黒いねこ面(楳図かずお)のネタバレ解説・考察まとめ

『黒いねこ面』とは、楳図かずおによるホラー漫画。1966年に『週刊少女フレンド』誌上にて連載された。ホラー漫画の第一人者である楳図の出世作の1つとして知られており、同時期に描かれた『へび少女』や『紅グモ』と共にファンの間で人気が高い。また、化け猫をモチーフにした物語と視覚的な恐怖描写で、多くの読者に衝撃を与えた。『黒いねこ面』は、江戸時代に起きた飼い主一家惨殺事件の復讐劇であり、化け猫が転生した少女に襲われる主人公の少女の恐怖と不条理が描かれている。

クロ

クロは竹庵の飼い猫。猫種は黒猫であり、竹庵一家に可愛がられていた。竹庵が兵庫によって殺され、彼の妻とお美代が投獄されると、兵庫に復讐するべく大奥さまを殺害して彼女に化けた。しかし、兵庫に見破られてしまい、返り討ちに遭う。クロの復讐の怨念は消えることがなく、現代で正雄の娘として転生し、大森たまみとなって柴田家への復讐を企んだ。正雄に復讐を遂げると、どこかへと消えた。

『黒いねこ面』の用語

安政(あんせい)

柴田兵庫の屋敷へ向かう竹庵を引き留めようとするクロ

安政(あんせい)とは、実在した日本の元号で、江戸時代末期の西暦1855年から1860年までである。『黒いねこ面』においては、「安政の時代」と記載されていることが多く、柴田兵庫による竹庵一家斬殺事件と、それに端を発する化け猫クロの復讐劇が展開された。

柴田医院(しばたいいん)

大森たまみの整形手術をしようとしている柴田正雄

柴田医院(しばたいいん)とは、『黒いねこ面』に登場する架空の医院。柴田正雄が営んでいる。産婦人科と整形外科があることが判明しているが、その他の診療科は不明。また、どの都道府県にあるのかも明かされなかった。正雄が柴田兵庫の子孫であることから、化け猫クロの復讐劇の舞台となった。

藤波学園(ふじなみがくえん)

藤波学園(ふじなみがくえん)は、『黒いねこ面』に登場した架空の学校。柴田えみ子が通っており、後に大森たまみが転校してきた。柴田医院と同様に所在地は不明である。

『黒いねこ面』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

残虐な手段で殺害される竹庵一家

生きたまま壁に塗り込まれたお美代

『黒いねこ面』において、読者に大きな衝撃を与えた名場面と言われているのは、竹庵一家が無残に殺害されるシーンである。お美代が意識が明瞭な状態で壁に塗り込まれたシーンは、特に残虐だと評されている。また、柴田兵庫が冷酷非道な行いをしたことで、竹庵家の飼い猫クロが化けて出るのも当然という説得力をも持ち合わせていた。

柴田家への復讐を誓うクロ

柴田家の中に入って来る黒猫たち

『黒いねこ面』は、化け猫を扱ったホラー漫画である。同作品に登場したクロは、飼い主の竹庵一家が惨たらしく亡くなったことを受けて、犯人である柴田兵庫へ向けて激しい復讐心を燃やすこととなる。クロの怨念は時代を超えても残り続け、現代にて兵庫の子孫の柴田正雄一家の娘として転生したのだ。猫のような赤ん坊が生まれたという事実は、正雄にとって先祖が犯した罪による呪いのように襲い掛かった。大森たまみとして育ったクロは、徹底的に柴田家に執着し、復讐を遂げるに至った。化け猫の執念に戦慄したファンが多いと言われている。

柴田正雄の娘「ニャ~ゴ」

猫そっくりに産まれた柴田正雄の娘

柴田正雄は、産まれてきた娘が猫そっくりだったことに衝撃を受けた。不気味な赤ん坊が「ニャ~ゴ」と泣くシーンは、『黒いねこ面』の中で最も怖いセリフだと言われている。この現実を受け入れがたい正雄は、あろうことか大森家の赤ん坊と入れ替えるという犯罪行為に及んだ。人間の命を預かる医者という立場にありながら、倫理的・道徳的に道を外れてしまったのだ。正雄がそうせざるを得なくなるほど化け猫クロの呪いは柴田家に深く入り込んでおり、復讐心の怖さと人間の心の弱さが同時に表現された凄まじいシーンだと高く評価されている。

大森たまみ「わたしの顔の手術をつづけるのです」

自分の顔の手術を麻酔なしでするように言う大森たまみ

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