リトル・マーメイド(ディズニー映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『リトル・マーメイド』とは、1989年に公開されたディズニー映画で、人魚姫を題材にしたアニメーション作品である。主題歌「アンダー・ザ・シー」はアカデミー歌曲賞を受賞した。人間が暮らす外の世界に憧れていた人魚姫アリエルは、船の難破に巻き込まれた人間の王子様を助けたことをきっかけに恋をする。人間になって王子様にもう一度会いたいアリエルは、悪い魔女と取引をするが、魔女の企みによって海が乗っ取られる危機を迎えてしまう。これを回避すべく、アリエルたちが魔女に立ち向かっていく様子を描いた物語である。

『リトル・マーメイド』の概要

『リトル・マーメイド』とは、1989年11月17日に公開されたディズニー映画である。アンデルセンの童謡『人魚姫』を原作としているが大胆なアレンジが施され、原作とは大きく異なった結末となっている。1980年代はアニメーション映画が低迷し、ディズニー暗黒期と呼ばれていたが、この作品が久しぶりの大ヒットを飛ばし、ディズニー映画の第二黄金期の原点となった。

深い海の底では人魚たちがひとつに集まってアトランティカという世界で、海の生き物と共に暮らしていた。そこに住む人魚アリエルは、地上の人間と接することを禁止されているにもかかわらず、あることがきっかけで人間の王子様に恋をしてしまう。どうしても地上に行って王子様に会いたいアリエルは、海の魔女アースラと取引をする。その取引とは、人間の脚を貰う代わりに3日以内に王子様とキスをしないと、アリエルはアースラのものになってしまうという内容であった。自分が海の王になることを企んでいたアースラは、この機会にアリエルを利用しようとしたのである。これを阻止すべく、アリエルと仲間たちはアースラに立ち向かっていく。

『リトル・マーメイド』のあらすじ・ストーリー

海の王国アトランティカの人魚姫

地上への憧れを抱く末娘の人魚アリエル

海底にはアトランティカという王国があり、そこでは人魚たちが海の生き物と共に生活していた。その王国はキング・トリトンが支配しており、地上に関わることを禁止していた。しかしトリトンの末娘の人魚アリエルは陸の世界に強い憧れを抱いていたため、父の言いつけを破り幼馴染の魚フランダーともに海底に沈んだ人間のものを集めてコレクションしていた。これを心配したトリトンは、執事であるセバスチャンにアリエルの見張りを命じ、海の方が地上よりも素晴らしいことを『アンダー・ザ・シー』という歌で訴えた。

エリック王子との出会い

ある日、いつものようにフランダーと王国を抜け出し外の世界を冒険していたアリエルは、海上でパーティーをしてる客船を見つけ、覗きに行ってしまう。そこでチラッと視界に入った青年エリック王子に一目惚れした。その時嵐が起き、船は転覆し、エリックは船の外に投げ出されてしまう。アリエルはエリックを救い、浜辺に横たえて歌を口ずさみながら介抱するが、目を覚ます前に隠れた。エリックは朦朧としながらも、アリエルの歌声や顔をうっすら覚えており、アリエルに恋をした。二人はお互いにもう一度会いたいと思うのだった。

海の魔女との契約

エリックに出会ってから、地上への憧れが強くなったアリエルは、自分が集めた人間のものコレクションを眺めながら感傷に浸っていた。そんな時、セバスチャンが誤ってトリトンに人間を助けてしまったことを伝えたため、アリエルのコレクションが破壊されてしまい、悲しみにくれるのだった。そんなアリエルの気持ちを知った海の魔女アースラは、アリエルに取引を持ちかけた。その取引とは自分の声と引き換えに人間の足を手に入れること、そして3日後の日暮れまでに、エリックと愛のキスをしなければ、アリエルの全てはアースラのものになるというものだった。アースラはこの契約でアリエルの身柄を拘束し、トリトンから王の座を奪おうと企んでいた。

エリックとの再会

人間の足をもらったアリエルは、エリックに会いに浜辺へと向かった。そこで偶然エリックと出会い、エリックは彼女が自分を助けてくれた人だと気づかないままアリエルを保護した。エリックに出会えたものの、声を失ってしまったアリエルは気持ちを伝えることができなかった。しかし、エリックは、頑張って慣れない人間の生活をするアリエルに惹かれていくのだった。ある日ボートに乗ってデートに行き、そこで声が出ないアリエルの名前を聞こうと名前当てゲームをした。そこで、セバスチャンの助けを借り、見事にアリエルの名前を当てることに成功したのだった。いい雰囲気になった二人だったが、アースラ手下のフロットサムとジェットサムに邪魔をされてキスができないまま、日が過ぎていった。3日目になると、アースラはアリエルを失敗させるためにヴァネッサという女性に変身して、エリックの元へと近づいた。ヴァネッサは、貝殻型のネックレスにアリエルの声をしまっており、エリックはヴァネッサの声に吸い込まれるように夢中になっていった。エリックにアリエルの声で魔法をかけたヴァネッサは、ついにエリックと結婚式を挙げるのだった。アリエルはこの結婚式を阻止するために、アリエルの唯一の地上に暮らす仲間のカモメのスカットルやセバスチャンと協力して、アースラの貝殻のネックレスを破壊しようと試みた。スカットルとセバスチャンが仲間の鳥たちに協力してもらい結婚式で騒ぎを起こしている間に貝殻のネックレスを破壊することに成功し、アリエルは自分の声を取り戻すことができたのだった。そこでエリックはアースラの魔法が解け、アリエルが自分を助けてくれた女性ということに気づくことができた。しかし気づいた時には、もうすでに3日目の日没を過ぎており、アリエルは人魚の姿に戻りアースラに海の中へと連れ去られるのだった。

アースラとの決着

アリエルを連れ去ったアースラは、魔法でアリエルを別の生き物に姿を変えさせて、自分の奴隷にしようとした。そこで、娘を助けるためトリトンが現れ、アリエルの代わりに自分が魔法にかけられることをアースラに伝えた。アリエル達は、見事にアースラの策にはまり、アースラの最大の目的であった王の座とトリトンが持つトライデントという最強の矛を奪われるのだった。トライデントは海を支配することができるくらい強力な矛で、アースラはその力を使い巨大化し、海上で大暴れした。そこで、アリエルは助けに来たエリックやフランダー、セバスチャンとともにアースラに抵抗した。しかし、アリエルが妨害したアースラのトライデントによる誤った攻撃でフロットサムとジェットサムを倒すので精いっぱいだった。追い詰められてしまったアリエル達には、もうなす術はないと思われたとき、エリックが難破していた自分の船に乗り込み、その船の先端を巨大化したアースラに体当たりして刺したのだった。刺されたアースラは、うまく魔法をコントロールすることができなくなり、死んでしまった。アースラを倒したため、魔法にかかっていたすべての生き物は元の姿に戻り、海には平和が訪れた。しかし、アリエルはというと人魚の姿に戻ってしまい、エリックに会えないことを悲しんでいた。それを見たトリトンはアトランティカの危機を救ったエリックと、彼を愛し続けるアリエルを認め、トライデントの力でアリエルを人間の姿にし、二人の結婚を認めたのだった。

『リトル・マーメイド』の登場人物・キャラクター

主要人物

アリエル

CV:ジョディ・ベンソン/日本語吹き替え:すずきまゆみ
アトランティカの王トリトンの末娘の赤毛で美しい声と容姿を持った人魚。明るく好奇心旺盛で、地上の世界に強く憧れ、海底に沈んだ陸上の物をたくさんコレクションしている。父のトリトンには地上との接触を禁止するように伝えられているため、父に反発することがよくある。エリックとは船の難破によって溺れかけていたところを助けたことにより恋が芽生えた。その後、アースラによって人間になりエリックに会いに行くが、アースラの罠にはまり、アトランティカが危機に陥ってしまう。罠によってトリトンのトライデントを奪われ、アリエルはアースラに追い詰められたが、寸手のところでエリックに救われる。最後はエリックとの恋をトリトンに認めてもらい、結婚することができた。

エリック

CV:クリストファー・ダニエル・バーンズ/日本語吹き替え:井上和彦
地上の海辺にある王国の王子様。アリエルが想いを寄せている勇敢で誠実な好青年。客船が難破したときにアリエルに救われ、朦朧とした意識の中、アリエルの声と顔をぼんやりと覚えており、そこからアリエルのことを気にするようになる。アリエルが再び地上に来た時に偶然再会し、自分の住むお城に住まわせて一緒に生活するが、アリエルは声を失っていたため、自分を助けてくれた女性だとは気付かなかった。しかし、ともに生活していくうちにアリエルに惹かれていった。そんな時にアースラがヴァネッサに化けてアリエルの声を使い、エリックと結婚までしようとする。アリエルは仲間たちとこの結婚を阻止し、自分の声を取り戻したことで、エリックはアリエルが自分を助けてくれた女性だと気づく。その後、アースラがトリトンのトライデントを奪い海を支配しようとするが、エリックが船を操縦してアースラに体当たりすることで倒した。最後にはトリトンに認められ、アリエルと結婚することができた。

トリトン

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