洗礼(楳図かずお)のネタバレ解説・考察まとめ

『洗礼』とは、楳図かずおによる漫画。『週刊少女コミック』誌上にて、1974年から1975年まで連載された。ホラー漫画の巨匠として有名な楳図かずおは、異形のものの怖さを直接的に表現する作風を得意としている。『洗礼』においてもそのようなシーンは見られるものの、人間の深層心理の不気味さを独特なストリーテリングで描かれていることが大きな特徴で、キャリア中期の代表作の1つとして高評価されている。かつて美貌を誇った大女優が、恐ろしい方法で実の娘に自分の人生を託す様子を描いたホラー作品である。

若草いずみの母親(わかくさいずみのははおや)

子役時代の若草いずみの世話をする彼女の母親

本名は不明。子役時代の若草いずみのマネージャー的な存在だった。マネージャーといっても身の回りの世話がメインであり、撮影現場では目立たないように振る舞っている。ある映画の撮影でいずみ用の小物が必要となり、夜なべをしてリボンをこしらえたことがあった。撮影スタッフは母親の気遣いに感謝してリボンを採用しようとしたが、いずみは激しく拒絶して母親を平手打ちしてしまう。いずみの激情の原因はリボンの出来不出来ではなく、母親に白髪とシワを発見したことにあった。

若草いずみの父親(わかくさいずみのちちおや)

いずみの母親と同様に名前は不明。裕福だった家庭が自分の代で没落し、自身も病に臥せっている。娘のいずみの収入で家庭が保たれていることに著しくプライドを傷つけられているもよう。

谷川家(たにがわけ)

谷川先生(たにがわせんせい/演:田子千尋)

曙小学校の教師で、さくらのクラスの担任。年齢と下の名前は不明。妻の和代と息子の貢との3人暮らし。生徒から慕われており、特に女子生徒からの人気が高い。そのため、結婚していることが女子にバレていらぬデマを流されることを危惧して、独身であると偽っていた。いずみの脳が移植されたさくらの恋愛対象となり、彼女から猛烈なアプローチを受けることになる。そのことで夫婦関係に亀裂が入るも、谷川自身は一貫して和代のことを愛していた。

谷川和代(たにがわかずよ/演:網浜直子)

谷川の妻で貢の母親。年齢は不明だが、谷川と同世代ではないかと推察されている。夫が学校で自身を独身だと偽っていることに若干の不満を抱いているものの、優しい夫のことを愛している。谷川の仕事にも協力的であり、自宅に招かれたさくらたちに手料理を振舞った。しかしながら、この時にさくらの策略で料理に腐ったものを入れられてしまい信用を落とすことになる。その後は、谷川を略奪したいさくらから疎んじられる存在となり、彼女から熾烈な嫌がらせ・いじめを受けた。

谷川貢(たにがわみつぐ)

和代に抱かれているが泣いている貢

谷川と和代の息子。まだ首もすわっていない様子の赤ん坊である。さくらの憎悪の対象となってしまい、犬の面を被ったさくらに脅かされるなど可哀想な目に遭った。

さくらのクラスメイト

良子(りょうこ)

曙小学校の生徒で、さくらのクラスメイト。名字は不明。さくらとはとても仲が良く、一緒に登下校したりプライベートでもよく遊んでいる。物語の序盤でさくらの額に小さな傷をつけてしまい、逆上した松子から暴行を受けた。それでも松子を責めることなく許したほど優しい性格の持ち主である。脳手術後のさくらの異変にいち早く気付いたが、真相を暴くことよりも元のさくらに戻ることを望み静かに見守っていた。後にさくらから脳手術の件を打ち明けられ、和代誘拐への協力を求められた際にもさくらとの友情を最優先させて企てに力を貸した。

中島(なかじま)

曙小学校の生徒で、さくらと良子のクラスメイト。良子と同様に脳手術以後のさくらの異変に気付いた1人であるが、中島は見守るというよりもさくら別人説を唱えて正体を暴こうと懸命になった。このことが原因でさくらから疎んじられるようになり、やがて廃墟に閉じ込められて殺害されそうになった。一命は取り留めたものの、恐怖のために髪は真っ白になりさくらに閉じ込められたという記憶も失ってしまう。その後は順調に回復し、学校にも復帰した。

島(しま)

異物の混入した料理を食べてテーブルに突っ伏す島

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@totsuki-natsukib3

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