クロス・マリアン(D.Gray-man)の徹底解説・考察まとめ
クロス・マリアンとは、『D.Gray-man』の登場人物であり、黒の教団のエクソシスト。また、神父、元科学者、魔導士など多数の顔を待つ。教団に5人しかいない元帥の1人で、主人公アレン・ウォーカーの師匠でもある。養父を亡くし傷ついたアレンを助け、エクソシストとしての戦い方や心構えを教えた。アレンを教団へ向かわせる際に失踪していたが、実は教団からかねてより依頼されていた仕事の為に方舟に潜入していた。その後アレンと再会し、クロス部隊と合流。生成工場の破壊任務の為ノアの一族との戦いに協力する。
35年前、クロスはなんらかの理由から14番目であるネアと接点を持ち、ある約束をする。それはネアの死後「双子の兄であるマナを見守り続ける」というもの。また、クロスがこの約束を受けた理由は、「いつか必ずマナの元に帰ってくる」とネアがクロスに約束したからだった。このことから、クロスはネアのノアのメモリー(記憶)が受け継がれている宿主探しを始めた。作中の人類全体にはノアの遺伝子が組み込まれているが、ノアの中で特別な記憶を受け継いだ者だけが「使徒」として覚醒し、覚醒した使徒達のことを「ノアの一族」と呼ぶ。メモリーはランダムで受け継がれていくものだが、ネアはなんらかの方法をとって特定の誰かに受け継いだものと思われ、クロスが探していたのはその”特定の誰か”だった。そして、ネアのメモリーを探す際にヒントになるのが「アレン」であるとも伝えられていたクロスは、パトロンであるマザーの元を何度も訪れつつ捜索を続けていった。
5年前、ネアの宿主探しを始めてから30年もの長い年月をかけて、クロスは「アレン」を発見する。約束通り見守っていたマナはサーカス団に所属していたが、ある日事故によって死亡する。だが傍にいた男の子が千年伯爵を呼んでしまい、マナはAKUMAにされてしまう。しかし、男の子の左手のイノセンスが突如発動し、AKUMAになったマナを破壊する。その一部始終を見て、その子が「アレン」であると気づいたクロスは、約束を守るために引き取って育てていくこととなるのだった。
アレンとの出会い
無事宿主を見つけることに成功したクロスだったが、アレンの心はボロボロに壊れていた。マナを養父として慕っていたアレンにとって、彼の死はとてもショックなことだった。大切な人をAKUMAにしてしまい、しかも、勝手に動き出した自分の手がトドメを刺してしまった。そのせいで心は壊れ、何日も泣き叫んで喉は潰れ、顔の傷も真っ赤に腫れ上がるほどだった。
クロスはまさか30年もかけて見つけた宿主がこんな子供だと思わなかったと戸惑いながら、なんとかアレンの世話をする。マザーや使用人のバーバの助けも借りながら、おもらししたシーツを洗ったり食事を作ったり、心が戻るように働きかけた。イライラしながらも約束を守るために世話をする日々。心の傷は簡単には戻らず、あきらめかけていた。しかし、マナがよく言っていた口癖を伝えて励ましたことによってアレンは正気を取り戻し回復する。
子供の世話に慣れていないクロスにとって、アレンの世話は大変だった。でも、アレンが宿主である以上いずれはネアの自我に飲み込まれて消えてしまう運命。それならその時まで我慢すればいい、と思いながら、元気になったアレンとともに修行の旅に出かけていくのだった。
それから3年後、修行によって一人前のエクソシストになったアレンを教団へ送ろうとする。しかし、師匠であるクロスもアレンと一緒に挨拶に行かなければならなかった。クロスは教団が嫌いで行きたくなかったため、「目が覚めたら出発しろ」とアレンに伝えて金槌で気絶させ、クロス自身は失踪した。
方舟での戦い
アレンを教団に送り出してから数か月後、クロスは本来受け持っていた仕事「生成工場破壊任務」を遂行させるため、江戸にある千年伯爵の空間移動装置「ノアの方舟」を目指す。教団の別部隊も江戸を目指していた最中で、それぞれの部隊が戦闘中に方舟に潜入。「快楽」のメモリーを持つノア、ティキ・ミックと戦っていたアレンに再会し、戦いに参加した。断罪者の一方的な弾丸で追い掛け回し、聖母ノ柩を使用して仲間を守りながら、元帥としての圧倒的な実力を見せていた。
ティキとの戦闘終了後に千年伯爵とも会うが、千年伯爵とは以前から知り合いのような発言をしており、「あいかわらずパンパンだなこのデブ」等と悪口を吐いていた。
余裕の態度で伯爵と話していたが、方舟の「心臓」はここにはなくすでに崩れかかっていて、このままでは二度と出られないと言われる。
そこで生成工場(この回より”卵”とも呼ばれるようになる、以降”卵”と表記する)の転送阻止をするためにアレンを「14番目の秘密の部屋」へ連れていく。
秘密の部屋では「ティムキャンピー」と「アレン」が方舟を動かす”奏者の資格”を持っていると伝え、「心臓」であるピアノを弾かせた。おかげで卵は転送不可になり、任務を無事完了させる。
さらに死にかかっていた他の仲間とも会い、再会したリナリー・リーと道中クロスを追って戦闘に協力して亡くなった愛人・アニタの死を悼んだ。
その後、約4年ぶりに教団に帰還したが、ヴァチカンからやってきた中央庁監査役マルコム=C=ルベリエより「14番目」について問いだされ、教団に留まることを言い渡される。
アレンに至っては「14番目の関係者」として監視役が付き、面会禁止になってしまう。弟子がそんな状況にいるにもかかわらず、クロス自身はまったく気に留めていない様子で高い酒をせびる等いつも通りに過ごしていた。
教団襲撃
いつも通りの日常が戻るかと思われたのも束の間。「色」のメモリーを持つノア、ルル=ベルの登場により平和は壊される。
クロスは早い段階であらゆるものに変身できる「色のノア」であることを突き止める。
仲間が千年伯爵側の守化縷(スカル)にされてしまったり、教団全体がAKUMAに襲われるという大規模な襲撃。ルル=ベルは奪われた卵の奪還を目的として襲撃していた。教団にいるすべてのエクソシストだけでなく、科学班までもが参加し、大量の犠牲者が出る戦いとなった。
奪還を阻止できると思われたその時、卵からレベル4のAKUMAが誕生。教団にとっても、元科学者であるクロスにとっても初めてレベル4を目にした瞬間だった。
レベル4の出現により教団は完全に崩壊寸前に。平衡感覚を失わせるような音で錯乱させられ、前例もなく戦い方もわからない。未知数のAKUMAを前に教団は窮地に追いやられていた。
一方医療班では、イノセンスを一度体内から出していたリナリーにもう一度適合させて戦わせるという話が進んでいた。マルコム=C=ルベリエとの会話から戦うことを決意したリナリーが戦闘に参加し、さらにクロスが断罪者によってレベル4をギリギリまで追いつめる。そして、アレンと復活したリナリーが弱り切ったレベル4にトドメを刺したことにより破壊に成功した。
後日、この事件を受け、中央庁とクロス含む教団の幹部が集められ協議が行われた。結果、教団本部を移転することとなった。
14番目の正体
教団の移転後、中央庁との話し合いによりアレンとの面会を許されたクロス。そこで「14番目の正体」を話し始める。
マナは14番目であるネアの双子の実の兄で、ネアがノアを裏切り千年伯爵に殺されるまで側にいた。
アレンは「ネア」のメモリーを移植された人間であり、現世に復活するための宿主である。そのメモリーはいずれ侵食をはじめ、自我がすべて飲み込まれた結果、ネアになってしまう。
信じがたい事実を述べていくクロスと、マナの愛情が自分ではなくネアに向けられたものかもしれないと悲しむアレン。悲しむアレンに向かって「宿主なんざ もっとくだらない奴がなってりゃよかったのに」「ティエドールのことも笑えんな」と伝える。
その後、自室に戻って久しぶりに再会したアレンが教団生活で成長したことを喜ぶクロス。だが直後に扉がノックされ、怪しい気配を感じ取る。断罪者を手にするが間に合わず、部屋に入ってきた何者かに襲われる。クロスの部屋の前にいた監視員2人は犯人に眠らされていたため、襲撃には気づかなかった。
眠りから覚めた彼らが確認のために部屋に入ると、窓辺で頭から血を流したクロスを発見。驚いた監視員の一人が事態の報告のためにその場から離れると、部屋からガラスを割るような音がした。もう一人の監視員が部屋を確認すると、窓ガラスが割れクロスの姿も消えていた。そして窓際にはクロスのつけていた仮面が置かれ、断罪者は床に転がっていた。
教団の調べによると、仮面からは右頭部を撃たれた痕跡があり、部屋に残された血痕が致死量を超えていたため、生存の可能性は低いとされている。また、クロスは「断罪者」の適合権(ある特定のイノセンスを発動できる権利)を失い、適合者でなくなっていることもわかった。生死不明であり、すでに「死体」となったクロスが連れ去られたのか、自ら「逃亡」したのかわかっておらず、襲撃当日から見つかっていない。
行方不明のクロスが生きていると信じているアレンは、アポクリフォスに合体を迫られた際に記憶の一部を見てしまう。
そしてクロスが襲われている映像が流れ、犯人がアポクリフォスであると気づく。
その映像の中で「あいつはアレンと名乗らなかった もっとはやく間違いに気づくべきだったよ」とクロスが答えており、この発言からネアが話していた「アレン」はアレン・ウォーカーではない可能性が出てきている。
夢の中で
生死不明のクロスは物語上は出てこないが、アレンが見た夢や回想でたびたび登場する。
ある時、アレンが見た綺麗な麦畑の夢に現れ、「ここがお前の終着地 アレン・ウォーカーが消える場所」だと伝える。
この侵食に抗えばつらい思いをすることや今なら苦しまずに死ねるという師匠らしい最後の助言をして、「カテリーナ・イヴ・キャンベル」という人物を探せと託す。
アレンはむしろ決意を新たにし生きていくことを決め、それを聞いたクロスは夢の中から消える。
しかし、夢が終わった後に「夢」のメモリーを持つノアのロード・キャメロットが出てきていて、クロスの意識の声も書かれていることから、生きている可能性が高い。ロードの協力を得てアレンに夢を見させていたと思われる。
その意識の声では「アレンは危険」であり、自分たちは利用されていると発言していたが、真意は不明。
その後に登場した際も、ロードとはただの敵の間柄ではない雰囲気を漂わせており、戦うどころか千年伯爵やノアの運命を気遣っていたりした。
逆に本来仲間であるはずのティムキャンピーについては、壊したくてたまらないと発言している。クロスが「コーネリア」という木から作ってネアに渡したゴーレムにもかかわらず、憎しみを抱いているようだ。
クロス・マリアンという人物が思っている以上に戦争の裏に関与し、秘密を握っていることがうかがえる。
クロス・マリアンの関連人物・キャラクター
アレン・ウォーカー
弟子。マナを亡くし心が傷ついていた彼に「立ち止まるな 歩き続けろ」というマナの口癖を教えて立ち直らせたのがクロスだった。
マナが亡くなる前は口の悪い子供だったが、死亡後は常に敬語で話す紳士的な性格になった。
弟子時代にクロスの借金取りに追われていたため、生きるために必死でポーカーの腕を磨いた。ポーカーをしている時は、普段の優しい印象からは想像もつかない黒い性格に豹変し、イカサマを仕掛けたり何が何でも勝とうとしたりする(通称:黒アレン)。
「絆」のメモリーを持つ双子のノア、ジャスデロとデビットと戦った際には、2人がクロスから借金100ギニー(日本円で200万円ほど)をツケられたと伝えるも、「そんなはした金」と答えるほど途方もない額の借金を背負っている様子。借金の話をするだけで前述した黒アレンが出現してしまうくらいトラウマになっている。
クロスを「正真正銘の悪魔」と嫌うような発言をしており、傍若無人な振る舞いや暴力に近い育て方に不満を抱いているものの、襲撃され行方不明になった時は寂しそうな表情を見せていた。師匠としての実力を認めている節もあり、アポクリフォスに合体を迫られた時には、「僕はクロス・マリアンの弟子だよ?」と答えて拒絶していた。マナを父親だと思っていたはずなのに、いつの間にかクロスの弟子であることが自身のアイデンティティーになり始めているようである。
クロス自身も、「14番目の宿主」としていずれ消えてしまう運命のアレンに感情移入しないようにしていた。そのため必要以上に冷たい態度をとり暴力的に振舞っていた部分もあったが、弟子のことを息子のように思うフロワ・ティエードル元帥のことも馬鹿にできないと考えているところから、大切だと思っていることがうかがえる。
行方不明後、弱気になったアレンの夢に出てくるのはマナではなくクロスであり、クロスもわざわざロード・キャメロットの力を借りて助言。どんなに文句を言い合っていたとしても、師弟関係の絆は強いようだ。
アレン・ウォーカー(D.Gray-man)の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
アレン・ウォーカーとは、漫画『D.Gray-man』及びアニメ『D.Gray-man』、『D.Gray-man HALLOW』の主人公で、エクソシストの少年。左腕に寄生型のイノセンスを宿している。養父・マナをAKUMAにしたことがきっかけで、AKUMAに内蔵された魂が見えるようになった。クロス元帥に師事後、黒の教団所属のエクソシストとなる。入団当初はAKUMAのために戦っていたが、黒の教団での経験を通して人とAKUMAの両方を救済したいという気持ちが生まれていく。
ティムキャンピー
クロスが造ったゴーレム。作中の始めではアレンがクロスから譲り受けているが、元々はクロスがネアに渡したものだった。
教団が造ったゴーレムは空を飛び主に通信機器や映像記録機能を持っているが、ティムキャンピーは他のゴーレムと違って高機能で、映像の録画・再生や体のサイズを自由に変更できたりする。
理由は不明だが、クロスはティムキャンピーのことを「壊したくてたまらない存在(モノ)」と説明しており、ティムキャンピーにとって弱点ともいえる「コーネリアの木片」と呼ばれるものを常に所持している。
「コーネリア」とは、ネアとマナがカテリーナに育てられた屋敷の近くに生えている大きな木のことで、この木の欠片に、ティムキャンピーを壊せる能力があるらしい。
ティムキャンピーはアレンの友達として常に共にいた存在だが、アレンとともに教団から逃亡したあと、クロスを襲撃した時に奪った「コーネリアの木片」を使用したアポクリフォスに粉々にされている。
なお、ティムキャンピーにどのような能力が眠っているのかは不明だが、ネアにとっては「たった一つの道標」のようである。
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目次 - Contents
- クロス・マリアンのプロフィール・人物像
- クロス・マリアンの能力
- 対AKUMA武器:聖母ノ柩(グレイヴ・オブ・マリア)
- 脳傀儡(カルテ・ガルテ)
- 聖母ノ加護(マグダラ・カーテン)
- 対AKUMA武器:断罪者(ジャッジメント)
- 原罪の矢
- 魔術
- クロス・マリアンの来歴・活躍
- 14番目との約束
- アレンとの出会い
- 方舟での戦い
- 教団襲撃
- 14番目の正体
- 夢の中で
- クロス・マリアンの関連人物・キャラクター
- アレン・ウォーカー
- ティムキャンピー
- ネア=D=キャンベル(14番目)
- マナ=D=キャンベル/マナ・ウォーカー(千年伯爵)
- ロード・キャメロット
- アポクリフォス
- アニタ
- マザー
- クラウド・ナイン
- フロワ・ティエドール
- クロス・マリアンの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「いい女ってのは一途すぎるよな」
- 「で 残りはオレの服を台無しにした分だ」
- 「宿主なんざ もっとくだらない奴がなってりゃよかったのに」
- 「怖いなら一緒にいてやる くさっても師匠だからな おまえの小便シーツ死ぬほど洗ったしよ」
- クロス・マリアンの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 出自の謎