ニセコイの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ニセコイ』とは、ジャンプNEXT2011年WINTERに読切掲載後、週刊少年ジャンプで4年9ヵ月間連載された古味直志のラブコメ作品。2018年に実写映画が公開。幼い時に交わした約束が作品の軸で、『”10年前の約束の女の子”は私だ!』と偽物の彼女と恋の争いが展開される。最近では珍しく青春・思春期・初恋を描いた「王道のラブコメ作品」として人気を博し、若年層の恋愛に響くセリフが中高生を中心に評価を得ている。

『ニセコイ』の概要

『ニセコイ』とは、週刊少年ジャンプで2011年~2016年まで4年9ヵ月の間連載された古味直志のラブコメ作品。連載当初から小説化が行われ、2014年にはアニメが放送開始となり、2015年にはアニメ第2期が放送された。他にもゲーム・OVAなども発売された。番外編である『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』も人気が高く、小説・OVA化されている。2018年には中島健人、中条あやみ主演で実写映画が公開。2015年には『いちご100%』の記録を抜き週刊少年ジャンプのラブコメ作品として連載期間と巻数が歴代最長となり、2018年4月時点で累計発行部数が1200万部を突破している。

集英組組長の一人息子である”一条楽”は普通の男子高校生。そして作品の主人公である。物語は10年前に始まる。幼い楽と女の子は『Zawsze in love(ザクシャ イン ラブ)』(愛を永遠に)の言葉と共に「いつか私達が大きくなって再会したらこの「鍵」でその中(錠)の物を取り出すから、そしたら ――結婚しよう」と約束をし、楽は錠を、女の子は鍵を分けて持ち”ヤクソク”を交わした。高校生となった楽は”10年前のヤクソク”を信じて、ずっと錠をペンダントにして持ち続けていた。
そんな中、楽は転校生・”桐崎千棘”と出会うが互いの第一印象は最悪であった。さらに、集英組と敵対関係にあるギャング組織”ビーハイブ”のボスと、そのボスと古い仲である楽の父親は、抗争を避けるためにお互いの子供たちを恋人にすると決めたのだが、楽の恋人として決められた相手は千棘であった。二人は驚くが抗争を避けるためにやむなく「恋人のフリ」をすることとなる。
楽が中学時代から想いを寄せる”小野寺小咲”、転校してきた”橘万里花”たちも絡み『”10年前のヤクソクの女の子”は私だ!』と楽を巡り恋の争いを展開していくのだった。

主人公である楽、千棘はもちろん、番外編主人公の小咲をはじめモブキャラも人気を集めている。恋の名言としてだけでなく楽の男らしいセリフも評価を得ており、中高生を中心に人気の高い作品である。

『ニセコイ』の名言・名セリフ

たとえそれが10年も前の子供の約束だとしても… その人にとっては大切かもしれないよ…?

ザクシャ イン ラブ(愛を永遠に)
あなたは「錠」を 私は「鍵」を 肌身離さず ずっと大切に持っていよう
…いつか私達が大きくなって再会したら この「鍵」でその中の物を取り出すから そしたら――
――うん!
結婚しよう…!
10年後 この錠はまだ 開かないままだ ―――――

物語はここから始まる。
”集英組”というヤクザの二代目で普通の高校生・一条楽は、10年前の約束を信じて「錠」をペンダントにして大事に持っている。
ある日、2mもある学校の塀を飛び越え、女生徒が楽に膝蹴りをくらわせてしまう。災難に遭った楽は”女通り魔”にやられたと言うが信じてもらえない。そんな中、クラスに転校生がきた。男子がざわつくほどの美少女でアメリカからの帰国子女。転校生の美少女の名は桐崎千棘、膝蹴りの女生徒である。初対面から最悪だったが、担任の独断で席も隣、飼育係にも任命されるのだった。
千棘はケンカっ早く、楽とは何から何まで相性最悪で、楽は千棘を女通り魔・暴力女・猿女・ゴリラ女・曲芸女と呼び、千棘は楽を女々しい奴と罵り合っている。
楽はあの膝蹴りで大事な「錠」のペンダントを失くしたことに気付き千棘にも探すように言う。千棘は『探すかわりに学校の中で話しかけないでくれる?』と交換条件を出す。
7日過ぎるが、ペンダントが見つからないことに耐えかねた千棘は『いいかげんあきらめなさいよ!!』と言う。楽はペンダントを大事にしている理由を話そうとするが、それを遮った千棘は『昔の事ズルズルと引きずって女々しいったら無いわ!!』と言ってしまう。
楽はその言葉に『うるっせぇな!!!! だったらもう探さなくていいから どっか行けよ!!!』と本気で怒鳴ってしまう。女に本気で怒鳴った自分にも腹立たしい楽は後悔するが、後の祭りである。楽は一人で探し続けるが一向に見つからない。

11日目。ペンダントが見つからない苛立ちと悔しい気持ちの楽。楽が中学時代から片想いしている”小野寺小咲”が『…桐崎さんが 来てほしいって…』と声を掛ける。千棘は「錠」のペンダントを楽に投げつけるのだった。『なんであいつが…』と困惑する楽に、本気で怒鳴ったときにもいた小咲は『あの後 ずっとソレを探してたんだよ… 一条君に見つからないように …言うなって言われたんだけど…』と話すのだった。

『…それに あいつの言ってる事ももっともなんだよなぁ… オレもいいかげんこんな約束 忘れちまった方がいいのかなぁ…』と悲観的な楽に、小咲が言った他者への思いやりを諭し、見出しのセリフを言った。
この名セリフの前に小咲は『一条君… 誰かと約束したんでしょ?』『もしもその人が一条君と同じように約束を覚えてたら… きっとその人も悲しむよ?』とも言っている。

小咲の言葉に『なんか元気出たわ』という楽は、『オレにとって大事な約束なのは変わんねぇ 大事に持っとくよ』と気持ちを改めた。
立ち去る楽を見送った小咲は『また 聞けなかったな…』と、自分の持つ「鍵」を見つめるのだった。

ああいう殴る価値もねえ奴を殴るって事は 自分も同じ土俵の人間だって認める事になるんだよ! ダセー事してんじゃねぇ!!

”女々しい奴”と思っていた楽に男らしい事を言われた千棘のこの表情

大事な「錠」のペンダントを千棘が見つけてくれて一安心し、千棘の事も少し見直した楽であったが、帰宅すると集英組の親分である父親に部屋に呼ばれた。
集英組は最近”ビーハイブ”というギャングと抗争となっており、それがいよいよ全面戦争になりそうだと聞かされる。焦る楽に父親は『この戦争を回避する方法が一つだけあってな しかもてめぇ(楽)にしか出来ねぇ事だ』と告げる。続けて『実ァ向こうのボスとは古い仲でな 奴にもてめぇと同い年の娘がいるらしいんだが… そこで楽よ、おめぇ その子と 恋人同士になってくんねぇか?』と寝耳に水なことを言われ、当然驚き『なぜだ?』と言う楽である。そんな楽に父親は『(恋人の)フリだけでいい』と言い、『互いの組の二代目が恋仲とあっちゃ 若ぇ連中も水差すわけにゃいかねーだろ?』という理由で、ビーハイブのボスの娘と恋人のフリをするように告げたのだった。
その流れでご対面となるのだが、そこにいたのは桐崎千棘であった。そこでも罵り合う楽と千棘に『仲良いじゃねぇか』と言葉をかける父親たち。

そこへ『集英組がお嬢(千棘)をさらった』という情報をもとに、ビーハイブが殴り込みが来た。その騒ぎで集英組の若い衆も駆けつけ、正に一触即発のピリピリムード。そんな重い空気の中、楽の父親である集英組組長と千棘の父親であるビーハイブのボスは『こいつらぁラブラブの恋人同士だからね」』と一言。そこで収まりを見せるかに思えたのだが、ゴリラ・もやし男と互いを罵ったことで『本当にラブラブなんですかい?』と、集英組・ビーハイブの若い者から疑惑の目を向けられてしまう。苦境に立たされた楽と千棘は抗争を避けるために「全力で恋人のフリをするしかない!!」と覚悟を決め、『ハニー』『ダーリン』と呼び合いラブラブぶりをアピールし、疑惑の目をくぐり抜けるのだった。

「錠」のペンダントを失くした一件で『約束を忘れようかな』とつぶやいた時に、楽が中学時代から想いを寄せる”小野寺小咲”という同級生から『たとえそれが10年も前の子供の約束だとしても… その人にとっては大切かもしれないよ…?』と言われ、「もしかしたら小野寺が約束の女の子なのでは?」という疑問を抱いていた。この偽物の恋人が「小野寺だったらいいのになぁ」とも思う楽だったが、千棘の可愛い一面も発見し、ドキドキしてしまう。
”偽物の恋人”騒動から一夜明け、楽にお客さんが訪ねてくる。『ごきげんようダーリン! 突然で悪いんだけど 今からデートに行かない??』と引きつった顔の千棘が居た。

やむなくデートに出かけた二人。誰もみてないからと千棘は帰ろうとするが、振り返ると集英組とビーハイブがついて来ていた。逃げ場のない楽と千棘はデートを続行することにする。楽は交際経験がないが、千棘も交際経験がない。「デートってなにするのかがわからない」のだが、楽は小咲とのデートを妄想しており、それを実行することにした。
おしゃれなカフェに行くと『なにコレまっず!! うわ これで600円も取んの? サイアク!!』、食事に行けば「しけた肉」と言いながらも「味はまぁまぁ」とおかわりをし、ガツガツ食べる千棘に、楽の妄想した”小野寺との理想のデート”を打ち砕いてしまうのだった。
映画を観る事にした二人だが、千棘は「血生臭いアクション系」を、楽は「ナヨナヨした動物感動系」を観たいと、好みが真逆であることでもめるのだが、間を取って「ラブロマンス系」を観る事となった。上映後すぐに寝た千棘に衝撃を受ける楽に、ついてきた集英組とビーハイブから『手を繋げ』とはやされる。そのことで千棘とも揉めてしまい、『エスコートしろ! のど渇いたジュース買ってきて!! 今すぐ!!!』と千棘に言われ、素直に買いに行く楽。

楽の戻りを待つ千棘に声を掛ける男たちがいた。ナンパである。
「こういうのはスルーだ」と千棘は無視するのだが、しつこく声を掛ける男たち。ついてきたビーハイブはピリつき、千棘もイラつき拳を握りしめる。千棘がナンパ男に殴りかかろうとしたところで、楽が『いやーー!!ごめんなさいね こいつまだ日本語全然できなくてさ~~!!!』と割って入り、そのままその場から逃げるように立ち去るのだった。
そんな楽に『不良から女の子を救ってヒーロー気取り?』と迷惑そうな千棘。『そーゆう事を言ってんじゃねぇ! 殴る相手くらい選べって言ってんだ!』と楽は千棘を制す。
『勘違いすんなよ! あいつらかばってんじゃねぇ…!』と見出しのセリフでその真意を言う。自分を貶めるなと力強く言う楽の名セリフである。

ナンパから逃げるためとはいえ楽は初めて女子と手を繋ぎ、千棘は初めて男に手を引かれた。互いに口にも態度にも出しはしなかったが、困惑しているようである。

初デートで 女怒らせて帰らすのも 男がすたるしな

お詫びにとタイ焼きを買ってきた楽

ナンパから逃げた楽と千棘。ちょっとした痴話喧嘩になり『別にお前を喜ばせるプランじゃねーんだし…』と楽がこぼすと、千棘は『へ~? ならどなたを? もしかして例の”約束の女の子”?』と「たまたま気になったから」訊いただけと言い、トイレに行った。
千棘を待つベンチで『このデートが小野寺とだったらいいのにな~…』と独り言を言う楽の前に、『…え? 今 呼んだ?』と小咲が立っていて焦る楽。

一方の千棘は、手を洗っているときに尾行しているビーハイブの『どっか不自然なんだよなぁ』という声を聞く。ラブラブぶりをアピールしようと『ダ~リ~ン!! お待たせ~~!!』と千棘が楽に駆け寄ると、そこには小咲がいたのだった。小咲は『二人はその… 付き合って…?』と困惑しながらも訊くと、楽も千棘も全力で否定するのだが、後の集英組・ビーハイブの視線に気付く楽。千棘は『付き合いたてのラブラブカップル』と恋人のフリを装い、『クラスメイトに見られて恥ずかしいのは分かるけど 背に腹は代えられないでしょ?』と、自分に話を合わせるように楽に耳打ちする。

しかし楽は小咲への想いがあり、『ただのクラスメイトの前なら頑張っけど…!! 小野寺だけは…!!』と葛藤する。
話を合わせてほしいい千棘は『ダーリン』と声を掛けるが、テンパった楽は目を回しながら、「こいつが勝手に言ってる。こいつが肉食いたいって言うから。ホントは一人で観たい派だし。よだれ垂らして寝る女。」と全力で小咲へ否定をするのだった。
千棘は『用事を思い出した 先に行ってるねダーリン』とその場を去って行く。
千棘が去り際に、楽の足を踏んだことで楽も我に返る。そこで小咲に”恋人のフリ”であることを話すが小咲は”ラブラブカップル”であると誤解したままであった。『いくら照れ隠しでも そんなに言われたら桐崎さん かわいそうだよ』とまで言われてしまう楽であった。

どうやって誤解を解こうかと悩む楽だが、ペンダントの事を思い出し、ちょうど小咲と二人きりということで思い切って『…このペンダント 昨日見た時よりも前に どっかで見た事とか ねぇかな…? …たとえば 子供の頃とか…』と質問する。
沈黙の後、『…ううん 無いよ 一度も』と答え友達のところへ戻った小咲に、『違ったか――』と落ち込む楽。小咲に『桐崎さん 待たせちゃダメだよ 一条君』と言われて千棘の事を思い出し、テンパってたとはいえ、酷い事を言ったお詫びのタイ焼きを手土産に見出しのセリフを言うのだった。

千棘には”女々しい奴”、”もやし男”と言われているが、男らしい一面を見せた楽の名セリフである。

桐崎さんが どうして一条君を好きになったのか 分かる気がするけどな

小咲が自分を見てた事を知り動揺する楽

初デート中に小咲と遭遇した楽と千棘だが、学校では気を抜けると思っていた矢先、板野と城ケ崎といクラスメイトにも目撃されていた。それを言いふらされ既にクラスメイトの間では知られていた。その誤解を解こうとした楽だが、窓の外にはビーハイブの幹部・クロードが目を光らせていた。
とっさに楽と千棘は『超ラブラブカップルだっつーの~~!!』と宣言してしまうのだった。

どうしても小咲にだけはカップルと思われたくない楽は、「そんなの嫌だ!」と苦悩と葛藤をしていた。偶然にも廊下で小咲と会った楽は、どう切り出していいかわからず悩む。『あんなゴリラ合わねえって思ってんだけど…』と話す楽に、『桐崎さんが一条君の事をいいなって思ったからじゃない?』と小咲は答える。『オレ 別に良いとこなんて…』という楽に『そんな事ないよ』と小咲はほめる。小咲は具体的に楽の良い所を挙げていく。

『まだ日本語が苦手な桐崎さんに こっそりノート取ってあげてるとことか…』
『捨てられた動物見ると 放っておけないとことか』
『見知らぬおばあさんの為に 何時間も探し物手伝ったりとか』
『友達が宿題忘れたら 自分も忘れたってウソついたりとか』
『友達が先生に叱られそうなとき―― 自分も一緒に叱られに行ったり…』

『ほらね いっぱいあった』と小咲に言われ、『…ウソみてぇだ 小野寺がオレの事 こんなに見て…』とちょっと舞い上がる楽だが、すぐに我に返り『桐崎がそんなことでオレに惹かれたりとか…』と否定する楽に「自信を持って」という気持ちを込めて小咲が言った、見出しのセリフへと繋がる。
自己肯定感の低い楽を励ますようなセリフだが、実は小咲も中学時代から楽に想いを寄せていたために出た『桐崎さんがどうして一条君を好きになったのか 分かる気がするけどな』というセリフなのである。”告白”という意味で名セリフとなった。

こんな状態の奴 一人で置いていけるわけねーだろ!!

調理実習を機に千棘はクラスになじみ、笑顔が増えた。
飼育係の仕事をする楽と千棘を、屋上から眺める小咲と友達の”宮本るり”の姿があった。羨ましそうな視線の小咲に『好きなんでしょ 一条君の事』とるりは言う。
見かねたるりは一計を案じ、『一条君! …今日私達 あなたの部屋で勉強会開きたいんだけど構わない?』と小咲に告白のチャンスを作ろうとする。
勉強会には楽・千棘・小咲・るりと、楽の親友・舞子集の5人が参加した。
勉強会とはいってもそこは高校生なので、雑談にも花が咲くものである。千棘が『小野寺さんは好きな人とかいるの?』と訊くと、『わ… 私は今はそういう人は…』と小咲は楽への想いを隠し、千棘と楽に気を遣って答えるのだった。そこに便乗し、集は『お前らぶっちゃけどこまで行ってんの?』と楽と千棘に質問をするのだが、楽は集をその場から連れ出し、”偽の恋人”の件について正直に話すと、集は早い段階で気付いていたと答える。そして集は『だって小野寺 お前の事 好きだよ?』と小咲へ告白するように楽に勧めるのだった。そこから楽は勉強も手につかなくなるほど動揺をみせるのだった。

一方、楽と千棘の様子を見ていた集英組の若い衆は『坊っちゃんと嬢ちゃんの仲はあまり進展しとらんみたいじゃのう…』と要らぬ心配をし、『ここは一丁 あっしらが 一肌脱ぐと致しやしょうか…!!』とおせっかいを企てるのだった。それは「裏の倉にお高いお茶があるので取りに来て欲しい」ということで、楽と千棘を呼び出した。
集英組の若い衆が、入口に立った楽と千棘を、倉に押し込め、閉じ込めてしまう。楽は千棘に『ウチのモンのせいで…』と謝るのだが、千棘がいつもの様子と違う。
突然、楽の背中にしがみつく千棘。楽は激しく動揺する。
『…苦手なのよ 昔からこういう暗くて狭い場所』と千棘は怖いと話すが、そうなった理由は『昔 洗濯機にハマって5時間 動けなくなったあの日以来…』と涙ぐんでいる。
そんな千棘を黙って見る楽。そこで楽は千棘の可愛さを再確認してしまう。ドキドキしている楽に『はしご! あれならその窓から出られない…!?』と千棘が脱出できそうな方法を見つけるのだった。
『お前 そんな状態で登れんのかよ…』と訊く楽に、『私はちょっと… 無理かもだけど…』と千棘は答える。さらに『でも… あんただけでも先に出て 人を呼んでくれれば…』と千棘は続けるのだ。

そんな初めて弱々しく涙ぐむ千棘を見て言った男らしい楽の名セリフである。

結局、帰りの遅い千棘を心配したクロードが蔵を開けるのだが、クロードにも小咲にもいろいろ誤解されてしまう波瀾に満ちた勉強会となった。

あいつはオレの恋人だ!! 誰にも渡さねぇ…!!

成り行きとはいえなんともカッコイイ事を宣言する楽

るりに『あなたと一条君って 本当に付き合ってるの?』と訊かれた千棘は、小咲とるりに”偽物の恋人”であることを話した。
楽と千棘の事情を聞いたるりは『…いっそ 告っちゃう?』と小咲に持ち掛けると、『…がんばるよ るりちゃん 私… この気持ち伝えてみる…!!』と小咲も告白を前向きに考えるようになった。
教室で『小咲は一条君のどこが好きなの?』とるりに訊かれた小咲だが、恥ずかしがってうまく言葉にできないでいた。そこへ楽が現れると、るりは『じゃーね小咲 私急用があるからすぐ帰らなきゃ バイビー』とすごい勢いで教室を出て行った。
しばらく緊張していた小咲だが、意を決し『…一条君 私 実はね――』と話し出した。
『今まで ずっと言えなかったんだけど――』、『私 ずっと 一条君の事――』。そこまで言った小咲。
顔を赤らめながら見つめ合う楽と小咲。『す…』と言いかけ、緊張もドキドキもピークに達したその時、野球ボールが窓ガラスを割るのだった。
小咲は勇気を振り絞って告白しようとしたために”力が抜けた”のだが、楽は『告白されんのかと思った』と超鈍感な一面を見せる。

そんな中、楽たちのクラスに女子がざわつくほどのイケメン転校生が来た。名前は”鶫誠士郎”と言うのだが、千棘を見るなり『お久しぶりです お嬢――!!』と抱きついた。鶫は、ビーハイブ幹部で育ての親でもあるクロードの命を受け、千棘の側にいることとなったようだ。
千棘が席を立った時、鶫は楽を屋上に連れ出し、『お嬢の事を本気で愛していらっしゃいますか?』と問う。楽は思わず否定しそうになるが『…ったりめぇよ』と答えた。さらに鶫は『どのくらい? 本当に? 死んでもいい?』と矢継ぎ早に質問攻めにする。『当然その覚悟だ…!!』と答える楽に、鶫は『…では 死んで下さい』と隠していた銃を楽に突きつけるのだった。
『お嬢が惚れ込んだ男だと聞いて来て見れば 注意力は散漫 反応も鈍い おまけに無防備――』と鶫は楽をこきおろし、さらに『ハッキリしたよ やはりお嬢は貴様に騙され… 偽りの愛に縛られているのだと…!!』と楽に追い打ちをかけるのだった。
畳み掛けるように鶫は『てゆかぶっちゃけ 絶対私の方が お嬢を愛してるのに――!!!』と地団駄を踏む。鶫は去り際に『すぐに証明してやろう お嬢の隣にふさわしいのはどちらなのかを…!!』と楽に告げるが、好き放題言われたまま楽も黙ってはいなかった。

このセリフは『…おい 待てよ…! …好き勝手言ってくれやがって… 誰があいつの隣にふさわしいかだって?』に続いた、大切な人(恋人)を守ろうとする、男を感じる見出しの名セリフが生まれた。

男らしくねーのは てめーの方だ!! てめーも男ならもっと… ドンと構えて見守ってやれ!!!

イケメン転校生・鶫誠士郎。ビーハイブ幹部・クロードの命を受け、お嬢こと千棘を側で守るために遣わされたようだ。
千棘が席を外した隙に、楽を屋上へ呼び出し好き放題こきおろすが、楽も黙ってはおれず『あいつはオレの恋人だ!! 誰にも渡さねぇ…!!』と宣言する。
楽の宣言に臨戦態勢の鶫だが、千棘が屋上に現れ『ちゃんと仲良くしなきゃダメでしょ~?』と仲裁に入る。

鶫は『お嬢… 覚えておいでですか… ”10年前”の あの日の”約束”を――』と語りだした。”10年前”というフレーズに反応した楽。
『私は あの日 お嬢をこの手で守れるように強くなろうと決めました』と拳を握る鶫。続けて『それ以来私は あらゆる訓練 試練に耐え!! 日々精進し!! 強くなったんです…!! それこそ血のにじむような努力を…!!』と熱く語り、『一条楽!!! 貴様にお嬢を賭けて…!! 決闘を申し込む!!!!!!』と、どちらが千棘を守れるかを証明しようとした。

千棘によれば『つぐみは小さい頃に クロードが拾った孤児でね 特殊訓練と英才教育を受けて育てられた 優秀なヒットマンなの ちなみに昔 私にちょっかい出してきたゴロツキを 組織ごと壊滅させた程の超凄腕』だそうだ。

放課後。決闘となった。今まで殴り合いのケンカすらしたことのない楽は腹をくくるのだが、鶫は隠していた銃を使おうとしていると気付きダッシュで逃げ出す。
『正々堂々勝負しろ!!』と鶫に追いかけられながらも、『あいつはただ守られてるだけで 収まる程の ヤワなタマじゃねぇだろ!!』の後、楽は見出しの『男らしくねーのは てめーの方だ!! てめーも男ならもっと… ドンと構えて見守ってやれ!!!』という名セリフで啖呵を切った。
『誰が男らしくないだー!!?』とキレた鶫に『一か八かだ』と楽は3階からプールに飛び込む。
ノビた鶫をプールサイドに引き上げ、去ろうとした楽だが、『これで風邪ひかれても後味悪ぃしな』と、男子更衣室に運び、鶫の服を脱がせていると鶫が目を覚ました。そこで楽は鶫が女であることに気付くのだった。

3emissy131
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@3emissy131

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