ブラッククローバー（ブラクロ）の黒の暴牛まとめ

いつの頃からかは不明だが、副団長のナハトはスペード王国に潜入し、調査を行っていた。この任務は魔法帝ユリウスも知っていたが、ナハトが悪魔憑きだということまでは知らなかった。
悪魔の力でスペード王国に尻尾を掴ませずに潜入していたナハトは、スペード王国の情勢を知ることや、王国内のレジスタンスと協力体制を築くことができた。ナハトの情報が、スペード王国突入の際に大変役に立った。

ゴーシュの加入

ゴーシュは黒の暴牛に入団する前、たった1人の家族である妹を養うために泥棒や強盗などの犯罪を犯していた。そのせいで一度は捕まってしまう。妹のために脱獄するが、それを追ってきたのはヤミだった。脱獄囚を捕まえる任務の中でゴーシュの境遇を聞いていたのかは不明だが、彼の「妹が待ってんだ」のつぶやきに、ヤミは「ウチの団で働いて妹養えよ」と勧誘する。ゴーシュが「妹のことしか考えない」と言ってもそれでいいとあっさりと受け入れる。こうしてゴーシュは黒の暴牛に所属することになった。

悪徳魔法騎士の退治とダークヒーロー

ゾラの父親は魔法騎士だった。しかし下民である彼を疎んだ貴族の同僚たちに疎まれた末に謀殺されてしまった。そのことを知ったゾラはそれ以来権力を悪用して横暴に振舞う魔法騎士を嫌うようになり、民衆を苦しめる悪徳魔法騎士を見つけ出して退治する活動を行っていた。
彼の活動は私怨だったが、魔法騎士団内部の腐敗分子を刈り取る憲兵のような役割を負っていたために、魔法帝ユリウスはこれを認めていた。そんな時、ゾラの行動を面白がったヤミが現れる。ゾラはヤミに黒の暴牛のローブを押し付けられたが、それを着ることはなかった。しかしその後も悪徳魔法騎士の退治を続けており、結果的に黒の暴牛の任務のようになっていた。

イノシシ狩り

アスタが初めて与えられた任務が「イノシシ狩り」であった。依頼者は下民が暮らす「恵外界」のソッシ村の村長。しかしソッシ村を訪れると村が霧に覆われており、村人たちは何者かによって処刑されようとしていた。アスタは一緒に任務を行うノエルやマグナと共に、村を襲う者たちを撃退する。この任務でノエルは魔力のコントロールに成功する。しかしまだ防御魔法のみで、攻撃魔法などのコントロールはできなかった。またマグナは下民でありながら騎士団に入団できたことである程度の満足感を覚えていたが、どんなに傷ついてもあきらめず敵に向かっていくアスタを見て、己の考えを改め、先輩としてアスタに負けないよう奮起していく。さらにこの任務以降、アンチドリの姿をしているネロがアスタについていく姿が明確に描かれるようになった。

「魔宮」の探索

無事に初任務を成功させたアスタは、魔法帝・ユリウスから直々に「魔宮」の探索の命を受けた。魔宮（ダンジョン）というのは過去の人間達が遺した、遺物が眠る場所だ。一緒に任務を挑むのはノエルとラック。またアスタたちとは別に、ユノがいる金色の夜明けも魔宮の探索の任務を受けていた。
しかし魔宮には敵対国家・ダイヤモンド王国の魔導士も侵入しており、アスタやユノたちと激しい戦いを繰り広げる。ラックは当初、1人で魔宮の中を突き進み、ダイヤモンド王国との戦闘も1人で勝つことにこだわっていたが、自分を助けるアスタの姿に、「自分にも頼っていい仲間ができた」と実感し、協調性を持ち始める。そしてアスタやラック、ユノたちは力を合わせて敵の無力化に成功した。しかし宝物庫を見ていたところ、無力化したはずの敵が突如として覚醒。アスタたちはピンチに陥る。敵に吹き飛ばされたアスタは、そこで反魔法の剣を発見した。魔導書を得た時に発現した断魔の剣（だんまのつるぎ）に続く、2本目の反魔法の剣・宿魔の剣（しゅくまのつるぎ）だ。アスタはこの剣でノエルの魔力を吸収し、斬撃を放つことで敵を倒すことに成功した。
こうしてダイヤモンド王国の魔導士を退けることができたアスタたちだったが、魔宮は崩れ、宝物の一部は彼らに回収されてしまった。
この任務を経て、ミモザはアスタに対して好意を持つようになる。同じくアスタに好意を持つノエルは、それを目の当たりにして激しく動揺する。

フエゴレオンの代行

アスタたちが魔宮に旅立ったころ、ヤミは紅蓮の獅子王のフエゴレオンの代行として魔法学校の一日先生の任務にあたったことが、小説版で語られている。そこでヤミはマグナと共に、魔法学校に潜入していたダイヤモンド王国の諜報員を逮捕する。

ガレオたちの襲撃

魔宮の攻略から3日後、ダイヤモンド王国のファンゼルが変質者と間違われてヤミに捕まる。その後、ファンゼルを捕まえようとしたダイヤモンド王国のガレオが黒の暴牛のアジトに襲撃してくる。団員たちはアジトを守り、ガレオたちを全滅させた。

王都防衛

魔宮での任務の功績が認められたアスタたちは騎士団員戦功叙勲式に参加することに。そこで9つの魔法騎士団から選ばれた優秀な騎士たちが集まるが、そんな中、王都が何者かに襲撃されていると一方が入る。アスタたちは他の団の騎士たちとも力を合わせて王都を襲撃した白夜の魔眼というテロ組織と戦う。ノエルは当初、兄や姉に「役立たず」と言われたことが気にかかり、力を発揮できなかったが、紅蓮の獅子王の団長フエゴレオン・ヴァーミリオンの言葉で力を取り戻し、得意の防御魔法で市民を守った。
戦いは騎士団の優勢で進んだが、白夜の魔眼の手によって黒の暴牛と紅蓮の獅子王以外の騎士が王都から離れた場所に転移させられ、フエゴレオン・ヴァーミリオンが重傷を負ってしまう。飛ばされた騎士たちが戻ってくると同時にアスタが白夜の魔眼によって拉致されるものの、魔法帝ユリウスによって助けられた。ユリウスは白夜の魔眼を捕らえようとするが、頭首と思われる人物の介入もあり、1人しか確保できなかった。
また実はチャーミーがこっそりアスタについていっており、白夜の魔眼の1人を捕らえるのに一役買った。その功績もあってチャーミーは一等下級魔法騎士に昇格。そして食べ物を守ってくれたユノを「救食の王子」と呼んで好意を抱くようになる。

消えた子どもたち

休暇をもらったアスタはゴーシュは、村の子どもたちが誘拐されるという事件に遭遇する。その中にはゴーシュの妹のマリーも含まれていた。アスタたちは騎士団に応援を要請し、自分たちは誘拐犯を追う。誘拐犯の正体は白夜の魔眼だった。ゴーシュは当初、妹のマリーだけを救出するつもりだったが、彼女だけを連れて逃げたところ、そのマリーからの説得を受け、戦いの場に舞い戻る。そこで見たのは、1人になっても懸命に子どもたちを守るアスタの姿だった。アスタの行動と言葉にコンビネーションを覚えたゴーシュは新たな魔法を発動させ、敵を倒すことに成功した。
しかしそこに白夜の魔眼の頭首が現れる。一転してピンチに陥るアスタたち。そこに現れたのは要請を受けてやってきたヤミだった。アスタはヤミから生体エネルギーの総称「氣」の使い方を教わり、頭首相手に善戦する。そしてあとからやってきた他の団の団長たちと共に、白夜の魔眼を撤退に追い込んだ。

強魔地帯「海底神殿」

王都襲撃の際に捕らえた白夜の魔眼から、騎士団の中に裏切者がいることが明らかとなった。さらに白夜の魔眼が各地に散らばる魔石に執着していることが判明する。魔法帝ユリウスはしがらみに囚われない黒の暴牛に、様々な魔法現象が起きている強魔地帯の1つ、海底神殿にある魔石の回収へと向かわせる。ヤミ、アスタ、ノエル、フィンラル、マグナ、バネッサ、ラック、ゴーシュ、チャーミー、グレイの10人での任務となった。
海底神殿は文字通り、海の底にある神殿だ。たどり着くには水魔法が必要不可欠だった。まだ防御魔法しかコントロールできなかったノエルは、修行と仲間の応援によって「海竜の揺り篭」という魔法をマスターする。無事に海底神殿にたどり着いた一行だが、そこで神殿の長の提案で魔石を賭けて神官魔導士たちとバトルロワイヤルをすることになった。しかしそこへ白夜の魔眼の幹部「絶望のヴェット」が乱入。バトルロワイアルにヤミが参加していなかったため、黒の暴牛の団員たちはヤミ抜きで戦うことを余儀なくされてしまうものの、アスタ・フィンラル・バネッサの3人の連携で勝利を収めた。特に強敵相手だとまず逃走を考える傾向にあったフィンラルの成長はめざましく、空間魔法の瞬発力と正確さを存分に発揮することができるようになった。その後神殿の長から魔石を譲り受け、無事に任務を達成する。

アスタの治療と魔女の森

ヴェットとの戦いで呪術魔法に侵されたアスタの両腕は使い物にならなくなってしまった。今までアスタの前向きさに救われてきた黒の暴牛の団員は、各々アスタの腕の治療法を求めて各地に散らばった。そんな中、魔女の森出身のバネッサは故郷に戻り、長である魔女王に治療を願い出る。同じころ、ダイヤモンド王国から魔導士たちが亡命をしてきた。バネッサはノエルやアスタと合流するが、魔女の森にダイヤモンド王国軍と白夜の魔眼の幹部が襲来する。
魔女王はこれを退けるべく、アスタの両腕を治療する。しかしアスタたちはダイヤモンド王国の精鋭・八輝将のラドロスに敗北してしまう。そこで魔女王はアスタの反魔法の枷を外し、彼をブラックアスタと呼ばれる反魔法の剣のエネルギーを体内に廻らせた状態に覚醒させる。その力は凄まじく、ラドロスを撃破した。
しかしその直後、その後魔女王はアスタを操り、黒の暴牛の団員を襲わせる。魔女王の目的はアスタの反魔法の力とバネッサの身柄だったのだ。操られ仲間を殺しそうになるアスタだったが、土壇場でバネッサの触れた対象者の運命を術者の良いほうに変える「運命の赤い糸」という魔法が覚醒する。この力でアスタを魔女王の力から解放し、黒の暴牛は事なきを得た。魔女王も敗北したことで諦め、持っていた魔石を黒の暴牛に渡し、バネッサの出奔を許した。

エルフの襲撃

度重なる白夜の魔眼の襲撃に、クローバー王国は彼らの撃滅に動き出す。各騎士団から選ばれた王撰騎士団（ロイヤルナイツ）が白夜の魔眼のアジトの襲撃を決行したのだ。黒の暴牛からはアスタ、ノエル、ゾラ、ラックが選ばれる。一方、黒の暴牛のアジトは白夜の魔眼の襲撃を受ける。残ったゴーシュ、グレイ、ゴードンは苦戦するものの、アジトを住みかとするヘンリーが魔法でアジトを動かし、白夜の魔眼を蹴散らした。これ以降、ヘンリーは黒の暴牛の一員として正式に認められることになる。
白夜の魔眼の襲撃をしていた騎士たちだったが、白夜の魔眼によって一部がエルフという種族の転生体として利用される。転生したエルフたちはクローバー王国に牙をむく。アスタはエルフにならなかった他の団員と合流し、襲撃を受ける王都を目指した。
エルフ転生の器とされた者の中には、ゴーシュやラックといった黒の暴牛の面々も含まれていた。同士討ちを強いられるが、ゴードンやグレイ、マグナたちの活躍と、アスタが獲得した新しい反魔法の剣「滅魔の剣（めつまのつるぎ）」により転生魔法が解除されて元の人格に戻った。これにより今まで以上に黒の暴牛の団結が深まった。
フィンラルの弟もまた、転生魔法によりエルフになっていた。フィンラルは異母弟のランギルスに劣等感を抱いており、王撰騎士団選抜試験では彼に瀕死の重傷を負わされていた。しかしエルフとなった弟の前に立ちはだかり、ヤミや翠緑の蟷螂団長のジャックと共闘して彼を助ける強さを見せた。
またノエルはエルフに勝利するため、兄たちの前で「海神戦乙女の羽衣鎧（ヴァルキリードレス）」という母アシエと似た姿になる魔法を発現。長兄ノゼルとの和解を果たした。

激化する人間とエルフの戦い、そしてさらに広がる2種族の間の溝。しかし実はエルフ族が人間に対して憎しみを抱くようになった500年前の出来事は、悪魔ザグレドの仕業だった。ザグレドは白夜の魔眼の頭首パトリを利用して、不完全ながらも受肉を果たす。パトリは絶望して憎しみや怒りといった負の感情に支配され、ダークエルフとなってしまうが、アスタの説得により我を取り戻した。
ザグレドが受肉を果たしたのと時を同じくして、アンチドリの姿をしたネロは初代魔法帝ルミエルの封印を解く。それと同時に自身も元の姿に戻り、ザグレドとの決戦に臨む。そしてアスタやユノ、パトリやエルフ族の長リヒト、ルミエルなどが力を合わせ、ついにザグレドを撃破した。

悪魔調査