エーデル（葬送のフリーレン）の徹底解説・考察まとめ

エーデル（葬送のフリーレン）の概要

エーデルとは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。魔法都市オイサーストで開催される一級魔法使い試験に参加した、精神に関する魔法のスペシャリストである。
精神魔法を得意とする一族の出身で、その専門家として広く名が知られている。一級魔法使い試験では一次試験を突破するも、二次試験で負傷。「痛いのは御免」と早々にリタイアを決め込んだ。

一級魔法使い試験からしばらく後、エーデルは一級魔法使いレルネンに雇われる形で城塞都市ヴァイセへと赴く。ここは魔王軍幹部「七崩賢」最強といわれる黄金郷のマハトの呪いによって街全体が住民ごと黄金に変化しており、マハトを倒してヴァイセを救うのが目的だった。
エーデルは得意の精神魔法で“マハトの記憶を読み取る”という重要な役目を果たし、呪いの解除とマハトの打倒に必要な情報を入手。人間の魔法使いたちの勝利に多大な貢献を果たす。

エーデル（葬送のフリーレン）のプロフィール・人物像

精神魔法を得意とする一族の出身。見た目はせいぜい10代後半程度で、熊型のパンを「クマさん」と呼ぶなど嗜好も幼いが、口調は「〜のじゃ」といった老練なものとなっており、正確な年齢は不明。
「働くのは嫌だ」、「痛いのは嫌だ」と常日頃から口にする怠惰な性格。それでいて勇猛なところがあり、戦闘では的確な分析の下で自らも果敢に前に出る。マハトとの戦いでは、ほとんど一方的に翻弄されるも、一瞬の隙を突いて彼の記憶を読み取る殊勲を挙げた。

精神魔法のスペシャリストとして広く名が知られており、一級魔法使いのレルネンやメトーデといった格上の魔法の使い手たちからも「精神魔法でエーデルの右に出る者はいない」とはっきり言い切っている。魔法都市オイサーストの出身らしく、同じくこの街出身のカンネやラヴィーネとは顔見知りである。
高名な一族の出身だが、自分では働かずにお小遣いをもらう立場なのか、レルネンが菓子パンの大人買いをするのを見た時は「ブルジョワじゃ…！！」と戦慄していた。

エーデル（葬送のフリーレン）の魔法・能力

本人曰く「戦う力はない」とのことで、実際に精神魔法以外を使うシーンはほとんどない。それでいて妙に度胸があり、戦場における分析力と判断力、慌てずに最適解を叩き出す胆力は目を見張るものがある。
一級魔法使い試験の一次試験で同じチームを組んだブライとドゥンストは、彼女のそういったリーダーとしての素質を信頼してか、二次試験でもエーデルと共に行動していた。

精神魔法

対象の精神を操り、これを制御する魔法。決まれば一瞬で相手を制することも不可能ではないが、対象と視線を合わせないと使うことができない。
また、人間の精神に作用するために開発されたものであるため、魔族などの「人間とは異なる精神構造」をしている生き物に対してはまったく通じない。

相手の記憶を読み取ることも可能だが、これを使う際は対象に触れる必要がある。1度に大量の記憶を読み取ると術者にとってもかなりの負担があり、数百年以上の時を生きるマハトに対して実行した際はエーデルは鼻血を出して倒れることとなった。

エーデル（葬送のフリーレン）の来歴・活躍

精神魔法の専門家として活躍

魔法都市オイサーストにて、精神魔法を得意とする魔法使いの一族に生まれ、自身もその専門家として成長する。やがて精神魔法の使い手としては右に出る者がいないほどの力量を身につけるも、本人の言動からすると定職には就かずにふらふら生きていたようである。
一族の間でこれが問題視されたか、あるいは「やればできる」ところを見せつけようとしたか、死者が出ることも珍しくない一級魔法使い試験に挑戦することを決める。

一級魔法使い試験

一次試験

一次試験は「ランダムにチームを組んだ魔法使いと共に、1人の脱落者もいない状態で、結界で閉ざされた一定の空間の中で制限時間までに隕鉄鳥（シュティレ）を確保する」という内容だった。隕鉄鳥は魔力探知に引っかからず、極めて頑強かつとんでもなく素早いという特徴があり、捕まえるとなると非常に厄介な存在だった。
エーデルはブライとドゥンストという魔法使いと組み、隕鉄鳥を探して結界内を右往左往する。特になんらかの作戦があったわけでも、隕鉄鳥を捕まえる魔法の心得があったわけでもないが、ほとんど幸運だけでこれを確保。エーデルたちのチームは無事に一次試験を突破する。

二次試験

二次試験の内容は、「とある未踏の地下迷宮を最下層まで踏破する」というものだった。試験官は一級魔法使いのゼンゼで、迷宮内にはそれほど危険な魔物もおらず、比較的安全なものになるはずだった。
しかし、迷宮深部に敵対する者の精巧な複製を作り出す水鏡の悪魔（シュピーゲル）がいたこと、かつて勇者ヒンメルと共に魔王を討伐したエルフの魔法使いフリーレンも今回の試験に参加していたことで、安全だと思われていた二次試験は一気に危険度が跳ね上がる。フリーレンの実力は、今回の試験の参加者どころかすでに一級魔法使いの資格を得た者たちと比べても圧倒的に格上だった。

一次試験でチームを組んだ時のよしみで、エーデルはブライとドゥンストと共に迷宮に挑戦。水鏡の悪魔が生み出したゼンゼの偽者に襲撃され、「人間に似ているが人間ではない、つまり精神魔法が通じない。自分に勝てる相手ではない」と冷静に分析。ブライとドゥンストにフリーレンたちと合流してなんとか切り抜けるよう指示を出しつつ、「痛いのは嫌だ」と自身は早々にリタイアを決め込む。
何人もの魔法使いがここで離脱するも、フリーレンたちは協力して水鏡の悪魔が生み出した自身の偽物を撃破。1人1人に事前に渡されていた脱出用のゴーレムで一足先に脱出したエーデルは、次々とゴーレムに運ばれて迷宮から出てくる脱落者たちに「このゴーレムは優れものだ」と自分の手柄のように自慢していた。

黄金郷への挑戦

一級魔法使い試験後も魔法都市オイサーストで暮らし、同じ時に試験に挑戦して脱落したカンネやラヴィーネと新作の菓子パンの話題で盛り上がるなど平和な日常を謳歌する。そんな折、一級魔法使いのレルネンに「黄金郷のマハトを退治するのに力を貸してほしい」と依頼される。
マハトは魔王軍の生き残りで、その幹部である「七崩賢」の中でも最強とされる大魔族だった。マハトは領主に雇われる形で城塞都市ヴァイセで人間と共に長いこと暮らしていたが、ある時ついに彼らを裏切って領主と住民ごとヴァイセを黄金の塊へと変えてしまう。そのマハトの腕には、魔族の心を操る支配の石環という魔法の道具がつけられており、彼が人間に悪意を抱いた時点で自害を強いる契約を結ばせていた。レルネンは「支配の石環は機能不全を起こしている、これを修復すればマハトを支配できる」と考え、その修復をエーデルに依頼したのだった。

エーデルはレルネンの依頼を引き受け、共に黄金へと変えられたヴァイセへと向かう。そこで2人はマハトに襲われ、レルネンが応戦して時間を稼ぐ間にエーデルが支配の石環の修復を試みる。しかし、エーデルはすぐに「支配の石環は正常に作動している」ことを悟り、人間と精神構造の異なるマハトの心を人間が操ろうとすること自体に無理があったのだと結論する。
勝利のための策が根底から覆る中、なお猛然と襲い掛かるマハトを相手にレルネンが奮戦する中、エーデルは一瞬の隙を突いてマハトに接触。過去100年分の彼の記憶の全てを読み取り、人間のキャパシティを超えた情報を一気に受け取った反動で倒れる。「マハトの過去が分かれば倒す方法も見えてくる、十分な戦果を得た」と考えたレルネンは、彼女と共に本格的に撤退。後にこの情報はヴァイセの解放を目指す魔法使いたちによって分析され、マハトの攻略に多大な貢献を果たした。

エーデル（葬送のフリーレン）の関連人物・キャラクター

レルネン

大陸魔法協会の一級魔法使い。性格は穏やかで、自身を「臆病」だと称するが、一方で妙に好戦的なところがある。
黄金郷のマハトから城塞都市ヴァイセを奪還するため、エーデルに協力を求める。

メトーデ