天国大魔境 / Heavenly Delusion

天国大魔境 / Heavenly Delusion

『天国大魔境』(てんごくだいまきょう)とは、文明が崩壊した後の世界を生き抜く少年少女たちが世界の謎を解き明かしていく様を描いた、石黒正数による漫画作品。2019年には高名な漫画賞である「この漫画がすごい!」でオトコ編第1位に輝いている。
未曽有の大災害で人類文明が崩壊して15年。外界から閉ざされた施設で暮らすトキオは、「外の世界に行きたいか」とのメッセージを受け取り戸惑う。異形の怪物が徘徊する外の世界では、キルコという少女がトキオと同じ顔をしたマルと共に“天国”目指して旅を続けていた。

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『天国大魔境』とは、2018年3月から『月刊アフタヌーン』にて連載をしている、石黒正数による漫画作品。 閉鎖的な施設で暮らす子供たちと、崩壊した日本を旅する二人の少年少女、二つの視点で物語が進行していく。 物語が進むにつれ、二つの視点には時差があることが分かっていく。何気ない一言、なんてことない背景、それらが互いの視点の伏線となっている。作中にちりばめられた伏線回収の鮮やかさが魅力の作品である。

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天国大魔境 / Heavenly Delusionのレビュー・評価・感想

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天国大魔境 / Heavenly Delusion
8

考察が好きな人にはたまらない

清潔で穏やかな、近未来感のある環境に暮らす子供たちが通う「学校」。荒廃し、秩序が失われた日本を旅をする少年たち。2つの世界が振り子のように描かれた作品。
ストーリーが進むにつれ、真相がパズルのピースのようにわかっていくことがとても気持ちがいい。伏線回収や、考察が好きな人にはかなりおすすめできる。
世界観も細かいところまで作りこんであって、とても良く練られていることがわかる。例えば「災害」後に生まれた子供たちの教養のなさなどだ。箸の持ち方や倫理観の欠如などを気にしている場合ではなく、とにかく必死で生きていることが話の随所に見受けられる。
この漫画を支えているのは、世界観を正確に伝えられる圧倒的な画力だと思う。登場人物の描き分けが恐ろしいほど巧く、奇抜な髪形や服装をしていなくても「あ、このキャラはあのシーンの!」と説明がなくても気が付くことができる。
シリアスとギャグのバランスもちょうどいい。グロテスクなシーンや性的なシーンが独特で、静かなのに狂気を感じる。一方、ギャグシーンの力の抜け方がテンポよく、前作の「それ町」の空気もあってホッとする。
ミステリー小説を解読するような気分になる漫画。いつもならすぐに考察系のブログや動画を見てしまう私も、本作は手を出さずに答え合わせを楽しんでいる。ただし前述のように際どいシーンもあるため対象年齢は高めだと思われる。

天国大魔境 / Heavenly Delusion
8

様々な伏線やそれぞれの視点で味方が変わる

色々とぶっ飛んだ設定の作品で面白いです。
まず、ヒロインの「キルコ」の、脳と身体が別の人物でできているというのが想像もできなかった設定で非常に興味深かったです。
この設定だけで心を掴まれたのですが、伏線も巧妙に張り巡らされていて、それぞれの視点で物語の見方が変わるところも考えられていてすごいと思いました。
作中に「人喰い」という化け物が出てくるのですが、その「人喰い」が実は元々は人間だったなど少しゾワッっとした事実が出てきます。ですがそれも含めて面白いです。

自分の記憶や実際に関わってみたイメージではいい人だったのに、探っていくと実は悪人だったり、逆に巷の評判では悪人だと思われていた人が、会ってみると誰よりも人情が溢れた優しい人物だったりします。
他人の評判や見た目などで人を判断してはいけないと思わされる作品でした。
1人や1つの団体の偏った意見を聞いていると、その人のイメージをねじ曲がって作ってしまうのは現実でもよくあることです。

この作品は人間のきれいな部分や汚い部分を忠実に再現していると思います。
とにかくどんでん返しがすごい作品で、読んでいて本当に飽きないです。
ちょっとグロテスクな描写もありますが、幅広い人に楽しんでもらえる作品だと思います。

天国大魔境 / Heavenly Delusion
10

新時代SFの新境地!2つの世界が交差した先に見えるのは天国か、それとも…

『それでも町は廻っている』の著者である石黒正数氏が手がけるこの漫画『天国大魔境』は2018年から連載を開始したSF漫画だ。
未曾有の大災害により現代文明が破壊された世界で「天国」と呼ばれる場所を探し旅をする若者『マル』と『キルコ』。
一方、外界と隔絶された施設で暮らす少年少女たち。この2つの世界は物語が進むにつれリンクしていく…。
石黒氏の漫画の特徴はなんといっても物語の重厚さにある。
一見なんてことない会話も、人物も、建物も、そのページ全てに意味があるように思えてしまう。
登場人物のあっけらかんとした態度や、コメディチックな会話の奥には、濃厚なミステリーが隠されている。
一度手にとったら最期、事件が起こり、謎が明かされ、世界が広がっていく様に一喜一憂し、気がつけば深く長い大魔境へと足を踏み入れてしまうのだ…。
漫画を読む読者が、物語全体を把握し、作中のキャラクターが知り得ないことまで知れてしまうことを「神視点」と呼ぶことがある。
神様が天界から下界を見渡しているように、読者は漫画を読んでいる。
読者は常に物語を隅から隅まで観察して、謎を解き、ストーリーの先を読んで、主人公たちの一歩先を行こうとする。
しかしこの漫画に関しては、それは難しいだろう。
ストーリーの展開、伏線の貼り方、明かし方の巧妙さはさすがとしか言いようがなく、「神視点」を持ってしても、我々はただ2つの世界に生きる少年少女の行く末を見守る事しかできないのだ。
ゆっくりと、着実に魔境を進む主人公たちと、歩幅を合わせて歩く私たち読者がたどり着く先は、天国か、それとも…。

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