27クラブ(The 27 Club)まとめ

「27クラブ」は、27歳で亡くなった有名な音楽家や芸術家たちを指す総称で、特に1960年代後半から1970年代にかけてこの現象に注目が集まった。ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリンなど名だたるメンバーが多く、いずれも各界で絶大な影響力を持ち、短期間で大成功を収めた人物ばかりだ。彼らの死は大きな衝撃を与えただけでなく、死亡した年齢が27歳と共通しており、都市伝説や陰謀諭などが囁かれることとなった。アーティストなどの短い人生の儚さと、その才能への敬意を示す言葉としても知られている。

コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』に描かれているロノウェ

「クロスロード(十字路)伝説」や「Jの呪い」に共通しているのが、“悪魔と契約する”ということだ。悪魔の名前はロノウェで、悪魔学における悪魔の1人だとされている。コラン・ド・プランシー著『地獄の辞典』では、ネズミのような尻尾があり、杖を脇に挟んで先端を手で掲げ持つゴブリンのような姿で描かれている。

修辞学を上手に教え、諸言語に関する知識を与える悪魔だという記述もあり、能力を与えることに長けた悪魔なのかもしれない。

27クラブに入る方法があるとも取れる発言

ウェンディ・フレイデンバーグ・コバーン・オコナーの息子であるカート・コバーン

カート・コバーンの死後、母親であるウェンディ・フレイデンバーグ・コバーン・オコナーは、「息子は愚かなクラブに加わってしまった。私はあの愚かなクラブに参加しないように彼に言っていたのに」といった旨を、ワシントン州アバディーンの新聞「デイリー・ワールド」に語っている。このように“27クラブに参加する”方法があるかのように受け取れる話がでたことで、更に同クラブに対する臆測などが飛び交った。

27歳で亡くなることを知っていたとされる説

ジミ・ヘンドリックスは公演のMCで「28歳まで生きられるか分からないな」と話したとされている。また、エイミー・ワインハウスは死の3年前に、27歳で死ぬことに恐れていたとされており、それぞれが死期を知っていたかのような発言をしていたため、やはり悪魔と契約していたのではないかといった声が高まった。

暗殺説

27クラブのメンバーの多くが薬の大量摂取や予期せぬ事故でなくなっている人も多く、その死因についてさまざまな臆測を呼んだり、物議を醸したりすることがあった。

特に薬の大量摂取についてはその薬品名や薬物の名前が判明するなど、死因などが明らかとなっているが、事故については謎な部分が残っているケースが多くあったことでも知られており、一部では「暗殺されたのではないか」などといった声も上がっている。

秘密結社・フリーメーソンの影

秘密結社とされているフリーメイソンのマーク。

27クラブのメンバーには秘密結社・フリーメイソンの会員だったとされる人が多くいたという説もあり、音楽で人々を魅了するなど影響力の高い人を“洗脳”し、人気絶頂の中で、しかも同じ年齢で亡くなれば、歴史に名が残ることは間違いないと考えたという説もある。

フリーメイソンが27クラブのメンバーの死に直接的に関わったかなどは定かではないが、“洗脳”していたとすれば自殺に追いやることも容易だったといえるだろう。

27クラブ(The 27 Club)の関連書籍

KISSのジーン・シモンズ著『才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?』

27クラブのメンバーの中には薬物の過剰摂取などで亡くなったミュージシャンがおり、これらを“カッコいい”と美化する声がある。これに『才能のあるヤツはなぜ27歳で死んでしまうのか?』で、異を唱えたのが著者でKISSのベース・ボーカルのジーン・シモンズだ。実際に彼はドラッグなどを一切しないことも明言している。

有名になったが故に肉体的・精神的に疲れてしまう業界が存在することには一定の理解を示しているものの、ドラッグやアルコールなどを過剰に摂取した末、絶頂期に若くして亡くなることに否定的で、しっかりと生き続けてキャリアを積んだり、成功したりしている人をもっと評価するべきだという考えを示した。

また、同著ではカート・コバーンやエイミー・ワインハウスがなぜ死に至ったのか、そのアーティストの生い立ち、音楽的な背景、スターに駆け上るまでの経緯などをしっかりと記述し、「それらを知ることで死から自分を守ることができるんだ」というメッセージが込められていることが窺える。

『The 27s:The Greatest Myth of Rock&Roll(27歳:ロックンロールの最大の神話)』

『The 27s:The Greatest Myth of Rock&Roll(27歳:ロックンロールの最大の神話)』は、ジョシュ・ハンターとエリック・シーガルスタッドによって書かれ2008年に出版された27クラブに関する書籍だ。

34人の亡くなったミュージシャンの生涯と、彼らが遺したものを交えてロックンロールの歴史だけでなく、27歳でなくなったロックスターがどの年齢よりも多いことなどについても記述されている。

日本語の訳書は出版されていないが、洋書のペーパーバックとして購入が可能なほか、「The 27s」という同書籍の公式サイトも設けられている。

27クラブ(The 27 Club)に関する映像作品

映画『The 27 Club』

アメリカで2008年に自主制作・公開されたホラー映画で、27クラブのメンバーなどが出演したり、同メンバーについて言及されたりすることはないものの、主人公エリオットの親友でバンドメンバーのトムが、27歳の誕生日の1週間後に自殺したところから話が始まる。

彼の死を受けてエリオットは、小さな町の少年スリー・ワーズと若いアイルランド人ヒッチハイカーの助けを得て、トムが残した最後のお願いをかなえるため、ロサンゼルスから故郷のミズーリ州ジョプリンまで薬物で意識障害を抱えながらも旅をする。

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