νガンダム(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)とは【徹底解説・考察まとめ】

νガンダムとは、劇場用アニメ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場する人型兵器「モビルスーツ」の一機で、同作品の主役機を務める。
地球連邦政府に対して反乱を起こした「シャア・アズナブル」と決着をつけるために、その宿命のライバル「アムロ・レイ」が設計から関わり完成させた。搭乗する人間の意志に反応する、モビルスーツ用構造部材であるサイコフレームを搭載し、それによって精神波操縦兵装フィン・ファンネルを使用する事が可能になっている。

宇宙世紀のモビルスーツには基本的にキャノピーというものがなく、外部のあらゆる情報はカメラをはじめとするセンサでー捉え、それをコクピットへ映し出してしている。
また、その映像は撮影したものがそのままコクピットに映し出されるのではなく、戦闘に不要な情報の削除、必要な情報の強調などを、撮影する機体のコンピュータによって自動でCG加工されたものとなっている。

このダミーバルーンはそのCG処理という点を突いた目くらましである。
具体的には、目視すれば明らかな偽物と分かる宇宙空間でも使用できる風船の表面に、モビルスーツのセンサーを誤作動させる塗料などを施したものである。
射出と同時に膨らみ、特に遠距離戦では本物と誤認させる事が可能となっている。

オプション兵装

ビームライフル

νガンダム専用のビームライフル。
宇宙世紀0093年当時のものとして極めて高出力であり、最大出力では、当時の最新鋭戦艦の主砲と誤認される威力のビームを撃ち出せる。
また、バーストセレクト機能を備えており、単発/連射の切り替えが可能。

ニューハイパーバズーカ

280mm口径の実体ロケット砲である。
砲身先端部には照準用のレーザーセンサーを備える。かつてのRX-78-2 ガンダムが使用していたハイパーバズーカに比べると、本機のものは有効射程の向上や、より強力な弾頭への変更などの改良が施された。
また、モビルスーツが手持ちしなくても、バックパックにマウントした状態のままの砲撃が可能であり、さらにνガンダム本体から切り離した状態からも、外から人間が有線操作する事で発射可能となっている。

フィン・ファンネル

画像四方と、νガンダム(中央)の背景の板上の物体。

本機を象徴する兵装。
サイコミュによって増幅・指向性を持たせたニュータイプの精神波を感知し、パイロットの「こうして欲しい」と考えをくみ取り、その理想に沿って攻撃を行う事ができる。
本機のものは通常時は巨大な板状をしており、その両端から中央直前辺りまでがジェネレーターアームとなっている。使用時はコの時折れ曲がって事でジェネレーターアーム同士が接近し、その合間に強力な磁気フィールドを形成し、ビーム射撃を行う事が可能。

また、フィン・ファンネル本体に超小型の熱核融合炉を搭載しており、従来がファンネルが充填されたエネルギー以上には活動できなかった事に対し、こちらは推進剤が切れない限り、普通の作戦時間程度の間であれば、エネルギー切れを心配せず活動する事ができる。
さらに磁気フィールドを発生させられる構造を応用し、νガンダムを取り囲むように配置して、ビーム攻撃を防ぐ「Iフィールドバリア」を展開する事も可能。

本機には計6機が搭載されている。

防護装備

専用シールド

対ビームコーティングを施した、本機専用の盾。
物理的衝撃の他、直撃したビームの熱にもある程度耐える事が可能。

しかし、宇宙世紀0093年当時のビーム兵装は威力が上がっており、対ビームコーティングを施していても防護装置として多くを期待する事ができず、そのためシールドの機能に加えて、追加兵装のマウント装置としての性格を帯びている。

裏面にビームキャノン1門、およびミサイル4発を装備。
このビームキャノンは、自身にジェネレーターを備えており、νガンダムからのエネルギー供給を受ける事なく発砲が可能となっている。
その威力はRX-78-2 ガンダムが使用していたビームライフルと同等の威力を持っており、νガンダムのそれと比べれば劣るものの、対ビームコーティングの薄い場所を狙えば十分な威力を引き出す事が可能となっている。

νガンダムのパイロット・関連人物

アムロ・レイ

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主役となる人物。
『機動戦士ガンダム』に登場するアムロ・レイと同一人物であり、その時代から14年後の姿である。また、その当時から宿敵であるシャア・アズナブルと決着をつけるためνガンダムの製造に着手した。

現在は連邦軍に所属し、その連邦軍直下の指揮系統から独立して遊撃を行う機動艦隊「第13独立部隊ロンド・ベル」のエースパイロットとして生計を立てている。

人見知りの少年だった頃の面影はなりを潜め、現在では軽く女性を口説いたり、長年の付き合いとなる上官「ブライト・ノア」とも親しげに話したりするなど、人間として大きく成長した。
それでも、かつて自身が誤って殺害してしまったニュータイプ少女「ララァ・スン」の事を完全には忘れられず、心を縛られている。

最後はシャアの策略で地球に墜ちていくアクシズに向かい、νガンダム1機だけでこれを押し返そうとする狂気の沙汰とも取れる行動に出る。
だが、その激しい想いをνガンダムに搭載されるサイコフレームが拾い、正体不明の共振を起こした事で不思議な力が発生。その力で、アクシズを本当に押し返してしまった。

その後の行方は不明である。

renote.net

チェーン・アギ

アムロの現恋人。
連邦軍の技術士官であり、νガンダム建造に際して常にアムロの思い通りになるよう尽力した。
そんな彼女の力添えもあってνガンダムの開発期間3ヶ月というミラクルは達成されている。

しかし劇中終盤、アムロにサイコフレームの試料を届けるために半壊したモビルスーツ「リ・ガズィ」に搭乗し強引に出撃。
その最中に、ブライト・ノアの息子「ハサウェイ・ノア」と、彼の想い人ながらシャアになびいて新生ネオ・ジオン入りした少女「クェス・パラヤ」が戦場で口論している場面に遭遇。
チェーンはハサウェイの危機だと勘違いして、クェスの乗機を撃墜してしまう。

しかし、この口論はハサウェイがクェスをなんとか連邦軍、引いては自分の元に戻ってきてもらえるようにした説得だったのだ。
片思いの相手を殺されたハサウェイは逆上。チェーンのリ・ガズィめがけて、乗機「ジェガン」のビームライフルを発砲し、これへ被弾したリ・ガズィは耐えきれず爆発。チェーンも宇宙の藻くずと消えてしまった。

なお、チェーン死の瞬間、彼女がアムロに届けようとしていたサイコフレームの試料が宇宙空間に飛び出している。
それが彼女の遺志で動いてνガンダムまで届いた結果、サイコフレームの共振が起き、アクシズの落下を阻止する原動力になったかのような演出が見られる。

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