大貝獣物語(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『大貝獣物語』とは、1994年にハドソンより発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲーム。さまざまな種族が平和に暮らす幻大陸「シェルドラド」に召喚された「火の貝の勇者」と呼ばれる少年が世界を救うべく冒険の旅に出る。
前作『貝獣物語』の世界観を受け継ぎながらも前作からの仲間に加えて新たに加わったパーティメンバー、そして仲間との会話システムやゲーム内のキャラが冒険を助けてくれる「すけっとシステム」など新たな要素が満載となったボリューム感のある一作。

世界と勇者の結末

醜悪な本性を現したギャブ・ファーはその巨体を生かして主人公たちに襲い掛かる。
さすがに手下たちとは比べ物にならないその力にたじろぐ一行だが、辛くも撃破。

しかし崩れたかに見えたギャブ・ファーの身体は巨大な昆虫のような姿に変わり、再度一行を襲う。
幾度となく絶体絶命の場面を迎えるが、死地を乗り越えた勇者の力はオーラの玉により更に増幅。遂に渾身の最後の一太刀をギャブ・ファーに浴びせるのだった。

自身の死を悟ったギャブ・ファーは、最後の悪あがきとしてこの基地を爆破させるという。脱出したとしても爆発が海底火山などに誘爆すればシェルドラドは壊滅してしまう。
宇宙船でもあるこの基地を宇宙に向けて発信させ、そこで爆破させる、という案が出るが確実に操縦者は助からない。

決断を迫られる一行に、ロボットが静かに仲間への思いを語り始めた。
そしてロボットは捕らえられた人々を助け潜水艦で脱出するよう告げ、一行の制止を振り切りコクピットへ向かっていった。

そして主人公たちは人々と共に無事に脱出。たどり着いた海岸から見上げた空には一筋の大きな流れ星がゆっくりと流れていた。
空を見上げたままの一行だったがやがて火の貝の勇者の身体も光に包まれ始めた。世界を救ったことで使命を果たしたため、元の世界に戻る時が来たのだ。
苦楽を共にした仲間たちが見守る中、世界を救った勇者は笑みをたたえ、伝説を残し静かにこのシェルドラドを去っていったのだった。

『大貝獣物語』のゲームシステム

基本情報

プレイヤーは火の貝の勇者である主人公となり、仲間と共に世界を平和にするべく冒険する、という王道のRPG(ロール・プレイング・ゲーム)である。

LV(レベル)制であり、敵を戦闘で倒して経験値を得ることでレベルアップとなり能力が上昇する。
また「魔法」が使えるキャラクターはレベルの上昇によって新魔法を習得する。使えないキャラクターもそれぞれ独自の「特技」を持っており、こちらもレベルアップで習得となる。
中には特殊な条件でのみ習得する魔法や特技もあるようだ。

ゲーム内である条件を満たすと、仲間と共に旅をすることができる。仲間は全部で12人おり、待機している場所へ行けばいつでも入れ替えが可能となる。

ゲーム世界の通貨である「パール」は敵を倒した時、宝箱の中などから主に入手でき、武具や道具の購入、宿屋の利用などに使用できる。

マップは「フィールド」「町」「ダンジョン」の3つで基本的に構成されており、セーブはフィールド全域、もしくはダンジョン内の貝のマークが記された床の上で行える。

B・T・S(バトル・トーク・システム)

画像は主人公→キラーへ話しかけた際の反応

バトル・トーク・システムとは戦闘中に仲間たちと会話をすることができる、というシステム。
敵ではなく味方を通常攻撃の対象に選択することで発動させることができ、主人公を含めたパーティ内の仲間同士なら誰とでも行うことが可能。

会話により普段とは違う仲間の一面を知ることができる…というただのお遊び的要素というだけではない。
特定の仲間同士の会話により話しかけられた側の仲間の能力が上昇することもある。
使いこなすことができれば戦闘を有利に運べる、重要なシステムと言える。

すけっとシステム

画像はBすけっとの一部

「すけっと」とは文字通り手助けをしてくれるキャラクターのことで、ゲーム内では大きく3つに分類されている。
「Aすけっと」は共に戦う仲間であるパーティーメンバーのことを指し、「Bすけっと」「Cすけっと」は戦闘以外の局面で主人公たちの手助けをしてくれるキャラクターたちのことを指す。

Bすけっとは主人公たちがいつでも呼び出すことができ、それぞれの特殊能力で旅のサポートを行ってくれる。
例を挙げるとオーク族の「ピッギー」はその怪力でダンジョン内の通路をふさぐ岩を退けてくれ、幽霊である「ドロン」はその体質を活かし、壁をすり抜けダンジョン内の様子を偵察できる、など。

最後のCすけっとはそれぞれ特定の拠点におり、主人公たちが訪ねるとその能力を使いサポートしてくれる、というもの。
例えばチクリー村にいる「アロエス」は薬系のアイテムを渡すことで新しい薬を合成してくれ、「ディープ」は素材系のアイテムを合成し武器や道具を発明することができる。

すけっとたちはシェルドラド各地におり、イベントで仲間になるものや、話しかけたり特定の条件を満たすことによって仲間になったりとその加入機会はさまざまとなっている。

『大貝獣物語』の登場人物・キャラクター

パーティーメンバー

火の貝の勇者

この物語の主人公。異世界に暮らす少年だったが、貝獣仙人の召喚によってシェルドラドへやってきた。

本人は自覚していなかったが、勇者としての適性を持っているらしく物語の中で徐々にその資質に目覚めていく。
火の貝の勇者というだけあり、炎を操る魔法を習得できる。さらに回復魔法もある程度のものまでなら使用できるバランスのいい能力を持つ。

またあるイベントにより力を引き出してもらうことで勇者特有の剣技を習得することができる。
さらにレベルが上がるにつれてさらに強力な剣技をも編み出す。

SFCのRPGソフトとしては珍しく、物語後半のとあるイベントでパーティから一時強制離脱、というシーンがある。
作中では喋ることはほとんどないが、離脱後の主人公についての仲間たちの言動を見るに悪を放っておけない人望のある性格をしているようだ。

バブ

貝獣島に住む白い貝獣。「大地の貝の勇者」であり、主人公がシェルドラドに召喚される一足先に貝獣仙人の命を受け大地の貝を探しに旅立った。
嵐に巻き込まれ漂流した彼はそれでもなんとか火の貝の勇者と合流するためにウワサを聞きつけ、有志が集まるというサンドサイドの勇者の館へたどり着き、火の貝の勇者と合流を果たす。

貝獣島の3人の中のリーダー格であり、理知的で常識人。やや頼りない性格をしている他の二人を引っ張る立ち位置となっている。

攻撃にはブーメランを用いるためデフォルトで全体攻撃が可能。
運のステータスが高いためいわゆる「会心の一撃」が出やすい、各種ステータスが平均以上にまとまっているなど、初心者でも扱いやすいクセのない能力を持つ。
大地・菌の属性魔法を得意としており、水・雷属性の魔法に完全耐性を持っている。

クピクピ

貝獣仙人から命を受け「大気の貝」を探すため旅立った島の三勇者のひとり。ピンク色の貝獣であり貝殻の帽子を常に被っている。
旅立ちの嵐に巻き込まれた後は一人放浪し大気の貝を探し当てたまではよかったのだが、その後ある湖に棲む巨大魚に貝ごと飲み込まれてしまっていた。
大気の貝のありかを突き止めた主人公たちが巨大魚を釣り上げたことにより晴れて仲間になることができた。

貝の勇者の名に恥じない能力を持ち、風属性の魔法を扱うほか、補助魔法・回復魔法のエキスパートとしても活躍の場は多い。
また体調異常にならない、という特殊能力も持ち合わせている。

語尾に「クピ」がつく独特な喋り方をする。普段は引っ込み思案で誰かの後ろに隠れがちだがここぞという時には頼れるふるまいを見せる。

ポヨン

4padumina46
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