ニセコイの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ニセコイ』とは、ジャンプNEXT2011年WINTERに読切掲載後、週刊少年ジャンプで4年9ヵ月間連載された古味直志のラブコメ作品。2018年に実写映画が公開。幼い時に交わした約束が作品の軸で、『”10年前の約束の女の子”は私だ!』と偽物の彼女と恋の争いが展開される。最近では珍しく青春・思春期・初恋を描いた「王道のラブコメ作品」として人気を博し、若年層の恋愛に響くセリフが中高生を中心に評価を得ている。

そんだけ誰かの為に一生懸命になれる奴なら お前の事 好きになる奴は絶対いると思うぜ?

千棘を側で守るため、ビーハイブ幹部・クロードから命を受けた鶫誠士郎。頼りない恋人である楽に決闘を申し込むが、逃げ回る楽と共にプールに落ちた。
気を失った鶫をそのままにしておけなかった楽は、風邪を引いてはいけないと鶫の服を脱がせていたところで、鶫が目を覚まし、鶫が女だということに気付く。
3階からプールに飛び込んだ楽と鶫を心配して千棘やギャラリーたちが捜している声が聞こえ、思わずロッカーに隠れる楽と鶫。
狭いロッカーの中で鶫にいろいろと質問をする楽。
男子制服を着ている理由⇒『動き易いからに決まっているだろう あんな女子のヒラヒラした物を着用していては いざという時に対応できん…!』
”誠士郎”は偽名なのか?⇒『…私は拾われた身でな 拾い主が名付けてくれたのだが… 日本人の名前事典をパラパラめくってテキトーに名付けてしまったのだ』
この”拾い主”はクロードのことなのだが、クロードは10年経っても鶫が女であることに気付いてないそうだ。

鶫が転校してきて3日、あっという間にクラスに溶け込んでいた。
楽と千棘は飼育係の仕事をしていた。楽は『先生が 飼育係のエサ買ってこいってよー 』と買い出しを言いつけらていることを千棘に告げる。
二人で買い出しに行こうとするが、茂みから鶫が顔を出し『お嬢…! そのような買い出しなら この私が!!』と申し出た。楽と鶫で買い出しに行くことになったのだが、千棘に『女の子らしくしなさいって言ったでしょ?』と、武器も全て取り上げられた上に、”女の子”の服装をさせられた鶫。
買い出しも終わり帰ろうとするが、慣れないヒールに足を痛めていた鶫が転びそうになり、それを助けた楽。
足を痛めた鶫に『我慢する必要ねー事 ガマンしてんのはただのアホだ!!』と楽は言い、鶫をおんぶして帰ることにした。

帰り道、楽の優しさに顔を赤らめて動揺する鶫に『お前と桐崎って一緒に育ったんだよな いつから一緒にいるんだ?』と質問する楽。
千棘の”初コイ”の話になり、『オレには恋愛したことないとか言ってたのに…』と言う楽に、『信頼されてない証拠なんじゃないのか?』と鶫に笑われる。
楽は『じゃあ お前の初コイは?』と鶫の”初コイ”について質問を続けた。
『…無いよ そんなものは 今までも… そして これからも』『私はお嬢にお仕えする事が使命だし それが私の幸せだ』『それに言ったろう? 私は女を捨てた身だと… 私はお嬢が幸せなら それで…』と、鶫は「お嬢を守ることが第一」というお嬢への思いを楽に話す。
それを聞いた楽は、恋に臆病で恋愛を諦め、「女を捨てた」と言う鶫の背中を優しく押す見出しの名セリフを言った。

鶫はこのセリフで楽に恋をしたようである。

今日くらいは 見逃してあげるわ…

小咲と思って握った手は千棘の物で、千棘も手を握られ動揺を隠せない

楽が風邪を引いた。鶫との決闘でプールに飛び込んだ事が原因と考え『今日一日くらい いつもより 優しくしてやろうかな』と、千棘がお見舞いに訪れる。

千棘が『何か手伝おうか?』と訊けば、『…んだよ 気持ちわりーな…』と楽。
今度は『(持ってきたリンゴを)あんた むいたら食べる?』と訊けば、『…お前 本当に桐崎か?』と楽。
「落ち着け」と自分に言い聞かせながらリンゴをむく千棘だが、芯だけになったリンゴを楽に渡すのだった。いつものやり取りとなり、そこへ小咲もお見舞いに訪れる。
小咲のお見舞いに舞い上がる楽に、ちょっと嫉妬する千棘。
小咲がおかゆを作ろうとするのだが、そこに千棘も『それ 私も作る!!』と二人で作ることになった。

千棘は料理が苦手で、それを心配した楽は台所で聞き耳を立てる。
千棘『…えーと おかゆだからまずはお米よね?』
小咲『元気が出るようなおかゆにしたいよね』
千棘『そーね! 食べたら一発で風邪が吹き飛ぶような…!』
小咲『青汁とか入れると元気出るかな?』
千棘『いいね 元気出そう! そういえば塩ってどのくらい入れるの?』
小咲『さぁ… この袋の半分くらい入れればいいのかなぁ…』
千棘『わかった! あ ゴメン全部入れちゃった』
千棘『そうだ! 私 栄養ドリンクも入れちゃおう…!』
小咲『他に体に良いのってなんだろう… 黒酢もいいな あとレバーと納豆とひじきとめんたいこと…』
千棘『このサプリって入れても平気かな?』
小咲『あー!体に良いよね…!』
千棘『あ! お味噌なんてどう!?』
小咲『うん いいかも』
千棘と小咲の会話に恐怖を覚え、逃げようとする楽だが、そこへおかゆを持って千棘と小咲が現れるのだった。

完成したおかゆを見た楽の感想は、千棘のおかゆには『魔界の底なし沼みてーな料理ができるんだ!?』、小咲のおかゆには『なんで小野寺のはこんなにキレイなの…!!? 逆にコエーよ!! 黒酢とかレバーとかどこ行った!!?』であった。
そこへ集英組の若い衆もおかゆを作ったと顔を出し、追い詰められた楽は腹をくくり千棘のおかゆを一気に食べるのだった。
『う… うマ゛い…!!』と楽は涙を流しながら、感想を言い、そのまま倒れてしまうのだった。
寝てしまった楽の様子をもうしばらく見ようということにするのだが、二人は多い、ということで千棘は小咲に『公平にジャンケンで決めましょ』とジャンケンをして決めた。

しばらくして目を覚ました楽だが、熱が上がっているようでぼやけた視界で”誰か側にいる”ことを感じ取り、視線を向けると人影が見えた。それを小咲と思い込み『ありがとな 心配してくれて… さっきのおかゆ 美味しく食ってやれなくて ワリ…』と布団から手を伸ばし、その手を握ったのだが、楽が小咲と思って握った手は、千棘の手であった。ジャンケンの結果、千棘が勝ったため、千棘が残り小咲は帰っていたのだ。

突然、手を握られ激しく動揺した千棘は慌てて手を引っ込めるが、思い直し楽の手を握り『今日くらいは 見逃してあげるわ…』と、照れながらも優しくしようと努めた名セリフである。

その後、楽の顔に落書きをして帰った千棘であった。

仕方ねぇんだよ 人間好きになっちまったもんは たとえ認めたくなかろーが きっとそいつは想いを伝えるしか出来なかったんだよ

遅刻に慌てる千棘と鶫。鶫が靴箱を開けるとラブレターが入っていた。
千棘達はそのことで盛り上がっていた。ラブレターの送り主は”鈴屋透”という名前の、サッカー部の勉強もスポーツもできる(小咲談)、顔も良くて超モテる(るり談)人物らしい。
『ラブレターってなんですか?』と鶫が楽たちに質問をすると、るりが耳打ちして教えるのだが「無条件で相手に従わないといけない」と嘘も教えていた。
人生初のラブレターに困惑する鶫は『結局 これはどうすればいいのでしょうか…』と訊くと、『あなたなりに 考えて返事してあげれば?』と千棘は答える。

朝から悩む鶫は、屋上にいた。
「今まで この手の事を考えた事は一度もないし 異性に好意を向けられる事なんて――」と鶫が考えていると、そこへ『なんだ まだ悩んでんのかよ ハニーは小野寺達とメシ食うって お前の事も捜してたぞ?』と楽が現れた。
楽を足蹴にする鶫だが、『邪魔したな』と楽が去ろうとすると、『この”好きな男性のタイプ”というのは どういう意味なのだ?』と楽に質問をする。
”好きなタイプ”とは、どういう男を好きかということだと教える楽に『貴様はどういう女性がタイプなのだ?』と鶫は楽の好みを訊ねる。
『(やっぱり小野寺かなぁ…)えーと… 黒髪でショートで…』『(…っていけね! こいつの前では桐崎がオレの好みでないと…!)そんで気が強くて 腕っぷしが良くて あとちょっと怖がりで…』と答えた楽だが、”黒髪ショートで気が強く腕っぷしが良い”というのが鶫にも該当していて、「それって私の事なのか!?」と激しく動揺するのだった。
激しく動揺しながらも『この「付き合って欲しいです 放課後 体育館裏で待ってます」というのは 何に付き合うという意味なのだ?』と質問を続ける鶫。
『交際してくださいって意味だよ』と楽に教えられると、さらに困惑する鶫。

『… 出来るわけないだろう 交際など… 私にはお嬢を守るという使命が…』
『だって… 会って何を話せばいいのか分からないんだ それでは会っても意味がないだろう? それに… 返事をする義務なんてないのだし だいたいなぜ こいつは私なんか…!』
鶫の考えを聞いた楽は、”初コイ”に戸惑う鶫へ、恋愛や恋を説くような見出しのセリフで真剣に答えるのだった。
『…好きなんだろ お前の事が』
『仕方ねぇんだよ 人間好きになったもんは たとえ認めたくなかろーが きっとそいつは 想いを伝えるしか出来なかったんだよ』
『ちゃんと応えてやれよ お前の気持ちはどうあれ そいつはそいつなりに真剣にお前の事を想ってソレを書いたんだろうから』
『相手の気持ちも考えてやれよ』

この名セリフを聞いた鶫は『もし貴様が私からラブレターを貰ったとしたら どうする?』と「嬉しいのか 嬉しくないのか」と質問をすると、『そりゃ多分 嬉しいけど…』と素直な気持ちを楽は答える。

鶫はラブレターをくれた鈴屋透と会って『すまない』と返事をする。鈴屋は『他に好きな人がいるんですか?』と訊かれ、『バッ… 別にそんな奴は…!!』と否定する鶫だが、その顔は真っ赤で、その顔を見た鈴屋は全てを察し『ありがとう』と失恋するのであった。
そんな様子を覗き見ていた楽・千棘・小咲・集・るりたち。楽は『よぅ… 頑張ったんだな…』と鶫に声を掛けた。
『ああ 助かった』と鶫は素直に感謝を示す。そう答えた鶫の顔は実に清々しい顔であった。

…おごってやるよ …頑張ったんじゃねーの? お前なりに

また楽のクラスに転校生が来た。今度は九州から来た”橘万里花”という警視総監の娘で、楽の許嫁だという。楽を巡る女の子が増えてしまうのだった。
万里花の家に招待され、警視総監である万里花の父と対峙した楽。万里花の父に千棘の事を知られ焦る楽だが『オレには今 好きな人がいるんです 万里花さんでは無く…』と正直に話すと、『ようやっと腹ば 割りよったか』と万里花の父も許してくれた。

小咲の家は和菓子屋なのだが、従業員の急用で「料理上手」ということで楽にお声がかかり、小咲の家業をお手伝いすることになった。
小咲の所でバイトをしていたが、台風接近のニュースも流れてきた。外は暴風雨で『…帰らせるの危ないから 一条君には泊まって貰え』と小咲の母から電話があった。小咲の部屋で過ごしていると、台風は去って行った。しかしそのチャンスを活かした楽は、小咲とメールアドレス交換をしたのだった。楽は小咲と一歩前進したことに大喜びであった。

楽と千棘が”定期デート”をしていると、千棘が捨て犬を見つけた。
※定期デート:私とあのもやしがヤクザ(集英組)とギャング(ビーハイブ)にニセモノの恋人だとバレないようにするため定期的に行うデートの事(千棘談)
『初見の動物に好かれた試しがない』という楽だが、この捨て犬はすぐに楽になつくのだった。しかし千棘が抱こうとすると、ガブリと手を噛まれてしまう。
全然なつかない捨て犬を”ポンチ”と名付ける千棘、「クソ犬、バカ犬」と腹を立てるものの、飼ってくれそうな友人の家を回ることにした楽と千棘。
まずは小咲を訪ねたのだが、『食べ物扱ってるしお母さんが許してくれないと思う』との事。小咲に飛びつきなつくポンチ。
次に鶫にお願いに行った。ポンチの愛くるしさにメロメロとなった鶫。鶫になつくポンチ。しかし鶫は『私は任務で家を空ける事が多い』という理由で飼えないとの事であった。
万里花にも訊きに行くと、ここでもすぐになつくポンチ。万里花は『ウチはマンションなのでお力になれませんわ』との事。
ポンチに餌をあげるがあまり食べない。千棘の食べている物が欲しかったようで、ヨダレを垂らして見つめている。仕方ないとポンチにあげた千棘の側に寄ってきたポンチだが、千棘の足に噛みつく。
集やるりも飼えないようで、その後もクラスメイトを中心に訪ね回るが断られる楽と千棘。チラシを作り、集英組の若い衆に配布までさせる。しばらくは千棘がポンチのお世話をすることとなった。
1週間経過するが、ポンチの貰い手は見つからない。楽は『最悪オレが無理言って引き取るよ 夏休み中だけって条件で あとは学校で面倒みるさ』と考えるが、そこへ集から電話があった。ポンチも千棘に慣れたようで噛みつくこともなくなっていた。千棘もまた『…どうする? いっその事ウチに…』とポンチに声を掛けている。その時『おーい 千棘―― 見つかったぞ ポンチの貰い手』と楽から知らされた。
ポンチは捨て犬ではなく、飼い犬で”小太郎”という名前だった。隙を見て家から逃げ出し、段ボールに入っていたのは偶然だったようだ。元の飼い主とじゃれるポンチだが、千棘に近寄り『クゥ~ン…』と見上げている。
そんなポンチに『…何よ さっさと行けば? えーと… 小太郎だっけ? 良かったんじゃない 元の飼い主が見つかってさ』、『私ももう あんたの顔見ないで済むかと思うとせいせいするわ』とそっぽを向く千棘。さらに『だからほら さっさと行きなさいよ …行きなさいってば!!』とポンチに悪態をつく千棘に、ポンチは千棘の足を舐め、元の飼い主の元へ行くのだった。
隣で黙って見ていた楽は、千棘に『ラーメンでいいか?』と声を掛ける。千棘は『何の話?』と言う。そんな千棘に『…おごってやるよ …頑張ったんじゃねーの? お前なりに』と褒めるのだった。
1週間と短い期間ではあったが、ポンチに情の湧いていた千棘は精一杯強がって、ポンチを突き離した千棘の顔は涙で溢れていた。そんな千棘の様子を見て、楽は『お前なりに頑張った』と褒め、ラーメンを奢るという”ご褒美”をくれたのだ。

この後ラーメン屋で『チャーシューメン 大盛りに肉ダブルで トッピングにコーンともやしほうれんそうと白菜煮卵メンマネギ… あと替え玉一つ』と千棘は大食いっぷりを見せつけるのだった。

私達が本当に恋人だったら 私達 上手くいってたと思う…?

夏休みということもあり、海へ来た楽達。メンバーは楽・千棘・小咲・るり・集・鶫・万里花と万里花の付き人”本田忍”の8人。
女性陣は美人揃いで注目を集める中、千棘がナンパされたりするが『オレのツレなんで』と撃退する楽。近くの民宿が安く取れたので、泊りで遊びに来ていた楽達。翌日、様子のおかしい千棘に小咲が声を掛けた。千棘は『これは私の話じゃないんだけど…』と友達の事として小咲に相談をした。
小咲『その千棘ちゃんの友達は そのある人の前では急に胸がドキドキしたり 苦しくなったりして 前みたいに普通に話せなくなった…って事?』
千棘『最近 急にそうなっちゃったみたいでさ 自分でもよく分かんないだって』

小咲は「つぐみさんの事かな」と考えるのだが、もちろん千棘自身の事である。
『それは端的に申し上げますと… 恋ではないかと思われます』と小咲が教えると激しく動揺する千棘。
夜になり、一同が花火を楽しんでいる時、千棘がいないことに気付く楽達。『あいつ またいなくなったのか?』と楽は千棘を探しに行くのだった。
皆から離れ、岩場で一人線香花火をしている千棘を見つけた楽は、『こんな所で何やってんだよ お前は』と千棘に声を掛ける。

『なれなれしくしないでよ…? 私達はニセの恋人同士でしょ? だいたいあんた私の事嫌いじゃなかったわけ…?』と千棘は顔を赤らめ楽に言う。『…まぁ 最初ほどでは無いっつーか…』と答える楽は、『…じゃあお前は? 今でもオレの事 嫌ってんのか?』と訊き返す。
それに千棘は『… もちろん嫌いよ…』、『嫌いも嫌い 嫌い嫌い嫌い 嫌い嫌い嫌い 嫌い嫌い嫌い 大っっ嫌いよ』と連呼し、楽に『…そうか さすがに少しヘコむものがあるな…』と言わせるのだった。
この後、楽を好きになってしまった千棘は『私達が本当に恋人だったら 私達 上手くいってたと思う…?』と告白するかのような名セリフを言う。

いつもと様子の違う千棘にドキドキする楽はつい、『そんなもん 上手くいくわけねーだろバーカ …だいたいお前はオレの好みと違いすぎるしな がさつだし暴力的だし かわい気もないし… どーせ今と同じケンカばっかになると思うぜ そもそもお前はもうちっとおしとやかっつーか 女らしさってものをだな…』と言ってしまうのだった。
楽は照れ隠しのつもりもあったのだろうが、その言葉に傷ついた千棘は『うるっさいわね!! 分かったからもう黙っててよ!!!』と千棘も大声を出してしまう。

ここから夏休みが終わるまで、楽と千棘は一度も言葉を交わさなかった。

…お前はニセモノの恋人だけど もし何かあってもちゃんとオレが守ってやっから だから安心しろって

定期デートの日がエイプリルフールということで千棘は楽を騙そうと画策する。

『今日もテキトーに済ませようぜ』と言う楽に、千棘は『実は今日 重要な報せがあるの…!!』と話し出す。
『今日はビーハイブの皆がね 500人態勢で 私達を監視に来てるの』と楽を驚かせるのであった。
楽を騙そうとした理由は”エイプリルフール”だからだけではなく、楽を好きになってしまったからだった。千棘は『ただダベって帰るだけになっちゃって 監視がないと手ぇつないだりとか恋人らしい事は一切ない』ことを物足りなく感じており、”エイプリルフール”をダシにして『たまにはあいつとこう… 皆の監視の無い所で 手とか繋いで良い雰囲気になってみたいな――』と考えたのである。
しかし、千棘の「500人態勢の監視」をすっかり信じ込んだ楽は、待ち合わせたその場所で千棘の肩を抱くのだった。完全に想定外の千棘は、楽を背負い投げてしまう。”恋人アピールできること”を考えた結果、千棘は『あれでも飲まない…!? ほら… 恋人専用って書いてあるし…』と恋人専用と書かれた飲み物を提案するが、楽は『そんなんじゃダメだ!!』と”ポッキーゲーム”をやることに決めるのだった。
人目につく場所に座り、早速ポッキーゲームをしようと楽はポッキーをくわえ『…いいからほれ!早く来い…!!』と千棘にも食べるように促す。千棘は思い切ってポッキーをくわえるが、瞬間的に楽を殴り飛ばすのだった。

散歩していると、千棘のヒールがはずれ易くなってるらしく、『肩を貸してくれる その方が恋人っぽいし』と楽にお願いするのだが、『そんなんじゃダメだな』と”お姫様抱っこ”をする。恥ずかしさのあまり、千棘は楽の腕から降りて、楽の顔を掴み背負い投げた。「何 その技の冴え!!!」と楽に言わせてしまう。

千棘の”エイプリルフール”をすっかり信じ込んでいる楽に対し、『全部ウソだったなんて言ったら 私…嫌われちゃいそうな…』と罪悪感を抱いていると、『…不安なのか?』と楽は千棘を心配する。
『大丈夫だって 心配する事はねぇよ』と言う楽に、キョトンとしている千棘。楽は続けて『… ウチの家訓にな ”男なるぁ百ヶ条”ってのがあってよ その中に「てめぇの女は死んでも守れ」ってのがあってな』と家訓を話す。そして『…お前はニセモノの恋人だけど もし何かあってもちゃんとオレが守ってやっから だから安心しろって』と名セリフを言う。それを聞いた千棘は『すみませんでした――!!!!!』と即座に土下座で謝る。怒られると思っていた千棘だが、楽は『エイプリルフールなら仕方ねぇか 恥ずかしい思いしたのはお互い様だろうしな』と怒ることはなかった。

…隠すだろうな その想いは誰にも言わず その相手にも言わず きっとその恋がいつか終わるまで 隠し続けるのだろうな――…

”楽への想い”として答える鶫であった

二年生になった楽たち。楽・千棘・小咲・るり・集・鶫・万里花たちは揃って同じクラスになっていた。
るりと日直となった楽は、日直の仕事をしながら「集に好きな人がいる」とるりに聞かされて驚いていた。そこに集が通りかかり”好きな人”について質問される集。いつもの調子で茶化しているが、『そんな事より楽 たまには屋上に男と男の話でもしに行かないか!?』と楽を屋上に連れて行くのだった。

屋上で改めて集に”好きな人”を訊く楽。
楽『お前バレンタインにチョコ二つ貰ったとか言ってたろ そのどっちかとか…』
集『ピンポンピンポン大正解~~!!』
楽『じゃあお前がたまに話してるD組の田中は?』
集『ピンポンピンポン大正解~~!!』
そこでも茶化す集に呆れている楽だが、集はいたって真面目らしい。集曰く『楽には楽の恋愛のやり方があるように オレにはオレのやり方があるってだけで』と言い、『それにオレの場合 相手は手の届かない高嶺の花だから』と去って行った。入れ替えで鶫が屋上に来たのだが、鶫に『好きな奴ができたらどうする?』と質問する楽。楽に恋をしている鶫は激しく動揺するが、『…隠すだろうな その想いは誰にも言わず その相手にも言わず きっとその恋がいつか終わるまで 隠し続けるのだろうな――…』と名セリフで答えた。
これを聞いた楽は『経験豊富な大人の意見みたいだったぞ』と感心するのだった。

集の言う”高嶺の花”は1年からの担任である”キョーコ先生”のことだった。キョーコ先生は結婚を機に、教師を辞めることにしたらしく、集は想いを告げることなく失恋するのだった。

あんたがいなきゃさびしいでしょバカ!!!

楽に呼ばれ壁を蹴り壊して現れた千棘

ある日の事。部屋の掃除をしていた鶫は”金平糖”と思われるモノを見つける。それを登校しながら食べる鶫は『優しい甘さだな お嬢にも分けてあげよう』と考えていた。
教室へ入ると、万里花が楽に抱きついていた。『こらー!!何をやっとるか一条楽!! 貴様という奴はお嬢がいながらいつもいつもイチャコラと…!!』と怒りながら楽に詰め寄る鶫。『問答無用…!!』と楽を殴る鶫だが、『今日は随分と優しいんだな』と楽。鶫はボコボコにするのだが楽は『くすぐってーって…!』と全く効いていないようである。鶫自身「な…なんだ?なんだか力が…」と不思議に思っている。
そんな鶫の電話が鳴る。相手はクロードで『私の部屋にあった 金平糖型の薬品を見ていないか?』というものだった。鶫は知らないとシラを切り『ちなみにそれはどういった薬なので…』と質問をした。クロード曰く『あれはビーハイブが開発した”筋力抑制剤”でな 口にした者の筋力をか弱い乙女と同程度にまで落とすという危険な代物なのだ』と言う。それを食べてしまった鶫は顔面蒼白になりながらも『それを食べた者はどうしたら力が戻るのですか?』と訊くが、『おそらく力が戻る事は無い 一生な』と答えるクロード。

千棘は”力が出なくなったのか”を確かめるために鶫と『因みにオレは以前 鶫と腕ずもうして勢い余って天井に突き刺さったという経緯があるんだが?』という楽に腕相撲をさせるのだった。
『…んっ… くふぅ…!!』と全力でやる鶫だが、楽はビクともしない。あっさりと楽に『ぁあん』とクラスメイト達が”キュン”とする声を出して負けてしまう鶫であった。
「認めない」と鶫は、『私は手強いですわよ?なんと言っても学年中でも私 ダントツで運動オンチなのですから』と胸を張る万里花に50m走を挑むのだった。結果、鶫も万里花もゴール直前で倒れこむ。『私にはまだ銃がある!!』と銃を構える鶫だが、1kgの銃が重く持ち上げられなかった。あまりのショックに泣きながらその場を逃げ出した鶫。しかし『あまりにノロかったんで…』と楽に追いつかれるのだった。

鶫は『ハァ… 私はもう終わりだ 力を失くした私に存在価値は無い 私はもうお嬢の側には…』と楽に弱音を吐くと、『…んなワケがあるかよ お前に力が失くなったって 千棘にとってお前が必要なのは変わんねーよ クラスの皆だって オレだってそーだ』と楽は声を掛ける。それでも鶫は『…テキトーな事を言うな 私はビーハイブのヒットマンなんだぞ 力が無くて何を成せる 力が無くてはお嬢の事も守れない… お嬢だって 今の私なんかより他に腕の立つ者が側にいた方が…』と弱気になり、卑屈になっている。それを聞いて鶫に呆れた楽は『…もしもしハニー? 鶫の奴が力が失くなった私はお嬢に必要ないからアメリカに帰るっつってんだけど?』と千棘に電話をした。

学校の壁を蹴破り現れた千棘は、『バカ言ってんじゃないわよ つぐみ!!!』『私があんたをただの便利なボディーガードとして 側に置いていると思ってるつもり!!? 二度とそんな事言うんじゃない!!』『あんたがいなきゃ さびしいでしょバカ!!!』と鶫に見出しのセリフで喝を入れるのだった。

放課後、楽は鶫を見かけ『…帰らねーのか?』と声を掛けた。千棘を待っていた鶫は、追ってきてくれた楽にも感謝を伝えながら『…貴様は先程 自分も私が必要だと言ったな あれはどういう意味だ?』と質問した。楽は照れつつも『鶫ってオレの知ってる中じゃ 一番勉強教えんの上手だからよ』と茶化して言う。
鶫は『本気で殴ってやる!!』と迫るが、『へへーん 今のお前に殴られたって痛くもかゆくも…』と余裕を見せる楽。しかし楽は吹っ飛んでしまう。
『その薬は女の子には効かない? 時間経過で戻る? なんじゃそりゃ』と千棘とクロードが電話で話していた。鶫は「女の子なので時間経過で力が戻った」のだった。
力の戻った鶫が最初にしたのは、力がないと分かった時にハグを迫ってきた事を理由に『許さん あと百回はしばく』と集をボッコボコにするのだった。

3emissy131
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@3emissy131

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