死噛 ~シビトマギレ~(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『死噛 ~シビトマギレ~』とは、2022年にPlayStation 4とNintendo Switchで発売された、エクスペリエンスのホラーアドベンチャーゲーム。『死印』『NG』に続く同社の『心霊ホラーADVシリーズ』の第3作目で、第1作目の『死印』の続編として位置づけられた作品。
物語の舞台は『死印』の4か月後。怪異を診る専門家「怪医家」として知られるようになった主人公・八敷一男が、H市近郊にある名門学園・近衛原学園に出没する怪異「シビト」が巻き起こす事件に仲間たちと共に立ち向かっていく。

『死噛 ~シビトマギレ~』の概要

『死噛 ~シビトマギレ~』は、2022年12月1日に発売された、エクスペリエンスのホラーアドベンチャーゲーム。同社における『心霊ホラーADVシリーズ』と銘打たれた作品群の3作目で、1作目の『死印』の正式な続編として発表された。発売プラットフォームはPlayStation 4とNintendo Switchの2つ。
本作の開発には「クラウドファンディング」による支援が用いられた。2019年11月から2022年5月までで3回募集が行われ、その後二度の発売延期を乗り越えて発売されている。

物語の舞台は1997年の東京都H市。前作である『死印』の事件から4か月が経過した時期である。主人公は1作目同様に「八敷一男」。1作目である『死印』にて発生した、「突如噛み傷のような痣が身体に刻まれ、それを受けた人間が死に至る」という怪異事件「呪いのシルシ事件」を乗り越えた結果、怪異を怪異を診ることができる人物「怪医家」として知られるようになっている。
八敷一男が次に挑むことになるのは、H市に存在する名門校「近衛原学園」に囁かれる「シビトの噂」。突如学園に現れるようになったと言われる怪異「シビト」によって、学園の生徒が失踪してしまう事件を解決するために、学園に招かれることとなる。

本作は第1作目、第2作目と変わらぬ、「ジャパニーズホラー」じみた、じっとりと湿り気を帯びた恐怖演出や物語が特徴。人間の情念や感情を絡めた物語展開や怪異の存在により、恐怖と嫌悪でじわじわと精神的に追い詰めるような体験を味わうことができる。
反面、システム面は1作目や2作目に比べるとかなり遊びやすく、より探索している感を強めたものを採用。従来通りの主観視点の捜査パートに加え、プレイヤーが選んだパートナーを後ろに引き連れて移動し、探索を行う「タッグサルベージ」というシステムが実装された。1作目から続く「制限時間内に選択肢を選んで危機を回避する」パートも、「サスペンシブアクト」として引き継がれている。
今作からは探索において特定のパートナーを連れて行かなければならない、ということはごく一部を除いて存在しない。ほぼ前編に渡り、好きなパートナーを選び、共に進行ができるのも魅力である。

本作発売後の2023年1月26日には、2作目である『NG』とのコラボシナリオ「マッハ姫の噂」が配信開始。このDLCシナリオは配信から2週間のみ無料配信がされていた。
2024年6月20日には、本作を含めた『心霊ホラーADVシリーズ』を3作品全て収録した『心霊ホラーADV全集』がNintendo Switchにて発売。これにより、他の『心霊ホラーADVシリーズ』と一緒にまとめてNintendo Switchで遊べるようになっている。

『死噛 ~シビトマギレ~』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

時は1997年の秋、舞台は東京都H市。H市近郊にある名門高校「近衛原学園」は、創立70周年を迎えようとしている最中、奇妙な現象が発生する。それは学園に紛れているという「シビト」という存在からの予告状で、そこには「『ハナコ』が『リボン』を殺す」ということが書かれていた。
一見すると悪戯のようにも見えたそれを、誰も気に留めることはなかったが、この予告状が届いた翌日に女子生徒が1人失踪したことで、事態は急転する。予告状の内容は本当であり、「シビトの予告状は死の宣告」「シビトは学園の生徒に紛れている」という噂が学校中に広まってしまう。

そして数週間後、シビトからの新たな予告状が届く。そこには「『ハナコ』が『ピアノヒキ』を殺す」と書かれており、ピアノヒキとされる生徒がシビトの標的になったことを示していた。事態を重く見た近衛原学園の校長「近衛聖造」は、自らの伝手を辿り、怪異に詳しい人間を学園に招く。それこそが主人公であり、「怪医家」の異名を持つ人物「八敷一男」であった。
彼は学園の敷地内に建てられた時計塔の鐘の音に出迎えられながら、学園内と、学園内に蔓延る恐怖へと足を踏み入れていく。

第1章:シビトマギレ

シビトに出会う八敷。

近衛はかつて八敷と共に「呪いのシルシ」事件を追った仲間「大門修治」の知り合いであった。怪奇現象に詳しい人物として、紹介されたと語ると、八敷に対して「シビトなどいないと証明してくれ」と依頼する。八敷はこの依頼を受けると、近衛と共に夜の学校の調査に繰り出していく。

夜の学校の調査中、生徒会長であり、顔に特徴的な渦巻きのような痣を持った少女「堂領姫子」と出会う。生徒会室からいなくなった「泉俊彦」という生徒を探しているという彼女だったが、下校時刻も過ぎているため、彼女を下校するように促す。
調査を進める最中で、実は予告状にあった「ピアノヒキ」が泉であることを八敷と近衛は突き止めた。しかし予告状通りに泉は「トイレのハナコ」なる怪異に殺されてしまい、その死体もどこかへと消えてしまったのだ。更に彼を殺したトイレのハナコの殺意は近衛や八敷、無関係な堂領にも向けられるが、八敷は機転を利かせて危機を脱していく。

泉が消えたことは、堂領には勿論、彼女を迎えに来た友人の「絹川みちほ」にも告げられず、今宵の調査はここで終わる。
九条館へと帰還しようとした八敷が新棟の下駄箱に向かっていくと、そこで見つけたのは「渡り廊下で待つ」というシビトのメッセージであった。言われたとおりに渡り廊下に向かった八敷はそこでとうとうシビトと対面する。シビトは八敷に対して結婚式の祝詞のような言葉と「噛んでいい?」という不吉な一言を残すと、消えていくのであった。

第2章:トイレの華子

泉が消えた翌日、九条館に再び近衛から連絡があり、シビトからの予告状が届いたと告げられる。
シビトの正式な調査依頼を受けた八敷は、一時的に近衛原学園の教師として活動を開始する。彼の調査に協力するために駆け付けた、かつて呪いのシルシ事件を乗り越えた仲間「柏木愛」と「大門修治」、そして「渡辺萌」と共に調査を開始した。
近衛原学園の教師「坂本律」や堂領、絹川よりの情報から、トイレのハナコの正体がいじめを受けていた生徒「赤井華子」であること、次の標的の「モデル」が「堀越ナオミ」という生徒であることを明らかにする。ただし、今まで自分をいじめていた生徒を標的にしていたトイレの華子が、親友であった堀越を狙う意図は不明であった。

そんな調査の最中で堀越はトイレの華子に殺されてしまう。無念を抱いた八敷と同行者が手掛かりを求めて音楽室に向かうと、八敷にしか見えない「赤いドレスを着た人形少女」が現れる。現れた人形少女は八敷に赤井の死に際を見せ、彼女が抱く無念や恨みを教えて消えていった。

人形少女のヒントや遺物、メモから堀越と赤井の関係、赤井の情念を知った八敷と同行者は、音楽室でトイレの華子と対峙する。怪異の無念や想いを読み解き、恨みを断った末に、トイレの華子は救いを得て消えていった。しかしそうして救済された魂は、突如現れたシビトによって「綺麗な姿になって愛されるため」と喰われてしまう。怪異が怪異を食らうという凄惨な光景を目の当たりにしたものの、八敷はこれからもシビトを追っていくことを改めて決意すると、学園を後にしたのだった。

第3章:口裂けカシマ

トイレの華子事件が収束して3日間が経過したある日、近衛原学園に再びシビトからの予告状が届く。それを八敷に差し出したのは、八敷に対して良い感情を抱いてはいない坂本であった。予告状には「『カシマ』が『キンショウ』を殺す」と記載されている。八敷は新たに協力を申し出てくれたかつての仲間「長嶋翔」と「中松栄太」、そして大門と渡辺と、半ば強引に調査に加わった絹川と共に怪異に挑んでいくこととなった。

情報を収集するうち、怪異の名前は「口裂けカシマ」で、その正体が5年前に近衛原学園に在籍していた生徒「鹿島玲」であることを突き止める。彼女は学園在籍中に美術教師「広瀬壮介」と恋に落ちたが、それをよく思わない生徒たちによって広瀬は懲戒免職に追い込まれて自殺、鹿島も後を追って自殺したことが判明した。そして広瀬を懲戒免職に追い込んだ人物こそが、キンショウこと「眞鍋恵」であると突き止める。

危険を忠告する奇妙な生徒「阿部晴明」の登場などを経て調査を進めていく八敷一行だが、結局眞鍋の殺害を止めることはできなかった。次に口裂けカシマが狙ったのは八敷。刻限を告げる時計塔の鐘の音が鳴り響く中、シビトの望むがままに八敷と同行者は、鹿島と広瀬の思い出の場所である旧棟の美術室で、口裂けカシマと対峙する。

口裂けカシマを縛る情念や恨みを読み解いて、再び怪異の魂を救済した八敷一行であったが、その後に現れたシビトの呪いによって大門が昏倒してしまう。
八敷はこれにより、これ以上仲間を巻き込むわけにはいかないと、たった独りでシビトを追うことを決意するのであった。

第4章:シビトの気配

口裂けカシマの事件後、八敷は「プールに出現する幽霊」の調査を依頼された。
夜を待ってプールに赴いた際に出現したのは、プールに未練を残して死んでいった、トイレの華子の最初の犠牲者である「リボン」こと「高井響子」の幽霊。高井の未練を解消してやることで成仏させた八敷が保健室に戻ってみると、不意にシビトの気配を感じた。そして、机の上に「『シビト』が『セイトカイ』を殺す」と書かれた予告状を見つけてしまう。セイトカイが堂領と絹川を指すと考えた八敷は、すぐさま彼女たちを探して夜の学校へと飛び出していく。どこからか響いてくる声と、赤いドレスの人形少女に導かれ、八敷が辿り着いたのは時計塔。彼女たちはそこで虫や黴によって拘束されていたが、どうにか無事に救い出すことに成功した。
事件に巻き込まれたことで、堂領と絹川は八敷と共に事件へ深く関わることを申し出、互いに情報交換をすることになる。その際に八敷にしか見えない赤いドレスの人形少女を、絹川と堂領が2か月前に時計塔の中で発見していたことが明らかになった。

第5章:コックリおじさん

時計塔で堂領と絹川を助けた事件から、休日を挟んで次の週の月曜日。独りで調査を進めるはずだったが、新たに協力しに来てくれた「広尾まどか」に押し切られる形で、協力体制を続けることとなる。
八敷は「角田新一」という生徒から予告状を受け取った。予告状には「『コックリ』が『ヨタモノ』を殺す」と書かれていたものの、コックリが「コックリおじさん」という怪異であることしかわからない。そのため、まずはコックリおじさんの調査を進めていくのだが、その手掛かりとなる新棟渡り廊下の社にて、突如コックリおじさんの情念に取りつかれた女生徒「丸橋早希」に襲撃される。丸橋を退けて社を調べると、赤いキノコの生えたムカデの死骸が収められたシャーレを手に入れる。シャーレを片手に調査を進めていく中で、それを見た角田が何者かに呼ばれ、取り乱して消えるという事件が起きた。

更に聞き込みをすすめていくうち、阿部のヒントから次の調査地点を、学校に隣接する「狐の森」に定めた八敷一行。新たに合流した仲間の「真下悟」と「安岡都和子」と共に、調査を進行していくが、昼に様子がおかしかった角田がなぜか狐の森の中で死亡していた。更に森の奥へ行くと、ムカデに生えたそれと同じ赤いキノコの群生地帯で白骨死体を見つけ、同時に次に調査すべき地点のヒントを得る。
ヒントの通りに旧校舎の理科室へと向かった八敷と同行者は、そこでコックリおじさんの正体と救済の手掛かりとなるだろうフロッピーディスクを手に入れた。しかし直後にシビトが現れ、救済の準備を整えられなかった八敷たちはここで死ぬと宣告する。それでも諦めずにコックリおじさんと対峙した八敷と同行者は、どうにか退けることに成功するものの、救済も果たしていないその魂を、突如シビトが喰らう。3つ目の魂を食らったシビトはまるで芋虫が蛹になるかのように悍ましい姿へ変態し、立ち去っていく。
変態の影響で力を強めたであろうシビトは、その印にと特別棟以外の照明を赤く染める異変を発生させる。また、シビトの変態と対応するかのように、現れた人形少女の姿も、本来の美しいそれに変わっていた。

第6章:シビトの祟り

コックリおじさんの事件と、シビトの変異から1日が経過した。シビトの変異の影響か、教師や生徒は何らかの不調を訴えていた。事態は悪化の一途を辿る中、シビトの事件を一向に解決に迎えられない八敷に最後通告が下される。次に犠牲者が出た時点で、八敷を免職すると、近衛は突きつけたのだった。背水の陣を敷かれた八敷がシビトの手掛かりとして目をつけたのは、絹川や堂領がシビトに呪われたという時計塔と、阿部がシビト事件の手掛かりとして教えてくれた「M村」と呼ばれる集落。夜を待って調査に出ようとした際に同行を申し出た絹川を伴い、調査を進めていく。

シビトの祟りによって滅んだと考えられる集落のM村について調べているうち、そこで祀られていた土地神の神社で作られていた札を、絹川が時計塔で見たことが判明した。やはり時計塔にこそ真実は隠されていると踏んだ八敷と絹川だが、実は時計塔の鍵は紛失しており、足を踏み入れることはできない。駄目元で時計塔に向かうと、まるで八敷と絹川を誘い込むかのように扉は開いて中に侵入することができた。
八敷は出口の確保を絹川に頼み、単独で時計塔を調査していくと、M村の手掛かりになりそうな古書を見つける。内容が解読できないそれをどうにか読もうとしていると、シビトが現れて八敷に迫る。八敷は不快感と声に苛まれつつ抵抗を見せるが、激しい眩暈と殺意の末に、意識を手放してしまった。
再び目が覚めた八敷が目にしたのは、時計塔の床で血塗れになって事切れた絹川。シビトに操られて彼女を殺してしまった八敷は、その事実に耐えられず、時計塔から跳び出していく。最中、堂領に出会い、彼女は状況を把握すると、混乱する八敷を連れて九条館へと向かうのだった。

九条館に辿り着き、少し落ち着きを取り戻した八敷は、堂領と対面する。
堂領はシビトの声に抵抗を見せた彼の意思を汲んだ上で、「みちほの仇を討ってほしい」とシビトとの対峙を望んだ。親友を失った少女の怒りと悲しみを受け止め、八敷は悲劇を生みだした怪異と向き合う決意を新たに固めた。

第7章:シビトの嫁入り

時計塔での出来事から夜は更けて、一睡もできないままに朝が訪れる。九条館に泊まった堂領と共に、八敷は手に入れた古書の内容を読み解こうと尽力した。しかし内容は難解であり、得られた情報は「2柱の土地神『虫噛さま』と『黴噛さま』がいること」と「2柱に捧げる儀式『シビトの嫁入り』があった」というもののみ。そんな最中に八敷は近衛に学園へと呼び出され、独りで学園に向かうのであった。

近衛原学園に向かった八敷は、生徒や教員全員に漏れなくとりついた異形の怨念の姿を見る。執務室で近衛は姿を消した絹川のことを問い詰めると同時に、坂本が怪文書を残して消えたことを伝える。黙って彼の怒りを受け止めた八敷は、背水の陣となった調査を行っていくことになる。

唯一の手掛かりがあるだろうと考えられる時計塔に、夜を待って堂領と共に訪れる八敷。しかしそこでは、シビトの痕跡も、彼女たちが見たという人形少女の痕跡も見つけられなかった。実りの無い調査を終えて保健室に帰還すると、調査の協力者として真下と安岡が待機しており、八敷の経緯の説明を受ける。八敷の報告を受けた真下は、死んだ絹川こそがシビトだったのではないかと疑いをかけ、彼女の身辺を調べるように助言した。
その結果、彼女はシビトである可能性が高いと結論付けられてしまう。突きつけられた現実に打ちのめされる八敷と堂領であったが、シビト事件収束のためには立ち止まってはいられない。次に提示された情報から、次の調査個所を狐の森の中の「虫黴神社」に定めるのであった。

虫黴神社に至る道中で、怪文書を残して消えた坂本がおり、彼女もシビトの呪いによって死を迎えてしまう。八敷と真下は虫黴神社に辿り着く。その際に、八敷はシビトの嫁入りの血塗られた儀式の内容、シビトがシビトたる原典を垣間見る。そうしてシビトの過去を知った八敷をシビトが襲撃したが、真下が身を挺して囮となり、九死に一生を得ることとなった。
真下の危機を招いた無力感と後悔を抱きながら、八敷は保健室に帰還しようとするものの、その最中に人形少女と出会う。

人形少女はシビトの力の強まりを予見するような言葉を吐いていたが、彼女が言った通り、その力は更に増大して、とうとう保健室と特別棟にも影響を及ぼしていた。保健室にいるはずの堂領は姿を消してしまい、机の上にはシビトからの結婚式の招待状のような予告状が置かれている。八敷は倒れた安岡を介抱した後、シビトが待つという時計塔に向かっていく。
時計塔ではシビトによって破壊された人形少女が残されており、八敷は彼女を連れてシビトに挑むことにする。

最上階を訪れた八敷が見たのは、赤い黴とコケ、虫に彩られた石の祭壇。そこでシビトの求める通りに、シビトとして紛れていた2人の生徒、堂領と絹川の名を呼ぶと、生前と変わらぬ姿で彼女たちは現れた。2人は八敷の婿としての資質を認めると、八敷を虫や黴で汚して自分たちに相応しい姿にせんと、悍ましく変貌した姿で襲い掛かる。
八敷は道中で手に入れた情報を駆使して攻撃を退け、シビトが本来望む「幸福な結婚」を模した行動を行い、シビトの情念を癒す。こうして本懐を遂げたシビトは幸せそうに消滅したが、失ったものは戻ってこない。消えてしまった少女たちに想いを馳せつつ、八敷は時計塔を後にするのであった。

保健室で安岡に報告を行っている最中、突如備え付けられた電話が鳴り響く。電話の相手は真下で、彼の無事を確認することができた。
最悪の事態を防ぐことができた八敷は、改めて怪医家として、救いを求める者に手を伸ばすことを決意した。

エピローグ

シビト事件収束から1週間後、近衛からシビトに残った最後の謎を紐解く鍵として、八敷は彼の祖父、初代校長の日記を手渡された。
事件が収束したことで、協力者である仲間たちも日常に戻っていく。呪いで意識不明となっていた大門も、協力者として怪異と対峙した柏木、長嶋、広尾も、何の影響もなく過ごしていた。

その夜、八敷は近衛から手渡された日記に目を通し、シビトと人形少女の関係性を知る。初代校長はM村での凄惨な儀式の犠牲者を慰めたいと考え、鎮魂の力を持つ人形少女を用いた。しかし霊的な力を持った人形少女に宿ったのは、シビトの嫁入りで強い恨みを持って死んだ繭村姉妹の怨念。そうして人形少女の中で生まれたシビトは、自身の本懐を遂げるために肉体を探し、とうとう見つかったのが絹川と堂領だったのだ。

『死噛 ~シビトマギレ~』のゲームシステム

基本情報

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