ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター(WA4)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター』とはメディア・ビジョンエンタテインメントが開発したPlayStation 2用のロールプレイングゲーム(RPG)。略称は『WA4』。戦争で荒廃化した世界「ファルガイア」を舞台に、戦争を生きた大人と、戦争を知らない子供という構図を軸に、戦うこと、力を振るうことの意味を問う物語を描く。作品構造からシステムまで全てが過去作から一新され、新たなステップへ向かった作品となっている。

CV:高橋広樹
18歳。世界を渡り歩く冒険者「渡り鳥」。陽気で頭と口は達者者だが、危険な出来事を前にすると逃げ腰になってしまう。幼い頃に母親を亡くし、飛空機械乗りだった父親に育てられるも、戦後の混乱期に職を失った父親が度々詐欺に遭い、借金を増やしていく様子を目の当たりにして失望し家を飛び出す。父親のようにはなりたくないという一心で猛勉強をし、魔術学校を卒業して渡り鳥となる。頭脳明晰で巧みな話術を持ち、顔立ちも整っていることから、首から上には自信を持っている。斜に構えて大人っぽく振舞おうとするが、本質的には子供で本人もそれを自覚している。自分の欠点や頼りなさにコンプレックスを抱いていたが、ジュード達との旅の中でそんな自分の弱さと向かい合い、徐々に克服していく。また、仲間が様々な過去や運命を背負っていることに気づき、理由も無く旅を続けている自分への決別や、ラクウェルへの想いを強めていくことに従って、自分が旅をする目的を探し始めるようになる。エンディングで描かれる10年後の未来ではラクウェルと結婚し、彼女との間に生まれた娘と共に食堂を経営するようになる。

ラクウェル・アップルゲイト

CV:生天目仁美
19歳。工業都市フェルクレルングで生まれ育った女性。幼い頃に剣術の才能を開花させ若くして達人となるが、8歳の時にフェルクレルングで起きた核兵器の実験事故により故郷は壊滅。ハウザーに救われて一命を取り留めたものの、この事故により核融合炉の熱と毒に身体を蝕まれ、余命いくばくもない。自分が長く生きられなことを知った彼女は、壊滅した故郷のきおくを浄化したいと願い、世界に残った美しいものを求めて旅をするようになる。旅の途中でジュード達と出会い、成り行きから彼らと共に行動するようになる。時代がかった口調と落ち着いた物腰が特徴的だが、優しく面倒見が良い。完璧な人物に見られがちだが、手先も性格も不器用で、料理が苦手で趣味の絵も下手といった弱点も多く自己主張も上手くない。死を恐れて眠れない夜を過ごし、いつ死ぬとも分からない自分は大人になれないと諦めているため、潔く散ることが美しいという価値観を持っていたが、ジュード達との旅や自分を想うアルノーの告白を通じて、必死に生きてあがくことが自分の戦いだと考えるようになる。エンディングで描かれる10年後の未来ではアルノーと結婚し、身体を治す旅を続けるが、身体を治すことはできず、最後の戦いから1年後、娘を産んだのち永遠の眠りに就いた。

議会騎士団特務局ブリューナク

ラムダ・ゼルヴィガー

CV:小杉十郎太
議会騎士団の諜報機関、特務局ブリューナクの局長。32歳。高速で情報分析を行い精度の高い未来予測を立てる異能「涙に浮かぶ未来(ブルーディスティニー)」の使い手。戦闘時は聖剣クラウ・ソラスと無銘の鞭を操る。真面目で高潔だが、問題の多い人物を受け入れる寛容さと包容力があり、熱く純粋な信念の持ち主だが、不測の事態に備えて常に切り札を隠し持つ用意周到な人物。民衆のための世界を望み、そのためには自ら汚名を被ることも厭わない。民主社会を実現してくれると信じて枢密院に従うが、その目的が独裁政治であることを知ると彼らを殺害。自らが理想とする未来を実現するために、人類を過酷な環境におき人類の進化を促す計画を実行する。最終的にジュード達に敗北するが、彼らが次世代のファルガイアを担う存在だと確信し、世界の未来を託した。大の犬好きでもある。

ファルメル・アリアンロッド

CV:三石琴乃
「盾」の異名を持つブリューナクの副長。30歳。緊張感が無く艶っぽい余裕のある態度を崩さないため、真剣味に欠ける人物のように見えるが、ラムダを心の底から愛しており、彼のために最善を尽くそうという強い意志を秘めている。その戦闘能力は特務局でも一目置かれており、あらゆる攻撃から守ると決意したものを確実に守り抜き、そこからカウンターを繰り出す異能「神々の砦(アースガルズ)」を持つ。ラムダの最後の防壁としてジュード達の前に立ちはだかるが、彼らのチームプレイの前に敗北。その直後、爆発に巻き込まれて失明する。最後はラムダと手を取り合いながら、崩壊するイルズベイル監獄島の地の底に消えた。

クルースニク・アートレイデ

CV:千葉進歩
「槍」の異名を持つブリューナクの副長。24歳。ユウリィの兄で彼女とともに人口進化研究所で被験体として扱われ、因子適合者としては失格に近いカテゴリFというランク付けをされていたが、ARM制御抗体「自殺因子(アポトーシス)」を生み出し得ることができたため、ラムダにスカウトされた。そこで彼の理想に共鳴し、ブリューナク副長の地位を得る。特殊な薬「LiNKER」を服用することで、不完全ではあるがARMを操ることができ、試作型ARMハウリングスパイクを操る。また、「蒼の騎士(ペイルライダー)」の異能によって、愛機のTWビーグルであるジャベリンに搭乗すれば、水面を含むあらゆる地形を走破できる。妹想いの生真面目な性格で、信念を貫くことにこだわる堅物。ゆえに融通がきかず、思い込みが激しい。ブリューナクや枢密院の理想を信じて行動していたが、枢密院が目的のためにユウリィを危険に晒そうとしていたことを知り、ブリューナクを脱退。一時期は進むべき道を見失うが、成長を続けるユウリィの姿と言葉により復活。最終決戦時はジュード達を支援するようになる。自分に無い才能と快活さを持つジュードに嫉妬していたが、実力と人柄は認めており、最後はジュードを助けるために彼に妹とハウリングスパイクを託し、イルズベイル監獄島の地の底に姿を消した。

アウグスト・ヘンリクセン

CV:野島昭生
ブリューナクの参事官。48歳。かつては汎国家統合星府の異端技術者(ブラックアーティスト)としてARM開発に携わり、他の研究者達とともにシエル村で生活を送っていたが、志を捨てて逃げ回るのは罪であると考え、ARMを惑星環境修復という本来の目的を用いるために、自身の研究成果と試作型のARMハウリングスパイクを持ち出して議会騎士団に亡命した。異能者揃いのブリューナクで唯一、特殊な異能を持たないが、豊富な専門知識と実績から現在の地位に就いており、堅実な作戦立案でラムダを支える。温厚で常識的な判断ができるが、笑えないジョークを会話に織り交ぜるのが難点。「左道玩笑(トライフラー)」の異名を持つが、これはふざけた人、いい加減な人という意味を持つ。最後はラムダの理想実現の障害となるジュード達を止めるために、ディバインウェポンから採取したナノマシンを自らの身体に注入し、モンスター化して絶命した。

ブリューナクコマンダー

ジェレミィ・ナン

CV:大畑伸太郎
ブリューナクのコマンダー。28歳。破壊と殺戮を好み、弱者をいたぶることを好む狂戦士。熱くなると任務よりも自分の攻撃欲求を優先するため、生真面目なクルースニクとは犬猿の仲。「抑えられない砲火衝動(イナーシャルキャンセラー)」という重火器による連続攻撃を可能とする異能を持つ。ユウリィを追跡する過程で命令に背き失敗を繰り返したため、イルズベイル監獄島に送られるが、そこで未調整のディバインウェポンに触れた結果、ARM暴走体と化す。その力で脱獄しジュード達に襲い掛かるが、クルースニクの妨害もあり敗北。捨て台詞を吐きながら絶命する。

サイス・ライバウアー

CV:岸尾大輔
女性的な口調が特徴なブリューナクのコマンダー。30歳。伝説の吸血種族ノーブルレッドを名乗る。人間を遥かに超える魔力と空間を制御する異能を持つ。戦闘時以外は常に恋人ベリエールを傍らに侍らせている。実は血を口にすることを病的に好む嗜血症という症状を持つ普通の人間に過ぎず、吸血欲求に苛まれるうちに、自身をノーブルレッドだと思い込むようになった。彼の力は本物の魔族であるベリエールの血を吸うことで得たものであり、本人はそれに気づいていない。ベリエールと愛し合うこと以外には興味を抱かないが任務には忠実で、ユウリィを捕えようとジュード達を追い込むが、アルノーの必死の行動に虚をつかれ、複数の飛空機械をぶつけられ死亡した。

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