フラジャイル 病理医岸京一郎の所見（漫画・ドラマ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

宮崎「私が、自分で決めたことです。」

病理科に転属した宮崎は、岸より一つテストを出される。

まだ病理科医として自身の無い彼女は、周りの人からのアドバイスをもとに診断を考えるが、
どうしても決定ができない。
悩み夜遅くまで病院にいた彼女は、岸を古くから知る細木に出会う。

岸の過去を知り、励まされ、気合を入れ直した宮崎が翌日出した答えは「わからない」。病理医として負けを認めたような発言だが、岸はそれが正解だと言う。

最終的には誰も診断の助けをしてくれない病理医。
患者の命を左右する診断は怖くないかとの岸の問いに、彼女は「自分で決めたことだ」と答えるのだった。

森井「全部あきらめちゃってるじゃねぇか！！」

ひょんなことから末期癌の患者と出会う森井。
避けられない死が近づいているにも関わらず、その患者は笑顔でひょうひょうとしており、まるで他人事のようだった。

そんな彼と触れ合ううちに、森井は過去の後悔を思い出す。
そして「全部諦めてしまってるじゃねえか！」と声を荒げたのだった。

人生を諦めていた患者が感情を取り戻して涙するシーン

森井の熱が患者の心を動かす。
生きたかった事。本当はやりたかった事。
近づく死を意識したことにより、生の実感を取り戻し涙する。

死は避けられないが、その瞬間まで後悔の無いよう生きる為にと彼は考えを改めるのだった。

火箱「私は、この仕事すばらしい仕事だと思ってます！！」

「JS1」のデータを上司に問い詰めた火箱は、データ改ざんの事実を知る。
それに対して会社の答えは「製薬会社にとっては利益が正義である。それに「JS1」の承認が下りれば、多くの人が癌から救われる。『アミノ製薬』にとっては、今回の治験の患者の命など些事である」という非常なものだった。

完全に信じる正義が壊れた火箱は「私は、この仕事すばらしい仕事だと思ってます！！」と思わず叫び、自分のやってきたことは間違いだったのかと激しい葛藤と航海に苛まれるのだった。

末期がん患者からデートに誘われた火箱

いよいよ命が尽きようとしている患者を前に戸惑う火箱。
そんな患者から、彼女はデートに誘われたのだった。

病気を忘れて遊ぶ2人は過去を語らい合う。
やがて別れ際に患者は「貴女に会えて良かった。新薬が将来役に立つのなら、自分の命も無駄では無かった」と呟いたのだった。

そして死に向かう彼の背に、思わず火箱は涙を流したのだった。

製薬会社の講演に潜り込んで不正を暴露する岸

製薬会社が正義だと信じていた火箱は、騒動が終わった後会社を離れ、後日の講演会に岸を密かに潜り込ませる。そして大勢の前に立った岸は会社の不正を暴き、「製薬会社はやがて考える、ミスはできない。その考えが悪を生む。悪性で組織的に広がっていく”癌と同じだ”」と断罪したのだった。

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

『フラジャイル』というタイトルの意味

フラジャイルとは、「こわれやすいこと」「きずつきやすいこと」「もろいこと」という意味ある。
医療現場という舞台での、命の儚さ。取り返しのつかない「生命」を扱う医師達の、心の傷や自身の脆さ。患者を見舞う親族の心の悲しみなど、医療現場には「フラジャイル」が多く有ることからこの作品名が付けられた。

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』の主題歌・挿入歌

主題歌：TOKIO「fragile（フラジャイル）」