禪院直毘人（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ
禪院直毘人（ぜんいん なおびと）とは、『週刊少年ジャンプ』の人気漫画『呪術廻戦』の登場人物。人間の負の感情を元に生まれ出づる呪霊と呼ばれる化け物を祓う（倒す）力を持つ呪術師と呼ばれる人間の一人である。
呪術のエリート家系・御三家の一つである禪院家の第26代目当主。71歳という高齢でありながら、屈強な肉体を持つ豪胆で豪快な男性。術式「投射呪法」を用い、五条悟を除く呪術師の中でも最速と言われている。
渋谷事変で立て続けに特級呪霊と戦い、その時に負った怪我が原因で死亡した。
禪院直毘人のモデルはダリ
禪院直毘人のモデルについて、作者の芥見下々は公式ファンブックで「ダリ」と答えている。この「ダリ」とは、スペイン・フィゲーラス出身の画家、サルバドール・ダリだと考えられる。
1900年代に活躍したダリは、シュルレアリスム（戦間期にフランスで起こった作家アンドレ・ブルトンを中心とする文学・芸術運動）を代表する画家だ。シュルレアリスムの中でも、ダダイズムという既存の秩序を破壊するという信条を持っており、アンチアートの精神を持った絵画を数多く残している。
またダリは絵画に留まらず、さまざまな分野で活躍する芸術家でもあった。ファッション誌『VOUGE』の表紙やジュエリーをデザインするなど、その活動の幅は広い。チュッパチャップスというキャンディ菓子の包み紙はダリがデザインしたもので、現在も使われている。
直毘人のモデルがダリということだが、具体的にはその特徴的な髭が一致する。上向きにピンとはねたカイゼル髭を携えて目を大きく見開いているダリの顔写真はアートとしても有名だ。カイゼル髭とは、伸ばした口髭を油や蝋で固めて左右を上へ跳ね上げて逆への字にしたものを指す。直毘人の上に向かってピンと伸びている髭はまさにダリのカイゼル髭そのものだ。
ただ読者の間では、直毘人のモデルは『NARUTO -ナルト-』の雷影・エーだと思われていた。
『NARUTO -ナルト-』は、1999年43号から2014年50号にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載されていた岸本斉史による忍者バトル漫画だ。TVアニメ、劇場版アニメ、小説、ゲームなど幅広いメディアに展開されている。テーマが忍者ということもあって、海外では絶大な人気を誇っており、TVアニメの放映は世界80ヵ国以上に及んだ。
雷影は、雷の国にある雲隠れの里を治める里長で、エーはその四代目である。屈強な体つきをしており、髪型はオールバック。肌の色は違えど、顔つき、体格などがあまりに直毘人とそっくりである。公式で名言されているわけではないが、作者の芥見下々は『NARUTO -ナルト-』にも大きく影響を受けているので、無意識にデザインが引っ張られた可能性は大いにありえる。
禪院直毘人、死後人気が高まる
「禪院家は『クズ』の集まり」というのは読者の中でも共通認識になりつつある。術式至上主義、実力主義、男尊女卑など、千年という長い歴史を持っているだけに、さまざまな古くからの因習に囚われている。呪術高専に通う真希や真依の生い立ちや、家で置かれていた状況から、そして渋谷事変後に登場した直哉、扇、甚壱があまりに「クズ」すぎて禪院家の株は下降の一途を辿る。ネット上の声を見ると、真依の回想で初登場した当主である直毘人にも、読者はあまり良い印象を持っていなかったことが伺える。
真依の回想によると、真希が「私が禪院家の当主になる」と宣言した際、直毘人は大笑いしたものの、「ならばこちらも相応の試練を与えようぞ」と返しており、きちんと真希の願いを聞いた上で会話をしている。術式が使えない真希をいくらかは蔑んでいたかもしれないが、このことから直毘人が真希を一人の人間として見ていたことが伺える。「三歩後ろを歩かれへん女は背中刺されて死んだらええ。」などと徹底した男尊女卑思想の直哉が相手だったならこうはいかなかった。
ただ姉妹校交流会では、「真依にもな（真希が家を出ていくのであれば、妹の真依にも試練を与える）」と発言したり、真希の昇級を禪院家が邪魔しているなどの描写があり、直毘人は「性格が悪い意地悪爺」程度の評価しかなかった。
しかし渋谷事変で本格的に直毘人が活躍し、時間が経過する度に「禪院直毘人は実は良い人なのでは？」という声が徐々に広がり出す。
渋谷事変ではやる気がない直毘人に呆れ返った真希に「やるきがねぇなら帰れよ。」と言われるが、「帰れ……か。それは真希、オマエの方だろ。なあ、七海1級術師殿。」と声をかけ、安否を気遣うとも取れる発言をしている。また目の前で非術師が呪霊に襲われているにも関わらず助ける行動に出ず見捨てるという酷薄さを見せながら、真希のピンチでは術式を発動して救うなどをしている。真希のことを術式も使えないどうでもいい弱者として見ているのであれば、救いの手を差し伸べることは決してしないはずだ。真希は救われたことを「恥だ……！！」と胸糞悪そうにしているが、実際は直毘人と接する際に気安い態度を取っており、他の禪院家の人間に比べて心を開いているようにも見える。
これらの描写から直毘人は真希のことをそれなりに気にかけているという見方が生まれ、真希と真依を禪院家から外に出した直毘人の判断は読者の間では「名采配」と言われるようになる。また真希の昇級を邪魔していたのは、「実力のない真希を危険な目に遭わせないために邪魔をしていた」や「邪魔をしていたのは禪院家の他に人間であり、直毘人ではない」という意見がインターネット上に飛び交った。
また直毘人は甚爾の回想にも登場しており、伏黒恵に術式が発現した場合は禪院家に売ってやってもいいという交渉を甚爾から持ちかけられている。禪院家を既に出奔した甚爾と連絡を取っていたのも驚きだが、「相伝の術式なら8、それ以外でも7はもらう。」という甚爾に対して、「相伝なら10やろう。」と提示された条件以上の返答をしており、禪院家の日陰者である甚爾を対等な取引相手として見ている描写があった。
直毘人の死後、禪院家の次期当主に伏黒恵がなったことで、禪院家では内乱が発生。扇、甚壱、直哉が伏黒恵の当主就任を認めず、真希、真依もろとも伏黒恵を誅殺する計画が動き出す。禪院家はその過程で力に目覚めた真希に蹂躙されることとなるが、その中で禪院家「炳」のメンバーの一人・蘭太（らんた）が、「構うな！！甚壱さん！！今の禪院家が在るのは甚爾さんの気まぐれだ！！気づいているだろ！！真希は今あの人と同じに成ったんだ！！今！！ここで！！殺るんだ！！！」と叫んでおり、禪院家が以前甚爾によって滅亡の危機に置かれたことが判明した。この時甚爾が禪院家を滅ぼさなかったのは、「禪院家の中でも自分を対等な取引相手として見てくれた直毘人がいたからではないか」という考察も出ている。
禪院家の人間が多々登場し、その「クズ」ぶりを遺憾なく発揮したことで、直毘人の評価が相対的に上がっているだけ。という見方もあるが、直毘人がその死後も人気を集めているのは事実である。
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『呪術廻戦』とは、若き呪術師たちの戦いと成長の日々を描いた、芥見下々による漫画作品。 最強最悪の呪霊両面宿儺をその身に宿してしまった高校生虎杖悠仁。両面宿儺の力を御するため、虎杖は呪術師を目指して呪術高等専門学校に通い始める。 作品の人気が高まるに従い、個々のキャラクターへの注目の度合いも上がっていき、彼らが発した心揺さぶるセリフに惹かれる読者も増えていった。呪いという人間の感情に直結するものを扱うため、時に生々しく、時に華々しく、時に人間の弱さを残酷に突きつける名言が数多く登場する。
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呪術廻戦の歴代OP・ED主題歌・挿入歌・サウンドトラックまとめ
『呪術廻戦』（じゅじゅつかいせん）とは、芥見下々によるダークファンタジーバトル漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。この記事では、『呪術廻戦』を彩るオープニング・エンディング主題歌、挿入歌、そして本作の前日譚である『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』を原作とする劇場アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌を紹介していく。
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目次 - Contents
- 禪院直毘人のプロフィール・人物像
- 禪院直毘人の呪術・能力
- 術式：投射呪法（とうしゃじゅほう）
- 秘伝：落花の情（らっかのじょう）
- 禪院直毘人の来歴・活躍
- 初登場・第42話「京都姉妹校交流会―団体戦9―」
- 渋谷事変参戦
- 帳の外での待機、そして突入
- 特級呪霊・陀艮との戦い
- 特級呪霊・漏瑚との遭遇
- 禪院直毘人の遺言
- 禪院直毘人の関連人物・キャラクター
- 禪院真希（ぜんいん まき）
- 禪院真依（ぜんいん まい）
- 禪院直哉（ぜんいん なおや）
- 禪院扇（ぜんいん おうぎ）
- 禪院甚壱（ぜんいん じんいち）
- 伏黒甚爾（ふしぐろ とうじ）／禪院甚爾（ぜんいん とうじ）
- 伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）
- 五条悟（ごじょう さとる）
- 七海建人（ななみ けんと）
- 禪院直毘人の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 「オマエ達、ちと鈍すぎるな」
- 「不粋だとは思わんか！！」
- 禪院直毘人の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 禪院直毘人のモデルはダリ
- 禪院直毘人、死後人気が高まる