メトーデ（葬送のフリーレン）の徹底解説・考察まとめ

メトーデ（葬送のフリーレン）の概要

メトーデとは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。魔族を狩る一族出身の、多彩な魔法を操る女魔法使い。
北部地域への通行証代わりでもある一級魔法使いの資格を得ようと主人公にしてエルフの魔法使いフリーレンとその弟子フェルンが一級魔法使い試験に参加した際、自身もこれに参加。時に競い、時に協力してフリーレンたちと共に試験を突破していき、大陸魔法協会の長であるゼーリエから一級魔法使いとして認められる。

その後はゼーリエの下で大陸北部で活動する魔族たちの討伐任務に従事する。一級魔法使い試験の際に試験官だったゲナウと組んで、彼の故郷を襲った魔族たちの討伐に赴いた時は、「将軍」こと武術を極めた魔族を中心とする徒党を相手に熾烈な戦いを繰り広げた。
一方、「小さな女の子が好き」という性癖を持ち、これをまったく隠さずにかわいいと感じた女の子を撫で撫でしまくるため、一部の魔法使いからは「ヤバいヤツ」扱いされている。

メトーデ（葬送のフリーレン）のプロフィール・人物像

感情の起伏に乏しく、どんな事態になっても慌てず騒がず淡々と対応する。それでいて無味乾燥というわけでもなく、深手を負って倒れたゲナウを助けた後に微笑みながらお礼を要求するなどなかなかちゃっかりした性格の持ち主。
命のやり取りをする戦場においてもこれは変わらず、いかなる時も冷静に敵と戦況を分析して最善手を取る。これは自身の一族の戦い方であり考え方だが、同時に「魔法は楽しいもの」と認識しており、様々な魔法を使えるのもこれが理由。

「小さい女の子が好き」という性癖については完全にオープンにしており、エルフのフリーレンやゼーリエ、見た目の幼いエーデルのことは本気でかわいいと思っている。ゼーリエに対しては「1日に10分撫でていい」という許可をもらっているものの、「いくらなんでも権威が損なわれる」と他の一級魔法使いからはあまりよく思われていない。
それでも曲者ぞろいの一級魔法使いの中では扱いやすいタイプの人物らしく、実質的なゼーリエの右腕であるレルネンからは重宝されている。

メトーデ（葬送のフリーレン）の魔法・能力

一般的な攻撃魔法に始まり、飛行魔法、拘束魔法、専門性の高い精神操作魔法、果ては本来僧侶しか使えない女神の魔法まで心得ている。
これは本人の素質に加えて、「魔法は楽しいものだ」という認識を得たことで視野が広がったことが大きく作用している。

拘束魔法

対象の動きを封じる魔法。作中では「完全に能力を再現した偽者のフリーレンに通じるか」試すため、本人の許可を得た上で本物のフリーレンにかけている。
普段からこの手の魔法に対する対策を行っているフリーレンにはまったく通じなかった。

精神操作魔法

相手の精神を操作する魔法。作中では「完全に能力を再現した偽者のフリーレンに通じるか」試すため、本人の許可を得た上で本物のフリーレンにかけている。
普段からこの手の魔法に対する対策を行っているフリーレンにはまったく通じなかった。しかしメトーデは「フリーレンの魔法による防御は強固だが、使っている術式そのものが古いので、精神操作魔法の専門家なら突破できるかもしれない」と語っている。

霧を晴らす魔法（エリルフラーテ）

文字通り霧を晴らす魔法。魔族が魔法で生み出した霧で味方と分断された際、これを晴らすために猛攻を仕掛ける傍らで使用。メトーデの戦闘巧者ぶりを表すワンシーンとなった。

回復魔法

人の傷を癒す魔法。「女神の魔法」と呼ばれる、本来僧侶にしか使えない魔法である。
メトーデは僧侶としての素質も若干ながらあるらしく、魔法使いを本職としながら回復魔法を使える珍しい存在となっている。

メトーデ（葬送のフリーレン）の来歴・活躍

魔族を狩る一族に生まれる

大陸北部の高原にて、魔族を狩ることを生業とする一族の子として生まれる。魔法使いとして優れた才覚を持っていたが、魔法を「魔族を殺すための技術」としてしか見ない一族に盲目的に従うのではなく、「魔法は楽しいもの」として戦う以外に仕える様々な魔法も修得していく。メトーデがこの境地に達するのにどのようなきっかけがあったのかは不明である。
同時に「小さい女の子」に対する熱烈な嗜好に目覚め、周囲の迷惑を顧みずにこれを発露。かわいい女の子を見るとそっと近寄って撫でることを繰り返すようになる。メトーデがこの境地に達するのにどのようなきっかけがあったのかは不明である。

魔法使いの魔法ばかりか、初歩的な僧侶の魔法も修得した後、一級魔法使いとなることを目指してその試験が開催される魔法都市オイサーストへと向かう。

一級魔法使い試験への挑戦

一次試験

一次試験は「ランダムにチームを組んだ魔法使いと共に、1人の脱落者もいない状態で、結界で閉ざされた一定の空間の中で制限時間までに隕鉄鳥（シュティレ）を確保する」という内容だった。隕鉄鳥は魔力探知に引っかからず、極めて頑強かつとんでもなく素早いという特徴があり、捕まえるとなると非常に厄介な存在だった。
互いに初対面のトーンとレンゲという魔法使いとチームを組んだメトーデは、隕鉄鳥を探して結界内部を探索するも成果無しに終わる。やがて隕鉄鳥を捕まえられなかったチームが捕まえたチームを襲うようになり、メトーデたちもこれに巻き込まれていく。

最終的にメトーデのチームは隕鉄鳥を確保して一次試験を突破するが、彼女たちが3人の魔法使いを倒して立ち去る姿が1コマだけ描写されており、「隕鉄鳥を捕まえたチームから奪う」という手段を取ったものと思われる。
この時チームメンバーのレンゲが倒した魔法使いたちを気遣うように振り返る一方、メトーデは一顧だにせず歩いており、戦いに関する彼女のシビアな感覚がうかがえる。

二次試験

二次試験の内容は、「とある未踏の地下迷宮を最下層まで踏破する」というものだった。試験官は一級魔法使いのゼンゼで、迷宮内にはそれほど危険な魔物もおらず、比較的安全なものになるはずだった。
しかし、迷宮深部に敵対する者の精巧な複製を作り出す水鏡の悪魔（シュピーゲル）がいたこと、かつて勇者ヒンメルと共に魔王を討伐したエルフの魔法使いフリーレンも今回の試験に参加していたことで、安全だと思われていた二次試験は一気に危険度が跳ね上がる。フリーレンの実力は、今回の試験の参加者どころかすでに一級魔法使いの資格を得た者たちと比べても圧倒的に格上だった。

この試験は特にチームを組んで挑むような指示が出ていたわけではなく、「途中で後ろから狙われるかもしれない」との思いから単独で迷宮に踏み込む者が相次いだ。メトーデは「1人で行くより徒党を組んだ方が生存率が上がる」と判断し、同様に考えた試験参加者とチームを組む。果たして真っ先に迷宮最下層に辿り着くも、その最深部に水鏡の魔物が複製したフリーレンが立ちはだかっていたことで進めなくなってしまう。
ここにそのフリーレンを含む迷宮突破者が集結し、どのようにして試験を突破するかの案を出し合う。それぞれが相性の問題で優位に立ち回れる相手の複製を相手取ることとなり、フリーレンの複製は他ならぬフリーレンが弟子のフェルンと協力して撃破。結果として二次試験はごくわずかな脱落者を出しただけで、メトーデを含む一次試験突破者の大半が合格することとなった。

三次試験

大量の二次試験突破者が出たことは、試験を開催した大陸魔法協会の側でも物議をかもした。特にその長であるエルフの大魔法使いゼーリエは、「フリーレンが参加したせいで、二次試験が参加者たちの正確な力量を測る場に成り得なかった」と憤慨。予定していた三次試験ではさらなる犠牲が出兼ねないとして、試験内容を自身との面接に急遽変更する。
二次試験突破者が1人ずつゼーリエに呼び出されて合否を直接伝えられる中、メトーデの番がやってくる。ゼーリエは全知全能の女神にもっとも近いとされるほどの実力者だったが、ほとんど永遠に等しい寿命を持つエルフなだけに人間でいう「少女」といった程度の外見で成長が止まっていた。さらに小柄で愛らしい姿をしており、メトーデは面接の会場で一目彼女を見るなり相手の立場も実力も頭から抜け落ちて「小さくてかわいい、撫で撫でしたい」と考える。

ゼーリエはこれを即座に見抜き、念のためメトーデ本人にも確認。素直に思ったことを伝えるメトーデに、ゼーリエは呆れつつも合格を伝える。これはメトーデの実力を正当に評価したことに加えて、圧倒的に格上の存在に対し“愛でたい”という感情を抱いた彼女に「一級魔法使いに不可欠な常軌を逸した精神性」を見て取ったからだった。
かくして一級魔法使いとなったメトーデは、その後もオイサーストを中心に活動し、ゼーリエから与えられる様々な任務をこなしていくこととなる。ゼーリエを含め、オイサーストにはメトーデの好む「小さくてかわいい女の子」がたくさんおり、仕事の合間を縫って彼女たちと交流してはその頭を撫でて楽しむが、この結果「一級魔法使いにヤバい趣味の女がいる」との噂を生むことともなった。なお、ゼーリエはメトーデが自分を撫でることを拒絶こそしていないが嫌そうにはしており、「いくらなんでも威厳が損なわれる」と“撫で撫では1日10分まで”という制限が設けられた。