ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の概要

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』とは、任天堂のゲーム『スーパーマリオ』シリーズを原作としたコンピュータ・アニメーション映画。任天堂とユニバーサル・ピクチャーズが共同出資し、任天堂と『怪盗グルー』や『ミニオンズ』を手掛けるアメリカのアニメーション制作会社・イルミネーションが共同で製作。ユニバーサル・ピクチャーズが配給を行った。

映画の公開は、アメリカやカナダなどの海外で2023年4月5日からスタート。その他の国でも順次公開が始まり、日本での公開開始はほぼ最後の2023年4月28日だった。日本での公開が始まる前に海外での興行収入がほぼ10億ドルに達しており、世間の話題を大いに集める。日本では公開直後GW（ゴールデンウィーク）に突入した関係もあり、公開から3日間で興行収入は20億円近くにのぼった。

映画内には、ゲーム『スーパーマリオ』シリーズに登場する様々なキャラクターやワールド、アイテムが登場。歴代の『スーパーマリオ』のゲームを楽しんできた大人から、近年の『スーパーマリオ』シリーズのゲームを楽しむ子供まで、幅広い世代の人々が楽しめる内容になっている。

ブルックリンに住む双子のマリオとルイージは、務めていた会社を辞め、二人で配管サービス「スーパーマリオブラザーズ」を立ち上げた。しかしなかなか仕事がうまくいかず、父親や二人の叔父に馬鹿にされる日々が続く。そんな時、ブルックリンの地下の配管が破損。市街地が水浸しになるという事態が発生した。そのニュースを見たマリオは、自分達の名前を売るチャンスだと考え、ルイージと現場へ向かう。そしてブルックリンの地下で不思議な土管を発見した。ルイージが土管に吸い込まれ、マリオはそれを追いかけて土管に飛び込む。一度は手を取り合った二人だが、ワープの勢いに揉まれて離れ離れになってしまった。マリオはキノコ王国という場所にたどり着き、大切な弟のルイージを探し助けるために冒険を始めるのだった。

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のあらすじ・ストーリー

スーパースターを手に入れたクッパ

氷に覆われたペンギン王国に、突如としてやってきたのは、カメ族の大魔王・クッパが支配する飛行要塞だった。クッパの狙いは、ペンギン達の城にある強力なパワーアップアイテム「スーパースター」。ペンギンの王様や兵士達はクッパ軍団に抵抗するが、クッパ軍団の兵士であるノコノコやパタパタなどに敗れ去る。クッパはペンギン達の城を破壊し、「スーパースター」を手に入れ、逆らったペンギン達を投獄するのだった。

ワープしたマリオとルイージ

ブルックリンに住む双子の兄弟マリオとルイージは、前職を辞し、二人で新たに配管サービス「スーパーマリオブラザーズ」を立ち上げた。大金を払ってCMも製作。しかしなかなか仕事はうまくいかなかった。二人の母親はCMを絶賛し、マリオ達を応援してくれたが、前職の上司であるスパイクや父親、2人の叔父のトニーとアーサーはマリオ達を何をやってもダメなやつだと馬鹿にする。

そんなある日、ブルックリンの地下の配管が破損し、市街地が洪水になるという事態が発生した。マリオはそのニュースを見て、自分達の名を売るチャンスだと考える。マリオはルイージと共に配管を修理しようと無許可でブルックリンの地下に降り立った。しかしそこでも失敗。マリオとルイージは下水道のさらに地下深くへと落ちてしまった。そこで二人は不思議な土管を見つける。その土管は不思議な魔法の世界にワープする土管だった。先に吸い込まれたルイージを助けようとマリオも急いで土管に飛び込む。マリオはルイージになんとか追いつくことができ、二人はしっかりと手を取り合った。しかしワープの勢いに揉まれてマリオとルイージの手は離れてしまい、別々の場所へとワープしてしまうのだった。

キノコ王国に迷い込んだマリオ

マリオがたどり着いたのは、巨大なキノコが群生する場所だった。キノコが大の苦手なマリオは、鬱蒼と茂る巨大なキノコを見て顔を歪める。それでもルイージを探してすぐに歩きだした。そしてマリオは、キノピオというこの世界の住人と出会った。キノピオはマリオにこの場所がキノコ王国という国であることや、ダークランドの大魔王クッパがキノコ王国を滅ぼしにやってくることを教える。それを聞いたマリオは、キノピオに弟のルイージを探していることを伝えた。マリオから事情を聞いたキノピオは、ルイージがダークランドに飛ばされた可能性が高いと考える。そしてルイージを救う助力を仰ぐため、キノピオの案内でキノコ王国を治めるピーチ姫が住むピーチ城を目指すことになった。

一方、ダークランドに飛ばされたルイージは、不気味な景色に震えながらマリオを探す。その途中、カメのガイコツ兵・カロンや、豚のような鼻をしたコウモリ・バットンに襲われる。ルイージは無我夢中で逃げ、古びた廃城へと駆け込んだ。扉に錠をして、安堵したのも束の間、ルイージは、城にいたクッパの部下である不気味な仮面をつけた小人・ヘイホーに捕まってしまう。そしてクッパのいる飛行要塞に連行された。そこでルイージはクッパと対面。クッパは事前に側近のカメックから、大好きなピーチに近づくマリオの情報を得ていたため、ルイージを尋問してマリオの情報を吐かせる。そしてルイージを牢獄へと閉じ込めた。

ドンキーコングとマリオの決闘

マリオはキノピオの案内で城に到着し、なんとかピーチ姫に会うことができた。その時、ピーチ姫はクッパ軍団を迎え撃つ準備をしているところだった。会議でキノピオ将軍やキノピオ（黄色）達と話し合い、コング族と同盟を結ぶことを決意。単身コング族の住むジャングル王国へ向かおうとしていた。マリオはピーチ姫にダークランドにいるルイージを救うために手を貸してほしいと依頼する。そんなマリオの実力を測るために、ピーチ姫はトレーニングコースでマリオを試した。ピーチ姫は、自身でまずトレーニングコース攻略の手本を見せ、不思議な力が得られるアイテム「スーパーキノコ」などが手にい入るハテナブロックについて教えた。マリオは何度もトレーニングコースに挑戦するが、何度も失敗。ピーチ姫も諦めかけ、やがて眠ってしまった。その間もマリオは夜を徹して訓練に励む。そしてピーチ姫から合格をもらい、ピーチ姫とキノピオの3人でジャングル王国へと向かった。

ジャングル王国へ辿り着いたマリオ達は、ジャングル王国の国王クランキーコングに謁見する。しかしクランキーコングはピーチ姫からの同盟を断り、自分の息子であるドンキーコングを倒すことができれば、同盟を結ぶと約束した。マリオとドンキーコングは闘技場ステージで一騎打ちをする。しかし、屈強なゴリラであるドンキーコングにマリオは手も足も出ない。何度も殴られ、投げ飛ばされるマリオ。終いには「スーパーキノコ」と思って、身体が豆粒ほど小さくなってしまう「マメキノコ」を食べてしまい窮地に陥る。しかしマリオは諦めなかった。「スーパーベル」というアイテムを手に入れて”ネコマリオ”になったマリオは、俊敏な動きでドンキーコングを翻弄。そして勝利するのだった。

レインボーロードでの死闘

約束通りドンキーコングを倒すことができたので、クランキーコングはピーチ姫の同盟の要請に応えた。刻一刻とキノコ王国に迫るクッパ軍団との戦いのため、クランキーコング達はカートを作り、レインボーロードを通ってキノコ王国まで近道をすることにする。しかしクッパは、キノコ王国がジャングル王国と同盟を結んだことを逸早く察知。レインボーロードでマリオ達に奇襲をかけた。ノコノコ大将率いる大軍との戦いになんとか耐えるマリオ達。しかしノコノコ大将の突貫攻撃でレインボーロードを破壊されてしまった。ピーチ姫とキノピオは無事に渡り切ることができたが、マリオとドンキーコングは海に落ちてしまい、それにショックを受けていたコング軍団はクッパ軍団にことごとく捕らえられてしまう。

ピーチ姫は帰国後すぐに住人達に避難勧告を出した。そして間もなく、クッパ軍団の飛行要塞がキノコ王国に到着する。クッパは、意を決してピーチ姫に結婚を申し込んだ。「スーパースター」を手に入れたのも、ピーチ姫へのプロポーズを成功させるためだったのだ。しかしその甲斐虚しく、クッパはピーチ姫にフラレてしまう。クッパは側近の魔法を使い・カメックにキノピオを拷問させた。ピーチ姫はキノピオを助けるために仕方なくクッパと結婚することを決めた。

一方、海に落ちたマリオとドンキーコングは、巨大なウツボに食べられてしまっていた。脱出するすべがなく、二人は自暴自棄になりかける。しかし一緒に飲み込まれたドンキーコングのカートについているミサイルが壊れていないことに気づき、ミサイルに乗ってウツボの中からの脱出に成功した。そしてピーチ姫とクッパ、ルイージのいるクッパ軍団の飛行要塞に急ぐのだった。

クッパとピーチ姫の結婚式

クッパ軍団の要塞では、盛大な結婚式の準備が進んでいた。参列者の席にキングテレサやボムキングがやってくる。ピーチ姫はドレスに身を包み、入場まで待機していた。そこへキノピオがブーケを持ってやってくる。そのブーケの中には「アイスフラワー」というアイテムが紛れ込ませてあった。入場したピーチ姫は、「アイスフラワー」を使ってパワーアップ。結婚式への貢物として処刑されそうになっていたルイージやコング族、ペンギン達を助けるべく奔走し、クッパを氷漬けにした。クッパはピーチ姫が自分のものにならないことに大激怒。意思を持つ巨大な大砲の弾・マグナムキラーを発射し、キノコ王国を滅亡させようとした。

その頃、ミサイルで巨大ウツボの中から脱出したマリオとドンキーコングがキノコ王国の市街地に到着。アイテムを手に入れながら、市街地の敵を蹴散らして、飛行要塞へと向かった。マリオは「スーパーこのは」を使って飛行能力を持つタヌキスーツ姿へと変身。ルイージ達を助け、キノコ王国消滅を阻止しようと、マグナムキラーを追いかけた。マグナムキラーに並走し、マリオはマグナムキラーの標的をキノコ王国から自分に変更させることに成功。そしてマグナムキラーを自分達が通ってきた土管へ誘導した。マグナムキラーは土管に吸い込まれて異空間で大爆発。キノコ王国は消滅を免れた。

しかし、異空間で大爆発が起こったことにより、土管のワープ機能が暴走を始めてしまう。ピーチ姫達やクッパ軍団、クッパの飛行要塞が土管に吸い込まれてブルックリンへとワープしてしまうのだった。

ブルックリンでの決着

突然地下から巨大な要塞や奇妙な生き物が現れて、ブルックリンの町は混乱に陥った。

マリオは結婚式を台無しにされたことに怒るクッパに何度も攻撃を食らう。ブルックリンの町の人々が見守る中、ピンチに追い込まれていくマリオ。しかしマリオは諦めずに、ルイージと共に「スーパースター」に手を伸ばす。間一髪のところで「スーパースター」を手に入れることができたマリオとルイージは、無敵状態になってクッパ軍団を蹴散らし、クッパを倒すことに成功した。マリオブラザーズに敗れたクッパは、「マメキノコ」を食べさせられて小さくされ、罰として瓶の中に閉じ込められる。マリオとルイージの活躍を見ていた二人の両親やブルックリンの町の人々は、マリオブラザーズの勇姿を称え、ヒーローとして賞賛する。

平和になった後、マリオとルイージはキノコ王国に移住。そこで二人仲良く、配管業を続けるのだった。

ヨッシーの卵（ポストクレジットシーン）

ブルックリンのどこかの地下では、ヨッシーの卵が孵ろうとしていた。

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の登場人物・キャラクター

主人公

マリオ

CV：クリス・プラット
日本語吹き替え版：宮野真守

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の主人公の一人。双子の弟ルイージとブルックリンで配管業サービスを立ち上げた。ドジな面があり、肝心なところでいつも失敗。そのことを家族や元上司に馬鹿にされていた。しかし弟思いで、臆病な性格のルイージを守る勇敢さがある。作中ではルイージを助けるために、何度も諦めずに立ち上がる姿が描かれた。ゲーム『スーパーマリオ』シリーズ同様、様々なアイテムを使って戦う。