ホームルーム(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホームルーム』は、作者・千代による学園が舞台のサイコ・ラブコメ漫画である。講談社が運営しているwebコミックサイト『コミックDAYS』にて2018年3月から2020年2月まで配信され、ドラマ化もしている。漫画全8巻、全87話。学校の人気者ラブリンこと愛田凛太郎は英語教師。いつもいじめられている地味な女子高生・桜井幸子を助けている。しかし、実は桜井のヒーローになるため愛田先生自ら桜井に対するいじめを仕掛けている。それを知らない桜井は愛田先生に恋をし、その中で先生の秘密を知っていく物語である。

『ホームルーム』の概要

『ホームルーム』とは、千代による日本の戦慄サイコ・ラブコメ漫画である。物語の舞台は学園。地味で冴えない女子高生・桜井幸子と英語教師の愛田凛太郎のサイコな恋物語を描く。講談社が運営しているwebコミックサイト『コミックDAYS』で2018年3月から20202月まで配信された。2020年1月から3月まで、毎日放送で山田裕貴主演で連続実写ドラマ化され、話題となった。靴を隠されたり、椅子に接着剤ぬられたり、いつも不快ないじめをされる地味な女子高生の桜井幸子。そんな桜井をいつも助けてくれる英語教師の愛田先生は生徒からラブリンと称され、爽やかでイケメンな学校中の人気者。桜井も王子様のように救ってくれる愛田先生に憧れていた。しかし実は、桜井のいじめは愛田先生が、自ら桜井のヒーローになるために企てたものだった。愛田先生に恋をする中で、どんどん愛田先生の秘密を知っていくストーリーである。毎晩桜井の家に忍び込み、ベッドの下で監視をしたり、桜井の私物を採取して持って帰ったり、変態とも言えるサイコな愛情表現の描写が多い。

主人公の桜井幸子、愛田凛太郎をはじめ、個性が強いキャラクターが登場する。また、予測できないストーリー構成や読者を圧倒させる写実的に描かれた絵が魅力的な作品で、多くのファンから支持されている。教師と生徒の禁断の恋が描かれているのだけでなく、愛田先生の異常な性癖、ストーカー行為、そしてお互いの異常な愛を抱きあう描写がサイコホラーの世界観を演出している。

『ホームルーム』のあらすじ・ストーリー

イケメン教師の裏の顔

「ラブリン」と親しまれているイケメン教師・愛田凛太郎は、学校一の人気者である。名字の「愛田」に因んで「ラブリン」と呼ばれる。優しく明るくて正義感に溢れており、熱血教師の面もあり、少しウザがられるも信頼できる教師の姿そのものだった。

愛田先生が担任のクラスには、桜井幸子という女子生徒がいる。地味で冴えない、眼鏡をかけている真面目な性格の持ち主である。ある日の授業中、桜井は「立って問題を解答してくれ」と愛田先生に当てられたが、立って答えることが出来なかった。成績優秀な桜井が問題を答えられないのは様子がおかしいと、「なんかあったのか?」と愛田先生は気にかけた。実は、椅子に接着剤を塗られたから立つことが出来なかったのである。しかし桜井はなかなか理由を言えなかった。その様子を見ておかしいと感じた桜井の幼なじみであり、親友である丸山のぶ代、通称マルが「この子またいじめられています。」と声を上げた。「また」という言葉で、この陰湿な嫌がらせは今回だけではなく毎回あると連想させる。そんな桜井がいじめられている度にマルが声を上げて愛田先生に知らせてくれるのだ。
そうとわかったら、愛田先生は椅子ごと桜井を持ち上げ、走って保健室まで連れていく。保健室で椎名先生に診てもらっている間に、このいじめ問題を解決しようと一生懸命にクラス内に持ち出す。顔を伏せてもらって、いじめをやった人は手を挙げるように生徒たちに頼んだ。だが、誰も手を挙げなかった。この光景に愛田先生はため息をつく。

でも意外なことに桜井はこのいじめが嫌いじゃない。それは、愛田先生が王子様のように助けてくれるからである。桜井はスナックで働く母親と暮らしていたが、男を追いかけ家を出て行った。それが2年も経つ。一人娘のことが心配なのか、たまに帰って家賃や光熱費、学費などを置いてくる。桜井自身もバイトして、なんとかギリギリの生活をしている。
そんな時に、ある日学校に赴任してきた愛田先生が家庭訪問に訪れた。その時に家の事情を桜井の事情を聞いた愛田先生は同情し、「これからは一人じゃないから」と涙した。これをきっかけに桜井は愛田先生に好意を抱くようになった。

学校が終わり、家に帰る愛田先生。持っていた接着剤を捨ててから部屋に向かう。部屋に入り、布団に飛び込み一息つく。しかしそこは自分の家ではない。そこは桜井の家である。
桜井の接着剤のいじめも、実は愛田先生が犯人なのだ。また、毎晩桜井の部屋に侵入し、寝てる時に勝手に性行為をする。

桜井を好きな理由

桜井が好きなのに何のためにいじめをでっち上げたのか。それは、自分が桜井の「ヒーロー」になるためにわざとやったのである。自分が桜井のヒーローであるために、桜井は不幸になる必要があると考えた愛田先生は、桜井と出会ってから今までいじめを自作自演してきたのだ。
愛田先生がヒーローにこだわる理由は、幼少期に借金を抱えた母親が自分の目の前で首つり自殺をしてしまった。その母親が「人を守れる人になりなさい」という言葉を残し、愛田先生はその言葉を忠実に守ろうと誓い生きようとして、先生になった。だが、踏み込んだ先は平和で平凡なスクールライフで飽き飽きしていた。そんなところに、生徒の家庭訪問することとなった愛田先生は、桜井の家に行った時に桜井の家の事情を聞き、過去の自分と重ね、「この人こそ守るべき人だ」と確信し、そして恋をした。

桜井のことが好きな一番の理由は、桜井が「天然素材」そのものだからである。愛田先生は、化粧やネイルなどで加工された人は全く興味がない。愛田先生はこういった人を「加工物」と言い嫌う。純粋無垢で穢れを知らない、何にも染まっていない桜井がまさに愛田先生が求める人なのだ。あまりの異常な愛で、桜井を盗聴したり、盗撮したりしている。

失敗した仕掛け

ある日の昼休みに図書委員として仕事する桜井と図書委員長の矢作健。その頃、愛田先生は職員室で図書にいる桜井を監視しながら盗聴していた。自分が計画した棚から大量の泥が桜井の頭に落ちるイタズラが発動するのを待っているのだ。生徒が自分を呼び、イタズラにかかった桜井を救うというプランである。しかし、監視している途中で同僚の先生に話しかけられ、視界を妨げられる。
そしてやっと生徒の悲鳴が来たと思ったら、イタズラにかかったのは桜井ではなくなんと矢作だった。これには愛田先生も驚いたが、生徒たちの前だから愛田先生は矢作を助けざる負えない。実は、矢作が桜井の代わりに泥を被ってしまったのだ。

矢作が身代わりになったのは、桜井に好意を抱いているから。放課後、自分の代わりに泥を被ってくれた矢作を心配して話しかけた桜井。その会話で矢作の桜井への好意が、愛田先生に盗聴で聞かれてしまい、以後矢作は愛田先生に目をつけれることなる。
ある朝起きたら「ヒーロー」という宛名から「桜井幸子に近づくな」という謎のメールが来ていた。その「ヒーロー」の正体は愛田先生だった。このメッセージで桜井から手を引こうと思うものの、いつもの昼休みの図書委員の仕事中に桜井が助けてくれたお礼を言い「矢作さんのこと考えると胸が苦しくって」と言っていたので、逆にいいムードになってしまった。その言葉聞いた矢作は桜井を守ろうと決意したが、今度は「近づくなって言ったよな?」というメッセージと共に自身のシャワー動画を送られてきて、背筋が凍ってしまい見事に諦めたのである。

椎名先生との肉体関係

後日、愛田先生は保健室の椎名先生と夜回り当番することになった。巡回用の名簿に名前を書いてほしいと頼まれ、持っていたペン型の盗撮機器で書いてしまい、愛田先生が椎名先生に名簿を返却する際にペン型の盗撮機器も一緒に無意識に渡してしまった。そして授業中に愛田先生が持っていたはずのペン型の盗撮機器を保健室に忘れたことに気付き、急いで保健室い向かった。そこで椎名先生は「このペンで何をしようとしているんですか~」と愛田先生をペンでからかう。それに対し椎名先生が気づいているのか、気づいていないのかとても気になっていた。そんな時に自分が仕掛けていないのに、なぜか桜井の椅子にまた接着剤が塗られていた。自分以外の人が桜井にいじめを仕掛けるのが許せない愛田先生は、犯人捜しをするようになる。

椎名先生との巡回の時に、不良集団の矢沢たちにつけられた愛田先生は、桜井の自宅があるマンションに入るのを目撃されるが、不良集団はそこを愛田先生の自宅だと勘違いしていた。そこで不良集団は、女子生徒からのラブレターを装い、愛田先生をハメようと倉庫に呼び出そうとして、桜井の部屋のポストに投かんした。帰ってきた桜井は、手紙を読み自分宛だと勘違いし、翌日倉庫に向かった。愛田先生ではなく、桜井が来たことを不思議に思った不良集団だが桜井を利用して愛田先生をハメることになった。
一方その頃は愛田先生は椎名先生と巡回中。自分が桜井を助けに来られない代わりに矢作にまた「ヒーロー」と名乗りメッセージを通じて助けに行けと命令した。矢作は命令通り、桜井を助け出した。そして、ペン型の盗撮機器が椎名先生にバレていないか心配していた愛田先生はわざと椎名先生をホテルに連れ込み性行為中に、ペン型の盗撮機器のことをさりげなく訊いたが椎名先生は全く気づいていなかった。これで愛田先生と椎名先生は肉体関係を持つことになった。また、矢沢の家に電話をして、自分をハメようとした矢沢たちの倉庫での会話の録音を流し、電話を通じて矢沢の母親が知ることとなった。

桜井の自作自演

その後、何事もなく平和な日々が続いたが、愛田先生にかまってもらいたい桜井は物足りないと思っていた。愛田先生に助けほしいがために、桜井は自らいじめを自作自演するようになる。それを許せない愛田先生は犯人捜しをしようして、学校に盗撮用の小さいカメラをつけた。愛田先生にかまってもらいたい一心でまたいじめを自作自演した。今度はトイレで自らバケツに入った水を被り、愛田先生の助けを待っていた。
しかし学園の「鉄の女」と呼ばれる生徒会長の白鳥奈々が介入し、愛田先生がつけた小型カメラを発見したと言う。カメラを設置した犯人がまだ現場にいると考えた白鳥は「高性能電波感知器」で犯人を探そうとしたところ、愛田先生がヒットしてしまった。愛田先生はすかさず持っていたイヤホンを言い訳にしてなんとかその場を乗り切った。
小型カメラを回収するべく、ひと騒ぎを起こした愛田先生だったが、白鳥はそんなこともあろうかとカメラのデータをパソコンにコピーした。その内容を見ようとしたところに、桜井にケガを負わされ入院することとなり、病室で愛田先生がお見舞いに来たきっかけで愛田先生のことを好きになってしまう。鉄の女と呼ばれる白鳥は初めて恋をする快感を覚え、退院後「責任をとってください。」と愛田先生に言うが、「他に守りたいやつがいるんだ」と振られた。

その後、学校中に愛田先生の発言が話題になり、桜井の耳にも入った。気になる桜井は放課後、愛田先生の家までついていく。椎名先生も名簿で愛田先生の住所を調べ、家に勝手行き、待ち伏せしていた。そこで桜井は巡回してた時に二人が肉体関係を持ったことを聞いてしまった。愛田先生の家までついて行った桜井は、家に帰ってから自癒行為をする先生を目撃してしまったことを愛田先生にバレてしまい、愛田先生に追いかけられる。追いかけられた時に桜井は、「自分がいつも追いかけていた愛田先生が逆に自分を追いかけてくれる」と嬉しい気持ちになった。愛田先生はパンツ一枚で桜井を追いかけていたため、途中お巡りさんに声をかけられたが、桜井が「親戚のおじさん」とごまかした。その後、二人きりになった時に桜井になぜ自分の家を知っているのかと聞くと、桜井は「椎名先生から聞きました。」と答え、それを聞いた愛田先生は椎名先生に怒りを覚えながら桜井に対し「でもあれは不法侵入だからな。」と諭した。自癒行為の件は全く触れず愛田先生はなんとか逃げ切った。帰宅した桜井はこの事をまるで二人だけの秘密ができたと嬉しく思った。

復帰した問題児

翌日、謹慎処分から復帰する生徒がいるという話を聞いた愛田先生。名前は夏目ゆあで、不良集団に属している。先生をハメたところを警備員に目撃され、先生はクビ、夏目は謹慎処分となった。夏目も自分が謹慎処分中に赴任してきた愛田先生に興味を持ち、家まで行ったが不良集団は桜井の家を愛田先生の家と誤解しているため、結果桜井が出ることになった。不思議に思いつつも中に入る夏目。そして、ベッドの下にいる愛田先生を見てしまう。

目撃した後、何も言わず立ち去る夏目は、この事を仲間の不良集団にも言っていなかった。そして、学校で愛田先生と再開した夏目は、昨日の変態男が愛田先生だと確信し倉庫に呼び出し、僕になるように「足を舐めろ」と命令したが、倉庫の近くに椎名先生が愛田先生を探しに来て、「この話の続きはまた明日」と話が途中で終わった。
愛田先生は夏目のことを聞き出すために、椎名先生に会いに保健室に行った。愛田先生に夏目のことを聞かれた椎名先生は、愛田先生を夏目に奪われるかと焦って、勢いでキスをした。それをたまたま保健室に訪れた桜井に見られてしまった。ショックを受けた桜井は泣いてしまい、マルが慰めた。「あんな教師忘れなよ」とマルに言われるも、「先生のことを悪く言わないで」とかばった。また「マルは好きな人がいないからわからないよね」と桜井に言われたマルは、「私にだって好きな人はいる。私じゃダメ?」と言い桜井にキスをした。マルは桜井に恋愛感情を抱いていたのだ。

桜井とマルのすれ違い

マルの告白に戸惑った桜井は「ごめん。友達としてしか見ていない。」と振った。ショックを受けながらも桜井の恋を応援するマル。その後「愛田先生に一言言ってくる」とマルが泣きながら愛田先生を探した頃、愛田先生は倉庫で夏目に呼び出された。前回と同じように「足を舐めろ」と命令し、愛田先生はそれに従い夏目の足を舐めた。その光景をマルが見てしまい、愛田先生にビンタし怒った。

その夜、また夏目に呼び出された愛田先生は誰もいない校舎に向かう。待っていた夏目にまた「足を舐めろ」と言われるが、愛田先生は意外な人物をゲストに呼んだ。それは、前に夏目がハメた先生である。警察の制服を着て登場するが実はコスプレ。あの事件以来、全てをなくしたその先生は別人を装って生きてた。愛田先生は事件のこと調べて探し出して連れてきた。夏目に懺悔してもらうように、先生を相手してもらうことにした。慌てた夏目は「こっちには秘策があるんだから!」と脅したが、効果はなかった。愛田先生が自分の足を舐めるところを盗撮しようしていたが、愛田先生にあっさりと携帯電話を回収され、そのまま立ち去った。

次の放課後、一人で帰ったマルは不良集団のイケメンメンバー竹ノ内忠につけられる。竹ノ内は、実はマルのことが好きである。桜井に振られた後泣いたマルを竹ノ内はたまたま見てしまい、気になって話しかけたが全く相手にされない。そこで急に「好きだ」と告白してしまう。マルはびっくりしたが、竹ノ内のことは好きでもないが話を聞いてほしいがために受け入れた。マルから愛田先生の話を聞いた竹ノ内は、マルのために愛田先生に復讐しようと考えた。

翌日一人で登校した桜井。学校に着いたら上履きが片方なくなっていたので、愛田先生が荷物検査をはじめた。生徒の荷物を順に調べ、マルの番で突然マルのかばんから桜井の上履きが出てきた。教室はどよめき驚いた。自身も驚いたマルは「私はやっていない!」と言いつつも、桜井のショックな表情を見て教室から出て行った。だが、これは全て愛田先生が仕組んだものだった。竹ノ内はマルを追いかけ慰めるも「そんなの必要ない。でもどっか連れていって。」と言い、その後二人で海辺の近くに行った。そして、そのままマルはそこで処女を捨てたのだ。

帰ってきた母親

一方、いつものように桜井の家に侵入した愛田先生。性行為の最中に突然玄関の鍵の音がなり、ベッドの下に隠れた。桜井の母親が帰ってきたのだ。朝起きた桜井は母親の帰りを喜んだ。親子で久しぶりの朝食を食べている時に「引っ越しましょう。」と母親が提案した。
朝学校に着いたらマルはいなかった。愛田先生は桜井のベッドの下から出られない状態なので出勤できない。そのため別の先生が代理で来た。
その頃、竹ノ内が愛田先生に会うために愛田先生の家(実際は桜井の家)に向かったが、予想外なことに桜井の母親が出た。驚いた竹ノ内は、愛田先生が桜井の家に出入りしていることを察した。桜井の母親が竹ノ内と会っている間になんとか部屋を脱出した愛田先生は自分の家に向かった。

そして、竹ノ内は愛田先生の本当の住所を知るために夜学校に忍び込み職員室を調べた。本当の住所が見つかり、不良集団と昼間の愛田先生がいない間に家のガサ入れを計画する。家に帰った竹ノ内はふと不思議に思った。夏目を愛田先生の家(実際は桜井の家)に連れて行った時、もしかして桜井が出たのかと考え、夏目にそのことをメールで問いただすが「覚えていない」とはぐらかされた。そのついでに「明日、愛田の家にガサ入れするからお前も来いよ。」と連絡して詳細を教えた。

次の日、ガサ入れを決行した不良集団一行は、家の中から愛田先生が出てきて驚く。竹ノ内が連絡を取っていたのは、実は愛田先生だったのだ。あの夜以来、愛田先生はずっと夏目の携帯電話を持っていたため、不良集団の計画は筒抜け状態だったのである。
計画は失敗したものの、「やはり愛田は桜井の家に出入りしているんじゃないか。」と確信しはじめた不良集団。竹ノ内は「直接、桜井に聞こう。」と言った。

その頃、愛田先生がインフルで休んでいることになっているため、桜井はお見舞いしに愛田先生の家に向かった。そこに椎名先生もいて、ライバル同士の二人は鉢合わせしてしまった。そこに愛田先生が中から出てきて、「病院に連れて行ってください。」と頼み家の中の状態がバレず済んだ。
一方でマルは街で竹ノ内と歩いたところを、桜井の母親とバッタリ会ってしまい、そこで桜井が転校することを知る。ショックを受けたマルは、桜井を転校させまいと竹ノ内に「幸子のお母さんをおとして。」と涙ながらに頼んだ。マルの気持ちを察した竹ノ内はそれを受け入れた。

愛田先生の勘違い

愛田先生の病院に付き添った帰り、桜井は母親に声かけられ一緒に帰ることとなった。そこで母親が「ハンサムくんが家に来た」と伝えた。母親の言うハンサムくんは実は竹ノ内のことだったが名前を聞いていないため、ハンサムくんが愛田先生だと勘違いする。桜井にとってハンサムといったら愛田先生しか思い浮かばないので、このように勝手に勘違いしたのだ。
翌日、桜井に真実を聞き出そうとする竹ノ内。桜井と和解したいマル。そして、インフルから復帰した愛田先生が教室にいた。愛田先生は「昨日は病院に付き添ってくれてありがとう。」とお礼を言い桜井に話しかけた。その時に桜井から「昨日家に来ましたか?」と聞かれ、「行ってない。」とうまくごまかしたが、内心バレたと考え焦っていた。その場にいた竹ノ内は、「桜井は愛田が自分の家に出入りしていること知らない。」と判断し、結局桜井に直接聞くまでもないと考えた。

桜井が帰る前、母親は引っ越しの為荷物をまとめながら男と電話した。その内容は引っ越し先でお店を開いて、そこで自分の娘に稼がせるという残酷なものだった。ちなみに、作中では桜井の母親の言うお店がどんなお店なのかは、詳しく言及されていない。だが桜井の母親の「幸子にはしっかりと稼いでもらわないとね。」や「吞気に恋して男に染まったら商品(使い物)にならないじゃない」というセリフから、おそらく女性が性的なサービスするお店だと推測ができる。そんなことも知らない桜井が帰ってきた時に母親は荷造り用のガムテープの買い出しに行く。
その日の夜、桜井の母親を消す計画を実行する愛田先生。しかし、自分では手を下さない。矢作に桜井の母親の写真をメッセージで送り、「この人物を片付けろ」と命令をした。もちろん、矢作にはその人物が誰かは知らない。矢作は買い出しに行く桜井の母親をスタンガンで気絶させたところを竹ノ内に目撃されたが、竹ノ内は状況を考え「俺も桜井の母親に用事がある。とりあえず運ぶぞ。」と自分の車の中に運ばせた。

移動中に竹ノ内に「事情を話せ。」と聞かれ、矢作は「この人が”ヒーロー”だ。自分は試されている。」と勝手に思い込み、事情を話せずにいた。その時、桜井の母親が目覚め、竹ノ内の首を絞め車が危うくガードレールに激突しそうになった。車から降りて、反撃しようとする桜井の母親、それを止める矢作、そして竹ノ内は「桜井を転校させないでください。」と交渉した。それを聞いた母親は、「じゃあ、マルと幸子のどちらかを選びなさい。」と言った。桜井の母親は、竹ノ内がマルと幸子と二股していると思っていた。竹ノ内はマルが好きだが、この状況を打破するためあえて「幸子さんです。」と答えた。

その光景を見た矢作は、「桜井さんが転校?この女の人が桜井さんのお母さん?」と内心驚き、さらに罪悪感を感じた。そして桜井のことを選んだ竹ノ内を見て、竹ノ内が桜井の彼氏だと勘違いしてしまい、自分は失恋したんだと思いその場を静かに離れた。残された竹ノ内は、桜井の母親にお金を渡してなんとかこの事と桜井の転校を諦めさせ、なんとか一件落着したのだ。
一方その夜、愛田先生はいつものように桜井の部屋に忍び込んだ。だが、今回は桜井は起きていた。しかし、声をあげることなく自分の体を勝手に触る愛田先生を黙ってみていた。
翌日、盗聴して聞いていた桜井と彼女の母親との会話に「もう転校しなくていい。ハンサムくんと仲良くなりなよ。」と言う内容が聞こえた。これを機に愛田先生は「ハンサムくん」の正体をとても気になっていた。

桜井はライバルの椎名先生に自分が愛田先生と致した事を報告した。椎名先生は最初は信じなかったが、だんだんと信ぴょう性が増して焦って真実を愛田先生に問いただす。しかし、愛田先生はそれを「椎名先生、気持ち悪いですよ。」と否定した。椎名先生は桜井に「やっぱりはったりだったのね。」と言い桜井をバカにして立ち去った。桜井はショック受けたが「先生はこの関係を秘密にしたいはず。」と考えたが「でも私は堂々と皆に言いたい。」と思って、自分からアプローチするようになる。

加工物に変貌した桜井

愛田先生を振り向かせたい桜井はまずは見た目を変えなきゃと考え、不良集団に「私、きれいになりたいんです。」と言い、彼らの協力を求めた。そこで不良集団の女子生徒メンバーが「協力してあげる!」と言って、桜井を美容室へと連れて、髪を金髪に染めさせた。
翌日その姿で学校に行き学校中をざわつかせた。もちろん、親友マルも驚いた。そして、一番驚いたのは愛田先生だった。天然素材の桜井が加工物になってしまったのだから無理はない。愛田先生はショックを受けながら、愛していた桜井のことを忘れるため、家の中にある桜井の物や写真などを捨てた。しかし、桜井に勝手に家の中に入り、その様子を見ていた。びっくりした愛田先生は「何をやっているんだ。不法侵入だぞ。」と言ったが、桜井は「これは先生の真似です!」と答えた。そして、先生の前で制服を脱ぎ「先生大好きです。」と言いながら、先生を求めた。「お前は誰だ。」「こんなのは桜井じゃない。」と混乱した愛田先生は、外見だけでなく、中身まで変わってしまった桜井から必死に逃げた。

翌朝、桜井は学校に来ていなかった。親友のマルも状況を知らない様子だ。退勤後に自宅に帰った愛田先生は、まさかかと思い家の中をくまなく探したが桜井は見つからなかった。そこで以前つけていたGPSで桜井の場所を特定しようとするが、印はなんと自分の家のところにあったのだ。つまり桜井は愛田先生の自宅に潜んでいるということ。
夜、愛田先生が寝る時に屋根裏部屋から姿を表した桜井。そして裸になって、愛田先生が自分に対してやったように寝込みを襲う。愛田先生からはそんな桜井が加工物に見えた。もうそこには天然素材はいない。愛田先生は黙って涙を流しながら受け入れた。
そして、愛田先生は突然いなくなった。どこかに逃げ出すように車を走らせる愛田先生は、自殺した母親の幻を見て、交通事故を起こしそのまま入院した。一方で桜井はずっと愛田先生を待っていた。
春を迎えた頃、卒業式に桜井は来ていたが参列しなかった。マルは桜井が来たことを心配していた。桜井は実は、妊娠したのだ。
その頃愛田先生はずっと入院していた。母親からの呪縛は溶けていたようだ。愛田先生は、自分が母親と桜井を重ねたことに気づき「変態だ。」と後悔しながら涙を流した。その時になぜか桜井が立っていた。桜井は検診で病院に来ていて、たまたま愛田先生の名前が書かれた病室を見つけ、二人は再会した。
愛田先生が乗っている車椅子を押しながら、二人は外に出た。そして、愛田先生は桜井が自分の子を妊娠したと知り、車椅子からサッと降りて「申し訳なかった!」と土下座して謝罪した。桜井は「ずっと会いたかった。」と涙した。そして、三人で家に帰ることを誓った。

『ホームルーム』の登場人物・キャラクター

6sichi8
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