雨取千佳（ワールドトリガー）の徹底解説・考察まとめ

弾系トリガーに付与することができるオプショントリガー。直接的な破壊力がないため、シールドで防がれることはないが、弾系トリガーに付与した際、弾速が極端に遅くなってしまう。鉛弾を付与した弾を当てるには、敵にかなり近づく必要があり、使用者の機動力や弾を相手に当てる技術など、総合的に高い技術力が求められる。

千佳のサブトリガーにセットされており、狙撃手（スナイパー）用のトリガー・ライトニングや、射手（シューター）用のトリガー・追尾弾（ハウンド）に付与して使う。千佳の膨大なトリオン能力があれば、弾が極端に遅くなることはなく、狙撃手用トリガーの中で弾速が一番速いライトニングとかけ合わせれば、スピードはほぼ通常のものとなる。ボーダーの中でも千佳しかできない芸当だ。

追尾弾（ハウンド）

射手（シューター）が主に使う弾トリガー。名前の通り対象を自動で追尾する性能がある。追尾方法は、トリオン反応を自動で追尾する「探知誘導」と、視線で対象を正確に追う「視線誘導」の二種類があり、場面によって使用者が使い分ける。弾速が速すぎると正確に追うことが困難なため、牽制や撹乱に利用されることも多々。そのため攻撃手（アタッカー）や万能手（オールラウンダー）も装備していることが多い。

千佳がメインとサブ、どちらに装備しているかは不明。B級ランク戦が始まった当初は装備しておらず、B級影浦隊の狙撃手・絵馬ユズル（えま ゆずる）に鉛弾（レッドバレット）を使うことを提案されてから装備し始めた。発動させると通常、キューブの色は白なのだが、千佳は鉛弾と組み合わせているため、キューブの色が黒くなっている。実践で使用したのは、柿崎隊、香取隊と戦ったB級ランク戦ROUND5だ。

炸裂弾（メテオラ）

ポジション関係なく、ボーダー隊員が装備していることが多い弾トリガー。炸裂弾という名の通り、強大な威力を持つ爆撃用の弾である。着弾すると爆発し、広範囲を吹き飛ばす。トリオン能力を調節することで威力は細かく調整が可能。また着弾してすぐに爆発させるのではなく、置き弾として設置して衝撃を与えることで起爆することも可能。罠としてもよく用いられる。

千佳がメインとサブ、どちらにセットしているかは不明。実践では、B級ランク選ROUND7で初めて使用し、大型ショッピングモールを半壊させた。あまりの威力に解説席や観客席の人々は言葉を失っていた。

雨取千佳の来歴・活躍

ボーダー入隊前

あまりのトリオン量の多さに、第一次大規模侵攻以前より近界民に狙われていた千佳。唯一仲の良かった友達も、兄も行方不明になってしまう。そんな中、兄が家庭教師を務めていた三雲修から、空閑遊真を紹介される。
遊真から、自分の持つトリオン量の膨大さとそれによる副作用（サイドエフェクト）、兄や友達が生きている可能性があることを教えられ、ボーダーへの入隊を決意する。修と遊真の協力のもと、3人ともB級隊員になったら修がリーダーのチームを組んで、A級昇格と近界への遠征部隊を目指すことを約束した。

狙撃手としての適性

ボーダーに入るとまず役職を選ぶのだが、千佳はオペレーターではなく自らの豊富なトリオン量を活かす狙撃手を志望し、所属先の玉狛支部で唯一の狙撃手経験者・木崎レイジに弟子入りした（レイジはボーダー唯一の『完璧万能手（パーフェクトオールラウンダー）』で、攻撃手・銃手・狙撃手の全てがマスタークラス）。
レイジははじめ、千佳の小柄な体格と温厚な性格を見て「戦闘向きとは思えない」とあまり高く評価していなかったが、トリオン消費が大きい狙撃手用のトリガーを一日撃ち続けてもトリオン切れを起こさない驚異的なトリオン量と、その真面目さや集中力に適性を見出し、本来であればB級昇格後に教える様な実践的な指導を始めていった。

第二次大規模侵攻

第二次大規模侵攻では、出穂と共に一般人の退避を助けていたが、突如乱入してきたラービットをアイビスで吹き飛ばしたことでトリオン能力に目をつけられ、「金の雛鳥」としてアフトクラトルに狙われるところとなる。アフトクラトル側の大将であるハイレインに千佳がキューブ化されたことで、第二次大規模侵攻の終盤戦は、キューブになってしまった千佳を巡る争奪戦と化した。
それほど莫大なトリオン量を誇る千佳の保護にはボーダー本部も積極的で、第二次大規模侵攻で修と遊真が得たポイントを千佳に譲渡することを特例として認め千佳をB級に昇格させることで、B級から支給される緊急脱出トリガーを千佳に持たせている（本部だけが得をしたようにも思えるが、この方法で千佳を最短でB級に昇格させたことで、修たちも正式にチームを組むことができるようになった）。

B級ランク戦

B級ランク戦では、千佳の代名詞であるとんでもない威力の大砲で地形を変えたり建物を全部壊したりと派手な活躍が注目を浴びたが、破壊力とは対照的に消極的な戦い方から、試合内容を見ていたB級上位のチームに「人が撃てない」という弱点を見抜かれてしまう。
だが、影浦隊の狙撃手・絵馬ユズルから先述した鉛弾に使い方を手ほどきしてもらい、狙撃手としての活路を見出した。また、狙撃手としての腕だけではなく、罠を張っていないところで敢えて罠をよけるような動きをすることによるミスディレクションや、ハウンドを目くらましとして使うといったような戦闘における機転が利くようにもなってきている。

トラウマとの対峙

ROUND7でついに、（半分事故のような形で）人を撃ってしまう。巨大なメテオラをショッピングモールに撃ちこんだ際にその爆撃で東隊の奥寺を撃破し、同じく東隊の小荒井の足を削ってしまったのだ。忌避していた行為に青ざめるものの、修や遊真のフォローにより爆撃を再開し、ショッピングモールを全壊させて東隊を追い込んだところで、緊急脱出し生存点を獲得するという大活躍を見せた。
その翌日も、思わぬアクシデントにも動じることはなかったかのような様子であったが、その夜ヒュースに「本当は人を撃てるのではないか」と問いかけられる。ヒュース自身に悪気があったわけではなく、純粋に「千佳が人を撃てるのであれば立てる作戦も変わり、勝算も大きく上がる」という合理的な考えから聞いたのだが、その質問は千佳の心に大きな動揺をもたらした。

そして、自分は人を撃てないのではなく人を撃つことで自分が責められるのが怖かったこと、自分の莫大なトリオンを利用し半分ズルのような形で対戦に勝ったら周りがどう思うかを気にしていたこと、自分が人を撃たないことで修や遊真が傷ついて「お前が撃たなかったせいだ」と責められるのが怖いこと、結局自分はいつも自分の保身のことばかりを考えているのではないかということをレイジと栞に告白した。
それを受けてレイジも栞が千佳を励まし、千佳自身も考えていたことを自覚したことでより強く「修たちの役に立ちたい」と思うようになり、「次の試合では普通の弾も撃つ。」と作戦会議で宣言した。ROUND8では辻をアイビスで撃破するという大きな成長を見せた。

雨取千佳の関連人物・キャラクター

通常部隊メンバー

三雲修（みくも おさむ）

CV：梶裕貴

『ワールドトリガー』の主人公の一人。千佳の兄・麟児が家庭教師をしてもらっていた関係から、千佳のことを気にかけている。トリオン能力が低く、戦闘経験も少ないため、戦闘においてはとても弱い。しかし、自分の弱さを自覚し、割り切っており、その分頭を使って戦う。その姿勢や頭脳はA級隊員からも高評価を受けている。

千佳が兄・麟児や小学校の時の友達・春川青葉を近界に探しに行きたいとボーダーへの入隊を希望したのを知り、それを手伝うために空閑遊真と共に部隊を結成。その後、アフトクラトルの捕虜・ヒュースをチームに迎え、B級ランク戦で上位入りを果たした。千佳の「人が撃てない」という弱点に対して、無理に克服させようなどはせず、千佳を甘やかしがちである。