ENDER LILIES: Quietus of the Knights(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』とは、2021年6月にBinary Haze Interactiveから発売された2D横スクロール型アクションゲームである。ソウルライクとメトロイドヴァニアの要素を持つ本作はいわゆる「死にゲー」と呼ばれるジャンルで、難易度が高いためトライアンドエラーを繰り返しながらクリアを目指していくのが特徴。
死の雨によって滅んだ果ての国を舞台に、地下で目を覚ました少女・リリィが謎の黒衣の騎士と共に果ての国の謎に迫っていく。

本作の主人公の少女。白巫女と呼ばれる穢れを浄化する力を持った一族の末裔。物語冒頭で「死の雨」によって朽ちた白の教区の奥深くで目を覚ました。目を覚ました当初は記憶がない状態であった。言葉を話すこともできない。性格はお人好しで好奇心旺盛。
目を覚ました後は黒衣の騎士と協力して、果ての国と白巫女の真実を知っていく。すべてを知り、フリーティアを浄化したあとは、黒衣の騎士と共に生きていくこととなった。

浄化の力を持っているため穢者(けもの)を救うことができるが、浄化をするごとに身体の内に穢れが溜まっていき、見た目が変化する。最初は白い肌に白い髪といった、純白を思わせる姿をしているが、浄化を重ねるたびに髪が赤黒く染まり、穢れの肉腫が体から生えて、肌や白目の部分が黒色に変わってしまう。ボスを浄化することで、その力を借りて強くなるが、リリィ自身の肉体面が強くなることはない。

Aエンドでは国や白巫女についての真実を知ることなく、抱えていた穢れをフリーティアに浄化してもらい、さらに黒衣の騎士と別れて国を出て行った。Bエンドではフリーティアと共に、彼女のため込んだ穢れを浄化することを決意して、穢れに身を沈めた。Cエンドでは輝く護りの宝具の力を借りることでフリーティアを救うことに成功して、「死の雨」を終わらせた。しかし、体を巣食っていた穢れは残っているため、肉腫などが体に残っている。

古き民の巫女であるエルドレッドの血縁者。エルドレッドは黒衣の騎士と不死契約を交わした人物であり、その血縁者であるリリィは黒衣の騎士の不死契約を受け継いでいるため、額に契約の紋章が刻まれている。

実は、フリーティアを元にして人工的に造られた存在。リリィの他にも「リリィ」が複数人いる。

リリィの仲間

黒衣の騎士

ボロボロの黒衣を纏った不死の騎士。目が覚めたばかりのリリィを守るように力を貸してくれる。果ての国の騎士の纏う鎧とは異なる物を身に着けているなど謎の多い人物。寡黙であるため、あまり自身のことを喋ることはない。道中では言葉を話せないリリィの代わりに、説明をしてくれることが多い。

正体は、かつて果ての国のある土地に住んでいた古き民の生き残り。「死の雨」が降るとともに、地下深くで長い眠りから覚醒し、リリィの元を訪れた。古き民の巫女であるエルドレッドと不死契約を交わしたことで肉体を失う形で不死となっている。また、この契約のおかげで魂が穢れることがなかったため、正気を保っている。不死契約は巫女の血を継ぐ子どもに継承されるため、代々に渡る守護者の役割がある。
黒衣の騎士は果ての国の軍勢との戦争の際に、妻・エルドレッドと不死契約を交わして彼女との子供を守ろうとしたが、「子供は奪われてしまった」と語っている。その後、契約を継ぐリリィを見つけた際には、守るもの(子供)を失ってしまったことから、不死を終わらせるためにリリィを手にかけることも考えたが、リリィの生き様を見てやめた。黒衣の騎士とリリィは血縁者にあたる。

不死契約によって映し出される魂の姿は肉体の死の瞬間であるため、戦争の最中に契約を交わした黒衣の騎士の姿はボロボロとなっている。

メインボス

守り人シーグリッド

守り人の女性。白の教区にて「リリィ」の1人を守護していた。細身の体に似つかわしくない鉄球を振り回す豪快な戦い方を得意としている。優しい性格であったようで、「リリィ」とも仲良くしていた。「死の雨」が降った際には「リリィ」を守るために戦ったが、穢れに染まる中で終には守るべき「リリィ」に襲い掛かってしまう。これは、穢れに飲み込まれる瞬間まで、どんな敵も聖堂の奥には行かせないという狂気にも似た思いの強さだけが残った結果である。

元は戦争孤児でシルヴァとは姉妹である。幼少期は仲の良い姉妹であったが、守り人になるための修行のなかで仲違いしてしまった。シーグリッドはフリーティアの守り人になることを望んでいたが、その座をシルヴァに奪われてしまったことが決定打となり、シルヴァを完全に嫌うようになった。力を強化する霊薬を服用していたためか、背中から骨の翼が生えている。

設定資料によると、ポニーテールをしている模様。

老戦士ゲルロッド

王城一の騎士、さらには崖の村の英雄である巨躯の戦士。かつては王城で騎士長を務めていたが、穢者との戦闘で負傷したのをきっかけにユリウスに騎士長の座を譲った。後の双子城砦の防衛線にて命を懸けて不死騎士となり、戦線に復帰した。勝利を収めたあとは崖の村に戻ったが、村人たちは穢れを取り込み不死となったゲルロッドを温かく迎えることはなかった。村人たちの穢者を見るような怯えた視線にさらされて、孤独な生活を送っていた。しかし、その中であっても、自身の浄化に来てくれる白巫女、さらに「リリィ」の姿に、子供たちが笑顔で暮らせる国を思うなど、慈愛に満ちた性格をしていた模様。

巨躯の体にふさわしい巨槌を扱う。ゲルロッドの身に着けている甲冑は崖の村の英雄が身に着けていた伝統衣装である。王城の騎士時代は王の盾の甲冑に似た物を着用していた。

魔女イレイェン

魔術協会に属する天才魔術師。幼くして天才魔術師として魔術協会で持て囃されていたが、友を作ることができず孤独にいた女性。周囲の期待と孤独に苛まれる中、似た境遇にいたフリーティアと意気投合して、初めての友となる。フリーティアのことを常に気にかけており、白巫女の背負う穢れの苦しみを軽減するための魔道具を研究、開発していた。
フリーティアのための研究は同じ魔術師のファーデンとミーリエルと共に行っていたが、やがてファーデンとは方向性の違いから道を分かれることになった。後に、ファーデンとミーリエルが恋人関係にあることを知った際は、寂しさを感じていた。
仲の良いフリーティアも白巫女の責務が忙しいために、なかなか会えずにいたため孤独が埋まらずにいた。

魔術の天才であるため、杖を振るうことで魔法弾を生み出すことができる。実は杖は手ではなく、髪の毛で掴み使用している。

騎士長ユリウス

果ての国の城砦を守る騎士団の騎士長。不死の霊薬を最初に飲んだ初めての不死騎士。暗部のヘニールの妹と王との間に生まれた落とし子。生まれて間もなく、地下牢獄のヘニールの元にやってきて、そこで育てられた。父である王に自身の存在を認めさせるために修行を積んだ。その努力は実を結び、身分を隠して若くして騎士団の長にまで上りつめた。曲がったことが嫌いな性格をしている。しかし、その愚直さが仲間を惹きつけ、信頼が厚かった。

穢れに侵された後に玉座を訪れて、最期まで自身を見ることのなかった王を殺害している。

巨大な槍を用いた戦法を得意とする。槍は国家魔術師によって改造が施されており、槍自体が穢れを纏っている。元々、槍は前騎士長のゲルロッドから受け継いだものとなっている。

深淵の番人ヘニール

暗部の執行人を纏める長。感情を表に出すことのない寡黙な性格をしている。しかし、執行人の多くが罪人の子供や戦争孤児であったため、彼らの親代わりをするなど面倒見の良い一面がある。そのため、多くの執行人にとっての憧れであり、目標となっていた。
暗部の長でもあるが、城砦の騎士でもあった。そのため、ゲルロッドとも親交があった。

他の執行人の例に漏れず、ヘニール自身も罪人の子である。妹がいるが、妹はヘニールが暗部の執行人であることを知らなかった。ヘニールは妹に暗部のことなどに関わらずに普通に生きてほしいと願っていた。しかし、妹は王に見染められたことで、王城に入りヘニールが暗部の者であることを知ってしまった。ヘニールは妹が自身を恨んでいたかもしれないと思っていたが、妹がユリウス出産時に亡くなってしまったため、確かめる術を無くしてしまった。

守り人シルヴァ

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