛称は「番長」である。様々なペルソナを使いこなしながら、「自称特別捜査隊(略:特捜隊)」のリーダーとして、八十稲羽市で起きる連続殺人事件の事件の真相を探っていく。
元々は都会で暮らしていた高校生だが、両親の海外赴任がきっかけで1年間だけ八十稲羽市に住む親戚の堂島家に預けられる事となった。遼太郎自身とは叔父甥の関係にあたる。なお、遼太郎は主人公の母親の弟である事が、物語冒頭にて発覚している。姉夫婦からの預かった大事な子ども(甥)という事もあってか、夜の外出を禁止したり、変な事(怪奇連続殺人事件等)に首を突っ込むんじゃないと何度も警告したりと、叔父として遼太郎がP4主人公を目にかけている姿が作中では何度も描かれている。
コミュ「法王」イベントを通して「家族」としての絆も2人の間には芽生える為、叔父と甥というよりはまるで本物の父と息子のような距離感にある。
堂島菜々子(どうじま ななこ)
遼太郎の1人娘。年は小学1年生(6歳)と、『ペルソナ4』最年少キャラクターにもあたる。本編開始以前に母の千里を亡くしている事から、遼太郎と2人で八十稲羽市内にある一軒家で暮らしている。刑事の仕事で忙しい遼太郎に代わり、掃除洗濯食事といった家事全般を担当している。そのような生活環境からか、同年代の子と比べても大人びてしっかりした雰囲気のある子どもである。だが、その実、初めて会ったP4主人公を前に人見知りを発動したり、実は仕事で忙しくあまり家にいない父に対して寂しい思いを抱いていたりと、複雑で繊細な心情を持つ子どもでもある様子。それでも一度心を開いた相手には直ぐに好意を全開に押し出すようで、ゴールデンウィークの外出をきっかけに仲良くなったP4主人公を、以降「お兄ちゃん」と呼んで無邪気に慕う等、幼い子どもならではの姿も持っている。その余りある可愛さで多くのファンを魅了し尽くした結果、「シスターコンプレックス(シスコン)」ならぬ「ナナコン(菜々子コンプレックス)」という言葉を生み出すまでの人気キャラクターとなった。
足立透(あだち とおる)
『ペルソナ4』の舞台「八十稲羽市」の警察署に勤める新米刑事。遼太郎の部下兼相棒でもあり、遼太郎と共に怪奇連続殺人事件を追っている。ヘラヘラとした、どこか頼りない雰囲気があり、特捜隊メンバーの花村陽介からも「絵に描いたようなヘタレ刑事」と評されている。よく堂島家に遊びに来ており、仕事終わりの夕食などを共に食べる事もある。
実は、怪奇連続殺人事件の真犯人。ヘラヘラとした頼りない雰囲気も、わざと道化師ぶっていた事が物語後半で発覚する。さらに元は都会の警察署勤務というエリートであったが、同期との争いに負け、田舎である八十稲羽市の警察署に飛ばされてきたという暗い経歴を持つ。P4主人公同様に八十稲羽市で「マヨナカテレビ」を見た事がきっかけとなり、「テレビの中に人を入れられる特別な力」が自分にある事に気づく。以降、退屈な現実への鬱憤を晴らす為、生田目を利用する形で怪奇連続殺人事件を起こすようになる。
事件解決後は事件の真犯人として逮捕される。『ペルソナ4』の後日談にあたる作品『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(P4U2)では、逮捕された足立のもとへ遼太郎が面会にやってきている姿が描かれており、足立の正体が判明した後も遼太郎の彼を部下として思いやっている心に変わりはない事が察せられる。
花村陽介(はなむら ようすけ)
本作に登場するペルソナ使いの1人。『ペルソナ4』の舞台である八十稲羽市内にある高校、八十神高校に通う男子高生。同じ高校に通う菜々子の従兄弟・P4主人公とは同じクラス。特捜隊の参謀役兼P4主人公の相棒でもある。大型ショッピングモール「ジュネス八十稲羽店」店長の息子。想い人の小西早紀(こにし さき)が、八十稲羽で起きる怪奇連続殺人事件に巻き込まれ亡くなった事がきっかけで、事件の真相を探り始める。その最中にペルソナ使いに覚醒し、P4主人公と共に特捜隊を発足させた。
遼太郎とはP4主人公と共に事件の調査をしていく最中に知り合う。相棒であるP4主人公の叔父、さらには刑事という立場も相まってか、遼太郎と接する時は敬語を使う等、目上の大人に対する敬意をしっかり払った姿勢で接している。
里中千枝(さとなか ちえ)
本作に登場するペルソナ使いの1人。『ペルソナ4』の舞台である八十稲羽市内にある高校、八十神高校に通う女子高生。同じ高校に通う菜々子の従兄弟・P4主人公のクラスメイトにあたる。自他共認める大の肉好き。「テレビの中」に落とされた親友、天城雪子(あまぎ ゆきこ)を助けに向かった先で、ペルソナ使いに覚醒する。その後、八十稲羽市内で起きる連続殺人事件の捜査を独自で行っていたP4主人公達特捜隊のメンバーとなり、事件の真相を探る事になる。
遼太郎とはP4主人公と共に事件の調査をしていく最中に知り合う。P4主人公の叔父、身内にあたる相手として、普段はそれ相応の態度を取って接している。また千枝のコミュ「戦車」のイベントにて、彼女が「警察官」になる事を決めるシーンが存在しており、その為か本編その後は身近な手本になる相手として遼太郎を指針に、自身が目指す警察像に向けて奮闘している様子がある。
天城雪子(あまぎ ゆきこ)
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目次 - Contents
- 堂島遼太郎の概要
- 堂島遼太郎のプロフィール・人物像
- 堂島遼太郎の来歴・活躍
- 家族と暮らしながら八十稲羽警察署で働く
- 姉夫婦の海外出張を機に預かる事になった甥のP4主人公
- 怪奇連続殺人事件の犯人を追う傍らで妻の事件について調べる
- 自分の弱さと「家族」との向き合い
- 菜々子が怪奇連続殺人事件に巻き込まれてしまう
- 停止してしまった菜々子の鼓動
- ついに発覚する事件の真犯人
- 真の黒幕と来てしまった「家族」との別れの日
- 堂島遼太郎の関連人物・キャラクター
- P4主人公/番長
- 堂島菜々子(どうじま ななこ)
- 足立透(あだち とおる)
- 花村陽介(はなむら ようすけ)
- 里中千枝(さとなか ちえ)
- 天城雪子(あまぎ ゆきこ)
- 巽完二(たつみ かんじ)
- 久慈川りせ(くじかわ りせ)
- クマ
- 白鐘直斗(しろがね なおと)
- 生田目太郎(なまため たろう)
- 堂島遼太郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「お前…いい友達、持ったな。」
- 「逃げるヤツを追うことに逃げてたなんて、まったく滑稽だな…」
- 「家ってのはただの入れ物じゃない。家族が暮らし、共に生きる場所だ。」
- 堂島遼太郎の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ドラマCDにて初めて明かされた遼太郎が警察を志した理由
- なぜか真冬着を用意されなかった『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』(P4G)の遼太郎