超人X(石田スイ)のネタバレ解説・考察まとめ
『超人X』とは、『となりのヤングジャンプ』(集英社)で連載されている石田スイによる日本の漫画である。主人公黒原トキオが偶然にも超能力を持つ人間「超人」として開花し、超人のもつ葛藤やさらされる理不尽、それによる成長が描かれる。レトロな雰囲気の都市「ヤマト」を舞台に、ダークな世界観が描かれ、グロテスクな描写や様々なジャンルを含む演出が特徴。美術的な作画や個性的なキャラクターにより独特の持ち味がある。
『超人X』の概要
『超人X』とは、『となりのヤングジャンプ』(集英社)で石田スイによって2021年5月から連載されている日本の漫画である。
作者の石田スイは2011年から2014年まで『週刊ヤングジャンプ』にてデビュー作『東京喰種トーキョーグール』を、2014年から2018年まで同じく『週刊ヤングジャンプ』で続編『東京喰種トーキョーグール:re』を連載した。『東京喰種トーキョーグール』シリーズは大きな反響を呼び、アニメ化・実写映画化されるとさらにファンを増やし、2021年1月時点で全世界シリーズ累計発行部数は4700万部を突破した。その後、株式会社ブロッコリー製作のゲーム作品『ジャックジャンヌ』の原作・キャラクターデザイン・シナリオ・全楽曲の作詞を担当するなどの仕事を経て、漫画連載では3年ぶりとなる作品発表となった。
本作は石田スイの新境地とも言える作風となっており、怒濤の超展開が続くジェットコースターのようなストーリー、無闇矢鱈と濃い味付けのキャラクター、理不尽な世界に抗う熱き人間模様、シュールでナンセンスなギャグが飛び交う痛快娯楽活劇となっている。この石田スイならではの台詞回しやスピーディな展開や、一枚絵の美しさなどが多くの読者を魅了している。
『東京喰種 トーキョーグール』シリーズからの根強いファンの存在もあり、『超人X』は第5巻発売時点で単行本・電子書籍を合わせて販売数100万部を突破する人気作となった。ガールズバンドのCHAIや漫画家のモクモクれんも本作の読者であり、「定石を崩す展開がたまらない」として高く評価している。
物語は1998年の超能力を持つ人間「超人」が増えた社会を舞台とし、日本によく似た自治県「ヤマト」で暮らす普通の高校2年生・黒原トキオ(くろはらトキオ)を主人公とする。トキオは親友で幼馴染の東アヅマ(ひがしアヅマ)と共に、人助け活動を行っていた。ある日2人は、詳細不明の薬を使って超人になった不良に襲われる。身を守るために逃走する最中、偶然にも同じ薬の入った注射器を手に入れたトキオとアヅマは、状況打破のため、やむなく正体不明のこの薬を使用する。これにより超人の力に目覚めたトキオの日常は一変していく。一方、超人として目覚めることのなかったアヅマは、1人超人の力に目覚めたトキオに対して、ある種の劣等感を抱き苦しむことになる。
時を同じくして、農作物の品評会のために飛行機でヤマトへ移動中だった農家の娘乙田エリイ(おったエリイ)は、事故で墜落する飛行機の中で「煙の超人」と出会い、同じく超人として目覚める。
黒原トキオ・東アヅマ・乙田エリイの3人は、それぞれ別の入口から超人に関わっていき、超人となってしまった葛藤や、超人であることでさらされる差別や理不尽と戦い成長していく様が描かれる。
『超人X』のあらすじ・ストーリー
超人の目覚め
1998年、「超人」の増加によって混乱した国家が分断されて「自治県」ができてから50年が経過していた。
物語の主人公である黒原トキオ(くろはらトキオ)はどこにでもいるような至って普通の高校2年生で、幼馴染で親友の東アヅマ(ひがしアヅマ)と共に、人助けの活動を日々行っていた。トキオは、幼い頃にいじめっ子から助けられて以来、アヅマに対して強い憧れを抱いていた。そのため、アヅマと親友として付き合いながらも、本人もできる限り彼の活動を手伝っていた。
ある日、「煙の超人」チャンドラ・ヒュームの襲撃によって飛行機が墜落する事件が起きる。
この飛行機には他県の田舎から農作物の品評会のためにヤマトに向かっていた少女・乙田エリイ(おったエリイ)が搭乗していた。エリイは飛行機を襲ったチャンドラ・ヒュームの能力が伝染し、図らずも「煙の超人」として開花する。飛行機は墜落したものの、エリイの能力により犠牲者を出すことなく事件は収束する。エリイの才能に目をつけたチャンドラ・ヒュームに追われたエリイは、逃走した先で「星の超人」星・サンダーク(ほし・さんだーく)に保護される。
飛行機の墜落事故は超人によるものという噂はあるものの、元凶不明のまま、トキオとアヅマはボランティアとして現場に赴く。そのボランティアの帰り道、アヅマが以前両腕の骨を折って撃退したナンパ男・竹山ジョニーキヨシ(たけやまジョニーキヨシ)が2人の前に現れる。
謎の薬品で超人になった竹山は、自身が目覚めた「軟体の超人」の力を使ってアヅマを一方的に痛めつける。トキオはアヅマを救出すると、暴れる竹山から逃れようと疾走する。逃走の最中、竹山が持っていた超人化薬を手に入れたアヅマは、竹山への対抗手段として超人の力を得るため薬を自分に投与することを決断する。トキオも、アヅマに助けられた思い出に奮い立たされ、怯えながらも自身も超人化薬を使用すると決意し、2人はお互いに超人化薬を投与する。これにより、トキオは竹山の攻撃をきっかけとして「獣化の超人」として能力に目覚める。
目覚めた「獣化の超人」の能力で竹山を撃退したトキオだったが、大きな嘴をもつ鳥の怪物のような見た目のまま超人の力を制御できずにいた。人型のままであるアヅマに救いを求めて自宅を訪ねるも、トキオはアヅマに叱責されてしまう。自身の甘えに気づいたトキオは、アヅマに頼らず我武者羅に自分の力を制御しようとする。しかし方向性の見えない努力は一向に実を結ぶことはなかった。そんな中、鳥型になったことで鳩などの鳥類と会話できることに気付くと、藁にもすがる思いでハゲタカなどの鳥類が飼育されている動物園を訪れる。たずねた先の動物園で、トキオは自分を狙う「白蛇の超人」辻ナリ(つむじナリ)に襲われる。そこへ、「うなじが痛むような信号」により異変に気付いた乙田エリイが乱入し力の制御が不安定ながらも、「煙」の能力でトキオを助ける。しかし、ナリが能力を解放し「完全獣化」を遂げると、2人は圧倒的な力量の差に追い詰められる。劣勢の状況にエリイはトキオへ逃走するよう促すが、トキオはまたも自身の思い出に奮い立ち、自らの力を解放し「完全獣化」を果たす。ナリへ反撃を開始した2人だったが、制御のままならぬ力は唐突に発動を停止し、再度窮地に陥る。
窮地に陥った2人の前に、ヤマトを守る超人組織「ヤマトモリ」に所属する籠村シモン(かごむらシモン)が現れ、トキオはヤマトモリに保護される。
シンカー編
超人となったトキオは、高校生活を送る傍らで、エリイと共に超人の登録証を得るための講習を受けるようになる。
講習からの帰り道、トキオとエリイはすでに「沈下の超人」として登録証を持っている汐崎テヅヤ(しおざきテヅヤ)が自販機泥棒を行っている現場に遭遇する。汐崎は野球部で活躍していた投手だったが、試合中に超人として目覚めてしまったことで野球ができない身分になり、貧困にあえぎながらこれまでとは異なる生活を送っていた。
同時期、少人数のグループが銀行強盗を行う事件が頻発していた。ニュースの情報を聞いて汐崎の能力が関係しているのではと気付いたトキオはエリイと共に汐崎に会いに行く。しかし自宅にいたのは幼い弟妹たちだけで、汐崎に会うことは叶わなかった。トキオとエリイが汐崎家を訪ねていたとき、汐崎本人は、自身の所属する犯行グループが手柄に味をしめ増長するのを防ごうとしていた。しかし、仲間たちは唯一超人だった汐崎に対して劣等感を覚えており、何者かによってもたらされた「謎の薬」で超人化すると、汐崎相手にそれまでの恨みを晴らすように集団で殴るなどの暴力をふるう。
異変を知らせる「うなじが痛むような信号」を感じ取ったトキオとエリイは、超人の力で誰かが窮地に陥っていると気づき、現場に急行する。そこでは、「沈下の巨人」の力を暴走させた汐崎が、犯行グループの仲間たちを一掃し立ち尽くしていた。汐崎は我を失い「混沌(カオス)」化しており、トキオやエリイを相手にまともな受け答えを期待できない状況であった。汐崎を制止したかったトキオとエリイは説得を何度も試みるが、功を奏さない。悪戦苦闘する2人のもとへヤマトモリの超人籠村シモンと百萬マイコ(ももまマイコ)が駆け付け、汐崎の処刑も辞さないほどに激しい戦いになる。トキオは暴走する汐崎の助けを求める心の声に突き動かされ、「沈下の超人」汐崎との野球勝負を挑む。これにより、「野球をやめたくなかった」という自身の願望を思い出した汐崎は我に返り、事態は収束した。
ムーンビースト
汐崎の一件が解決した後、「一般超人登録証」を手に入れたトキオとエリイだったが、エリイは地元には帰らずトキオの所属する高校へ転校し、さらに正式にヤマトモリに所属することを決める。エリイが治安維持活動を行う「キーパー」になるため見習いとして訓練に明け暮れる傍ら、トキオは自分もそうなるべきかと思い悩みながらも決断できずに二の足を踏んでいた。
一方、トキオと同じタイミングで超人になるための薬を体に打ち込んだ東アヅマはいまだに超人として目覚めずにいた。アヅマは相談を持ちかけてきたトキオとの差を感じながらも、エリイに置いていかれるぞ、とトキオを諭す。しかし、アヅマにとってはトキオこそ、遠い存在になっていく焦りの対象でもあった。
キーパーになるべきか否かで思い悩むトキオはある日、エリイを案内するために訪れたデパートで超人の暴走に遭遇する。トキオは自分の力で解決しようと挑むも、何もできずに囚われてしまう。訓練によって能力の制御を身につけていたエリイに助けられたトキオは、自らの力のなさを実感するのだった。
7月に入り、街が火鎮女祭(ひしずめさい)という行事で賑わいだしたころ、トキオは自分を狙う「切り絵の超人」ウメザワリリカに急襲される。賞金を懸けられるほど裏社会では有名なリリカの攻撃にトキオとエリイは圧倒される。トキオはエリイを背負い「獣化の超人」の力で逃走を図るも、リリカは爆弾に着火し躊躇なく周囲を巻き込もうとする。トキオは周囲の市民を守るために自ら盾になって大怪我を負ってしまう。さらにトキオを奪おうとするリリカに対抗するエリイだったが、ハイヒールを履いたリリカの飛び蹴りを顔に受け、右目を失う重傷により戦闘不能に陥る。これにより、エリイが損傷を超人の力で修復(レイズ)している間に、トキオはリリカによって誘拐される。
修復によって意識を取り戻したエリイは、公衆電話からヤマトモリにトキオが誘拐されたことを報告する。偶然にもその場に居合わせたアヅマは、「親友の危機に力になりたい」とエリイのもつ電話口に訴えかけるが、ヤマトモリからは“ただの人間”では足でまといだとして却下される。しかし、アヅマは忠告を聞きいれず、漏れ聞いた情報を頼りに、自らの力で大事な友人であるトキオを助けようとする。
シモンとモモマがリリカの潜伏地へ急行する中、煙の超人の能力で先に潜伏していたエリイは、1人で目的地へ向かうアヅマの姿を目撃する。しかしエリイは、応援がかけつけるまで敵に気取られぬよう状況を探る任務を与えられており、アヅマを制止することができなかった。
アヅマはトキオを誘拐した「切り絵の超人」リリカへ挑むも、能力を完璧に扱うリリカの前には“ただの人間”であるアヅマは無力であった。リリカの仲間である「畏怖の超人」リカルド・テラーの制止も間に合わず、アヅマの体はバラバラに切り裂かれてしまった。
閉じ込められた部屋から脱出したトキオは地面に散らばった肉体を見て、それの肉片の正体を理解すると、「混沌(カオス)化」してしまう。トキオは激情のままにリリカに襲い掛かって一度は圧倒するのだが、相手が恐れるものに姿を変える能力を持つリカルドによって取り押さえられた。これを見て、応援到着を待っていたはずのエリイは、トキオの窮地に耐えられず、現場に乱入する。
さらに、バラバラに切り裂かれて死亡していたはずのアヅマが超人として目覚め、身体を「修復(レイズ)」すると、リリカとリカルドを圧倒する。突然死者が蘇ったことに状況を理解できずにいるトキオだったが、アヅマは敵味方の判断能力を失っておりエリイやトキオに襲い掛かる。シモンやモモマも現場に到着し、アヅマを押さえ込もうとするが、覚醒直後の混沌化ぎみのアヅマの能力に圧倒されていく。
アヅマを取り戻したいトキオは、修復を繰り返しアヅマに挑む。戦況はアヅマの圧勝のように思われたが、超人としての素質の差が顕著になると、トキオの才能に敗北感を覚えたアヅマは戦意を喪失し、正気を取り戻した。
獣島の修行
無事ウメザワリリカ達から救出されたトキオは、超人として目覚めたアヅマと共にヤマトモリの「キーパー見習い」となる。
ヤマトモリのキーパーである佐藤一郎は、見習い達に夏休みを利用して超人の力を扱うための訓練を行うことにする。トキオ・アヅマ・エリイは訓練のため、70年前の「超人大戦」の舞台となった獣島へ渡る。訓練には他県のキーパーやシモン・モモマなども参加していた。トキオは、彼らとの訓練を通して、超人の力を制御する術を学んで理解を深めていく。
真面目に努力するトキオを認めたシモンは、トキオが本気でキーパーになりたいと思っているのかと問いかける。シモンの問いに、トキオは暴走したアヅマに何かがあったときに止められるような超人になりたい、と目標を打ち明ける。しかし、シモンはもっと自分自身の願望と向き合うように助言する。シモンのルーツである籠村の一族は、ある超人たちに襲われて殺害されてしまっており、その時の経験から「誰かへのしがらみ」で生きる人生は窮屈であると知っていたためである。このシモンの忠告にトキオは惑ってしまう。
そのとき、トキオはうなじが痛むような信号「超人信号(コール)」を感じ取り、アヅマが何者かの襲撃を受けていることに気づく。
実は「煙の超人」チャンドラが、自身の仲間を連れて「“獣”たる存在」を求めて獣島を訪れていた。チャンドラは自身が「獣」であると予想するトキオを誘拐しようと画策し、仲間の超人を連れ夜中に襲撃する。チャンドラの仲間で「曼荼羅御体の超人」指子(ゆびこ)は、見つけたアヅマを相手に戦闘を繰り広げる。またエリイやモモマも、「デスボイスの超人」森ひろとの能力で踊りだした地中の死者達に取り囲まれていた。
トキオは自身を標的とするチャンドラを引き付け、代わりにシモンにアヅマを助けるよう頼む。しかしそんなシモンの前に籠村一族の剣を使う超人・鵺(ぬえ)が立ち塞がる。一族の能力を盗んだ鵺を前にしたシモンは鵺の撃破を優先し、鵺の幻視毒を前に倒されてしまう。
訓練教官であった佐藤一郎が襲撃中の森ひろとを襲いエリイ達を救出すると、エリイはチャンドラに襲われるトキオのもとへ駆けつける。見習いとはいえ超人2人を相手にすることになったチャンドラは戦闘による憤りを抑えられなくなり、混沌化直前の状態になる。これによって窮地に追い詰められたトキオとエリイだったが、エリイが図らずもチャンドラを手のひらに吸い込んでしまう。これを見ていた鵺はエリイを拘束し、さらに指子に撃破されたアヅマも拘束して、トキオの前に現れる。鵺の能力で次元の狭間に閉じ込められたかのような友人たちを見たトキオは、彼らを奪い返そうとして逆に誘拐されてしまった。
オメガタワー
鵺によって誘拐されたトキオは、意識を取り戻すと、自身が獣島ではなくヤマトに存在するオメガタワーにいることに気づく。鵺の案内でエリイとアヅマ合流したトキオは、相手の隙を見て逃げようと考えていた。しかし彼らが逃げ出すよりも前にオメガタワーの主、巨大な怪物ゾラに対話を求められる。
予見の能力を持ち未来の出来事を見ることができるゾラは、いずれ来るであろう「災厄」に対抗するため、自らの力の後継者となる「獣」を探し求めていた。その「獣」こそトキオであると確信しており、トキオに力を継承するよう迫る。ゾラは、かつてヤマトモリの創設者でヤマトを守った英雄ソラ=シルハその人であり、ヤマトを守るためにトキオを探していたのだ。
ゾラの話す「未来の光景」を、夢として見た覚えがあったアヅマは力の継承に賛成するが、エリイは力を継承した「徴(しるし)」を与えられた死体がたくさん転がっているのに気づき強く反対する。
結局自身の考えを決めきれないトキオは、ゾラの要求を保留にして検討し後日返答すると提案した。
しかし、このトキオの優柔不断な判断により、ゾラは無理矢理にでもトキオに力を与えようと襲い掛かり、ゾラの強行からトキオ・アヅマ・エリイは逃走しようとする。
その時、星・サンダークが3人の救出のためにオメガタワーに現れる。サンダークは時空を瞬時に膨張させることで発生させる超小規模な宇宙爆破「無疵天則(インテグラル・コスモ)」という能力を行使し、オメガタワーを破壊する。さらに圧倒的な絶技で鵺を圧倒すると、ゾラとも対戦する。佐藤一郎など他のヤマトモリたちと共闘しながら7時間におよぶ激闘の末、サンダークらは、「ゾラを塔から出さない」という任務を全うし、トキオら3人を救出した。
『超人X』の登場人物・キャラクター
黒原トキオ(くろはらトキオ)
物語の主人公。ツル高校に通う至って普通の2年生。鳩にパンをあげるという習慣があり、鳩達には「パン工房」と思われている。
危機を脱するために謎の薬品で超人になろうとするアヅマが超人差別により孤独にならないよう、同じタイミングで薬を使用した。これにより、「獣化の超人」に覚醒し、獣化した際にはハゲタカのような見た目に変貌する。
幼い頃の出来事からハゲタカに対する憧れがあり、超人になった後は鳥の言語がわかるようになった。「完全獣化」することでさらに強い力を発揮する。
幼い頃はいじめられっ子で、助けてくれたアヅマに対して強い憧れを持っているせいか、親友になったアヅマの後ろをついて歩くのが当たり前になっていた。そのため主体性に欠ける部分があり、文武両道で自ら進んで人助けに勤しむアヅマを目標としている。
乙田エリイ(おったエリイ)
もう一人の主人公とも言うべき人物。トキオとは同い年。
ヤマトから飛行機で移動するほど遠くにあるガガ県で祖父と2人暮らしをしていた。農業を営んでおり、野菜作りが得意で体力に自信がある。
快活で曲がったことが大嫌いな性格。度胸があって犠牲が出ることを良しとせず、危ない場面で他人を助けずにはいられない。
飛行機の墜落事故の際にチャンドラ・ヒュームの能力が移ったと推測される形で超人になり、チャンドラ同様「煙の超人」としての能力を得る。
動物園で出会ったトキオとは、一緒に「一般超人登録」の講習を受けたため、良き友人関係を築いている。
ヤマトへ来たばかりの頃、「煙の超人」からの逃走中に無関係の少年を巻き込み死なせてしまっている。「超人登録」を果たしたあとにこれを知ったエリイは、故郷に帰るのをやめてキーパー見習いとなり、ヤマトモリの管理下で正義の超人を目指すようになる。
また、これによりトキオの所属するツル高校へ転入してきた。
後述の星・サンダークに一目惚れしており、美醜のセンスは一般的なものとやや乖離があるよう。
東アヅマ(ひがしアヅマ)
トキオの幼馴染で親友。トキオと同じくツル高校の2年生。眼鏡とおかっぱ頭が特徴。作中ではほかの登場人物に「キノコ頭」と揶揄されることもある。
小柄だが格闘術を嗜み、その強さは柔道・空手の大会でどちらも優勝するほど。警察官の父親を持ち、父からかけられた「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉を胸に、積極的に人助けを行っている。トキオが完璧な人物として尊敬し、目標にする人物である一方、時折自分の衝動を抑えられない場面や暴力を振るうことを躊躇わない様子が見られる。
トキオと同じタイミングで薬品を投与したものの、長らくその効果は現れず、それがアヅマ自身を苛んだ。ウメザワリリカとの戦いを経て、超人として目覚める。その力は当初「布の超人」と思われていたが、後に「鉄の超人」であることが判明する。
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目次 - Contents
- 『超人X』の概要
- 『超人X』のあらすじ・ストーリー
- 超人の目覚め
- シンカー編
- ムーンビースト
- 獣島の修行
- オメガタワー
- 『超人X』の登場人物・キャラクター
- 黒原トキオ(くろはらトキオ)
- 乙田エリイ(おったエリイ)
- 東アヅマ(ひがしアヅマ)
- 星・サンダーク(ほし・サンダーク)
- 籠村シモン(かごむらシモン)
- 百萬マイコ(ももまマイコ)
- チャンドラ・ヒューム
- 辻ナリ(つむじナリ)
- 鵺(ぬえ)
- 『超人X』の用語
- 超人
- 自治県
- ヤマト
- ヤマトモリ
- オメガタワー
- 予見の獣
- 超人X
- 『超人X』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 東アヅマ「ハゲタカってさ、『世界で一番高く飛べる鳥』らしいよ それってカッコよくない?」
- 黒原トキオ「なんかさ、いまここでなにもしなかったら俺…お前と友だちじゃなくなる気がする」
- 乙田エリイ「悪いヤツとっちめんだ」
- 『超人X』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 超人Xは石田スイが一人で執筆している
- コミックス発売時にコラボレーション動画が製作された
- 作者の「帰還」となった『週刊ヤングジャンプ』出張掲載
- 『超人X』の主題歌・挿入歌
- コラボレーションMV使用楽曲:松木美定「人生の銀幕』」
- コラボレーションMV使用楽曲:CHAI「アイム・ミー」