盾の勇者の成り上がり(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『盾の勇者の成り上がり』とは、アネコユサギによるライトノベルおよびそれを基にした漫画、アニメ作品。異世界に召喚された大学生・岩谷尚文が「盾の勇者」として数々の試練に立ち向かい、仲間と共に成長する物語だ。原作は「小説家になろう」で連載後、書籍化された。漫画版は『月刊コミックフラッパー』で連載され、ビジュアル面での評価も高い。アニメは2019年に第1期が放送され、迫力ある映像で多くのファンを魅了した。

七星勇者

リーシア=アイヴィレッド

CV:原 奈津子

七星勇者の1人であり、投擲具の勇者。メルロマルク北部の没落貴族の娘で、見た目は緑色の髪を三つ編みにした14歳前後に見える少女だが、実年齢は17歳。悪徳貴族に身売りされそうになったところを樹の正義の世直しによって助けられ、彼に感銘を受けて仲間になる。しかし、いくらレベルを上げても弱かったこと、カルミラ島の波での活躍が逆に仇となり、冤罪をかけられて解雇される。絶望から自殺を図るが、尚文に諭され、樹に認めてもらえるほど強くなるために尚文の仲間となる。カルミラ島で手に入れた「着ぐるみ装備」を気に入っている。性格は気弱で、何かあると「ふぇええ」と情けない声を上げる。助けてくれた樹に一途な思いを抱いており、パーティ内で冷遇されても樹のために頑張ろうとしていたが、解雇の際に冷たく突き放され、尚文の仲間になった後もその思いは変わらない。強い正義感を持っている。波が来るまでフォーブレイの学校に通っており、頭もかなり良く、異世界の言語も数日で完全に覚えるほどの優れた学習能力を持つ。霊亀の使い魔の正体を突き止めたり、波の秘密が書かれた文書の解読を任されたりと、知識面でも活躍している。コロシアムで賞金稼ぎをしていた樹と対峙し、弓の聖武器に認められたことで、投擲具の眷属器に選ばれる。その後は、呪いの後遺症を患った樹の世話係としても活動するようになる。魔法適性は火、水、風、土。本来は後衛型の適性を持っていたが、前衛を欲していた樹によってクラスアップで近接戦闘の資質を上げられた結果、中途半端なステータスとなってしまう。レベルに対してステータスが非常に低いが、気の扱いに関しては100年に1人の逸材とされ、卑劣な悪人と対峙した際には覚醒して、低ステータスとは思えない活躍を見せる。ステータスに関しては大器晩成型であり、Lv71以降にステータスが伸び始めることが判明する。変幻無双流の習得と投擲具に選ばれたことで遠近をこなせる万能型となった。投擲具に選ばれる前は剣を武器にしていた。

オルトクレイ=メルロマルク32世

CV:仲野 裕

七星勇者の1人であり、杖の勇者。メルロマルク国の女王ミレリアの夫(王配)であり、メルロマルクは女王制のため、女王不在時の代理の王である。若い頃に、両親と親族をシルトヴェルトのハクコ種に皆殺しにされたことで、亜人とその神である盾の勇者を深く憎むようになった。故国を出奔し、亜人と敵対関係にあったメルロマルクにて頭角を現し、七星の杖に選ばれて「英知の賢王」として名を馳せる。しかし、たった一人残った妹ルシアを失ったことで、かつての聡明さは次第に陰りを見せ、現在は落ちぶれて、杖に半ば見放されて勇者の力を使えなくなっている。オルトクレイは、「四聖勇者を各国が1人ずつ召喚する」という世界会議の協定を破り、三勇教と共謀して四聖勇者の独占を図ったため、メルロマルク国を波の前に戦争で滅ぼしかけた。さらに、娘であるマルティに良いように利用され、知らずに次期女王暗殺未遂に加担してしまう。本名は「ルージュ=ランサーズ=フォブレイ」で、フォーブレイの王位継承権第30位の元王子である。女王ミレリアの帰還後、オルトクレイは尚文によって「クズ」への改名と代理国王の地位剥奪を処される。改名後も相変わらず盾の尚文に対する反抗心を持ち続けていたが、亡くなった妹ルシアに瓜二つのアトラを見て、沈静化するようになる。アトラが感じる気配は、「分裂した」と勘違いするほどフォウルと似ていた。妹の忘れ形見である姪アトラが戦死し、さらにマインが取り入ったタクトによって最愛の妻ミレリアが殺されたことで、完全に意気消沈してしまうが、尚文に叱咤され、再び闘うことを決意する。そして尚文にこれまでのことを謝罪し、和解した後、杖の勇者、そして英知の賢王として復活を果たす。タクトとの戦争では、尚文に杖を託しつつ、英知の賢王としての頭脳を発揮し、フォーブレイ軍の全滅に大きく貢献した。英知の賢王として復活した後は、これまでとは打って変わった好々爺となるが、過去の蛮行から「クズ」を名乗り続けることを決意している。また、マインには愛想を尽かしており、ライノが属する組織に対して、マインに関する全権を委任している。『槍の勇者のやり直し』では、ループした元康にすべての企みを見破られていることからか、本編よりも強引な手段に出ることが多く、元康や盾を擁護する者を反逆者と見なして隙あらば殺そうとする一面も見せている。元康からも改名後の名前である「クズ」と呼ばれ、尚文に害しか与えない老害と認識され、マインと同等に憎悪・警戒されているが、殺すと厄介なことになるため生かされている。

フォウル

CV:天﨑 滉平/増田 俊樹(ドラマCD版)

七星勇者の1人であり、小手の勇者。ハクコ種の亜人/獣人であり、アトラの兄である。シルトヴェルトの王族の末裔であるが、人族との混血であったために迫害を受ける。アトラの治療費を稼ぐためにコロシアムで戦っていたが、尚文にアトラ共々奴隷として買われることになる。極度のシスコンであるが、元気になったアトラには煙たがられ、手の平の上で転がされている。アトラに慕われている尚文に嫉妬しつつも、彼がアトラを救ってくれたことに感謝し、彼を認める部分もある。クテンロウでは、ラフタリアにアトラに対する自身の考えの間違いを指摘され、以降、彼女の舎弟となり「姉貴」と呼ぶようになる。フォウル自身は、過激な選択が多いアトラと異なり、実は穏健な性格であるため、脳筋バトル型であるハクコの同族が苦手である。肉弾戦を得意としており、当初は戦力として尚文に買われたが、才能を開花させたアトラが次第に強くなっていく。しかし、シルトヴェルトで父の仇に直面し、獣人化に覚醒することでさらに強くなり、盾の獣化補助によって白虎に変身できるまでに成長する。変幻無双流の修行も行い、鳳凰戦前にはアトラと互角に戦い、引き分けるほどの実力を持つようになる。精神的な未熟さから、当初は小手の眷属器を引き抜くことができなかったが、鳳凰戦でアトラを喪い、何もできなかった自分を責めつつ、アトラの遺言から村や仲間たちをアトラと同じように扱い、守る覚悟を決めたことで小手の勇者に選ばれる。同じく悲しみにくれ、自暴自棄になっていた尚文を一喝し、以降は尚文をアトラが慕う男として認め、「兄貴」と呼ぶようになる。オルトクレイと並ぶと、アトラが感じる気配は「分裂した」と勘違いするほど似ており、レベリング後の成長した姿も若い頃のオルトクレイに似ているとミレリアは述べている。

フィトリア

CV:丹下 桜

隠された七星勇者、馬車の勇者である。世界のフィロリアルを統括する女王だ。遥か昔、四聖勇者が育てた伝説のフィロリアルで、白と空色を基調とした外見を持ち、本来のフィロリアル体では全長6メートルに達する。空色の交じった銀髪のショートボブで、瞳は赤く、人間体はフィーロと同程度の背格好である。また、空のように青い普通のフィロリアルにも擬態できる。フィロリアルの聖域に住み、龍刻の砂時計を中心に波に対処しており、戦闘能力に優れる。クイーンになったフィーロの実力を知るため、また勇者の内情を探るために、尚文一行の前に現れる。四聖勇者がいがみ合い、メルロマルク以外の波を放置していることに失望し、場合によっては現四聖を処分して新たな四聖勇者を召喚させようと考える。しかし、フィーロの試練を経て尚文の実力を認め、冠羽と祝福を与えた。その後、尚文に他の勇者と和解し、協力し合うことを約束させ、フィーロの冠羽を介して監視と連絡を行う。ドラゴンとは犬猿の仲であり、尚文にフィロリアルシリーズの武器を全解放させる素材を提供するが、裏でドラゴン系統の武器にロックをかけている。実は馬車の眷属器により改造され、過去のフィトリアは未来のフィトリアの母体となる存在である。

メルロマルク

ミレリア=Q=メルロマルク

CV:井上 喜久子

メルロマルク国の最高権力者である女王だ。メルロマルクは女王制の国であり、彼女が正統な王である。紫色の髪を持つ美女で、世界を旅してきた経験から博識であり、広い視野で物事を見ている。人間至上の国であるメルロマルクの統治者だが、亜人に対しての差別意識はなく、亜人との共存政策を進めていた。他国からは「メルロマルクの雌狐」と呼ばれ、そのすさまじい交渉術を持つ。メルロマルクで四聖勇者全員が召喚された日、各国の首脳と渡り合って戦争を回避し、四聖勇者全員を抱え込むことに成功した人物である。尚文たちの異世界で一応は戦争が起きないのは彼女の手腕によるところが大きい。少々天然ボケめいた面も持ち合わせている。娘のメルティを次期女王として期待しているが、マルティのことは全く信用していない。夫のオルトクレイは「英知の賢王」としての知略と強さに惚れていたが、今の落ちぶれた姿に幻滅している。しかし、家族思いの性格でもあるため、マルティを改心させようとしたり、オルトクレイにかつての「英知の賢王」に戻ることを期待している。帰還後、三勇教の教皇との戦いで助太刀し、勝利に貢献する。尚文の意識が戻った後、オルトクレイとマルティに改名の処罰を下し、尚文にこれまでの非礼を謝罪し、協力を約束する。四聖勇者に絶大な信頼を寄せ、金銭面や素材提供などでバックアップし、波や守護獣との戦いでは兵士の全体の指揮として戦いに参加している。会議のために尚文たちとフォーブレイに訪れた際に、マインに取り入られたタクトに致命傷を負わされる。撤退後に治療を行うが、クズ(オルトクレイ)に後を託す遺言を残し死亡する。魔法適性は火と水で、主に氷の魔法を使っている。頭脳は明晰で指揮能力も高いが、全盛期のオルトクレイには劣る模様である。

マイン・スフィア(マルティ=S=メルロマルク)

CV:ブリドカットセーラ 恵美

メルロマルク第一王女であり、王位継承権第二位を持つ人物だ。彼女は最初、尚文の唯一の仲間として「マイン・スフィア」の名で旅立つが、全財産と装備を奪い取った後、尚文を強姦魔にでっち上げた。その後、槍の勇者の仲間として行動するようになる。マインは度を越した贅沢と浪費を当然と考え、人を騙して陥れることを好む外道であり、どんな罰を受けても行いを改めることのない筋金入りのエゴイストだ。母である女王から全く信頼されていなかったため、第一王女でありながら王位継承権は妹のメルティの方が上であり、三勇教の起こした事件ではメルティを心配するふりをしながら暗殺を企てた。女王の帰還後は、王族の権利を剥奪された上で、勝手な真似ができないように最上位の奴隷紋を刻まれ、尚文に「ビッチ」と改名される。さらにその後、魔女の意味も込めて「ヴィッチ」と命名された。霊亀戦までは元康に付き従っていたが、元康が敗北して落ち目になると彼を見限り、さらに錬や樹からも騙して金品を奪い、元々交遊のあったタクトに取り入り母親殺しの片棒を担ぎ、奴隷紋を解除する。その後、タクトが敗北すると追手の手が伸びる直前に姿を消し、いつの間にかセインの姉らと協力関係になっていた。絆の異世界に渡り、尚文たちの前に再び現れる。魔竜の領地での戦いでは鞭の眷属器を所持して応戦するが、かつて騙して見世物小屋に売ったライノの裏切りによって鞭を奪われ、報復を受けて死亡する。その後、尚文たちによって魂も消されかけるが、船の眷属器を奪った者によって魂は回収された。魔法適性は火と風で、技術はあまり高くない。

エクレール=セーアエット

CV:青木 瑠璃子

国内でも五本の指に入る達人であり、メルロマルクの剣術大会で上位入賞する実力を持つ女騎士だ。ストロベリーブロンドのロングヘアを特徴とする。エクレールは、領主であった父親が波によって亡くなった後、ラフタリアたち生き残りの亜人を襲った正規兵の奴隷狩りを制止しようとして捕らえられ、王城の牢獄に入れられて衰弱していたが、女王の帰還後に無罪放免で釈放された。治療を終えた後、勇者たちの戦闘顧問として尚文やラフタリアたちと出会い、霊亀事件では共に戦うこととなる。エクレールは非常に生真面目で実直な性格を持ち、騎士道に邁進してきたが、そのためか政治はともかく経済には疎い一面がある。霊亀事件後には、亡き父に代わり領主に就任したが、復興事業は思うように進まず、派遣されてきたメルティに任せきりになっている。ラフタリアに対しては、領地を守れなかったことを謝罪して以降、共に剣の稽古を行うなど親しくなっている。尚文に対しては、彼のやや非道な言動に注意を促したり頭を抱えることもあるが、尚文が受け持っている旧ルロロナ村の方が復興が進んでいる状況を見て、領主として非道な行動が必要なのかと悩むこともある。錬からは当初見下されていたが、霊亀事件後にカースシリーズの武器により暴走した錬を救い、その後改心した錬と和解し、共に剣の稽古をするようになる。錬はエクレールに好意を寄せるようになるが、エクレール自身は恋愛には興味がない。魔法適性は光と援護にあり、防御の光魔法と速度上昇しか使えないものの、魔法剣を使用することができる。また、変幻無双流のエルラスラの指導を受け、変幻無双流も使えるようになっている。

エルラスラ=ラグラロック

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