鏡音リン・レン(VOCALOID)の徹底解説まとめ

鏡音リン・レン(かがみね リン・レン)とは、音楽制作ソフトの開発・販売等を行っている「クリプトン・フューチャー・メディア」から発売されている音声合成ソフト・デスクトップミュージック(DTM)用ボーカル音源の1種およびキャラクターである。声優・下田麻美(しもだ あさみ)の声をもとに制作され、ヤマハが開発した音声合成システム『VOCALOID(通称:ボカロ)』に対応したボーカル音源となっている。ボカロブームのきっかけとなった初音ミクの次に制作され、約7ヶ月で2万本という売上数を出した。

初音ミクシンフォニー

日本のプロオーケストラ・東京フィルハーモニー交響楽団によるフルオーケストラ編成の初音ミクコンサート。東京フィルハーモニー交響楽団は2011年に日本のオーケストラ初となる活動100周年を迎えた日本のオーケストラとしては最古の楽団である。オペラやバレエ演奏などにくわえ、アニメやゲームの楽曲をフルオーケストラ編成で演奏するコンサートを行うなど、様々な取り組みをしている。その楽団とコラボをする形で行われたコンサートが『初音ミクシンフォニー』である。なお、名称に「初音ミク」とつけられてはいるが、鏡音リン・レンのような初音ミク以外のボカロ達の楽曲の演奏も行なわれている。
2016年に開催を行って以降、定期的に開催が行われており、ボカロの最大級複合型イベント『マジカルミライ』に次ぐ、ボカロ関連のイベントを代表するコンサートだ。

SNOW MIKU

「雪ミク」が主役のフェスティバル。「雪ミク」は、2010年に北海道札幌市で行われた『さっぽろ雪まつり』にて「真っ白い『初音ミク』の雪像」が作られたことをきっかけに誕生した、雪をイメージした初音ミクキャラクターとなっている。北海道札幌市には、初音ミクの開発を行ったクリプトンがあり、その事もあわさって雪ミクを主役にしたフェスティバル「SNOW MIKU」が行われる次第となった。なお、イベントの主役は「雪ミク(初音ミク)」であるが、鏡音リン・レンのような初音ミク以外のボカロも含むイベントとなっている。フェスティバル中に行なわれるライブ『SNOW MIKU LIVE!』では、鏡音リン・レンの楽曲も演奏されている。
また雪ミクは毎年様々なテーマをもとにインターネット上で募集された衣装デザインを着る事となっており、それ故フェスティバル毎に異なるデザインの雪ミクが制作されている。また2014年からは「エゾユキウサギ」をモチーフにした雪ミクのペット「ラビット・ユキネ」も誕生。このキャラクターもネット上の公募により、生まれたキャラクターとなっている。
フェスティバルの開催場所は毎年、北海道内の市で行われる。なお、開催先の市は毎年異なる。本州から距離のある北海道で行われるイベントの為か、ホテル宿泊プランなどの観客用のプランが多数用意されたフェスティバルともなっている。

超歌舞伎

2016年、ドワンゴ主催の「ニコニコ超会議2016」内で開催された舞台。日本の伝統文化「歌舞伎」とボカロを融合させた舞台となっている。主演には中村獅童他現役の歌舞伎役者に加え、初音ミクが役者として登場。ボカロ曲の中でも最も人気のある有名楽曲「千本桜」をテーマに、歌舞伎の演目の1つ『義経千本桜』をモチーフにした独自の演目『今昔饗宴千本桜』を公開し、大盛況。その人気ぶりが後を押してか、京都南座でも同様の演目が公開されるなど、ボカロ界・歌舞伎界に大きな衝撃を与えた作品となった。
2016年以降も超会議にて公演が行われており、コロナ禍による延期に見舞われながらも2021年に開催された『ニコニコ超会議2021』にて、新作『御伽草紙戀姿絵』の公演がされた。なお新作のテーマソングには、「千本桜」同様、ボカロ界で人気を博した楽曲「ロミオとシンデレラ」が起用された。
演者として出演するボカロは初音ミクのみであるが、物語の最中に鏡音リン・レンが和楽器を用いた演奏を行う等の演出が存在する。

鏡音リン・レンのプロフィール・人物像

【鏡音リン】
性別:女
年齢:14歳
身長:152cm
体重:43kg
生年月日:2007年12月27日
ボイス:下田麻美

【鏡音レン】
性別:男
年齢:14歳
身長:156cm
体重:47kg
生年月日:2007年12月27日
ボイス:下田麻美

ヤマハが開発した音声合成システム『VOCALOID』シリーズを使って作りあげられた音声合成ソフト。ボイスのもととなっている音源を提供しているのは、声優の下田麻美である。2キャラクターとも下田麻美のボイスをもとに制作されている。

鏡音リン・レンの初期デザインを担当したのはイラストレーターのKEI。KEIは初音ミクの初期デザインを担当したイラストレーターでもある。黄色の髪とエメラルドグリーンの瞳をした少年少女となっており、服装はセーラー服に近しいデザインのものとなっている。その他にも、鏡音リンのヘッドセットに白いリボンが装飾されていたり、レンのブーツにスニーカーがつけられていたりと、様々なアクセサリーが要所要所に散りばめられており、キュートで元気いっぱいな少年少女といった印象を受けるキャラクターデザインに仕上がっている。なお、このデザインに関しては、ヤマハのシンセサイザー・EOSシリーズをモチーフにしている事が明かされてもいる。またリンの左肩には「02」と「Kagamine Rin」の文字が書かれている。数字の「02」は、2人が初音ミクに次に出た2つ目のボカロという意味でつけられているものである。袖で隠れてしまっているレンの左肩部分にも記載はされている事が明かされている。なお、初音ミクの方は「01」という数字のみが左腕に書かれている。

後続の新たなソフトが生まれる度にその服装は変わっていく事となるが、黄色の髪とエメラルドグリーンの瞳をした少年少女である事に変化はない。動画サイト等に投稿されている個人で作られたボカロ曲のMVにおいては衣装や髪型が変更されている場合もあるが、髪色や瞳の色を残したりと、鏡音リン・レンである事がわかるように意識されたアレンジが行なわれている。
身長・体重・年齢・生年月日以外のプロフィールは存在しない。キャラクターを色付けしすぎないことを考慮されている事から、このような設定になったと言われている。この設定は初音ミクが制作された時点ですでに存在している。初音ミク、鏡音リン・レンはあくまでもDTMソフトの1種である為、楽曲を作るプロデューサー(ボカロP)の作風に合わせて歌い方にも差が出たりする。それを考慮した上での設定と推測されている。

「鏡音リン」、「鏡音レン」という名前は、「『鏡に映ったような対の姿(声)』を持ち、その歌声が『鈴の音』のように広い世界に響き渡るように」という意味を込めて作られたという。

鏡音リン・レンのディスコグラフィー

ボカロ音楽には、数多くのCDが存在している。この項目に記載されているもの以外にも、企業からリリースされたメジャーアルバムからボカロP等の鏡音ユーザーによる同人CDが多く販売されている。

『ウタトラ t.Komine feat. 初音ミク&鏡音リン・レン』

1. 不在の女神 -utatata-Trance 02-
2. Fall in Love
3. Let me kiss you, I feel nothing.
4. utatata-Trance -Original mix-
5. Stratoshpere
6. Hi-tension -utatata-Trance 03-
7. Ad Astra
8. Stratosphere -Tararira remix-
9. Don't stop, just go !
10. Stratosphere -omake remix-
11. コいネコ feat. 鏡音リン
12. Electro-Voice feat. 鏡音レン

ボカロP うたたP(アーティスト名:t.Komine)の初メジャーアルバム。2008年2月6日にAKIBA RECORDS 限定で1000枚の先行販売された後、2008年3月6日に改めて一般販売が行われた。発売元はインディーズ・レーベルのAKIBA RECORDSである。
タイトルに使われている「ウタトラ」は、「うたたP(t.Komine)が作ったトランス曲」という意味の言葉である。トランスはクラブなどで演奏される事の多い音楽ジャンル「ハウスミュージック」から派生する形で誕生した音楽ジャンルのこと。繰り返し同じメロディーラインを奏でるのが特徴なっている。本作はそんなトランクス系の楽曲のみを集めた、うたたPのアルバムなのである。
鏡音リン・レンの楽曲が収録された最初のメジャーアルバムとなっている。

『世界征服』

1. 東京テディベア/Neru feat. 鏡音リン
2. ロストワンの号哭/Neru feat. 鏡音リン
3. アブストラクト・ナンセンス/Neru feat. 鏡音リン
4. 延命治療/Neru feat. 鏡音レン,鏡音リン
5. グッバイ、ロックンロール/Neru feat. 鏡音レン
6. かなしみのなみにおぼれる/Neru feat. 鏡音レン
7. オーヴァースレプト/Neru feat. 鏡音リン,鏡音レン
8. 21世紀イグゼンプリファイ/Neru feat. 鏡音リン
9. 優しい人になりたい/Neru feat. 鏡音リン
10. 再教育/Neru feat. 鏡音リン・鏡音レン
11. 少年少女カメレオンシンプトム/Neru feat. 鏡音リン
12. ガラクタ・パレード/Neru feat. 鏡音レン
13. 小生劇場/Neru feat. 鏡音リン
14. ハウトゥー世界征服/Neru feat. 鏡音リン,鏡音レン

ボカロP Neru(押入れP)の初メジャーアルバム。発売日は2013年3月6日である。音楽レーベル・EXIT TUNESから発売された。
Neruは鏡音リン・レンを使うボカロPの代表格にあたる人気ボカロPであり、「東京テディベア」や「再教育」、「ロストワンの号哭」など多くのボカロ史に名を残す鏡音リン・レンソングを作りあげてきた。本作は発売当時(2013年3月6日時点)に動画サイトで公開されていた既存曲に加え、書き下ろしの新曲を加えた全14曲を収録したアルバムとなっている。トラック4の「延命治療」とトラック7の「オーヴァースレプト」は動画サイト公開時は、IA歌唱の楽曲であったが、本作では鏡音リン・レン歌唱に変更されている。同様にトラック9の「優しい人になりたい」もMAYU歌唱の楽曲だったものを鏡音リン歌唱に変更。鏡音オンリーのアルバムに仕上げられている。

『EXIT TUNESボカロ』コンピシリーズ

『EXIT TUNES PRESENTS Vocalostar feat.初音ミク』

1. 炉心融解/iroha feat.鏡音リン
2. サイハテ/小林オニキス feat.初音ミク
3. RIP=RELEASE/minato(流星P) feat.巡音ルカ
4. 卑怯戦隊うろたんだー/シンP feat.KAITO,MEIKO,初音ミク
5. ココロ/トラボルタ feat.鏡音リン
6. カンタレラ/黒うさ feat.KAITO,初音ミク
7. ぽっぴっぽー/ラマーズP feat.初音ミク
8. 私の時間/くちばしP feat. 初音ミク
9. 桜の季節/ゆうゆ feat. 初音ミク
10. トルコ行進曲 - オワタ\(^o^)//オワタP feat. 初音ミク
11. 夢みることり/はやや feat. 初音ミク,鏡音リン
12. サンドリヨン(Cendrillon)/Dios/シグナルP feat. 初音ミク,KAITO
13. 雲の遺跡 ver.len/yanagi feat. 鏡音レン
14. もっと 伸びろ ぼくの 動画/卑屈P feat. 初音ミク
15. Happy fruit!/azuma feat. 初音ミク
16. サウンド/baker feat. 初音ミク
17. from Y to Y/ジミーサムP feat. 初音ミク

初音ミクをボーカルに用いた人気楽曲のコンピレーション・アルバムシリーズ『EXIT TUNESボカロコンピ』の第2作目にあたるアルバム。発売日は2009年6月17日である。
『feat. 初音ミク』というタイトルからわかるように、1作目の時点では初音ミクの楽曲のみが収録されたアルバムであったが、2作目となる今作以降は初音ミク以外のボカロの人気曲も収録されるようになった。鏡音リン・レンの曲も本作から収録が行われており、その他にも巡音ルカの楽曲の収録も行われている。
アルバムのキャッチコピーは「Hearts + Technology = "HATSUNE MIKU" それは、色褪せることのない音のセカイ」。発売当時(2009年6月時点)で人気のあったボカロ曲17曲を再マスタリングし、高音質化させて収録した。収録曲に関連する動画の合計再生数は、2009年5月1日時点で約2800万回を超えていたとされている。
ジャケットイラストには漫画家の三輪士郎が起用された。また三輪士郎は当時ボカロ音楽界で人気があった同人音楽サークル「supercell」のメンバーでもあり、イラストレーターとしてsupercellが生み出したボカロ曲(代表作『恋は戦争』)のイラスト制作に携わっている。

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