大貝獣物語(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『大貝獣物語』とは、1994年にハドソンより発売されたスーパーファミコン用ロールプレイングゲーム。さまざまな種族が平和に暮らす幻大陸「シェルドラド」に召喚された「火の貝の勇者」と呼ばれる少年が世界を救うべく冒険の旅に出る。
前作『貝獣物語』の世界観を受け継ぎながらも前作からの仲間に加えて新たに加わったパーティメンバー、そして仲間との会話システムやゲーム内のキャラが冒険を助けてくれる「すけっとシステム」など新たな要素が満載となったボリューム感のある一作。

『大貝獣物語』の概要

『大貝獣物語』とは、1994年にハドソン(後のコナミデジタルエンタテインメント)より発売されたスーパーファミコン(SFC)用ロールプレイングゲーム(RPG)ソフトであり、1988年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発表された『貝獣物語』の続編となっている。製作は前作から一貫してバースデイという制作会社が担当しているが、ナムコより発売された前作とは違い今作はハドソンより発売されている。

『桃太郎伝説』や『天外魔境』などの有名シリーズで知られるハドソンのRPGソフトとあって『大貝獣物語』は発売当初から話題を集めることとなった。
SFCのスペックを活かした美麗なドットグラフィックや定評のあるハドソンのゲーム音楽、そして封印が解かれた魔王を倒すため辺境の地より旅立つ勇者、という王道のストーリーは大きな評価を受けた。ァンファンからの人気も根強く、発売から14年を経た2008年にはリメイク要素を追加したモバイル版の配信が行われた。

物語の舞台となる幻大陸「シェルドラド」は永く平和な時が続いており、小さな貝を持つことから「貝獣」と呼ばれる生き物たちが暮らす「貝獣島」でものんびりとした時が流れていた。
しかしある時、地中から何かが目覚め飛び出した衝撃で世界を覆うほどの大津波が起きる。世界各地の町や村は甚大な被害を受け、貝獣島も例外ではなかった。
そんな状況の中、さらに貝獣島に隕石のようななにかが落下してきた。それはかつて世界を恐怖に陥れた大魔王「ファットバジャー」を封印したとされる「オーラの玉」だった。
ファットバジャーが復活する予兆を感じた貝獣島の仙人は、かつて世界を救った「火の貝の勇者」を異世界より再び召喚することを村人たちに告げるのだった。

旅立つことになった火の貝の勇者を道中助けてくれるのがこのゲーム独自の「すけっと」システム。
戦闘に参加してくれるパーティメンバーはもちろんのこと、戦闘外の状況においてもこのシステムを活用する機会は多い。
「道をふさいでいる岩」を動かしてくれる、「人が通れない場所」に入り中の様子を覗いてくれる、などさまざまな能力を持つすけっとたちと旅の途中で出会うことができる。
また共に戦う仲間たちと戦闘中に会話ができる、「バトルトークシステム」は仲間との会話を楽しむだけのものではなく、能力アップなど役立つ機能も備えている。

『大貝獣物語』のあらすじ・ストーリー

世界で起こる異変と魔王復活の予兆

前途多難な旅立ち

貝獣島にオーラの玉が落ちてきたことで、かつてこの世界シェルドラドを恐怖させた魔王ファットバジャーが復活する予兆を感じた貝獣島の長老である貝獣仙人。
彼は異世界より火の貝の勇者を召喚し、再びファットバジャーを封印すべく旅立ちを促す。ファットバジャーの封印に必要なのはオーラの玉、そして魔王の力を弱めるための火・水・風・土の4つの貝。
火の貝以外の3つは貝獣島の勇者であるバブ・クピクピ・ポヨンの3人がそれぞれを探しに既に旅立ち、貝を見つけた後に火の貝の勇者と合流させるという。

南の海上に浮かぶ貝獣島から、ファットバジャーを封印していた世界の中心「ドラドシティー」へと舵を切った主人公だったが、島を出て少しもたたないうちに嵐に遭遇。
頼りない小舟ではどうすることもできず、翻弄されるままに海へと投げだされてしまう。

嵐のあと

主人公が目を覚ましたのは、サボテン族が暮らしている「チクリー」という村。介抱してくれた村人曰く、一人で村近くの浜辺に打ち上げられていたという。
身に着けている火の貝は無事だったのだが、オーラの玉は流されてしまったようだ。

そこに突然村に正体不明のロボットが現れ、攻撃を始めた。目覚めたばかりの主人公は村の女性や子供と共に地下へ逃げ込むことに。
男衆が村を守るため立ちはだかるも、ロボットは謎の攻撃により村人をマユのようなものに変えてしまい、そのまま彼らを連れ去って行ってしまう。

ロボットたちが去ってひとまず落ち着いたあと、村人は主人公に「この地方の中心、『サンドサイド』という町に行けば仲間や失くしたものの手がかりがあるかもしれない」と告げる。
主人公は悲しみに暮れる村を背にし、再び旅立つ。

奴隷商人ドグラーの企み

サンドサイドに到着した主人公は、この地方では最近奴隷商人の「ドグラー」という男が猛威を振るっていること、そのドグラーが最近オーラの玉なるものを入手し、ファットバジャーの復活を企んでいるらしいことなどの情報を入手する。
町の兵士が捕らえたドグラーの手下に尋問を行おうとするも、いとも簡単に刺客に口封じのため殺されてしまうなど、なかなかに非道な男のようだ。

町の名士である「アバルーダ」に会いに行くと事情を聞いた彼は主人公に協力を申し出て、ドグラーを打倒するため各地から募った有志たちを同行させてくれるという。
町の南西に位置する砂漠地帯がドグラーのアジトになっていると聞いた主人公は、仲間と共に出発する。

その道中、記憶喪失であるらしい「クシューラ」という女性と出会った一行はドグラーは町や村からファットバジャー復活の生贄として女性をさらっていることを耳にする。
怒りに燃える主人公たちはアジトへたどり着くとドグラーを討伐し、捕らわれていた女性たちを救出、無事にオーラの玉を取り戻すことができた。

3つの貝の回収

水の貝を追いかけて

ドグラーを倒した一行は、行方が分からない残り3つの貝を探すためドグラーの砦から東にある町、「ラミール」へとたどり着きそこで聞き込みを行う。
ラミールは地震による被害を受けており、さらにチクリーに現れた謎のロボットの襲撃を受け住民が硬くてビクともしないマユにされているという状況。

聞き込みの結果、南にある「シーマン神殿」に近頃妙な貝が流れ着いたらしい、という情報を得た主人公たちは一路シーマン神殿へ。
流れ着いた貝はまさしく「水の貝」であり神殿の長老「ギール」が保管してくれていた。

火の貝の勇者である主人公のことを認めた長老は水の貝を渡そうとするが、その瞬間伝説の巨大魚「ババロガンバ」が現れ長老を水の貝ごと飲み込んでしまう。
逃げていったババロガンバを追跡し退治した一行は改めて水の貝を入手することができた。

幻の剣コスモソード

ラミールの住人が捕らわれているマユを切るには希少な鉱石「コスモストーン」を使った武器が必要らしいと話を聞いていた一行はコスモストーンの産地である「ガル山脈」へ赴く。
道中で立ち往生していた鍛冶師「ラパン」を助け、コスモストーンを入手した一行は山脈の奥、鍛冶師の町「マーナリー」にてラパンに「コスモソード」を作ってもらう。

ラミールへ戻り、マユを切り裂き町の住人を助ける。
その中に「ミルミー」という老人がおり、話を聞いてみると彼女はシェルドラドの大賢者「グレートノーム」の4人の娘のうちの1人だという。
目的地であるドラドシティーへはすべての道が途絶えていたが、グレートノームの住む「ブリザランド」にはドラドシティーへ続く秘密の地下道がある。
そのブリザランドへの道を知っている4姉妹のうちの1人、「コリコット」が「サンドラ」の町に住んでいるらしい。
一行はサンドラへ向けて出発する。

ゼニムの罠

大森林を抜けサンドラに到着した主人公たちを待っていたのは、町を取り仕切る名士だという「ゼニム」による出迎えだった。
使いの者がゼニムの屋敷へと案内し疲れを癒すため部屋をあてがう。しかしそれは罠であり、ゼニムは火の貝の勇者の命とオーラの玉を狙っていたのだ。

彼は元々ドグラーの手下であり、ドグラーが倒されたことを知り手柄を我が物にしようと画策していた。
罠にはまった主人公たちは元ドグラー配下の暗殺者、「キラー」に助けられ再度屋敷への侵入を試みる。
「魔法の鎧」で攻撃を受け付けないゼニムだったが、水に弱いという弱点を見破られあっけなく敗北。最後は自身の屋敷から落下し死亡してしまう。

一行は宝物庫から、主人公が旅立ちの嵐の際に失ってしまっていた小型船「プカシェル」を回収し、行動範囲が海原へと広がった。

大賢者グレートノーム

パール島に住む4姉妹のうちの1人「エベル」の話では、グレートノームがいるブリザランドへは絶えず雷が落ちる危険な山「ストームマウンテン」を超える必要があるという。

特殊な素材を「モスウッド」に住む仕立て屋「トリー」に加工してもらい、準備を整えた一行は山頂にて山の主、「ストームバード」を倒しついにブリザランドはグレートノームの家へたどり着いた。
しかしグレートノームは病に臥せっていたため、体調を回復させるための秘薬を「アイスマンの村」の人々の協力により作成する。

薬を飲み回復したグレートノームから地下道の入口に積もった雪を解かすアイテム「ヒートボンバー」を受け取りすぐにドラドシティーへ向かおうとする主人公たち。
だがグレートノームによると4大元素を司る4つの貝すべてを集め、「合体貝」を生み出さなければファットバジャーの打倒は敵わない、とのことだった。
残り2つの貝の行方を教えてもらった一行は湖の底、火山島の囚人からそれぞれ大地の貝、風の貝を入手。なんとか4つの貝すべてを揃え、合体貝を手にし改めてドラドシティーを目指す。

魔王との死闘

オーラの玉の異変

ドラドシティーへ向かう主人公たち。しかしその道中の地下道で知り合ったグレートノーム4姉妹のひとり、コリコットは「オーラの玉は砕け、ファットバジャーの封印は解けてしまった」という。
ではこの自分たちが持っているオーラの玉はニセモノなのだろうか。

元々亀裂が入っていた元・オーラの玉はタイミングを計ったようにはじけ飛び、中から出てきたのは封印された魔王ではなくロボットだった。
しかもただのロボットではなく、世界各地で人々をマユにしたあのロボットとそっくりなタイプのもの。

人々に害をなす前に破壊してしまえ、というコリコット。だがロボットに敵意はないようで、まるで鳥の刷り込みのように一行になついている。
害意はない、と判断したパーティはこのロボットを旅に同行させることにしたのだった。

伝説の剣と魔王の最後

長い旅路を経てたどり着いたドラドシティーはかつての栄華の面影もなく、廃墟となった街や宮殿にはモンスターが蔓延っていた。
ファットバジャーは封印が解かれ、町の中心部の宮殿におり、伝説の剣「愛の剣」をもって倒す必要があるという。

一行はガレキや魔王を守るモンスターを退け宮殿に眠っていた愛の剣を手にし、合体貝の力を使いファットバジャーの力を弱め決戦に挑む。
一度は倒されたかに見えたファットバジャーは、闇の力を取り込み以前より強大な力で一行を再び襲う。

強力な攻撃に苦戦しながらも、耐え抜く一行。主人公の最後の一振りが炸裂するとついにファットバジャーはその身体を横たえた。

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