東京喰種トーキョーグール(石田スイ)のネタバレ解説・考察まとめ

「東京喰種トーキョーグール」とは、石田スイ氏による日本の漫画作品。2014年には「東京喰種トーキョーグール」、2015年には「東京喰種トーキョーグール√A」としてTVアニメも公開されている。この物語は、人間だった主人公「カネキ」が人を喰らう存在「半喰種」となり、葛藤や恐怖に溺れていくダーク・ファンタジーである。

『東京喰種トーキョーグール』のあらすじ・ストーリー

序章

上井大学に通う平凡な大学生「カネキ」は喫茶店で見かけた少女「リゼ」が読んでいた本「黒山羊の卵」をたまたまそのとき自分も読んでいたこともあり、リゼの容姿を含め、彼女に好意を寄せる。
ある日の喫茶店、その小説がきっかけとなり、二人は本屋でデートをすることになった。
楽しいひと時を過ごした帰り道、リゼは自分が喰種であることを明かし、カネキを襲う。カネキはリゼから必死で逃げるも、工事現場で腹を貫かれ気を失ってしまう。
しかし直後、リゼの頭上につるされていた鉄骨が落下しリゼは鉄骨の下敷き、二人は病院に搬送される。
カネキは「嘉納」という医師の独断によりリゼの臓器を移植され、一命をとりとめた。
しかし手術以来、鮭は生臭く、味噌汁は濁った機械油、といったように普通の食事が不味く感じ、代わりに街行く人から漂う香りに食欲をそそられるようになった。「喰種」のように。
カネキは手術の際、リゼの臓器を移植されたことによって「半喰種」となってしまっていたのだ。
退院祝いに親友の「ヒデ」とともに行ったカネキの大好物であるハンバーグ店でも不味く感じ、吐き出してしまった。(この時、ウェイトレスの足を見て口から涎が出ていた)

鏡を殴った時に出来た切り傷が一瞬で再生したり、移植された臓器を取り出そうと包丁で腹を刺しても逆に包丁が曲がり、腹には傷一つつかない。
自分が喰種であることを自覚していき、さらに徐々に空腹に耐えられなくなり人肉を喰べなければならないということを悟ったカネキは途方に暮れてしまう。
そんな時、リゼと出会った喫茶店「あんていく」の店長であり喰種「芳村」、あんていくのバイト「トーカ」に助けられ、人間の身でありながら喰種でもあるカネキは互いの世界の狭間で生き始めていく。

白鳩(ハト)

カネキがあんていくで勤務を始めて間もない頃、喰種の親子「笛口リョーコ」「ヒナミ」があんていくへと訪れる。
自分の力で人を狩ることができない二人は、あんていくに保管されていた食料を貰いに来ていた。カネキはヒナミの「食事風景」をうっかり見てしまう。
女の子の喰種なら特に食事風景は見られたくないということでカネキが謝りに行った際、「黒山羊の卵」と同じ作者である高槻泉の作品「虹のモノクロ」をヒナミが読んでいたこともあり和解。ヒナミはカネキに懐き、小説中の読めない漢字や意味を教えてもらった。
リョーコとヒナミの帰路、リョーコを追って20区へとやってきた人間の組織である喰種対策局(CCG)の一等捜査官「亜門鋼太郎」、上等捜査官「真戸呉緒」の手により、リョーコはヒナミの目の前で駆逐されてしまう。
カネキは自分の無力さを知り、白鳩に抵抗すべく「四方」という喰種にトーカとともに稽古をつけてもらうことにしたのだった。

美食家月山

カネキがいつものようにあんていくで働いているある日、モデルのようなスタイルのいい大学生が訪れる。「月山」である。
彼は話し方や性格諸々合わせ、お高く留まっていると言われあまり良い印象を持たれていなかった。(トーカは特に月山が嫌いだった)
月山はカネキの放つ不思議な匂いに興味を持ち、上井大学に侵入しカネキとの接触を試みたのだった。

カネキは四方の誘いを受け情報屋である「イトリ」という喰種が営むバーへと訪れる。そこには「ウタ」もおり、四方とウタは昔仲が悪く、4区は今以上に荒れていたという昔話を聞いた。(以前カネキが顔を隠すマスクを作ってもらうためにウタの元を訪れた時、1区から4区は基本住めたものではないと説明を受けていた)
さらにカネキはイトリの話を聞いていくと、カネキの他に人工ではない真の「隻眼の喰種」がいるということ、リゼの鉄骨事件は事故ではなく第三者の介入によるものだということを知った。
鉄骨を落としたのは誰かとカネキが聞くも情報は貴重なものだと言うイトリは教えてくれない。イトリは一切が謎に包まれている「喰種のレストラン」について調べてきたことと交換だと言ったため、カネキは月山に接近、月山の誘いの元で喰種のレストランへの侵入を果たす。

アオギリの樹

リゼを探しているという喰種「万丈」がお供の「イチミ」「ジロ」「サンテ」とともにあんていくへと訪れる。
かつてリゼのいた11区を「アオギリ」という組織に乗っ取られ下っ端になった万丈は「リゼ」もしくは「リゼと同じ匂いの喰種」を探して来いという命令を受けたが、何かしらの危機を察した万丈は20区にリゼがいるという噂を聞き、逃げてくれと言いに来たのだった。
その時、あんていくにアオギリの幹部でありトーカの妹「アヤト」と同じく幹部の「ヤモリ」そして「ニコ」が襲撃した。
ヤモリの圧倒的な力の前にカネキは為す術なく倒れ、トーカもアヤトの攻撃に歯が立たず、カネキは連れ去られてしまった。

カネキは「タタラ」という喰種の元に連れていかれるも、戦力にならないと言い渡されアヤトがカネキの主導権を握った。
その後、カネキは食事のために人肉を解体させられたりしたが、万丈はカネキにここにいるべきではないといい、脱出を試みる。しかし作戦段階のうちにニコに聞かれており失敗。ヤモリ、そして同じく幹部「瓶兄弟」に取り囲まれてしまう。脱出を試みた全員の命を救う代わりにカネキはヤモリの部下となった。

カネキはヤモリの「趣味の部屋」に連れていかれることとなる。ヤモリは拷問をするのが趣味で、カネキをその対象にするため部屋へと入れたのだった。
カネキは様々な拷問を受けた。目から喰種としての機能を奪う「Rc抑制剤」を注射器で流し込まれ、ヤモリにペンチで指をねじ切られ、人肉を喰わされ再生するのを待つ。その拷問を何度も繰り返され、時には耳の中にムカデを入れられもした。その間カネキが正気を保てるよう、ヤモリに「1000から7ずつ数を引いていってその数字を口に出して言え」と命令されていた。
徐々に髪の色が黒から白へと変わっていき完全に真っ白になったとき、カネキはリゼの幻覚を見た。
カネキは幻覚のリゼに諭され、自分の中の喰種を受け入れるのではなく、自分を喰種だと認め、ヤモリを殺すべく立ち上がった。

主要登場人物・キャラクター(喰種)

金木研(カネキ ケン)

主人公。12月20日生まれのいて座。18歳。血液型AB型。赫子(かぐね)は鱗赫(りんかく)。
普通の大学生だったがリゼという「悲劇」に巻き込まれ、半喰種となる。
初めは喰種の中でも一際弱かったが、様々な葛藤を乗り越えていくうちに他の喰種にも負けない強さを手に入れた。
本が好き(特に高槻泉)。自身の心情に合わせて読んだ本の一節を思い出すことが多い。

霧島董香(キリシマ トーカ)

ヒロイン。7月1日生まれのかに座。17歳。血液型O型。赫子は羽赫(うかく)。
普通の高校に自信が喰種ということを隠して通っており、依子(よりこ)という友人がいる。
普段から依子の昼食のおかずを口にしているため戦闘時はほとんど本気が出せない。
怒りっぽい性格でそれは言動にも表れており、自分の気に入らないことがあればすぐ突っかかる。
ウサギが好き。捜査官との戦闘時のマスクもウサギを模しているため、白鳩では「ラビット」と呼ばれている。

芳村(ヨシムラ)

あんていく店長の初老の男性。非常に温厚で心優しい性格であり、かつて空腹に苛まれ途方に暮れていたカネキを「二つの世界に居場所を持てる唯一人の存在」と励まし救った。
実はCCGに「フクロウ」と恐れられる最強のSSSレート喰種で、かつて大勢の捜査官を殺している。

四方蓮示(ヨモ レンジ)

7月9日生まれのかに座。血液型A型。赫子は羽赫。
昔はいろんな区を放浪しており、他喰種からは「カラス」と呼ばれていた。
ウタが統括していた4区の食料保存庫から監視がいるにも関わらず肉を堂々と盗み、ウタと喧嘩になったがその時は互角に終わった。現在はウタとは仲がいい。
姉を捜査官に殺されていて、その姉はトーカとアヤトの母親。つまりトーカとアヤトの叔父。

西尾錦(ニシオ ニシキ)

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