メガゾーン23(Megazone 23)のネタバレ解説・考察まとめ

『メガゾーン23(Megazone 23)』とは、1985年3月に発売されたSFロボットアニメ。OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)として販売された。石黒昇が監督を務め、キャラクターデザインに美樹本晴彦らを起用した第1作が大ヒットし、続編を含めると全3作が製作された。偶然軍の秘密兵器である可変型バイク「ガーランド」を手に入れた主人公が、世界の秘密を知り、若さゆえの反逆を起こす。当時のOVA界隈に「美少女とメカの組み合わせ」という一大潮流を起こした作品の1つである。

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エデンシティの遠景。建造半ばで半球状のMZの中に街が広がっている

PART3の舞台となる巨大な閉鎖都市。建造を中止したMZ33の船体を流用しており、半球状の外殻の中に都市の全てが収容されている。帰還した人類のための当面のインフラとして用意されていた。中央にはE=Xタワーがそびえており、その地下にはシステム(地球再生システム)の中枢が埋設されている。張り巡らされたネットワークによって、街全体がシステムとE=Xに完全管理されており、全ての行動を追跡されている。その管理体制は徹底しており、住人は全身にモニター用のコードを接続して就寝することを義務付けられているほどである。建前上はそのおかげで完璧な調和を達成しているとされている。実際には膨張する人口をエデンシティに押し込めておくためにバランスを失っている。そのために市民の見えないところでは資源を喰い荒らし、有害ガスを垂れ流すプラントが乱立している。バランスの崩壊は社会不安として現れており、自殺者が5年前に比べて35%増加し、直近の自殺発生件数が700件を超えているなどの面で顕在化している。これはシステムが暴走状態に陥っており、人類の解放を無期限保留しているのが元凶である。

完全管理社会を標榜する割には職業選択の自由が存在している。リョオはアルバイトに就き、バドはオレンジ社のスカウトを受けていた。さらに貨幣の概念も存在し、エイジがリョオにナンパを仕掛けた際は、仲間達が成否を掛けて金額を口にしていた。

E=X

E=Xのオペレーションセンター。多数の人員が、日夜エデンシティの管制制御に勤めている

エデンシティを管理し、実質的に支配している官庁。ネットワークの監視や保全、不正アクセスの阻止などが主な職務だが、治安を乱す者や勢力には実力行使で鎮圧する武力も兼ね備えている。局長はヤコブ・ハルム。局員は全員、超難易度の「Aランクのシステム言語」をマスターしたエリートである。しかし近年はゲリラ的にクラッキングを繰り返すネットジャッカーに手を焼いている。

プロジェクト・ヘヴン

プロジェクト・ヘヴンが始動した直後のエデンシティ。周囲に並ぶ巨大な重力制御装置によってエデンシティを宇宙まで浮上させる計画だった

PART3後半でE=Xとオレンジ社の抗争が巻き起こり、エデンシティは戦場と化す。その様子を目の当たりにして、システムは長らく保留にしていた人類への審判を下す。人類が地球にとって有害な存在だと断定したシステムは、ウォン・ダイの口を通してヤコブに用意させていた計画の発動を命じる。それが「プロジェクト・ヘヴン」である。これはエデンシティ全周に設置された重力制御装置によって、エデンシティ全体を宇宙に打上げるというものである。建前上は性急に過ぎた人類の帰還をリセットするためとされ、ヤコブは「人類は再び宇宙に旅立つのだ」とのたまう。しかし実態は半開放型のエデンシティを宇宙空間に持ち上げ、エデンの市民を死滅させるための計画である。当然方々からE=Xに抗議が殺到したが、ヤコブは眉ひとつ動かさずに、「あなた方を宇宙に排除するのは当然」と言い放った。しかしオリジナル・イヴとネットジャッカーが協力してシステムネットワークの中枢を破壊したために阻止された。

オレンジ社

オレンジ社の社屋

体感型VRシューティングゲーム「ハードオン」を開発・リリースしているゲーム開発会社。その裏ではE=Xに対抗するため、密かにマシンソルジャー「ハーガン」を配備し、そのパイロットを育成するため、ゲームに見せかけたシミュレーターであるハードオンを利用している。ハードオンでトップスコアを記録したプレイヤーをスカウトしており、バドもそのひとりだった。ゲーム配信用の専用回線に偽装し、E=Xに干渉されない独自のネットワークを構築していた。後半でついにE=Xに反旗を翻す。サイバーシステムで改造したバドらゲーマーを鉄砲玉として、E=Xのガーランド部隊にぶつける。しかしヤコブが持ち出したオリジナルガーランドの強大な戦闘力に敗退する。反逆したシオンがオレンジ社の司令室を占拠して事態の収拾を図るも、司令室をオリジナルガーランドで急襲され、ほぼ壊滅に至る。

ハードオン

ハードオンの筐体。プレイ中はこの筐体ごと奥のスペースに収納される

エデンシティの若者達に人気の体感型VRシューティングゲーム。専用回線でスコアの共有や協力プレイなどができる。座席に乗りこむとスライドしてプレイヤーを収納する筐体を持ち、操縦桿以外にもいくつものスイッチ類を組み合わせて操作するなど、アーケードゲームとしては非常に大がかりなものになっている。物語の序盤に難易度の上がったバージョン2が配信されており、エイジは自分が1番にクリアしてみせると意気込んでいた。実際にはリリース前のバージョン4や、超絶難易度のバージョンXが開発済で、シオンの思いつきでエイジに強制的にプレイさせている。

その正体は、オレンジ社が密かに配備を進めているマシンソルジャー「オレンジハーガン(作中ではハーガンと呼称)」のパイロットを育成するための戦闘シミュレーターである。マシンソルジャーを操縦するほぼ全ての要素を盛り込んでおり、ハードオンの筐体がそのままオレンジハーガンのコクピットになる描写もある。そのため、ハードオンをやり込んでいたエイジはE=XガーランドのGモード(ロボット形態)を初見で乗りこなし、バドはオレンジ社にスカウトされてハーガン部隊のリーダーに抜擢された。

ID

エイジのID。サイクルアウトした者が所持するブルーID

エデンシティの住人は、IDと呼ばれる身分証が支払いや移動など、生活の全てに必要となっている。IDは収録機器の規格が定められており、MD(ミニディスク)に似た、カートリッジに収納された光磁気ディスクになっている。支払いや乗り物の使用の際は、スロットに挿入して使用する。サイクルアウトすると、IDの種類がイエローからブルーに切り替わるが、役所に出向いて手続きをしなくてはいけない。IDによってエデンシティの住人は常にその動向を把握されており、IDが消されるということはエデンシティに存在しないも同然となる。リョオのIDが消されたことを知ると、エイジはネットジャッカーに敵愾心をたぎらせることになる。

サイクル

エデンシティ住人が受ける義務教育課程。人類の歴史やエデンシティの成り立ちや生活ルールなど、多角的な教育を受ける。その期間中は社会的モラトリアムを与えられているようである。PART3冒頭でエイジはサイクルアウト(教育課程修了)し、役所でIDの切替えを受けている。さらにサイクルをドロップアウト(自主退学)することもあり、バドはドロップアウトしてオレンジ社のスカウトを受けていた。

『メガゾーン23(Megazone 23)』の登場兵器

ガーランド

作中でPART1~3を通して主役メカの名称として登場している。しかし登場作品によってその設定は違っている。共通しているのは単独でバイク形態からロボット形態に変形する点である。作中でも強力な戦闘力を発揮する。

ガーランド

ガーランドのMC形態

kokone01627q0
kokone01627q0
@kokone01627q0

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