超時空要塞マクロス（MACROSS）のネタバレ解説・考察まとめ

拠点防衛などの直衛任務にあたる独立婦人部隊用の機動兵器として開発された。 遺伝子操作により格闘戦向きのゼントラーディ男性兵士に対し、女性兵士は高Gに耐えうる空間戦闘を得意としているため、女性用の機体はリガードやグラージに比べて小型で機動力が高くなっている。 ミリアの愛機で、ミリアが統合軍に寝返った後はラプラミズの機体となった。

『超時空要塞マクロス』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

第1話でクローディアが未沙をからかうシーン

第1話「ブービー・トラップ」のシーン。クローディアの家から朝帰りして二日酔いのフォッカー。彼に護衛任務ができるかどうか心配する未沙に対し、クローディアが「あの人引き取ってくれるの？どうぞどうぞ」とからかったり、その冗談を真に受けて本気で困っている未沙の堅物ぶりとかわいらしさが引き立っている。 「士官学校主席の早瀬中尉でも男に興味あるんですね」とオペレーター3人娘にからかわれた後、アトラクション用の飛行訓練をしていた輝に「民間人はマクロスから離れなさい」と指示したら「おばさん」呼ばわりされた。 輝を怒鳴ろうとしたら件のフォッカーから通信が入り「主席の中尉は鬼より怖いぞ」とからかわれて黙り込んでしまうというツンデレぶりを発揮することによって未沙というキャラクターの魅力をほんの数分で見事に表現しきっている。

「朝帰り」というワードをロボットアニメのヒロインが口にしたり、女性ばかりのブリッジ風景、主人公より年上のヒロインとの運命的な出会い、キャプテンシートがブリッジの真ん中ではなく左隅にひっそり置かれているという特徴も印象に残る。

リン・ミンメイ「命より髪の毛」

第2話「カウント・ダウン」より。マクロスのブービートラップが発動しカムジン部隊がマクロスを強襲した際、自室に置きっぱなしだった歌手オーディションの合格通知を取りに戻って戦闘に巻き込まれたミンメイを、たまたまバルキリーの中に隠れていた輝が救出した。 バルキリーで逃避行をしている2人はカムジン部隊の攻撃を受け、命からがら振り切った。 初めての戦闘に肝を冷やした輝だったが、ミンメイは怖がっている一方で自慢の髪の毛がくしゃくしゃになったことを嘆いていた。 そんなミンメイにあきれた輝は質問し、ミンメイは答えた。

「命と髪の毛、どっちが大事？」
「んー…髪の毛！」

2人は笑いあった。
出会った頃の2人は、まだ普通の高校生であったのだ。

未沙の初恋

第7話「バイバイ・マルス」の未沙の回想シーン。 初恋の人ライバーが火星に旅立つ時のものだ。 未沙はライバーの後を追って軍人になります、と宣言し、ライバーは妹を見るようにやさしく微笑み、妹にするようなキスをして去っていった。 そしてライバーは火星脱出の際死亡し、未沙の元には2度と戻らなかった。

この「キス」という行為が、将来異星人との協調への架け橋になるとは誰も思わなかったであろう。

マクシミリアン・ジーナス「ぼくって天才だったんだ」

第8話「ロンゲスト・バースデー」より。昇進した輝に初めて与えられた部下が、マックスと柿崎だった。 その2人の初陣は無事に済んで、娘々で歓迎会を開いた。 マックスは初陣で7機落としたといった。 輝は4機、柿崎はゼロ。 その成果を聞いた輝と柿崎は「お前って天才だな」とマックスにいった。 すると「僕って天才だったのか、知らなかったな」とマックスは屈託なく微笑んだ。 輝と柿崎はあきれつつも3人で笑いあった。

従来の天才キャラは美形だがいけ好かないタイプばかりだったのが、誰からも憎まれず、自分も傲慢にならないタイプの天才は例を見ない。
第8話「ロンゲスト・バースデー」より。昇進した輝に初めて与えられた部下が、マックスと柿崎だった。 その2人の初陣は無事に済んで、娘々で歓迎会を開いた。 マックスは初陣で7機落としたといった。 輝は4機、柿崎はゼロ。 その成果を聞いた輝と柿崎は「お前って天才だな」とマックスにいった。 すると「僕って天才だったのか、知らなかったな」とマックスは屈託なく微笑んだ。 輝と柿崎はあきれつつも3人で笑いあった。

従来の天才キャラは美形だがいけ好かないタイプばかりだったのが、誰からも憎まれず、自分も傲慢にならないタイプの天才は例を見ない。

ゼントラーディ人がカルチャーショックを受けるシーン

輝、未沙、柿崎がブリタイの捕虜になってボドルザーと謁見した際に、輝たちは地球人は男女が一緒に暮らしていたり、愛し合って子どもを作る事を教えた。しかし、ゼントラーディ人には理解できなかった。 「愛するとは何だ？」とボドルザーに聞かれた輝が「抱き合ったりキスしたり…」と答えると、ボドルザーは「そこの男（柿崎）とキスとやらをしてみせよ」と言い、「男同士でできるか！」と輝は逆切れした。 そこで未沙が立候補して「一条少尉、私にキスしなさい」と命令した。
輝は「冗談じゃない、柿崎とでもしてくれよ！」と反発するが、未沙は柿崎をちらっと見てから「あなたのほうがまだましよ」とぼそっと答えた。 このままではゼントラーディ人に何をされるかわからないため、仕方なく輝は未沙とキスをした。
それを見たゼントラーディ人たちは雷に打たれたように衝撃をあらわにし、ボドルザーは輝たちやブリタイ達の知らない謎の言葉「プロトカルチャー！」を残して退出した。

この場面はマクロス本編のターニングポイントである異星人にとってのカルチャーショックを表現した最重要なシーンなのだが、制作スケジュールが圧迫されていたので完全な原画動画ができてなかったため、原画だけ撮影したフィルムがオンエアーされた。 動画がないためアニメの動きが紙芝居のようになってしまったのでファンからは「テレビ紙芝居」と揶揄された。

テレビ紙芝居という伝説に隠れがちだが、男に免疫のないはずの未沙が輝に対してキスの命令をしたり自分から唇を寄せるような態度をとったのはなぜか、という疑問を問いかけずにいられない。

フォッカーの死

マクロス屈指の名場面である。

スクランブル出撃したフォッカーは、出撃前にクローディアから「手料理のレパートリーが増えたから食べに来て」と約束をしていた。 今回もいつも通りに任務をこなしてクローディアの元に戻る予定だったが、今回の相手はミリア率いる女性部隊だった。 ミリアが出撃したのは、カムジンから「マクロスには凄腕パイロットがいる」という情報を得て、その相手と戦うためだった。 その相手はマックスであり、ミリアは即座にお目当てを見つけて攻撃を仕掛ける。 フォッカーは敵の狙いはマックスだと気づいて援護をするも、ミリア部隊の猛攻を受けた。 辛くもミリア部隊を撃退してフォッカーはクローディアの部屋に向かった。

新たな手料理、パインサラダを作っているクローディアの後ろ姿を見ながらフォッカーはギターをつま弾く。 「輝も幸せな奴だ。 腕の立つ部下を持って」とつぶやき、フォッカーはソファーに体を預けた。 クローディアが完成したパインサラダをテーブルに置くと、フォッカーの体はゆっくり崩れ落ちた。 フォッカーの背中は、戦場で受けた銃創からの出血で赤く染まっていた。 泣き崩れるしかできないクローディア。 以前の戦闘で負傷してようやく回復した輝のもとに呆然とした未沙がやってきて「フォッカー少佐が…死んだの」とだけつぶやいた。 輝も呆然とするしかなかった。

パインサラダを食べに来て、という約束は確かに死亡フラグかもしれないが、OPには死んだ後も最終回までしっかり顔を出しており、それ以前に全く退場するそぶりを見せないまま、しかもエースパイロットである男が華々しく戦場で散らずに、恋人の姿を見ながら静かに死んでいく姿は視聴者をも唖然とさせた。 そして、輝にフォッカーの死を伝えたのが未沙であるのも、未沙が自分のことのように呆然として伝えに来たのも不思議ではある。 未沙とフォッカーは少なくとも作中では直接接触したシーンはないに等しいにもかかわらず、このように重要な役割を担うにはそれなりの理由があるのだろうが、誰もそれを語るものはいない。

柿崎の死

第19話 「バースト・ポイント」より。フォッカーの死の余韻を拭う間もなく、輝たちは戦い続ける。 カムジンたちが攻撃を仕掛けてきたが、そのころマクロスの技師長が全方位バリアを開発し、実戦で起動実験をすることになった。 フォッカーの死に落ち込んでいた輝は柿崎、マックスとレストランにいた。 1番元気な柿崎はサーロインステーキのミディアム特大を注文していた。 食べられなかったら包んでもらう、とほくほく顔で一切れ食べた時にスクランブルがかかり、柿崎はステーキを包んでもらう間もなく2人に引っ張られていった。
初めのうちは順調に起動したバリアだったが、間もなくエンジンが暴走し始めた。 未沙によりバルキリー隊に退避命令が下される。 輝たちは全速力で退避するが、暴走による爆発はマクロスではなく周囲の市街地を壊滅させるに十分すぎる威力だった。 その爆発を逃げ切れなかった柿崎は輝に助けを求めながら爆発に巻き込まれ、消し飛んだ。

大事な先輩の次に明るい戦友が死ぬという展開はロボットアニメでは珍しくないが、その戦友の死に方が、犬死にとしか言えない無意味な死に方だったのが、フォッカーの死に方に続いて視聴者を唖然とさせた。 だが、架空の物語であるがために「かっこいい死に方」になりがちなアニメの世界における「人の死」を、現実にあり得るような「カッコ悪い死に方」として表現したことが、柿崎を伝説の男として視聴者の意識に植え付けているのかもしれない。