人類は衰退しました(人退)のネタバレ解説・考察まとめ

『人類は衰退しました』とは、田中ロミオによるライトノベル小説である。2012年7月から9月までテレビアニメが放送されるなど、様々なメディア展開がされている。ガガガ文庫オリジナル作品として初めてテレビアニメ化された作品である。人類がゆっくりと衰退した世界で、新人類である「妖精さん」と旧人類「人間」との日々を描いたファンタジーSFストーリー。随所にパロディやブラックユーモアを含み、人気を博している。略称は「人退」。

人間。高度な文明レベルを有していたが、全体的にやる気がなく勤勉さを失ってゆき衰退していった。元々は巨大な地下都市や人工衛星からのマイクロウェーブを実現できるまで文明が進んでいたが、現在は中世レベルにまで落ち込んでいる。現在では国連主導でなんとか絶滅回避の策をとっている、と皆信じているが、実は「わたし」を含めほとんどの人物が「自分たちを人間だと信じている妖精さん」である。本来の旧人類にあたる人間は「助手さん」のみとなっている。

調停官

旧人類の中の国家公務員で、妖精さんと人間との関係を良好にすることが役割とされている。当初は妖精さんを調査研究することが目的であったため「学者」という扱われ方をしていた。妖精さん自体が人間と接することを避ける傾向にあり、それで関係が悪化することはないため仕事は少ない。不要な関係を持つと妖精さんのトラブルに巻き込まれる可能性が高いため、極力刺激しないようにしている。

ヒト・モニュメント計画

大容量記憶装置内蔵モニュメントに、旧人類の情報を集積し、保管するという計画。モニュメント建造に伴いお祭りが開催されるなど、情報記念碑としての側面が強く、文化局長をはじめ多くの旧人類が関わる世界規模の計画である。

学舎

「わたし」やYが通っていた旧人類のための全寮制教育機関。一級生から六級生まであり、飛び級することも可能だが留年する場合もある。人類最後の教育機関であったが、「わたし」が卒業してすぐに廃校となった。

『人類は衰退しました』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

妖精さん「ただではスマヌ!」

妖精さんたちの、さぶかる episode.02
漫画が打ち切りとなり奈落の底へ落ちる「わたし」と「妖精さん」

妖精さんの作った漫画の世界に取り込まれてしまった「わたし」たち。漫画を作らないと先に進めないけど、つまらないと打ち切りに。打ち切りになると酷いペナルティがあると脅され、しょうがなく漫画を盛り上げ続ける「わたし」たち。しかし、ペナルティは漫画をやめて家業を継ぐというもので、もう継いでいる私にはなんの罰にもならない。壮大に繰り広げられた物語だったが、変わらぬ日常へ収束していった。

ピオンとオヤゲの壮絶なバトル

妖精さんの、おさとがえり episode.2
ピオンにトドメをさされるオヤゲ

「わたし」が遺跡探索中に出会った少女・ピオンは仲間のオヤゲを探していた。ピオンは遂にオヤゲを見つけ出すも、連れ戻そうとすると激しく抵抗され、バトルにまで発展。「わたし」や助手さんを巻き込み、二人は激しく戦い続ける。任務に戻りたくない一心で抵抗を続けるオヤゲだったが、最終的にピオンに制圧される。ただのワガママに見えるオヤゲの行動だったが、その裏には「孤独な宇宙に戻りたくない」という思い出したくもない悲しい理由があった。

わたし「探し物は見つかりましたか?」

妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ episode.02
助手さんの噂話をする「わたし」たちのお茶会

妖精さんの作り出したループの中で自分探しを繰り返していた助手さん。自分というものの認識が不明だった彼が頼ったのは自分の噂話がされている『「わたし」たちのお茶会』だった。ループの果てで遂に出会った助手さんに「探し物は見つかりましたか」と「わたし」がたずねると、彼は静かに頷いて見せた。これが助手さんと「わたし」の最初の出会いである。

妖精さん「お勤め終了!」

妖精さんの、ひみつのおちゃかい episode02
寮母ロボットから出てきた「妖精さん」

学舎時代の友人Yが置いていった当時の寮母ロボットを直すと、中から学舎時代に助けた妖精さんが「お勤め終了!」と飛び出してくる。入学当初、いじめられていた「わたし」が唯一本音を漏らした妖精さんと再会する。あの頃の「わたし」の本音から妖精さんはどんなお勤めをくみ取ったかはわからないが、それでも今の「わたし」はあの頃より辛くはなかった。あの頃のいろいろな思い出がよみがえり、つい「わたし」は涙してしまう。

『人類は衰退しました』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『人類は衰退しました』は不遇の名作

本作はテレビアニメ放送当初そこまで話題にあがる作品ではなかった。その理由の一つとして、同時期放送の他のアニメの人気が高かったことが考えられる。本作が放送された2012年夏期放送のアニメは『ソードアート・オンライン アインクラッド編』『境界線上のホライゾンII』『ゆるゆり♪♪』『織田信奈の野望』など。また、2012春期より引き続いて『氷菓』『アクセル・ワールド』『エウレカセブンAO』などの2クール目が放送されている。また、テレビ放送外では『ココロコネクト』の広報企画が物議を醸し、話題に事欠かない時期であった。しかし、当時こそ話題にあがりにくかったものの、本作の作品自体の評価は高く、根強いファンに支えられ放送後も語られることが多い。その証拠に本作は放送と同時期にDVD、Blu-rayが販売されているが、放送終了後のさらに2年後の2014年にBlu-ray Boxが発売されている。

原作と異なる時系列とキャラクター設定

a041841y
a041841y
@a041841y

Related Articles関連記事

暗殺教室(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

暗殺教室(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『暗殺教室』とは、漫画家松井優征による漫画作品。「週刊少年ジャンプ」にて2012年から2016年まで連載され、2015年にはTVアニメも放映されている。「来年3月までに私を暗殺できなければ地球を破壊する」と宣言する超生物「殺せんせー」と、おちこぼれの中学生クラス「3年E組」が繰り広げるギャグテイスト学園漫画である。

Read Article

革命機ヴァルヴレイヴ(VVV)のネタバレ解説・考察まとめ

革命機ヴァルヴレイヴ(VVV)のネタバレ解説・考察まとめ

『革命機ヴァルヴレイヴ』とは、サンライズが原作とアニメーション制作を手がけたオリジナル作品である。宇宙都市開発により地球の人口の7割が宇宙で暮らす時代が舞台となっている。主人公の時縞ハルト達が暮らすモジュール77が突然攻撃を受け、偶然手に入れた人型兵器「ヴァルヴレイヴ」を使い、戦いに身を投じることとなる。戦いの中で描かれるロボットの華麗な戦闘シーンや学生同士の人間ドラマなどが見どころで、キャッチコピーでもある「世界を曝く」という壮大な世界観が魅力の作品である。

Read Article

暗殺教室の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

暗殺教室の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

『暗殺教室』は松井優征による漫画で、『週刊少年ジャンプ』で2012年から連載された。名門私立中学校の中で「おちこぼれ」と迫害されているクラスの生徒たちが、1年かけて自分たちの担任を殺すことがメインストーリーで、その斬新な設定で人気を呼んだ。2015年にテレビアニメの第1期が放送され、ゲームや実写ドラマ、スピンオフ作品『殺せんせーQ!』などメディアミックス化されている。中学生たちの青春を描いており恋愛的要素も多いが、中には同じ目的を持つ同志のようなカップルもある。

Read Article

暗殺教室のコードネーム・呼び名・ニックネームまとめ

暗殺教室のコードネーム・呼び名・ニックネームまとめ

『暗殺教室』とは、2012年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』に連載されていた長編漫画、及びそれを原作としたアニメ、実写映画などのメディアミックス作品である。作者は松井優征。 進学校の落ちこぼれクラスである3年E組の生徒たちは、突然担任としてやってきた謎の生物「殺(ころ)せんせー」を殺すための暗殺者として鍛えられることになる。その日常の中で「1日名前ではなくコードネームで呼ぶ」という試みや「わかばパーク」でのボランティアで子供達につけられたあだ名などでさまざまな呼び名が増えていった。

Read Article

暗殺教室の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

暗殺教室の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「暗殺教室」は「週刊少年ジャンプ」に連載された松井優征による漫画作品。 椚ヶ丘中学校の底辺クラス3年E組の担任として謎の人外生物がやってくる。月の7割を破壊してきた上に「来年3月には地球を破壊する」と宣言するその超生物を殺してくれ、とE組は防衛省から依頼された。暗殺対象の先生と、暗殺者たる生徒達が織りなす、殺しと学びの物語。暗殺という非日常的側面がありながら、学校らしい教育的な名言が多い。

Read Article

【似てる!?】暗殺教室の実写キャストをアニメ・原作絵と比較【山田涼介ほか】

【似てる!?】暗殺教室の実写キャストをアニメ・原作絵と比較【山田涼介ほか】

月の七割を破壊した最強生物「殺せんせー」と、殺せんせー暗殺の任務を負った椚ヶ丘中学校の落ちこぼれ「3年E組」の生徒たちの交流を描いた『暗殺教室』。原作の大ヒットを受けてアニメ化・実写映画化されており、ファンからは「似てる!」との声も上がっている。本記事では『暗殺教室』の実写版キャストを、アニメ及び原作の画像と共に紹介する。

Read Article

【人気漫画】2007年~2018年の週刊少年ジャンプ打ち切り・終了マンガまとめ!

【人気漫画】2007年~2018年の週刊少年ジャンプ打ち切り・終了マンガまとめ!

2007年~2018年の間に『週刊少年ジャンプ』で打ち切り・終了したマンガをまとめました。作品は2007年1号以降に終了したものです。『銀魂』『BLEACH』『NARUTO』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』といったジャンプを代表するマンガはもちろん、残念ながら打ち切りになってしまった作品、内容は悪くなかったのに読者に響かなかった隠れた良作を紹介していきます。

Read Article

【暗殺教室】クライマックスに向けておさらい!作中の伏線まとめ(ネタバレあり)

【暗殺教室】クライマックスに向けておさらい!作中の伏線まとめ(ネタバレあり)

大人気作品の『暗殺教室』。アニメ化や実写映画化もされたことで話題になりましたよね。漫画はコミックスで全21巻あり、作中には様々な伏線が登場します。この記事では、そんな伏線や殺せんせーの正体、ラスボスが誰かについてまとめました。重要なネタバレを含んでいるので、まだ作品を読んでいない方はくれぐれもご注意を!

Read Article

深夜枠放送名作アニメの悲喜こもごも

深夜枠放送名作アニメの悲喜こもごも

「何で深夜枠…何ですぐ終わる…」そう思わせる名作漫画「アニメ化作品」の数々。規制のせいか!?などと短絡的に思ってしまいましたが、カンタンに録画で見られる時代です。それに名作はアニメになったって名作…とは限らないのが、原作ファンにとっては哀しいところ。せっかく色や音、動きがつくのだから原作並みのクオリティで突っ走ってほしいものです。

Read Article

目次 - Contents