メガゾーン23(Megazone 23)のネタバレ解説・考察まとめ

『メガゾーン23(Megazone 23)』とは、1985年3月に発売されたSFロボットアニメ。OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)として販売された。石黒昇が監督を務め、キャラクターデザインに美樹本晴彦らを起用した第1作が大ヒットし、続編を含めると全3作が製作された。偶然軍の秘密兵器である可変型バイク「ガーランド」を手に入れた主人公が、世界の秘密を知り、若さゆえの反逆を起こす。当時のOVA界隈に「美少女とメカの組み合わせ」という一大潮流を起こした作品の1つである。

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ガーランドのMS形態

PART1に登場するガーランド。巨大な車体を持ち、信二いわく「15000回転で時速320km」のエンジンパワーと、車を押し潰したり押しのけたりしても傷ひとつ付かない異常な堅牢さをもつ、市販のバイクとはかけ離れたモンスターマシンである。テストライダーだった信二の手で夢叶重工の走行実験室から盗み出され、軍の襲撃をかいくぐる過程で省吾の手に渡った。初登場時の車体色はオリーブグリーンだったが、省吾がココナッツに持ち込んで全塗装し、以降はレッドになった。

その正体は、軍がバハムートのレベル7から引き出したデータを元に、軍が夢叶重工に委託して製造させたマシンである。軍内部ではガーランドのことを、バハムートレベル7の管理者権限を取得するためのショートカットになると考えていた。動力は「反発動力システム」とあるが、どのようなメカニズムなのかは作中では語られなかった。

バイク形態であるマニューバクラフト形態(以後MC)では通常のバイクと同様の操作で走行できるが、その巨体ゆえバックギアを装備している。そしてMC形態から戦闘ロボット形態であるマニューバスレイブ形態(以後MS)形態に可逆的に変形する。MS形態では全長3.85m程度と小型ながら人型に変形し、パイロットを完全に機内に収納して十分な気密と生命維持を提供する。さらに真正面から突っ込んでくるパトカーを蹴りひとつで跳ね上げるパワーをもつ。備え付けのゴーグルを経由して、ライダーの脳波を検知、イメージ通りに動かせるほか、音声による指示を理解して最適な行動を取る機能も備えている。背中のスラスターを使い短時間の空中戦闘も可能なほか、宇宙空間でも行動できる。武器を自在に扱う器用な手指を備えており、戦闘兵器としての完成度は非常に高い。レーザーオーブガンと呼ばれる専用の銃器を使用している。これはハーガンやフラッガなどを一撃で破壊する威力を持つ。さらにセンサー類も超高精度なものが装備されており、赤外線等で壁の向こう側を透視できるほか、集音マイクを調整することで、特定の人物の音声にフォーカスすることもできる。

バハムートが警戒してプロテクトを強固にする可能性を考慮して、夢叶重工で極秘に製造された後、信二をテストライダーとしてテスト走行を重ねていた。しかし信二が盗み出したガーランドは、偶然省吾の手に渡ることになる。軍の神経を逆なでするように省吾がガーランドを街中で乗り回し、あまつさえテレビの生中継に晒そうとしたため、ついには道路封鎖した上でのハーガン部隊による大捕物に発展する。その途中でハーガンのMS形態を目撃した省吾の「ロボットだ」という言葉に反応し、ガーランドがMS形態に変形することで危機を脱する。それがきっかけとなり、省吾はガーランドが変形することを発見する。その後由唯とプロデューサーの関係に勘づき、ガーランドの超高感度センサーでラブホテルの部屋を特定、MS形態で襲撃する。仲違いしたふたりを見た智美は、仲直りをダシにしてガーランドを小道具として映画を撮影することを提案する。智美と共に出かけたロケハン先で巨大な廃墟に迷い込み、B.D.のハーガンと戦闘になる。その際宇宙空間での戦闘になるが、音声指示によって姿勢制御と反撃を同時に行なうなど、優れた制御性能を見せる。その後ガーランドを介してイヴが接触してくる。ガーランドはEVEプログラムが「7Gのオペレーター」を自らの元に運ぶために用意した乗り物であった。しかし省吾が悩むうちにバハムートは制圧され、智美が殺される。省吾はバハムートのある第2層に特攻をかけるが、B.D.のハーガンに敗北した。残骸と化したガーランドは、満身創痍の省吾と共に地上に帰還する。

極秘兵器の割にはエンジンキーひとつで誰でもエンジンを始動可能な点や、通常のバイクではクランクケースに相当する部分に、「BAHAMOUD(バハムート)」とわざわざ刻印するなど、その仕様には不可解な点がある。パーツが張り出している関係で一見バンク角がほとんど取れないように見えるが、実際の走行では問題にならないようだ。

プロトガーランド

PART2から登場するガーランド。PART1でB.D.に破壊されて軍に回収されたガーランドを、GRⅡガーランドのパーツを流用して復元したもの。量産型であるGRⅡガーランド開発の雛型になった経緯から、「プロト」ガーランドと改称されたらしい。外観は変更されていないが、車体色はワインレッドに変更されている。ホバー走行するGRⅡガーランドがすでに実戦配備されており、登場時点で性能的にはすでに陳腐化している。車体側にライダーの脳波を検知するセンサーを内蔵したため、専用ゴーグルが廃止されている。白鳥が省吾をおびき寄せるために用意し、思惑通り省吾が奪取しにくる。しかしなぜか省吾が持ち去っていたガーランドのエンジンキーがそのまま使えたため、まんまと乗り逃げされる。しかし2重の追跡装置が仕掛けられており、TRASHのアジト発覚につながった。包囲網を突破し、「ホンモノのイヴに会いに行く」ために爆走するTRASHの中心として、バハムート中枢へ向かう。GRⅡガーランドとも互角に戦うなど奮闘したが、白鳥の「ヴィルテ・ザウ」に銃の弾切れを見抜かれ撃破される。しかしライトニングが身代わりに乗っていたため、省吾は逃げおおせる。擱座した機体はそのままバハムート内に置き去りにされる。その後数百年の時を経たPART3で、エイジに省吾のライフデータを届けるタイムカプセルとなった。

プロトガーランドのMC形態

プロトガーランドのMS形態

GRⅡガーランド

GRⅡガーランドのMC形態

GRⅡガーランドのMS形態

PART2に登場。軍がガーランドを元に製造した量産型ガーランド。ハーガンの後継として配備が進んでいる。車体色はオリーブグリーン。MC形態では地上付近を浮遊して走行するなど、オリジナルよりも確実に性能が向上している。また索敵性能向上のためか、張り出した頭部側面にセンサーが追加されている。作中複数登場し、省吾達TRASHのメンバーを追撃したり、街中でデザルグの自動追尾弾と激闘を繰り広げたりしている。しかし自動追尾弾の触手に易々と装甲を貫かれ、果ては歩兵用のマシンガンに破壊されるなど、防御性能はお世辞にも高いとは言えない。

E=Xガーランド

E=XガーランドのMC形態

E=XガーランドのMS形態

PART3で登場する、主人公エイジの駆る赤いガーランド。PART1の「ガーランド」やPART2の「プロトガーランド」が、小道具やマクガフィンとして扱われていたのとは対照的に、主人公エイジの相棒となり、まさに主役メカとして活躍した。作中では一貫して「ガーランド」と呼称されている。ヤコブいわく「対ネットジャッカー用ターミナルマシン」とされるマシンソルジャー(PART3での人型兵器の呼称)。前人類史の最終戦争で使われた兵器のデータを元に製造されたとされるが、変形機構や車輪走行など、PART1のガーランドとの共通点が多い。起動時にはIDの挿入が必要。バイク形態ではマンションの高層階から飛び降りても破損しないほどの強度を持ち、強力な走行性能を有する。バイク形態から「Gフォーム」と呼ばれるマシンソルジャー形態に変形する。Gフォーム時はPART1のガーランドと比べると逆三角形のマッシブな体型になる。フレームに十分な強度があるためか、二の腕部分や大腿部などは、フレームとシリンダーが剥き出しで装甲が無い。ミサイル発射時には噴射光から防護するためか頭部カメラにシャッターが降りる。背部のスラスターは桁外れの推力を誇り、エデンシティを見下ろすほどの高高度で自在に空中戦闘を行なった。武装は手持ちの銃火器レーザーオーブガン(バハムートで拾得したもの)や、上腕部の内側に格闘武器のダガーを2本、外側のウエポンベイに2本ずつミサイルを内蔵している。特にダガーは、遙かに格上のオリジナルガーランドに逆転勝利する重要な武器となった。

最初の時点でエイジ機の他に2機の合計3機が登場していた。E=Xガーランド3機を中心にしてオペレーターの指揮の下、フラッガ数機で脇を固めてあらゆる事態に対処できると説明されていた。しかしその裏では、ヤコブが隊員全員をサイバージャックして操作することを考えていた。しかしシオンのオレンジハーガンによる攻撃で、エイジ以外のE=Xガーランドはあっけなく撃破されてしまう。そこからはエイジの乗機のみが残存する。エイジはGフォームを使ってシオンの追撃をかわすが、途中ヤコブに身体を乗っ取られ、油断したシオンを撃破する。その後オリジナル・イヴと合流したエイジは、E=Xガーランドで彼女を守りながら様々な場所を訪れる。その後オリジナルガーランドと対峙するが、圧倒的な火力の前に逃げ回る。覚悟を決めてダガーで接近戦を挑むが、駆動系を破損して擱座する。オリジナルガーランドが止めの腹部ビーム砲を撃とうとした瞬間、投げナイフの要領でダガーを投擲して主砲を暴発させたことにより、逆転勝利を収めた。

量産型E=Xガーランド

量産型E=XガーランドのMC形態

量産型E=XガーランドのMS形態

PART3終盤で登場した、グレーのE=Xガーランド。E=Xタワー防衛のために出動した。形状が若干シンプルにはなっているが、変形機構はそのまま搭載しており、一見エイジのE=Xと同等の機体に見える。しかしバドの率いるオレンジハーガン部隊には歯が立たず、次々と撃破されてしまう。

オリジナルガーランド

オリジナルガーランド

E=Xがエデンシティの地下から掘り当てた、いわゆる発掘兵器。前人類史の末期、1000年以上前の最終戦争時に使用された漆黒のマシンソルジャーである。全てのガーランドの元となったとも言われるが、そのフォルムや武装は後生のどのガーランドともかけ離れている。未解明の部分が多いながらも、E=Xガーランドやオレンジハーガンとは次元が違う攻撃力を誇る。膝下が長い異形なフォルムをしており、変形機構はないがロボット形態のままで自在に飛行や高速でのホバリングが可能。武装は専用の大型ライフルや、肩部から無尽蔵に発射されるミサイルに加え、最大火力を誇る腹部ビーム砲を備える。

E=Xヤコブが戦乱を自らの手で収集すべく搭乗し、腹部ビーム砲の一斉射でオレンジハーガン4機をまとめて蒸発させる。この攻撃をかいくぐったバドに頭上から奇襲されるが、隙の無いミサイル攻撃で返り討ちにした。その後エイジのE=Xガーランドと対決するが、その圧倒的な火力と機動性でエイジを一方的に追い詰める。ダガーで特攻を仕掛けるエイジに手傷を追わされるが、逆に行動不能に追い込む。しかし勝利を確信して放つ寸前の腹部ビーム砲にダガーの投擲を受け、暴発した余波で機体は木っ端みじんに吹き飛んだ。描写を見る限り、飛び抜けた攻撃性能に比べて防御性能はE=Xガーランドやオレンジハーガンと大差が無いようだ。

ハーガン

ガーランドと並ぶ『メガゾーン23』シリーズの看板メカ。シリーズを通し、形を変えながら登場する。

ハーガン

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