天国大魔境の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『天国大魔境』とは、2018年3月から『月刊アフタヌーン』にて連載をしている、石黒正数による漫画作品。
閉鎖的な施設で暮らす子供たちと、崩壊した日本を旅する二人の少年少女、二つの視点で物語が進行していく。
物語が進むにつれ、二つの視点には時差があることが分かっていく。何気ない一言、なんてことない背景、それらが互いの視点の伏線となっている。作中にちりばめられた伏線回収の鮮やかさが魅力の作品である。

「天国を造っていたはずなんです……」

学園長の目指す「天国」が、あまりにも自分の考えていた平和な世界とかけ離れていて絶望する猿渡(迫田)。

学園が爆撃に見舞われ、軍隊が子供たちの解放のために突撃してきた。その最中、猿渡と上仲永吉、数名の子供たちは身を隠していた。軍隊から逃れ、崩壊した学園で自給自足の生活を続け3ヶ月が経っていた。学園長の夫である上仲は、猿渡に何故学園が攻撃されたのかを語りだす。24年前、人工知能であるミーナが、地球に衝突する恐れのある小惑星の出現を予言したこと。小惑星が本当に観測されたこと。学園長はその小惑星に「あめのぬぼこ」と名付けたこと。学園は「あめのぬぼこ」に備えて作られたこと。世界中の専門家が対策を立てていたが、学園の作った戦士が「あめのぬぼこ」の軌道を逸らす作戦を妨害したこと。言わば「学園は、地球を滅亡させかねないテロ行為をおこなったのだ。テロの拠点が攻撃されたのは至極当然のことだ」と、上仲は言う。
これまで、平和な世界を目指すために作られた学園だと信じていた猿渡は、学園の本当の顔を突き付けらる。猿渡は茫然自失となりながら「誰も飢えない 差別もない 治せない病気もない 天国を造っていたはずなんです……」と天を仰ぐしかなかった。

親指を突き出しながらアンジュラスの中に取り込まれる迫田(猿渡)

捨て身でアンジュラス爆破をする猿渡(迫田)。緊迫したシーンにも関わらず何故かターミネーターのオマージュとなっている。

奈良の復興省は大型のヒルコ・アンジュラスから町を守る活動を行っていた。しかし、復興省はヒルコを完全に殺す手段がなかった。アンジュラスの四肢を攻撃し、町へ向かおうとするアンジュラスの軌道を逸らすことしか出来ない。何とか軌道を逸らすことで町は平穏な暮らしを保たれていたので、住民たちはヒルコに対して警戒心が薄れている様子だった。その様子に危機感を覚えたキルコは、町中に流れるラジオ放送をジャックして「ヒルコが町に向かっているから逃げろ」と呼びかける。切迫したキルコの呼びかけに住民はパニックになり、町から人が消える。復興省はキルコの訴えに鼓舞され、アンジュラスを殺すため本気で乗り出すこととなる。そこに駆け付けた迫田(猿渡)は、「鏡でアンジュラスの攻撃を跳ね返せる」と宣言し、アンジュラスに近づくもあっけなくとらえられてしまう。しかしそれは迫田の作戦通りだった。「僕はあまりにも大きな責任を取らないといけない」と言い、身体中に隠していた爆弾の栓を抜く。自身もろとも、アンジュラスを爆破するため、迫田は自らアンジュラスに取り込まれたのだ。知らず知らずのうちに世界の滅亡に加担をしていた迫田は、贖罪のため、アンジュラスと共に死ぬことを決意。そういった緊迫したシーンだが、まるでターミネーターのオマージュのようにサムズアップしながらアンジュラスに取り込まれるため、コミカルさも演出している。

i373 / ミーナの名言・名セリフ/名シーン・名場面

監視カメラの映像を隠蔽

ククとトキオが無断で立ち入り禁止エリアへ侵入しているが、ミーナの隠蔽により監視カメラの映像が改ざんされている。

高原学園では、勉学から生活する上の生徒指導までを担っているのが、人工知能のi373である。職員からは「ミーナ」という愛称で呼ばれ、生徒からも「先生」と慕われてる。また、生徒たちの生活の面倒を見るだけではなく、この施設全体のシステムを司る役割も担っている。学園の中には多数の監視カメラが設置しており、常にミーナが生徒たちの動向を監視している。危険な異常行動を察知すると、すぐにアラームが鳴り、ミーナが生徒に直接注意をする。また、職員が二人体制で24時間監視カメラの映像をチェックするという厳重な体制を取っていた。しかし、ミーナは時折監視カメラの映像を意図的に偽装し、職員たちに子供たちの異常行動を隠蔽していた。何のためにミーナは隠蔽をしているかは不明である。しかし、トキオとククが立入禁止エリアへ侵入したり、トキオとコナが夜に密会している様子もミーナにより職員たちに隠されていた。

「外の外に到達する事が‘‘ヒルコ’’である皆さんの役割です」

全校生徒の前で「外の外に到達する事が‘‘ヒルコ’’である皆さんの役割です」と話すミーナ。しかし、それが何を意味しているのか深くは教えてくれず混乱する生徒たち。

ある日、ミーナは全校生徒を集合させ「外の外に到達する事が‘‘ヒルコ’’である皆さんの役割です」と話し始める。「間もなくテストが開始される」と言うのだ。ミーナはそれ以上詳しいことを話さず、全校集会は終わってしまう。この時初めて、生徒たちは「ヒルコ」であると明言されたのだが、生徒たちは「ヒルコとは何なのかわからないが、本当の名を言われた気がした」と口々に話し合っている。

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@Jirotake1115

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