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ENDER LILIES: Quietus of the Knights（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』とは、2021年6月にBinary Haze Interactiveから発売された2D横スクロール型アクションゲームである。ソウルライクとメトロイドヴァニアの要素を持つ本作はいわゆる「死にゲー」と呼ばれるジャンルで、難易度が高いためトライアンドエラーを繰り返しながらクリアを目指していくのが特徴。
死の雨によって滅んだ果ての国を舞台に、地下で目を覚ました少女・リリィが謎の黒衣の騎士と共に果ての国の謎に迫っていく。

『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』の概要

『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』とは、Binary Haze Interactiveから2021年6月にダウンロード専用ソフトとしてSteam、Nintendo Switchにて発売された2Dスクロールゲームである。1年後にはパッケージ版がNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One向けに発売された。パッケージ版では通常版のほかに数量限定があり、特装版特典には本作のアートブック、サウンドトラックCDが付属した。

本作はソウルライクとメトロイドヴァニアゲームとなっている。ソウルライクとはプレイヤーが死ぬことを想定した難易度で、かつ死亡するとレベルアップ用の素材を喪失してしまうシステムを指す。しかし、本作では死亡しても素材を無くすというデスペナルティは設定されておらず、高難易度である部分が取り込まれている。また、メトロイドヴァニアとは探索型スクロールゲーム、ゲーム進行で得るスキルを使っていける場所が増えていくゲームのことなどを指す。
いわゆる「死にゲー」と呼ばれるジャンルであるため、敵の動きやギミックは死んで覚えるのが前提となっている。即死技を放ってくる敵は存在していないが、しっかり相手の動きを見切って回避しないと簡単に死亡してしまう。主人公のリリィ自身の攻撃の手段はなく、回避もしくはパリィのみとなっている。攻撃は黒衣の騎士など協力してくれるキャラクターをスキルとして使用することで可能となる。スキルはキャラによって違うものとなっているため、状況や敵に応じたスキルを適切に使い分けていくのがポイントとなっている。
本作ではマルチエンディングが採用されており、3種類のエンディングが用意されている。

物語の舞台は「果ての国」という場所。突如として降り始めた「死の雨」によって、国の人々は凶暴な生ける屍・穢者（けもの）となり果ててしまった。そして、これをきっかけに果ての国は滅んでしまった。しかし、国が滅びてもなお「死の雨」は呪いのように降り続けた。そして、滅んだ国の果てにある教会にて主人公・リリィは目を覚ます。そして、隣に現れた黒衣の騎士と共に滅んだ国を冒険していき、「死の雨」の真相へと迫っていく。

『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』のあらすじ・ストーリー

目覚めたリリィと滅びた国

目を覚ましたリリィ

突如として降り始めた、触れた者を生ける屍・穢者（けもの）に変えてしまう「死の雨」によって、「果ての国」は滅びてしまった。
滅びてしまった国の果てにある教会の奥深くにて、少女・リリィは目を覚ます。リリィの傍には黒衣の騎士がいた。黒衣の騎士から「果ての国で起きたことは覚えているか」と問いかけられるが、リリィは何も覚えていなかった。そもそも、リリィは自身についての記憶すら失っていた。リリィは黒衣の騎士を伴って教会を出ることにする。道中では祈りをささげるポーズをする異形の穢者たちに襲われながらも、出口を目指していくと、シスター服を着た女性に出会う。女性・シーグリッドは人の形を残しながらも、「死の雨」の影響で穢れに染まっているために正気ではなく、リリィたちに襲い掛かってきた。黒衣の騎士の力を借りてシーグリッドを倒したリリィは、シーグリッドを飲み込んでいた穢れを払う力を使った。穢れを払うとともに、リリィの中にシーグリッドの記憶が流れ込んでくる。それは、シーグリッドが穢れを払うことのできる白巫女の守り人の仕事をしていた女性であり、「死の雨」に飲まれる直前まで白巫女の末裔であるリリィを守っていた、というものであった。穢れを払われたシーグリッドは魂となり、リリィの力となった。

教会の外へ出たリリィたちの前には、「死の雨」によって滅んだ国の景色が広がっていた。リリィたちは村を抜けて、王城を守る双子城砦や水に沈んでしまった魔女の森を探索していく。魔女の森には「泉の白巫女」と呼ばれる、フリーティアの友達であった魔女・イレイェンがおり、双子城砦には村の英雄であり王城一の騎士と呼ばれた老戦士・ゲルロッドがいた。2人とも「死の雨」の影響によって穢れており、リリィは闘いの末に2人を浄化することに成功した。紆余曲折を経て王城にたどり着いたリリィは、王殺しを成した騎士長・ユリウスと対峙する。探索を進めていくリリィたちは国の地下にあるカタコンベや、国の汚れ仕事を負う暗部たちの秘密に触れていく。そして、リリィのように白巫女として穢れを払っていた「リリィ」たちの遺体や、「リリィ」たちを守るために奮闘した人々の記憶に触れたり、各地に残された手記から、国に何が起こったのかを知っていく。

かつて、果ての国になる前のこの国には「古き民」と呼ばれる者たちが住んでいた。ある時、初代果ての国の王となる男がやってきて、古き民たちとの間で戦争が勃発。古き民たちは古代呪術によって得た不死の肉体を持つ戦士たちを戦線に送ることで立ち向かったが、魔術によって封印されてしまい、戦争に負けることになる。しかし、生き残った古き民たちは最果ての地にて穢れを生み、やがて穢者となって押し寄せてきたのだ。果ての国の騎士たちは双子城砦にて穢者たちの侵攻を食い止めていた。さらに、果ての国内部では騎士たちを古き民のように不死の戦士にする霊薬が開発されており、双子城砦を守る騎士たちに使われていた。しかし、その霊薬で不死になると体に穢れが溜まってしまうデメリットがあった。そのため、フリーティアが穢れの浄化を行っていたが、体の内に溜めすぎた穢れによってフリーティアは体を壊してしまう。
双子城砦での戦いが終わったあと、白巫女の後継者を作る話が持ち上がり、「リリィ」たちが生まれた。しかし、フリーティアは自身が味わった苦しみを「リリィ」たちには背負わせまいと裏で動き、一部の「リリィ」たちを逃がすことに成功。そして、自身は地下にある禁じられた領域にて体に溜まった穢れを浄化することに専念していた。しかし、やがて穢れはフリーティアの力では抑えられず、溢れだした穢れは「死の雨」となって果ての国を襲ったのだった。そして、フリーティアはいまだに禁じられた領域の最奥にて穢れに囚われているのであった。

Aエンド「謎は謎のままで、少女は国の外へ」

辺境の泉にてフリーティア（奥）に穢れを浄化してもらうリリィ（前）

王城を抜けた先、辺境の地には泉があった。その泉はフリーティアが生まれた場所であり、死の雨の影響を受けていないようで美しさを保ったままであった。リリィたちがたどり着くと、そこにはフリーティアの幻影の姿があった。フリーティアは穢れの苦しみをリリィに背負ってほしくないと、リリィが浄化して体の内に溜めていた穢れを引き取った。フリーティアは「いつになるかはわからないがいつか、果ての国の穢れをすべて浄化する」と告げて消えた。黒衣の騎士は果ての国に留まらなければならなかったので、リリィは黒衣の騎士に別れを告げた。
謎は謎のままで、真相にたどり着くことのなかったリリィは白巫女の責務から解放された。そして、果ての国を出て行き、ただの少女となった。

Bエンド「共に穢れを背負う」

自身の溜めた穢れを「リリィ」（周囲）たちに押し付けたくないと苦しむフリーティア（中心）

禁じられた領域の最深部にたどり着いたリリィは、穢れに蝕まれた部屋の奥で苦しんでいるフリーティアに出会う。リリィはフリーティアを穢れから解放するために戦うことを決める。フリーティアは穢れに飲み込まれ、穢れの王となってリリィたちに襲い掛かる。黒衣の騎士たちの力を借りて、穢れの王を倒したリリィは穢れに苦しむフリーティアの浄化を行う。しかし、フリーティアのため込んだ穢れの力は強く、リリィの力だけでは浄化しきることは不可能であった。フリーティアはリリィには「穢れを背負ってほしくない」と懇願したが、リリィはフリーティアと共に穢れを背負うことを決めて、フリーティアに寄り添った。いつか、巨大な穢れを浄化しきることを夢見て、2人は穢れと生きることとなった。

Cエンド「悲劇の終わり」

フリーティアを浄化して「死の雨」を終わらせた後、共にいてくれた黒衣の騎士に感謝するリリィ

リリィは各地に隠されていた古き民の古代呪術について記載された石板を使い、王国魔術師ファーデンの遺した魔術によって錬成された「輝く護りの宝具」という、白巫女の苦しみを抑えるお守りを持ってフリーティアの元を訪れた。禁忌領域の奥深くで穢れによって苦しんでいるフリーティアを救うために、リリィは穢れの王となってしまったフリーティアと戦う。激闘の末にフリーティアの浄化を始めることができ、リリィはお守りの力と、死んでしまった「リリィ」たちの思いの力を借りることで、すべての穢れの浄化に成功した。浄化されたフリーティアは心穏やかに旅立っていった。そして、穢れが浄化されたことで「死の雨」はようやく降りやみ、果ての国の呪いは終わった。すべてを終えたリリィは黒衣の騎士と共に生きていくこととなった。リリィは黒衣の騎士にここまで共にいてくれたことへの感謝の言葉を告げた。

『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』のゲームシステム

スキル

スキルセット画面

リリィ自身に攻撃の手段がないため、スキルをセットして使用することで攻撃が可能となる。最初は黒衣の騎士しか所持していないが、ボスを倒すとスキルが増えていく。スキルのセットはレストポイントで行う。スキルは最大6個セットでき、状況に応じて使い分けることで攻略を目指していく。
黒衣の騎士以外のスキルには使用回数制限が存在しており、回数はスキルによって違う。また、スキルによってはリキャストタイムが存在している。スキルは各地に落ちている穢れの残滓を使うことで強化して、攻撃力やヒット回数を増やすことができる。スキルはメインが8種、サブが18種用意されている。
ストーリーを進めると奥義を取得して、ゲージを満タンにするとスキルに応じた強力な技を繰り出すことができるようになる。

黒衣の騎士

リリィが最初から所持しているスキル。使用回数、リキャストタイムはなく、何度でも使用可能。オーソドックスな剣による斬撃で敵を攻撃することができる。最初のスキルであるため、癖がなく使いやすい仕様になっている。水中でも使用可能。奥義は前方に向けての連続攻撃で、通常攻撃同様に当てやすく使いやすいものとなっている。
強化には専用の素材である古き魂の残滓が必要であるが、入手時期が中盤から終盤にかけてなので、他スキルよりも強化が遅れてしまう。これは、黒衣の騎士の正体がストーリーの重要な部分に触れているためである。

守り人シーグリッド

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