田中龍之介(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

田中龍之介(たなかりゅうのすけ)とは、『ハイキュー!!』に登場する烏野高校の2年生。パワフルなスパイクで、チームの得点を叩き出す。烏野の元気印として試合のファーストポイントを任されることが多い。ポジションは、ウィングスパイカー。スパイクの技術も安定感もある優秀なスパイカーと周囲から称されている。烏野バレー部の時期エースとして期待される。一見パンチの強いタイプだが、後輩の面倒見が良く、後輩から慕われている。マネージャーの清水潔子(しみずきよこ)に絶賛片思い中。

3セット目は白鳥沢、4セット目は烏野がとって、最終セットに突入する。5セット目はセッター菅原でスタートし烏野が1点先取するが、牛島の6点連続ポイントで逆転される。途中、烏野の月島が怪我で欠場した大切な場面でも田中は得点を決める。そして影山と月島がコートに戻ったとき、田中が得点し16-15。その後、両者譲らずデュースが続き、選手たちの疲労は限界に達する。烏野はレフトの大砲でエースの東峰がブレイク。烏野は攻撃の手を緩めず、長いラリーのあと最後はシンクロ攻撃で日向がバックアタックを決める。烏野は21-19で県大会優勝。王者白鳥沢を下し、春高全国大会へ出場した。ちなみに、烏野高校の春高全国大会進出は、5年ぶり9回目。

春高全国大会、稲荷崎高校戦まで

烏野バレー部が春高全国大会出場を決めてすぐ、1年生セッター影山は全日本ユース強化合宿へ、1年生ミドルブロッカー月島は宮城県内有望な1年生だけを集めた合宿へ、それぞれ招集される。田中は2人を見送りコツコツ練習を重ねる。田中はここでも後輩想いの一面を見せる。どんどん先へ進む同期を横目に焦る日向は、呼ばれていないのに月島が合宿に参加している白鳥沢学園に押しかけてボール拾いを任されることになる。

田中は焦る日向に対して、「立て続け説教かよ?」と声をかける。「お前下手くそだからな。必殺技の1つくらい身につけて来いよ。他のチームの奴と一緒にプレイなんかなかなかできねえんだし。まあお前、あんま焦んなよ」

そのころ烏野バレー部はサーブ強化週間。田中はこのころからジャンプサーブを練習して体得し、全国大会へ向けて着実に実力を積み重ねていた。日向、影山、月島のいない状態で常波高校とも練習試合をしている。あっという間に強化合宿は終了し、1年生の3人も烏野バレー部の練習に合流する。レギュラーメンバーが全員揃ったところで、今度は「鉄壁」のブロックを誇る伊達工業との練習試合が行われるのだが、それぞれが学んできたことがここで融合していくのも見応えがある。こうして春高全国大会へ向けて最終調整が順調に進む。
年末年始が過ぎると、いよいよ春高全国大会が始まる。烏野バレー部は、春高全国大会中は猫又先生の紹介で借りた都内の旅館へ宿泊することになっていた。

春高全国大会が開幕した。開会式の次の日、烏野バレー部は椿原学園(神奈川県代表)と対戦する。東京体育館に慣れず序盤こそ烏野は不調だが、チームワークで乗り越え2セット先取して勝利を掴む。次に対戦する稲荷崎高校(兵庫県代表)は優勝候補。
稲荷崎高校戦1セット目(3セットマッチ)。この試合で田中は、サーブレシーブを狙われたり、スパイクが立て続けにブロックに捕まったりと絶不調だった。それでも、インターハイ予選の青葉城西戦で同じような不調な場面を思い出し(セッターのトスを呼ばなかった弱気の自分を思い出し)、思い切って月島にトスを呼ぶ。しかし、月島はエースのポジション、レフトにいる田中ではなく、後衛に下がっていたチームのエース東峰にトスを上げる。東峰のバックアタックは無事得点につながるが、トスを無視された形になってしまった田中のメンタルは限界に近づいていた。

東京合宿で一緒に過ごした梟谷学園のエーススパイカー木兎とセッター赤葦は、烏野と稲荷崎の試合を観戦していた。
「稲荷崎の執拗なブロックと、それに伴う決めなければという焦り。おそらく、サーブで狙われるストレスなどのせいで、たった1本のミスでも(赤葦)」「全部ダメだっていう気分になるんだ(木兎)」
そして、田中がトスを呼んで月島に無視された場面で、同じスパイカーとして田中に感情移入していた木兎は、卒倒しそうになる。

稲荷崎戦1セット目、絶不調の田中が、超インナークロススパイクを決めて烏野は1セット目を先取。田中が自らブレイクした瞬間

追い込まれた田中は思う。
「俺は普通の人間だと思う。ガキの頃は自分のことを天才だと思っていた。バレー部の中で、現時点で俺が一番である部分はない。それが何かを諦める理由にはならないし、言い訳にもならない。つうか、そもそも普段そんなこと考えない。でも半年に1回くらい、限りなくメンタルがマイナス寄りになったときに思う。自分は平凡なんだと。ところで、平凡な俺よ、下を向いている暇はあるのか」
そしてまた、烏野のセッターにボールが返ったとき影山にトスを呼ぶ。田中は木兎並みの超インナークロススパイクを決めて自らブレイクするとともに、チームは第1セット目を先取した。
田中も調子を上げ、このあと田中は極上ラインショットを決める。この試合は接戦の末、最後は宮ツインズの変人速攻(バックアタック)を日向と影山がブロックで止め、セットカウント2-1で烏野高校が勝ち準々決勝へ進出した。

春高全国大会、音駒高校戦

烏野バレー部の鵜飼前監督と音駒バレー部の猫又監督は、中学生時代に試合で対戦したことがきっかけで親交が始まった。鵜飼前監督のスパイクを猫又監督が見事にレシーブするのだ。猫又監督は中学3年生で転校したが、お互いに全国大会で再会する。そのときは、どちらの高校も初戦敗退。2人が対戦することはなかった。

その後、それぞれが母校でコーチをしていることを知り、互いに合同練習などを通し両校バレー部は切磋琢磨するようになった。
烏野バレー部と音駒バレー部にはちょっとした因縁がある。鵜飼前監督と猫又監督は、中学時代からの知り合いでバレーボールを通して何度も対戦してきたライバルだったのだ。お互い監督としてチームを全国大会に導き戦うことを目標にしてきた。鵜飼前監督のときには叶わず、孫の鵜飼コーチのときに叶うのだ。烏野バレー部は、猫又監督の紹介もあり合同合宿や練習試合を重ね強くなったチーム。バレー部員らはそれぞれに繋がりがあり、大変充実した試合が繰り広げられる。それまでの烏野は一度も音駒に勝ったことがない。春高三回戦。5年ぶり9回目出場の宮城県代表「未知の古豪」烏野高校と、5年ぶり11回目出場の東京都開催地代表「護りのネコ」音駒高校。この試合を楽しみにしている人は多い。

試合は、影山の強烈なサーブから始まる。相手のスパイクをレシーブしてからの田中の強烈なインナースパイクは、田中のライバルである「トラ」こと山本猛虎がレシーブするが烏野コートへ。そこを日向と影山のマイナステンポの速攻で烏野が1点を先取。全員の粘り強いレシーブが強さの源である音駒高校は、多種多彩な攻撃が武器の烏野高校に対してプレッシャーを与え続ける。田中は、強烈なスパイクやジャンプサーブで攻めるが1セット目は悉く音駒に拾われる。それでも烏野は好調なエースの東峰を筆頭に攻撃の手を緩めず、攻めて攻めて1セット目を先取するかと思われたが、粘りの音駒が27-25で1セット目をもぎ取る。

2セット目、田中の強烈なスパイクを音駒の山本猛虎がきっちりレシーブ。その後のバックアタックはきれいに決まりサイドアウト。次も田中は、スパイクで猛虎のレシーブを吹き飛ばす。シンクロ攻撃、田中の強烈なスパイクで得点。田中のスパイクを猛虎が拾う場面が多い。田中は2セット目も絶好調で、得意のジャンプサーブではノータッチエースを取る。そして試合はデュース。最後は猛虎の強烈なアタックを日向がレシーブして、そのまま音駒コートにIN。26-24で今度は烏野が1セットを取り返す。

エース東峰と次期エースの田中は、この試合サーブにスパイクに絶好調。いつも得点源となる日向は徹底的にマークされなかなか得点できないが、そこを敢えてオープントスでスパイクを決めるという突破口を開き、また一段と成長する。バレーボールを愛する選手たちにとって、面白い試合は最高の宴のようなもの。青葉城西戦や白鳥沢戦、稲荷崎戦など、数々の面白い試合が描かれているが、音駒戦は特に長いラリーが丁寧に描かれていてバレーボールの面白さが伝わってくるようだ。

3セット目、烏野がセットポイントを迎えたとき1度目のスパイクをレシーブされた田中は、極上ラインショットを打つが再び音駒に拾われ東京体育館はどよめく。最後は音駒が拾ったボールをトスしようとしたセッター研磨が汗で手を滑らせトスミス。25-21で烏野がこの試合に勝利した。烏野は音駒とたくさんの練習試合をこなすも全敗、このときの公式戦で初めて音駒から勝利をもぎ取った。烏野はベスト8。春高準決勝に進出する。

春高全国大会準決勝、鴎台戦

準決勝はセンターコートで行われる。烏野はこの日、音駒高校との準々決勝に引き続き2試合目。田中は試合が始まると1回目のスパイクを鴎台の鉄壁のようなブロックに止められるが、2本目のスパイクは強烈に決める。鴎台バレー部は、鉄壁伊達工業と同様にブロックの強いチームであり攻撃の幅も広い。鴎台はブロック攻撃をデディケート・シフトで行う。これはサイドアタッカーのマークが目的である。鴎台のブロックは190センチ台から2メートルもある壁であり、烏野のスパイカーへのプレッシャーは凄まじい。それでも1セット目は両者互角の争いをする。最後は2メートルの白馬のブロックポイントで20-25と烏野は鴎台に1セット目を先取される。
2セット目は、烏野が1点ビハインドされたところで田中が着実にスパイクを決める。2セット目も田中は攻守ともに安定している。2セット目も接戦。このセットはエース東峰が鴎台のブロックに風穴を開けた。2セット目はブロックアウトを狙った星海のスパイクに対し、月島がブロックをよけてスパイクアウトでゲームセット。烏野が1セットを取り返す。

3セット目、囮の日向に鴎台のブロックが飛んで、ノーマークの田中がスパイクをきめたシーン

3セット目は日向の攻撃が一段と得点源になり絶好調。田中も好調の日向を囮に、堅い守備の鴎台に対してノーマークのスパイクを決める。
しかし日向がうしろマイナスのバックアタックで烏野が鴎台を4点差に引き離した途端、高熱で倒れてしまう。このとき、田中は優しく声をかけている。その後、田中は超インナークロスを炸裂させる。両チームは同点と1点差の攻防を繰り返すが、最後は星海のスパイクが決まり鴎台の勝利。烏野はここで春高敗退。

田中、社会人になる

高校を卒業してスポーツインストラクターとなった田中。ムスビイ・ブラック・ジャッカルに所属する日向とシュヴァイデン・アドラーズに所属する影山が対戦する1部リーグの試合に元チームメイトが集まった。その時、田中と潔子は夫婦になっていた。

田中龍之介の関連人物・キャラクター

田中冴子(たなかさえこ)

田中冴子(たなかさえこ)は田中龍之介の姉。見た目も雰囲気もすぐに姉弟とわかるほど、冴子と龍之介は見た目が似ている。現役女子大生で和太鼓サークルに所属している。弟想いの冴子は烏野食堂でアルバイトをして義援金を送った。

烏野バレー部でレギュラーをしている龍之介を応援しており、公式戦ではほぼ必ず応援席にいて事実上烏野バレー部の私設応援団長。白鳥沢戦までは、メガホンや声掛けで応援していたが、強豪校の組織的な応援に感化されその後はサークルのメンバーを率いて和太鼓で応援をするようになる。
龍之介と同様チームメイト想いであり、学校の補修で東京合宿に参加できそうになかった日向と影山を、烏野食堂の車で東京まで送り届ける。冴子は、日向の憧れている「小さな巨人」と同級生。

天内叶歌(あまないかのか)

天内叶歌(あまないかのか)は田中とは小学校の同級生で幼馴染。新山女子高校バレーボール部の2年生、背番号6。ポジションは田中と同じウィングスパイカー。天内が小学4年生のとき転校するまで、田中とは家が近所だった。

小さい頃から背の大きかった叶歌をバレーボールに誘ったのが田中である。背の高さがコンプレックスだった叶歌は、高身長を生かせるバレーボールに出会い自信が持てるようになる。人見知りで内向的な叶歌は、挫けそうになるといつもポジティブな田中に悩みを打ち明けていた。
春高全国大会開会式で、田中と叶歌は小学4年生以来の再会を果たす。叶歌はスタイルのよい美女に成長していたが、本人にその自覚はない様子。全国大会1日目を烏野バレー部が勝ち抜いた日の夜、偶然田中は叶歌と道端で出会うが、田中は叶歌が待ち合わせをしていた従兄を彼氏と勘違いしその場を立ち去る。

試合2日目、叶歌は田中に対して「あのね、私ね、龍ちゃんのおかげで、猫背が直ったよ。わたし、うまくなったから見ててね!」と言ってその場を走り去る。実際女子バレー界の「女王」こと新山女子で、叶歌は次期エースとして期待されており『月刊バリボー』で特集が組まれるほど注目されている。卒業後はバレーボール女子日本代表のエースとして成長する。そのときの背番号は2。

西谷夕(にしのやゆう)

西谷夕(にしのやゆう)は烏野バレー部の2年生レギュラー。ポジションはリベロ。中学生時代にベストリベロ賞をとるなど、その実力は折り紙付きである。バレーボールでは空中戦が得点源となるが、守備の要はリベロ。西谷は自他ともに「烏野の守護神」と呼ばれている。

通称「のやっさん」。ノリの良さやテンションが同じ田中と仲良し。田中と同じくマネージャーの清水潔子のファンで、西谷と田中の潔子に対するリアクションはいつも同じ。そこに音駒の猛虎も加わった。3人の中ではただ一人、潔子からビンタを食らったことがあるという理由で2人から一目置かれている。

田中とは潔子と対面する場面だけでなく、様々な場面において一緒に行動する場面が多い。

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昼神幸郎(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

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昼神幸郎(ひるがみ さちろう)とは古舘春一の高校バレーを題材にした漫画作品『ハイキュー!!』の登場人物で、鴎台高校のバレーボール部に所属する2年生である。ポジションはミドルブロッカー(MB)。鴎台は全国トップクラスのブロックを誇るチームであり、全国ベスト4に入る強豪である。その鴎台でブロックの要として活躍していることから「不動の昼神」という異名を持つ。物腰柔らかい雰囲気があるが、試合中は迫力のある表情になる。冷静に状況を分析する能力に長けていて、落ち着いたプレーでチームに貢献する。

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山口忠(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

山口忠(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

山口忠(やまぐち ただし)とは『ハイキュー!!』に登場するキャラクターで、「落ちた強豪、飛べない烏」と呼ばれている「烏野高校」のミドルブロッカー。身長が高くクレバーな月島、天才の影山、最強の囮日向と同期であり、レギュラーに入ることもできず、当初は目立たない存在であった。しかし、自分だけの武器を見つけるべくサーブを特訓し、チームで欠かせない選手に成長。変人だらけの烏野1年の中で一番まともな性格をしており、よくツッコミ役に回る。しかし幼馴染の月島のことになると熱くなってしまう一面も持つ。

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灰羽リエーフ(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

灰羽リエーフ(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

灰羽リエーフ(はいば りえーふ)とは、『ハイキュー!!』の登場人物で、東京の強豪、都立音駒高等学校男子バレー部に所属する1年生。日本人とロシア人のハーフだが日本生まれ日本育ちのため、ロシア語は話せない。名前のリエーフはロシア語で”獅子”を意味する。 バレーは高校に入学してから始めたため、周りから下手だと言われているが、生まれ持った高身長、身体能力、バレーのセンスを兼ね備えている。 主人公の日向翔陽がいる宮城県立烏野高等学校と”ゴミ捨て場の決戦”を実現させるため全国大会への出場を目指していく。

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夜久衛輔(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

夜久衛輔(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

夜久衛輔(やく もりすけ)とは『ハイキュー!!』内で登場する音駒高校のリベロ(R)。主人公日向翔陽(ひなた しょうよう)の所属する烏野高校とは因縁の関係であり、何度も試合を行っており、互いを高め合うよきライバルである。リベロとしての能力が非常に高く、その存在だけで相手のスパイカーにプレッシャーを与えるほどの存在感がある。個性豊かなチームメンバーをまとめるおかん的な役割をしていることが多いが、後輩を叱ったりする一面から鬼先輩と呼ばれることもある。

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白布賢二郎(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

白布賢二郎(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

白布賢二郎(しらぶ けんじろう)は漫画『ハイキュー!!』の登場人物で、宮城県の絶対王者といわれた白鳥沢学園高校バレー部の2年生セッター。中学生のとき、1学年上のスパイカー牛島若利(うしじま わかとし)に憧れて、一般入試で入学した秀才。2年生で正セッターの座を射止めた努力家でもある。派手さはないがミスの少ないトスが持ち味で、強力なスパイカーを生かすトス回しが特徴。“シンプル・イズ・ベスト”を追求する白鳥沢学園のコンセプトにマッチするセッターだ。目立たないが気が強く、実力のある選手たちを支える。

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