一の瀬花枝(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

一の瀬花枝(いちのせ はなえ)とは漫画『めぞん一刻』に登場する人物である。オンボロアパート一刻館の1号室に旦那と息子の賢太郎と共に住んでいる中年女性である。他の一刻館の住人達とつるみ、主人公の五代と響子と三鷹の三角関係を揶揄った。噂好きであり、頻繁に彼等のプライベートを詮索しては、それを他の一刻館の住人達と面白がっている。噂好きな一方で、面倒見の良い面も持ち、五代と響子が結ばれた際には温かく受け入れている。酒豪で他の一刻館の住人達と頻繁に宴会を開き、日の丸扇子を両手に踊りを踊るのが常であった。

運動会を控えた賢太郎は、五代と響子に父母参加型の二人三脚競技への出場を要望する。賢太郎は何処でも酒を飲み、大騒ぎをする母の一の瀬に辟易していた。彼は酔った父母を衆目に晒す事を恥じ、五代と響子に出場を依頼したのである。2人はこれを承諾し、練習を始めた。

運動会当日、四谷の機転により一の瀬夫妻は酒を我慢して競技に出場した。尚、この間に五代と響子は子供達にアベックと間違われながら校舎裏で練習に励んでいる。一の瀬達は大活躍をして見事一等に輝いた。その後、一の瀬は五代が秘蔵していた酒を勝手に飲み、宴会を開いている。四谷は一の瀬に、競技で一等を取れば五代の酒が飲める事を条件に出していたのである。無論、四谷は五代に無断でこの取引を一の瀬に持ち掛けていた。この為、五代は秘蔵していた酒を勝手に一の瀬に飲まれてしまったのである。

五代からたかる

キャバクラで宴会をする一の瀬

五代は大学卒業後、就職活動に失敗して就職浪人となる。彼は「しいの実保育園」でバイトをする事になり、次第に保父(現在の保育士)の資格取得を目指すようになった。だが、不況による人員整理で保育園をクビになり、キャバクラで呼び込みとしてバイトをする事になった。その事を知らない響子は五代の為に手作り弁当を作ったりと、甲斐甲斐しく彼の世話をした。彼女の厚意により、五代はこの事を響子に言い出せず、そのまま密かにキャバクラで働き続ける。そこを偶然四谷が発見し、一の瀬、朱美を呼んで、そのキャバクラで宴会を始めた。そして口止め料として、その宴会費用を五代に奢らせる。一の瀬達の宴会は連日続き、五代の家計を締め付けた。最終的に、響子に五代がキャバクラで働いている所を見られた為、この宴会は終わりを迎える。

五代と響子を祝福する

五代一家を迎える一の瀬

五代と響子は結ばれ、一刻館の管理人室で共同生活を始める事になる。その際、一の瀬は管理人室の掃除を手伝っている。

五代と響子は結婚式を行い、一の瀬は他の一刻館の住人達と共に彼等を祝福した。

五代と響子は結婚後、一刻館の管理人室で共同生活を始める。そして時は流れ、彼等は娘の春香を授かった。出産を終え退院した響子と春香と共に一刻館に帰って来た五代を、一の瀬、四谷、朱美は温かく迎える。

一の瀬花枝(めぞん一刻)の関連人物・キャラクター

親族

一の瀬賢太郎(いちのせ けんたろう)

一刻館の1号室に住む一の瀬の小学生の息子。曲者揃いの一刻館で、比較的常識的な性格をしている。当初は響子に惹かれ、五代と張り合っていた。音無郁子(おとなし いくこ)と出会って以降は彼女に想いを寄せていく。郁子は響子の義理の姪である。賢太郎とは同い年でもある。だが、彼女は賢太郎の想いに気付かず、片思いであった。何処でも宴会を始めて大騒ぎをする母親の一の瀬に頭を痛ませており、距離を取ろうとしている。父母参加型の運動会競技で、賢太郎は父母の代わりに五代と響子に代役を頼んだ程である。

賢太郎は物語序盤から中盤にかけて登場していたが、次第に出番が無くなっていく。最終話の結婚式の際、高校生となった彼が再登場し響子と五代の結婚式の受付を行っていた。

高校生となった賢太郎は母親譲りで背が低く、その事を想い人の郁子にからかわれている

一の瀬の旦那

一刻館の1号室に住む花枝の旦那。物語中盤まで「仕事時間の関係で、一刻館の住人達の活動時間帯と合わない」という理由で登場していなかった。会社をリストラされた為、活動時間が変わった事により登場する。気弱で腰が低く、花枝の尻に敷かれている。妻の花枝ほどではないが、酒豪であった。

元々、花枝とは会社の同僚で、本人は別の女性に好意を寄せていた。だが、宴会の席で意中の女性は他の同僚男性と結婚する事が発覚してしまう。その時、花枝から飲み比べ勝負を申し込まれ、勝ったら彼女と結婚する事になる。失恋直後の彼は、半ば自暴自棄で彼女との勝負を受けた。当人は負けるつもりであったが、花枝が先に酔い潰れてしまい、彼女と結婚する事になってしまう。実はこの時、花枝は先に酔い潰れたフリをしており、最初から彼と結婚するつもりであったのである。結婚後、一刻館の1号室に住み、花枝との間に息子の賢太郎をもうけた。強引な結婚ではあったものの、彼は結婚に満足している。

リストラされた直後は花枝からどやされており、平謝りしている様子が描写されている。その後、就職浪人となった五代と共に職を探していた。

一刻館の関係者

五代裕作(ごだい ゆうさく)

一刻館の5号室に住む優柔不断で奥手な青年。本作の主人公でもある。登場初期は浪人生であり、彼が引っ越して来たその日に、一の瀬は他の一刻館の住人達と共に、彼の部屋で大宴会を開いている。

五代はその性格から、一の瀬を始めとした他の一刻館の住人達にいじられていた。「一刻館の中で一番物が少ない」という理由で、一の瀬達は5号室で頻繁に宴会を開く様になり、五代は辟易している。住人達の騒々しさに耐えかねた彼は一刻館を出ようとした所で、管理人として赴任してきた響子と出会う。この時、彼女に一目惚れし、一刻館に居続ける事を決意した。以降、響子へアプローチを仕掛けていき、一の瀬達一刻館の住人はそれを揶揄っている。

五代が大学に合格した後、響子は一の瀬の誘いでテニスクラブに通い始め、三鷹瞬(みたか しゅん)と出会う。その際には猛烈な対抗意識を燃やしていた。三鷹は婦人向けテニスクラブでコーチをしているイケメンで資産家の御曹司の男性である。三鷹も響子を好きになり、三角関係が形成された。一の瀬はこうなる事を予想して、響子をテニスクラブに誘ったのである。一の瀬達一刻館の住人はこの三角関係を面白がり、以降は何かと茶々を入れては酒の肴にしている。

五代は七尾こずえ(ななお こずえ)からアプローチを受ける事になった。七尾は五代とは別の大学に通う同学年の女子大生である。彼と同じ酒屋のバイトで働いていた事があり、互いに面識があった。響子は五代と七尾の関係にヤキモキし、事ある毎に嫉妬しては不機嫌になって彼を困らせていた。また響子は、内心では五代が自分に好意を向けてくれる事を嬉しく思っていたため、彼が他の女性と交友を持つ度に嫉妬し、不機嫌になっている。彼はその度に彼女の誤解を解こうと奔走し、それに一の瀬達一刻館の住人が茶々を入れる事でトラブルが更に大きくなってしまう。

一刻館の電話は響子の部屋と1階の廊下に設置されており、五代は電話をする際にはそのどちらかを利用している。一の瀬の部屋は1階の為、一の瀬は彼の電話によく聞き耳を立てていた。

五代は響子と結婚し、娘の春香を授かる。出産を終え、春香を抱く響子と共に一刻館に戻って来た五代を、一の瀬達一刻館の住人は温かく迎え入れた。

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音無響子(おとなし きょうこ)

本作『めぞん一刻』のメインヒロインの美しい未亡人の女性。新しい管理人として住み込みで一刻館にて働き始めた。彼女から一の瀬は四谷、朱美らと共に「非常識な人物」として認識されていた。

五代とは付かず離れずの微妙な関係であり、一の瀬達一刻館の住人はこれを面白がっていた。

一の瀬の勧めで婦人向けテニスクラブに通い始め、そこでコーチをしている三鷹に見初められる。以降、五代と三鷹は響子を巡る熾烈な恋のバトルを繰り広げた。一の瀬達一刻館の住人はこの三角関係を面白がっており、頻繁に茶々を入れては、関係を複雑にさせている。主に一の瀬が、響子、五代、三鷹の会話や電話から、彼等の動向を調べ上げ、その情報を一刻館の住人や響子、五代、三鷹のいずれかに流していた。一の瀬は響子の部屋である管理人室と隣接しており、頻繁に彼女の部屋に押し掛けては三角関係の情報を聞き出そうとしている。

五代は作中で七尾を始めとした複数の女性と交友を持ち、その度に響子は嫉妬で不機嫌になってしまう。一の瀬達一刻館の住人達はこの事も面白がっていた。一の瀬は主に五代と七尾の関係を響子に流し、彼女を不機嫌にさせている。また、逆に「五代が七尾にプロポーズをした」と誤解し、一刻館を出て行った響子に事情を説明して誤解を解いた事もある。

響子と五代の結婚が決まってからは、一の瀬は響子の部屋の掃除を手伝ったりと何かと世話を焼いている。

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