サラリーマン金太郎(サラ金)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サラリーマン金太郎』とは1994年から本宮ひろ志が『週刊ヤングジャンプ』で連載していたビジネス漫画、およびそれらを原作としたアニメ・ドラマ作品である。矢島金太郎(やじまきんたろう)は亡き妻・明美の故郷で漁師をしていた。ヤマト建設会長である大和守之助(やまともりのすけ)を助けた縁でヤマト建設のサラリーマンとなる。ヤマト建設内では、元官僚の大島社長から黒川専務退任案が出ていた。社員達は渋々従っていたが、トラブルにも正面からぶつかっていく金太郎に感銘を受け、大島社長の追い出しを決意をする。

『サラリーマン金太郎』の概要

『サラリーマン金太郎』とは、1994年から本宮ひろ志が『週刊ヤングジャンプ』で連載していたビジネス漫画、およびそれらを原作としたアニメ・ドラマ作品である。続編として、2005年から『サラリーマン金太郎マネーウォーズ編』2009年から『新サラリーマン金太郎』、2015年から『サラリーマン金太郎五十歳』がある。主人公の矢島金太郎は元暴走族の総長だった型破りな経歴を持ち、時にはケンカをしながらも成長していく姿を描いたストーリーとなっている。また、実写化もされており、1999年から2004年までTBSの放送で高橋克典主演(スペシャル版、映画も含む)平均視聴率19%。2008年から2010年はテレビ朝日の放送で永井大主演。平均視聴率11.8%となっている。

『サラリーマン金太郎』のあらすじ・ストーリー

入社編

亡き妻の故郷で漁師をしていた矢島金太郎(やじまきんたろう)は、ヤマト建設会長である大和守之助(やまともりのすけ)の船を助けた縁で知り合う。その際大和会長から、「私に出来ることがあればいってくれ」と言われ会長の特別枠で入社する。だが金太郎は漁師になる以前、構成員1万人以上と言われた伝説の暴走族「八州連合」を率いた過去を持ち、初出社にはかつての仲間が特攻服姿で駆けつけた。配属先は庶務課、与えられた仕事は鉛筆削りだった。
ある日、エレベーターで偶然同乗した黒川専務から「髪を切れ、次に会う時にそのままならクビだ」と言われ、自分に対しても本気で接してくれた事に感銘を受け髪を切る。その頃。黒川専務の退陣の話が広まっており、表向きは健康上の理由だが社長派の陣営拡大と噂されていた。元官僚である大島社長は、自身の人脈を活かしヤマト建設を大手ゼネコンに発展させた功績を持つ。しかし、社内では大島社長の強引なやり方に不信感を抱く者も少なからずおり、金太郎の上司にあたる田中正和(たなかまさかず)、前田一郎(まえだいちろう)らも同様だった。やがて、前田と田中は金太郎の正直に自分をさらけ出す姿に影響されていき、大島社長の株の不正売買を理由に追放する計画を立てる。また1度は退こうとしていた大和会長だが、金太郎に「会長が諦めたら、社長の顔色を伺うだけの会社になる」と言われ、大島社長の解任を決意する。その気配に気づいた大島は、役員会で会長の解任案を出すが、役員会では多数決により大島社長の解任が決定される。
大島は「必ずヤマト建設を叩き潰してやる!」と言い退任する。

それと同時に金太郎は、日本の総会屋を束ねるフィクサー三田善吉(みたぜんきち)の子分と屋上で壮絶な殴り合いになる。
理由は金太郎が三田善吉の息子を殴ったことだった。三田善吉は金太郎のケンカの強さを見込んで「自分の元で働かないか」と誘う。誘いは断ったが三田善吉には気に入られ、後日三田善吉を通じ、後の妻となる末永美鈴(すえながみすず)や膨大な財産を持つ老婆中村加代(なかむらかよ)と知り合う。

正式な社員となった金太郎には現場での仕事が任される。
新入社員であればお決まりの流れだが、金太郎が任されたのは前社長の大島による裏金作りが絡んでいるいわくつきの荒船山トンネル工事の現場で、ヤマト建設から下請けの一ツ橋土木への未払いが続き工事が中断されていた。役員会で大島社長を解任し、次の社長になった黒川新社長が工事代金を支払う事によって再開される。金太郎は遅れを取り戻す為、3交代の編成を組み現場の指揮に当たり、途中土砂崩れなども起きるが無事完成する。

工事を終え休暇を取った金太郎は、故郷へ息子を連れて墓参りに行く。そこでかつてはヤクザだった父親の矢島照男(やじまてるお)と再会し、「孫を抱きたくなったらいつでも来いよ」と伝え別れる。その頃、黒川社長の引き抜きで通産省から入社した鷹司誠士(たかつかさせいじ)と知り合う。

転勤編

工事を終えた金太郎は、東北支社へ転勤を命じられ、後に社長となる伊郷龍蔵(いごうりゅうぞう)と出会う。「部下はいらない」と言い仕事を与えない伊郷に不満を募らせケンカを挑むが、武道の達人である伊郷には敵わず絶対服従を命じられる。
黒川社長に対しても仕事のスタンスを変えず部下を置かないと宣言するも、「金太郎を社長の器に育てる」と告げられた伊郷は驚きながらも市役所通いや談合への参加を命じる。

金太郎は市役所で仕事を依頼されるも、談合の際に北東建設と入札を巡っていざこざが起き、会社と自宅当てに小筒に入った爆弾が送られる。息子は無傷だったものの、伊郷は被害に遭い入院してしまう。そこで、北東建設の社員から「地元暴力団の報復だった」と真相を告げられ全てを知る事になる。
金太郎は我慢の限界に達し辞表を書き、かつての八州連合の仲間を集め暴動を起こす。しかし、暴力団事務所にトラックを突っ込む寸前で病院を抜け出した伊郷に止められる。
暴走については裁判となるが執行猶予となる。

海外赴任編

ナビリアに派遣された金太郎

本社に戻った金太郎は新たにアンテナ工事を命じられサハラ砂漠の奥地にあるナビリアに向かう。無事現地に到着するも今までに何人も工事を完成させられず逃げ出したことを知る。
また、現地の労働者達も給料の未払いが続きやる気をなくしている状態だった。

ある日現場の労働者達のトラブルに巻き込まれ、金太郎は留置所に入れられてしまう。そこで盗賊の親分と名乗る男と知り合う。留置所からは会社が保釈金を出してくれた為出所するが工事が更に遅れてしまう。金太郎は言葉も習慣も何もかもが異なる異国で戸惑いながらも懸命に工事を行うが、嵐が起きアンテナが崩れてしまう事故が多発し、現地のワーカー達も逃げ出してしまう。

その後アラビア語も徐々に覚えていき、現地で新たに労働者を雇い工事を再開するも、クーデターが起き完成間近で全て破壊されてしまう。金太郎は現場が破壊されるのをなんとか食い止めようとするが、銃を持ったゲリラ部隊に囲まれてしまう。やけになり「死んでやる」と叫ぶ金太郎だったが、ゲリラ部隊の指揮官が留置所で知り合った男だった為命を救われる。そのとき男の名は「ザイード」だと知った。

主任編

帰国した金太郎は主任となり部下を持ち、会社から継続して受ける仕事はなく新規開拓を命じられる。また、東北支社から伊豪が役員として本社に移動してきた。

金太郎達は、場外馬券場とパチンコを合わせたレジャー施設の建設に乗り出すも、日本最大の暴力団である「山王会」が立ちはだかっていた。金太郎は山王会からの妨害工作を受けるも諦めず、金太郎は山王会総裁である本城勝(ほんじょうまさる)の自宅へ直談判に向かう。そこで偶然父親である矢島照男に再会し、本城と照男が旧知の仲であることを知る。照男の説得もあり、レジャー施設の建設を成立させるも、銀行が急な返済を要求してきた為ヤマト建設は存亡の危機に立たされてしまう。前社長の大島が、ヤマト建設を解任させられた復讐として動いていたことが原因だった。本社の役員に就任していた伊郷の考えで中村加代を通じ新たなメインバンクから融資を受け、返済を行い窮地を脱する。

末永美鈴との結婚と係長昇進が重なり順調に思われたが、新婚旅行先のハワイで知り合ったカントリーウイスキー会長の孫である千秋と互いに惹かれ合うようになる。新たに会長の孫の婚約者である大場光司(おおばこうじ)が営業部部長として入社。金太郎と千秋の写真を社内に貼り出すなど策略を画策しており、それに気づいた金太郎は役員の前で大場を殴ったため子会社への出向を命じられる。

組合編

出向先はヤマト建設直系のディベロッパーであるYMTランドだったが、バブルの影響により負債を抱え仕事もない状態だった。また。いずれ倒産すると噂されており社員達はみな諦めていた。しかし、金太郎は未処分の不動産在庫の売却を計画する。その相手として、以前アンテナ工事で知り合い、現在は外務大臣であるザイードを通じてナビリアへの売却を実現する。

その後本社に復帰した金太郎は、新入社員の研修を命じられ、突然辞表を書くよう命じられるなど過激なものだった為新入社員達から反発が起きていた。しかし金太郎は「あんたらの誰かひとりでも辞表を出したら俺も辞表を出す」と宣言し、当初は反発していた新入社員達も金太郎を慕い始めた。

その後組合の委員長になり、大和会長や黒川社長らから大規模なリストラを行うよう持ちかけられるも断ったため関係が悪化してしまう。会社と組合の板挟みになり窮地に陥るも、リストラ候補の社員を集め新会社を設立する。実は黒川社長が匿名で金太郎にメールを送り教えた方法だった。

黒川社長の退任に伴い、伊郷が新社長となり金太郎は社長室長となる。そんな中、美鈴の娘でありタレントの末永美々(すえながみみ)が芸能プロ社長である伊能修二(いのうしゅうじ)とのスキャンダルを起こす。伊能は女性関係の噂が絶えず、ヤクザとも関係していると噂のある人物だった。突然の出来事に戸惑う金太郎と美鈴だったが、かつての八州連合の仲間であり、現在は父親の跡を継ぎヤクザになっている椎名忠志 (しいなただし)から伊能の目的は金だと知らされる。

金太郎は美々を説得するが、聞こうとせず伊能との婚約をマスコミに発表してしまう。金太郎は伊能と差し違えて食い止めようとするが、椎名が助けに入ったことで事なきを得る。だがこのままサラリーマンを続けてもいいのか迷いが生じる。

鹿児島転勤編

その後転勤先の鹿児島支社で知り合った石積貴子(いしずみたかこ)と不倫関係になる。転勤の目的は大和会長の従兄弟であり大株主である大和文左衛門(やまとぶんざえもん)からの委任状株を取ることが目的だったが、慣れない牧場の仕事で文左衛門に嫌われてしまいスランプに陥る。その後牧場を襲った野犬を追い払ったことで文左衛門の信頼を得た金太郎は、無事委任状を受け取り東京へ戻る。本社に復帰した金太郎だったが、鹿児島での不倫がバレてしまい妻の美鈴が家を出てしまう。

その後金太郎は、社命により建設業界の大物の息子で議員をしている朝倉英雄(あさくらひでお)の秘書となる。金太郎は選挙の妨害工作を命じられるも、正々堂々正直に戦うと宣言し朝倉はこれまでの生き方を改める。しかし、金太郎は以前から陥っていたスランプが解消されずにいた。

その頃、タレントを辞めた美々はアメリカに渡り大富豪であるモーガン家の一族であるジャックと結婚していた。スランプを抱えたままの金太郎は美鈴の助言により会社を辞めてアメリカに留学する。モーガン家のパーティーの席上で女性に暴力を振るったとして金太郎は訴えられるが、刑務所には入らず公園の掃除を命じられてしまう。

帰国した金太郎は自身のプロジェクトとして、アクアラインの開通と連動したレジャーランド開発を発足させる。社内の人間だけでなく、前社長の大島をも説得し完成間近に漕ぎ着けるも、通産省に繋がりをもつ鷹司誠士の策略により横取りされてしまう。

総会屋とのトラブルにより大和会長が殺されてしまい、やる気をなくし再び漁師に戻っていた。しかし、自らの不注意で船を壊してしまい仕事が出来なくなってしまった事がきっかけで、生前のヤマト会長の手紙を読み再びサラリーマンに復帰する。
手紙はヤマト建設時代の上司だった石川五郎(いしかわごろう)から、以前訪ねた際に渡されたものだった。そこには「金太郎、お前は日本の元気だ」と書かれていた。

『サラリーマン金太郎』の登場人物・キャラクター

主要人物

矢島金太郎(やじまきんたろう/演:高橋克典、永井大)

CV:宮本大誠
主人公。大和会長を助けた縁で入社する。
構成員1万人以上とも言われた伝説の暴走族「八州連合」の総長だった過去を持っている。
目上の人間から気に入られる事が多く、ヤマト建設会長である大和守之助からは養子にならないかと誘われたり、パチンコ屋で知り合った大富豪の老婆中村加代には「全財産をくれてやってもいい」と言われる。
また喧嘩の強さから、日本の総会屋を束ねるフィクサーである三田善吉からスカウトされるなど喧嘩相手とも信頼関係を築く事が多い。
また、独学でアラビア語や英語をマスターするなど記憶力も優れている。

末永美鈴(すえながみすず/演:斉藤陽子、井上和香)

CV:田中敦子
金太郎と結婚するまでは銀座の高級クラブ「ジャルダン」のママをしており、政治家や会社経営者に様々な人脈を持つ。
以前は芸者をしており、政界を牛耳っていた政治家黒田征四郎に身請けされ長女の末永美々がいる。
金太郎との出会いは、三田善吉が本気になる男を連れてくる賭けをしており、最後の切札として連れてきた。
高級マンションやハワイに別荘を所有していたが、金太郎と結婚して全て手放してアパートに引っ越している。
金太郎の間には娘の矢島美香がいる。

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