アルマ=カルマ(D.Gray-man)の徹底解説・考察まとめ

アルマ=カルマとは、漫画『D.Gray-man』およびアニメ『D.Gray-man HALLOW』に登場する、サードエクソシストの第一母胎となった個体の識別名称である。
元は「セカンドエクソシスト計画」によって造り出された人造使徒「セカンドエクソシスト」の少年である。被検体名は「アルマ」。
同じ境遇にあった神田ユウとは喧嘩ばかりしていたが、後に唯一の友だちとなる。マヨネーズが大好物。
長い間昏睡状態にあったが、ノアの能力により目を覚まし、アクマとなってアレンたちの前に現れる。

アルマ=カルマのプロフィール・人物像

アクマ化したアルマ。

年齢:20歳(推定)
血液型:どの型とも一致しない
誕生日:12月6日
身長:182cm(アクマ化時)
担当声優:潘めぐみ(幼少期)、浅利遼太

アルマ=カルマとは、漫画『D.Gray-man』およびアニメ『D.Gray-man HALLOW』に登場する、殺人兵器アクマを倒すことを目的に造られたサードエクソシスト(半アクマ化した人間のことで、アクマを吸収できる能力を持つ)の第一母胎となった個体の識別名称である。元は、黒の教団(世界救済を掲げる教皇の秘密結社)・アジア支部の亜(アジア)・第六研究所で生み出された「セカンドエクソシスト」(この作品におけるエクソシストとは、アクマを唯一破壊できる物質であるイノセンスを扱える“適合者”すなわち“使徒”のことを指し、セカンドエクソシストは人工的に造り出された使徒のことを指す)の少年である。

体内に身体再生能力を付与する呪符を宿す。
同じくセカンドエクソシストの被検体であった「YU」(後の神田ユウ)と共に、イノセンスのシンクロテスト(イノセンスの力を行使できる適合者としての能力を測るテスト)を行う過酷な日々を送っていた。

東洋系の顔立ちで、鼻の上に傷がある。幼少期は、悲惨な状況下に置かれながらも明るく振舞っていたため、YUに気持ち悪いやつだと思われていた。喜怒哀楽の表現が豊かで、表情がコロコロ変わる。

あるときからYUが女性の幻覚を見るようになり、処分されることを知ったアルマは、彼を連れて研究所からの脱走を試みる。その過程で、自分たちが死んだエクソシストから造られたということを知る。前世の記憶が蘇り、怒りと憎悪からアルマのイノセンスは暴走し、研究所の職員を皆殺しにしてしまう。
アルマは教団への憎しみからYUとの心中を図るが、YUは記憶の中の女性「あの人」に会うためにアルマを破壊する。

アルマは、表向きには9年前にYUが破壊し死んだとされていたが、実は中央庁特別監査役のルベリエによって昏睡状態のまま生かされていた。そして「サードエクソシスト計画」の発動により、アクマの卵核(ダークマター)と融合させられ、サードエクソシストを生み出すための最初の母胎「アルマ=カルマ」として利用されていた。
そんなとき、黒の教団・北倍支部がアクマ製造者である千年伯爵(せんねんはくしゃく)とノア(千年伯爵が率いる、旧約聖書のノアの大洪水を生き残った人類の祖先の記憶を受け継ぐ人間)の襲撃を受ける。ノアがユウの記憶を利用してアルマを目覚めさせると、彼は教団への憎しみからアクマへと変貌してしまう。千年伯爵は、エクソシストながらノア化の兆候を見せ始めていたアレンに、「黒の教団を捨てるならばアルマやサードエクソシストのダークマターを消し去る」と取り引きを持ち掛ける。アレンをノアの一族に引き入れるために千年伯爵はアルマらを利用したのであった。

ノアの力によってユウの記憶を見たアルマは、ユウの探している「あの人」が前世の自分であることを知り、その正体を永遠に葬るためにユウを殺そうとする。それは、ユウには真実を知らせずにずっと自分を想い続けてほしいという「あの人」の想いを叶えるためだった。
ユウは戦い応じていたが、アレンの言葉によってアルマと向き合い、彼が自分を殺そうとする本当の理由を知ることになる。
戦いの果てに身体再生能力を失ったアルマは、イノセンスによる救済ではなくダークマターによる消滅を望み、ユウに見守られながらその生涯を閉じるのであった。

アルマ=カルマの来歴・活躍

セカンドエクソシスト計画の被検体として

人造使徒「セカンドエクソシスト」

亜・第六研究所にて。中央ふたりの子供が左からYU、アルマである。

黒の教団は、聖戦(暗黒の三日間こと”ノアの大洪水”の再来を目論む千年伯爵と、それを阻止しようとする黒の教団との戦い)に勝つためにひとりでも多くのエクソシストを確保する必要があった。しかし、イノセンスの適合者はそう簡単には集まらず、教団はエクソシストの血縁者達を集めてイノセンスのシンクロテストを繰り返していた。シンクロが成功すれば晴れてエクソシストとなれるが、失敗した場合は「咎堕ち」となる。咎堕ちになった者は約24時間でイノセンスに取り込まれ、破壊されてしまう。

そんな中、教団は「セカンドエクソシスト計画」と称し、戦闘不能となったエクソシストの脳を別の器に移植することにより、イノセンスの適合権が移行するか実験を行った。
そうして造られたのが「アルマ」と「YU」であった。

「YU」との出会い

大喧嘩した後に笑い合うアルマ(左)とYU(右)。

先にセカンドエクソシストとして目覚めていたアルマは、YUが目覚めたことを喜び友達になろうとする。YUはそんなアルマを嫌って邪険にしたため、顔を合わせば喧嘩する仲になってしまう。
しかし、シンクロテスト後に大喧嘩した際、あまりの出血量を見て笑い合ったのをきっかけに、ふたりは多くの時間を共有するようになり、次第に心を通わせていく。

イノセンスとのシンクロテスト

YUのシンクロテストの様子。イノセンスに体を貫かれ、重傷を負うのは当たり前だった。

アルマとYUはチャン家の秘術により、身体再生能力を付与する呪符を体に宿しており、シンクロテスト時のショック症状に耐えることが可能だった。また、シンクロを試みても咎堕ちにならず、教団設立以来の大変な成果とされていた。

しかし、シンクロの成功には至らず、アルマとYUは繰り返し過酷なテストを強制させられていた。

セカンドエクソシスト計画の真実

安置室に保管されているエクソシストの遺体を見てしまったアルマ。

ある時からYUは女性の幻覚を見るようになる。それは、YUの脳の本来の持ち主が持つ記憶の断片であり、かつての想い人の姿であった。
枯れた蓮華畑の中で、YUは彼女と約束を交わしていた。蓮華の花が一面に咲きほこっているところを一緒に見ようと。

YUの幻覚症状を知ったサーリンズらは、彼が正気を失うのを見越し、凍結処分するという判断を下した。それを聞いたアルマは、YUを連れて研究所からの脱出を試みる。しかし、戦闘部隊「鴉」の攻撃によって動きを封じられ、YUは捕らえられてしまう。
アルマはYUを助けるためイノセンスの安置室に忍び込み、ついにシンクロに成功する。そして、そこでセカンドエクソシストの真相を知ることとなる。安置室にはイノセンスの他に、エクソシストの遺体が保管されていたのだった。

自分は以前、別の肉体を持ったエクソシストだった。前世の記憶が蘇り、怒りと憎悪によってアルマのイノセンスは暴走する。そして次々に人々を手に掛け、ついには研究所の職員全員を殺してしまう。YUと再会したのはその後だった。
どうしても自分の暴走を止められないアルマは、教団に自らの過ちを思い知らせるために、YUとの心中を図る。アルマの心には、死してなお聖戦に勝つための道具として扱われていたことへの憎悪が渦巻いていた。彼の気持ちはYUにも痛いほどわかっていた。

しかし、YUは記憶の中の女性「あの人」に会いたい気持ちに突き動かされ、アルマを破壊してでも生き残る選択をする。
YUは、捕縛から逃げ出す際にシンクロしたイノセンスで、アルマの体が再生しなくなるまで何度も彼を切り刻んだ。

そして、壊滅した亜・第六研究所でYUはひとり涙を流すのであった。

サードエクソシスト計画の第一母胎として

「アルマ=カルマ」

黒の教団・北米支部にて保管されていた「アルマ=カルマ」。

9年前死んだかに思われていたアルマであったが、中央庁特別監査役・ルベリエが昏睡状態のまま隠し持っていたことが発覚する。そして、凍結されたはずの人造使徒計画は「サードエクソシスト計画」として新たな段階に移行していたのであった。
高い身体再生能力を誇るアルマは、通常の人間ならすぐに壊死してしまうアクマの卵核(ダークマター)との融合に成功し、サードエクソシストの第一母胎「アルマ=カルマ」として利用されていた。
サードエクソシストは、アルマ細胞をその体に移植することにより半アクマ化し、アクマを吸収する「共喰い」の能力を得ることができた。イノセンスの適合者でなくともアクマを倒せるとして、アルマ細胞から5人のサードエクソシストが誕生していた。

アクマ化と消滅

マテールの地下で、アルマ(右)の最期に寄り添うユウ(左)。

黒の教団・北米支部にてサードエクソシスト計画を本格的に導入するための研究会議が開かれ、アルマは「アルマ=カルマ」として教団の研究員達に披露されていた。そんな折、北米支部は千年伯爵とノアの襲撃を受ける。そして、ノアはユウを北米支部に拉致し、アルマと対面させたのであった。

千年伯爵はノアの第5使徒・ワイズリーの能力により、ユウとアルマの記憶を共鳴させ、アルマを昏睡状態から目覚めさせることを目論んでいた。
千年伯爵の望み通り、共に過ごしたユウの記憶に共鳴したアルマは覚醒する。しかし、教団への憎悪が体内のダークマターエネルギーに変換され、アルマはアクマとなってしまう。そして、アクマ化したアルマに共鳴し、サードエクソシストに移植されたアルマ細胞が暴走する事態となる。
千年伯爵はアレンを誘き出し、共に来るならばアルマとサードエクソシストのダークマターを消し去ると取り引きを持ち掛ける。ノア化の兆候を見せるアレンをノアの一族に迎え入れるために、千年伯爵はアルマらを利用したのであった。

アルマは自分だけを破壊して生き残ったユウのことを恨んでいた。しかし、ユウの記憶に触れたことで、互いの前世が想い人同士であったことを知る。そして、ユウが自分を破壊したのは、自分の前世である「あの人」との約束を守るためだったと理解する。ユウはそれを知らず、皮肉にも「あの人」の魂を持つアルマを手に掛けていたのだった。
自分が「あの人」であることを悟らせないため、アルマはユウを殺すことを決めてアクマとなっていた。それは、彼には永遠に真実を知らせないまま、いつまでも自分を想い続けてほしいという「あの人」の想いを叶えるためだった。しかし、アレンに内蔵された魂を見透かされ、アルマの魂が「あの人」であることがわかってしまう。

ユウを巻き込んだ捨て身の自爆により、アルマは身体再生能力を失い、やがてダークマターによって魂までもが食い尽くされようとしていた。
教団への憎しみとユウへの想いの狭間で苦しむアルマを、本当の意味で救えるのはユウだけだった。アレンに自分が「あの人」であるということをユウに言わないよう厳しく口止めしていたアルマであったが、その会話はすでに彼の耳にも届いていた。
ユウは全てを知った上で、アルマに今度こそ一緒に逃げようと告げる。
アレンはアルマを救うため、教団にもノアにも手の届かないマテールの街にゲート(空間を行き来する出入口)を開き、アルマとユウを送り届けるのであった。

マテールの地下で、教団への憎悪と大勢を殺してしまった苦しみに涙するアルマ。彼はイノセンスによる救済ではなく、ダークマターによって消滅することを望んでいた。
自分は泥の中へ沈むべきだと自戒するアルマに、ユウは「ずっと見ててやる」と約束するのであった。
最期のときをユウに見守られながら、アルマは彼に「ユウ大好き」と伝え、その生涯を終えた。

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