アバウト・タイム(About Time)のネタバレ解説・考察まとめ

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』とは2013年に公開されたイギリスの恋愛コメディ映画である。ラブコメを得意とするリチャード・カーティスが監督を務める3作目の長編映画。風変わりな仲良し家族の長男ティム。彼の21歳の誕生日を機に、父から一族の男性は代々タイムトラベル能力を受け継いでいることが告げられる。能力を使い同じ時間を繰り返していくことで、ごく普通のありふれた日々や家族、友人がもっと愛おしくなっていくハートに響く作品。

タイムトラベル

SF映画や文学の題材としてフィクション作品に用いられる表現。過去や未来を自由に行き来できる時間旅行のこと。そのタイムトラベル能力の使用可能範囲が本作では過去のみに限定されている。

法曹会

法律の調査研究や実務の進歩発展を目的とした任意の団体。目的達成のために図書の発行や施設の貸与などを行っている。また会員同士の親睦を深めることにも力が注がれている。

ケイト・モス

本名はキャサリン・アン・モス。1974年生まれの実在するイギリスのファッションモデル。短期間で国際的に有名になったスーパーモデルであ李、300冊以上の雑誌の表紙を飾っている。

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ティム・レイク「古くてダサい携帯が大切な宝物になった。」

出典: www.niwaka.com

悪友ジェイに連れられてティムの向かった暗闇のレストラン。真っ暗な店内で同席になったメアリーとジョアンナ。ジョアンナはジェイと会話を続け、その間にティムとメアリーは、彼の母がメアリーと同じ名前であることから会話が広がっていく。お互いがどのような容姿をしているのか気になることは当然であり、4人は外で対面することとなる。そして現れたメアリーに一目惚れしたティムは彼女の番号を携帯に入れてもらう。彼女から携帯を受け取り「古くてダサい携帯が大切な宝物になった。」と携帯を見たまま話すティム。好きな人の番号が入った途端に、古びた携帯が替えのきかない宝物となった瞬間である。ティムは彼女とまた会う約束をし、ロマンティックなムードのまま帰路についた。

ティム・レイク「タイムトラベルの出番はなくなった。毎日が幸せだからだ。」

出典: ameblo.jp

大荒れな天気の中なんとか結婚式を終え、一人目の娘ポージーを授かったティムとメアリー。娘ができたことによる愛と不安は、彼の想像を絶するものであった。親になったことの責任を感じながら、ポージーを中心に夫婦の日々は目まぐるしく進んでいく。その慌ただしい日々の中でティムは幸福を噛み締めていた。もはや今の彼にはタイムトラベルの能力は不要なものとなっていたのである。家族と過ごす時間の中でティムはこう話す。「タイムトラベルの出番はなくなった。毎日が幸せだからだ。」と。今が幸せで満たされていれば過去に戻りたいと思う必要はない。彼が能力を使う時は、過去に後悔することが起きた場合だ。そして彼はその度に戻り、納得のいく選択をしながらやり直してここまで来ていた。過去に戻れない人であっても今に非常に大きな幸福を得ているならば、過去に戻りたいと思うことはないのだろう。今が幸福であることを感じ生きることの大切さが表現されているティムのセリフである。

ティム・レイク「父は幸せになる秘訣を教えてくれた。秘訣のパート1は普通に生活すること。人と同じように1日ずつ。パパの秘訣パート2は毎日を同じようにもう1回繰り返すこと。緊張や不安で気づかなかった人生のすばらしさに2回目は気づくそうだ。」

ガンの為あと数週間しか生きられないことをティムに打ち明けた父。彼は生きているうちにティムに伝えられることをすべて伝授しようとしていた。その時に教わったタイムトラベルに関する2つの秘訣。父から教わったことを実行しながらティムは「父は幸せになる秘訣を教えてくれた。秘訣のパート1は普通に生活すること。人と同じように1日ずつ。パパの秘訣パート2は毎日を同じようにもう1回繰り返すこと。緊張や不安で気づかなかった人生のすばらしさに2回目は気づくそうだ。」と秘訣を反芻していく。そうして教え通り実行に移していくうち、父が自力で悟ったことをティムはすぐに実感していくこととなる。一度目は余裕がなくて気づけなかった様々な笑顔になれる瞬間。それが二度目はごく普通の日常の中に隠れていることに気づけるのだ。私達の日常は本番一度切りの毎日だが、その中にティムたちのように見落としている素晴らしい瞬間が多く隠れているのかもしれないと思えるジェームズの教えであった。

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

タイムトラベルができたらビートルズのライブを観に行き大失恋の経験をやり直したいと話すリチャード・カーティス

カートス自身がもしタイムトラベル能力を使用できたらいつに戻りたいかというインタビューに彼は2つの回答を用意した。1つ目はビートルズのコンサートを観に行くことであり、2つ目は二十歳の頃に戻り、大失恋の経験をやり直したいというもの。ビートルズのコンサートに関してはカーティスの幼少期に住んでいたスウェーデンにビートルズが来たことがあったのだが、その時は行けず今度こそは行きたいと話している。そして2つ目は二十歳の頃に戻りたいというもの。カーティスは当時の大失恋から立ち直るまでに、5年もの歳月が必要になる程の恋をしていたという。その時に戻ってやり直したいと話すカーティスであるが、その失恋がなければ経験から生まれた映画も無くなることを意味する為、ビートルズを観に行くことだけでも良いという結論に達していた。

『ハリー・ポッター』シリーズに登場したキャスト3人が集った作品

映画『ハリーポッター』シリーズに登場している俳優が3人集まっていることがハリーポッターファンの間で注目を集めていた。主演のドーナル・グリーソンは『ハリーポッター』ではビル・ウィーズリーを演じている。他にも名前が登場していない為、「登場人物・キャラクター」の一覧に記載していないが『ハリーポッター』シリーズでバーノン・ダーズリー役を演じたリチャード・グリフィス、そしてルーファス・スクリムジョール役のビル・ナイの3人である。またグリフィスにとっては本作が最後の出演作品となっている。

レイチェル・マクアダムスにとって3作目となるタイムトラベル映画

メアリー役のマクアダムスにとって本作は3回目のタイムトラベル作品の出演となっている。彼女はそれまでに2009年公開の映画『きみがぼくを見つけた日』、2011年の『ミッドナイト・イン・パリ』とタイムトラベルが題材の作品に出演してきていた。しかし3作ともタイムトラベルができる登場人物としてではない。本作ではティムとは誰よりも深い繋がりを持っていながら、タイムトラベルをしているとはまったく知らない人物として描かれている。

『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』の主題歌・挿入歌

主題歌:Ellie Goulding「How Long Will I Love You」

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