NG(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『NG』とは、2018年にエクスペリエンスから発売された、PlayStation Vita向けホラーアドベンチャーゲーム。『心霊ホラーADVシリーズ』の第2作目。同シリーズ作品の『死印』や『死噛 ~シビトマギレ~』と世界観を共有している。
物語の舞台は1999年の東京都神座区。主人公・鬼島空良(きじま あきら)が、少女人形の怪異・かくやによって巻き起こされる怪異事件に、協力者と共に立ち向かっていく。
ジャパニーズホラー的恐怖を織り込んだストーリーラインと、個性的なキャラクターが作品の魅力だ。

大手建設会社・住井グループに勤める複数人の人物によって構成された団体。社内でも地位のある人間が所属していたが、実は会社の金を横領するなどの犯罪行為で繋がったグループである。
また、殺人桃こと岡山智子を、石丸昇の命令で殺したのもこのグループに所属したメンバーであった。

怪異見聞録

作中で獲得できるDカードに記載された都市伝説。以下、記載されている内容の詳細を解説する。

怪異見聞録1:Dマン

Dカードは月刊オーパーツというオカルト雑誌に、極稀に付録としてついてくると噂がある代物。そこには様々な怪異や都市伝説についてレポートされているという。
Dカードのレポートの作者こそが怪異・Dマンである。DマンがDカードを作成する理由は、自らの見聞を素養のある者たちに伝え、自分と同じ「未知なる世界の探究者」になってもらうため。

怪異見聞録2:シルシ

シルシは、『NG』作中より数年前(おおよそ2年前)に東京都のH市で発生した怪異事件。
H市に現れた怪異に接触することで人体に刻まれる、犬に嚙まれたかのような形をした痣で、この痣が現れた人間は数日のうちに不自然な死や失踪に見舞われるという。シルシを刻む怪異は、H市に現れた人形怪異・メリイによって作り出されており、シルシの呪いもメリイによって作られたものであると、前作『死印』にて語られている。

尚、この事件は『死印』にて怪医家・八敷とその仲間たちによって収束に導かれた。
件の痣と人形怪異メリイ、そして一連の怪異事件については、月刊オーパーツのアルバイト記者・モエッチこと渡辺によってまとめられており、同雑誌内にて掲載されている。それにより、この手のマニアならば認知している事件であり、秘匿されているなどということはない。
葉月はこの事件を周知している人物の1人であり、怪異事件の中心となったメリイの存在をアイドル・来瀬もものモチーフとして取り込んでいる。呪いのシルシはタトゥーシールで表現されており、彼女のトレードマークの1つとなっていた。
ただし、本来の呪いのシルシとは色が違い、来瀬もものシルシは黒、本来は赤。

怪異見聞録3:時空レナルド

時空レナルドは、全国で長い間に渡って噂される都市伝説。最も古い記録で1970年代から登場している、赤と青が特徴的なピエロ姿の人形という風貌の怪異。
遭遇場所は人によって様々で、レナルドが現れた場合、その世界の時間は静止してしまう。巷では「パラレル世界に迷い込む現象」ではないかと噂されているのだが、その詳細は不明。
人形であるためか、人形怪異との関連が疑われており、Dマンは八敷にこの存在の調査を依頼されていた。

怪異見聞録4:雨の赤ずきん

前作『死印』のDLCで登場した怪異で、赤いレインコートを着た少女の姿をしている。神座区に隣接したK市にて存在が囁かれており、雨の日のホテル街に出没していた。
少女はホテルへ男を誘い、その誘いに乗ってしまうと行方不明となってしまい、後日発狂した状態か、自殺体で発見される。

その正体は、とある高校に通っていた少女・S子。信頼と恋心を抱いていた教師・N村に裏切られ、死んだ後に怪異となったのだった。
尚、この怪異は前作に登場したものだが、シルシの事件が収束した後に発生している。従って、この怪異がメリイ由来ではなく、また別の存在によって作られた怪異であることが示唆された。

怪異見聞録5:かくや遊び

『NG』全編に渡ってテーマとなっている都市伝説。神座区にて噂されており、笛の音を奏でて現れる、少女人形の霊によって引き起こされるといわれていた。
出会った人物を遊びに誘い、勝てば生還、負ければ死亡、植物状態化、発狂などの悲惨な末路が待っている。遊びは少女人形が勝利するまで続けられるため、ほぼ生還の例はないという。

ちなみに噂になっているのは最近だが、過去の都市伝説記録には「遊び姫」「かくや子」という、ほぼ同じ内容のものが戦後あたりから伺えたとDマンはレポートした。かくやの登場は10年周期のため、彼女が登場するたびに都市伝説として記録されていたということがわかる。

怪異見聞録6:デビルメール

悪魔から届くメールで、そのメールを読むと衝動的に殺人を犯すとされている。
このメールを読んだ人物が引き起こした殺人は突発的なものであり、殺人の動機が曖昧かつ被疑者の関係が一切ない、という場合も存在。そうして事件を引き起こした殺人犯を取り調べても、そのメールの内容を誰一人として覚えておらず、供述されたメールの痕跡も発見されないという。

Dマンは作中にて本メールを手に入れることに成功するものの、送信者を突き止めることはできなかった。また、Dマンは既に怪異となっているために、呪いの類は通用しないため、開封して内容を閲覧してみると、「LIZA」という4文字が終わりなく連ねられていたと記録している。
尚、このLIZAという単語が何を意味しているものなのかは判明しておらず、八敷はDマンにこれについての調査も依頼していた。

怪異見聞録7:うさぎ島

東京都の伊豆諸島の果てに存在する、地図にもない無人島。今は大量の兎のみが生息する場所だが、かつては人間がいたような痕跡が存在するという。
本来ならばどこにあるのかもわからない場所だったのだが、八敷の情報によって場所が判明し、Dマンと八敷一行は調査に乗り込んだ。その結果判明した事実は、虐殺、人体実験、食人などに彩られた、怪異事件とは違う世界の未知であったと語られている。

怪異見聞録8:マッハ姫

東京都の皇居を始めとする、あらゆる環状線に現れる怪異。馬に跨った姫という姿だが、姫の姿は西洋貴族のようなドレスから、戦国の姫君のような衣装まで、供述は様々である。
このマッハ姫と出会った場合、馬に道を譲らねば、事故によって死を迎えるという。
尚、この噂は次回作『死噛 ~シビトマギレ~』にてDLCで登場し、本編2年前の葉月と共に、八敷が調査を行うことになった。

怪異見聞録9:かぐや人形

『NG』本編に渡って登場する人形怪異・かくやの正式名称。
かぐや人形は由緒正しい血筋を持つ弥勒家の人間によって、鏡の中の世界である幽世に封印されている。封印は10年周期で弱まるため、定期的に封印を強化する儀式・夏越しの戯を行う必要があった。
しかしかぐや人形の封印は、当主であった弥勒夜雲がやむを得ず行ってきた外法が原因で失敗。かぐや人形は世に解き放たれてしまい、本編に至る。

かぐや人形が行う死の遊びだが、Dマンの見立てでは「殺すことが目的ではない」という。彼女はただ遊んでほしいだけであり、愛を知らない怪異であるが故の行動であったと推測されている。
また、彼女が怪異を作り出す方法については不明とされており、Dマンはこれを黒魔術のネクロマンシー(降霊術)に似たものではないかと考えていた。

怪異見聞録10:百鬼夜行

Dマンや八敷らが追う怪異事件。一般的には、古くから日本の夜話につきものの、魑魅魍魎や悪鬼たちの行進であるが、『心霊ホラーADVシリーズ』では違う意味として定義づけられていた。
怨念を持って死んだ人間の魂を怪異とする力を持った人形怪異たちが多数集まり、多くの死者を怪異として変貌させた際に発生する、死の行進だと考えられている。
しかし、人形怪異の詳細を始めとして、この用語に関しては『心霊ホラーADVシリーズ』3作時点では完全に不明であり、明確に何が起こるのかは謎。

その他の用語

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