トリニティ・ブラッド(トリブラ)のネタバレ解説・考察まとめ

『トリニティ・ブラッド』とは、著者・吉田直/キャラクター原案・THORES柴本による長編ダークファンタジー小説、及びそれを原作としたドラマCD、コミックス、アニメ作品である。
舞台は、中世のヨーロッパの啓蒙時代を彷彿とさせる世界観の遠未来。突如現れたヴァンパイアと人間は、互いの生存権をかけて戦いを続けていた。そんな中、ある神父がイシュトバーンと呼ばれる地に訪れ、レジスタンスとして活動するシスター見習いに出会う事から物語は大きく動き始める。

現在のスペイン、ポルトガル、モロッコを国土とする国。
数十年前にゲルマニクスに併合された。

カタロニア公国

カタロニア地方を治めていた国。首都はバロセロナになる。

フランク王国

現在のフランスに当たる位置にある国家。
農業を中心の国。

ボヘミア公国

現在のチェコ、スロバキアの位置に当たる国家。
帝国と隣接しているため、異端派や武装蜂起が起きやすい土地柄でもある。

自由都市イシュトヴァーン

現在のブタペストの位置にあり、ハンガリー地方を治める独立都市国家。

聖マーチャーシュ教会

エステルが預けられ、育った教会。
市警軍により破壊される。

絶滅地帯/ダークランド

大厄災で生物が生存できなくなった地域で、地球上の大半を占める。

『トリニティ・ブラッド』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

シャラザード・アル・ラフマン「あなたは聖女になるわ。」

聖女が誕生する切っ掛けは、友であったシェラザート・アル・ラフマンの一言だった。
後半の作中に繰り返し、イラストを変えながら描かれている。
短い間だったが、エステルと行動を共に過ごしたシェラが亡くなる際にエステルに残した言葉である。
エステル自身彼女の死を乗り越え苦難を乗り越える度に繰り返される中で、少女であったエステルは聖女になり最後にはアルビオンの女王になったのだ。
もし、小説の連載が続いていればシェラの残したこの言葉はエステルの中で、幾度となく繰り返され自身を奮い立たせる事になっただろう。

メアリ・スペンサー「私たちどうして姉妹だったのかしらね。赤の他人だったら、きっと私もあなたの事を好きになれたのに。」

生き別れていた姉妹の結末。
エステルの事が、アルビオンの貴族院にも公になり、今までの努力と計画が全て有耶無耶になってしまいそうになるメアリ。
女王の座を奪い合う関係である事を知る前は、エステルとメアリは互いに好感さえ感じていた事もあった。
「赤の他人だったらきっと私も、あなたの事好きになれたはずだったのに。」
この言葉には、メアリの愛情・嫉妬・憎しみが入り混じっていた。きっと二人の立場が違えば、良い関係を築く事は間違いなかっただろう。
この場面には、女王の座を求める姉の意志は、異母妹を自ら殺めてでも譲れない物であった事、メアリ自身の葛藤が描かれている。

エステルの戴冠式

この場面には、セリフの書き込みは一切ない。
教皇は、信仰の誓いを立て修道女としてのエステルに聖女の称号を与えたが、還俗したエステルにも自ら王冠を授けた。
アルビオンに入国した時、教皇に仕える人間だったエステルは皇族として教皇と肩を並べる事になったのだ。
他の兄弟達の政争に巻き込まれ続け自分を持つことがなかった教皇は、常に前を向き自分の思う道を進むエステルに憧れのような気持ちを抱いていた。
新たな薔薇の道へと歩みを始めたエステル。
そんな彼女に感化され少しずつ自分の意思を周りに伝え、自分の進む道は何かを探し始めた教皇。
それぞれ自分の道を歩む決意を胸に、新たな道を歩むことになる印象的なシーンである。

『トリニティ・ブラッド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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