信長の忍び(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『信長の忍び』とは、2008年に『ヤングアニマル』(白泉社)12号から連載を開始した重野なおきによる4コマ漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。重野いわく、「忍び漫画ではなく、忍びの目から見た戦国漫画」とのこと。基本的にギャグ漫画でありつつ、戦国時代の逸話、うんちくも盛り込まれ、ストーリーラインも史実をほぼ忠実におさえている。
少女忍者千鳥が、織田信長の夢に惹かれ、ともに天下布武を追っていく物語。信長を超甘党な男として描いたり、その他のキャラクターたちも強い個性を持っている。

『信長の忍び』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『信長の忍び』の単行本表紙を外すと読める「おまけ」

『信長の忍び』の単行本から表紙をとりのぞくと、本体の表紙、裏表紙にも、忍びの道具などについて解説した「おまけ」がついている。忍び道具を知ることで、『信長の忍び』が二倍にも三倍にも面白くなってくる。

細川藤孝の子孫は第79代総理大臣・細川護煕

細川藤孝は、日本の第79代総理大臣、細川護煕(ほそかわもりひろ)の祖先にあたる。細川内閣は一年にも満たない短命で終わってしまっているが、この先祖の藤孝という人は文武両道に秀でた、素晴らしい人だった。武術は超一流に学び、歌人、茶人としても大成、京をよく知る文化人として織田信長、豊臣秀吉に重用された。公家の三条西実枝(さんじょうにし さねき)から、『古今和歌集』の解釈の秘伝、「古今伝授」を授けられたことでも知られる。関ヶ原の戦いの前哨戦のひとつ、「田辺城の戦い」で、藤孝が護る田辺城が西軍1万5千人の大軍勢によって包囲され、籠城戦は2ヶ月におよんだ。藤孝の手勢は500にも満たず、万が一藤孝が敗れれば古今伝授が途切れることが懸念され、ついに時の天皇、後陽成帝の勅命で和議が結ばれることとなった。講和が成ったのは関ヶ原の戦いの二日前の出来事であった。実際の関ヶ原の戦いも、わずか一日で決着がついてしまっているので、田辺城の戦いの行方もどうなったかは分からないが、貴重な古今伝授が天皇さえも動かした。まさに芸が身を助ける、とはこのことである。

戦国時代に名を残す夏目吉信は夏目漱石の祖先

三方ヶ原の戦いで、徳川家康の身代わりとなって討死した夏目吉信は、日本近代文学の文豪、夏目漱石の祖先である。漱石は東京の生まれなので、吉信亡き後も一族は徳川家康に従い、関東に移ったと思われる。夏目吉信は、家康の鎧兜を譲り受け、わずか二十五騎で武田勢の追っ手と交戦、討死して果てたが、そのために家康は生き延びることができた。もし漱石がこのことを題材にした歴史小説を書いていたら面白いものになっていただろうと漱石ファンの間ではいわれている。

生涯無敵の男・本多忠勝がたった一度負った傷

本多忠勝は、生涯において、大小57回もの合戦に参戦したが、いずれにおいても、かすり傷1つ負わなかったという。しかし晩年、小刀で持ち物に名前を彫っていたところ、手が滑って左手に傷を負ってしまった。忠勝は「本多忠勝も、傷を負ったら終わりだな。」とつぶやき、その数日後に亡くなったという。晩年は、徳川家から冷遇された忠勝だったが、臨終に際しても家康を思う辞世の句を詠んでおり、忠義心は徳川四天王の中でもぬきんでていた。

三好清海入道は実在した

『信長の忍び』内で、徹底してモブあつかいされている三好三人衆(三好長逸・みよしながゆき、岩成友道・いわなりともみち、三好政康・みよしまさやす)だが、政康は「真田十勇士」の一人、三好清海入道のモデルとされる。ほぼ架空の人物で構成される「真田十勇士」、政康は知る人ぞ知る人気者となっている。

家康と今川家の切っても切れない縁

父、今川義元亡き後、駿河を追われ、持ち前の「教養」を武器に、なんとか各地の大名家を転々とし、最終的には徳川幕府の幕臣となった今川氏真。家康は氏真にかなり良い待遇を与えていたようだが、内心では、氏真のらちも明かない長話に辟易していたという。しょっちゅう登城してきては、つまらない話ばかりしていくため、とうとう家康は、氏真を江戸城から遠い品川に引っ越しさせたという。それでも、氏真以降の今川家の子孫も、高家待遇で将軍に仕えることを許された。家康の今川家人質時代は、けっして過酷なことばかりではなく、教養や武術を充分に学ばせてもらっていた、という研究もある。このことから、家康は今川家に恩を感じていたことがわかる。

「足長坊主」との異名がある「歩き巫女」

武田信玄が使った「歩き巫女」と呼ばれる女忍びの集団は、情報収集能力に非常にたけていた。信玄は、甲斐にいながら「歩き巫女」たちがもたらす、各地の情報を詳しく知っていた。そのため、まるで一足で日本各地を巡っているようだ、というところから「足長坊主」という異名でも呼ばれた。また信玄は、「水洗トイレ」を設計して使っていた。この水洗トイレには、文机などもついており、信玄は書斎のように使っていたようだ。この「水洗トイレ」を「山」と呼んだ。家臣になぜかと問われると、信玄は「山に草木(臭き)はたえぬゆえ」と答えたという。

『信長の忍び』の主題歌・挿入歌

主題歌:蓮花『徒桜』(第1話 - 第13話)

主題歌:VALSHE『MONTAGE』(第14話 - 第26話)

主題歌:蓮花『白雪』(第27話 - 第39話)

主題歌:Lily’s Blow『花の影』(第40話 - 第52話)

tsu_235
tsu_235
@tsu_235

目次 - Contents