盾の勇者の成り上がり(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『盾の勇者の成り上がり』とは、アネコユサギによるライトノベルおよびそれを基にした漫画、アニメ作品。異世界に召喚された大学生・岩谷尚文が「盾の勇者」として数々の試練に立ち向かい、仲間と共に成長する物語だ。原作は「小説家になろう」で連載後、書籍化された。漫画版は『月刊コミックフラッパー』で連載され、ビジュアル面での評価も高い。アニメは2019年に第1期が放送され、迫力ある映像で多くのファンを魅了した。

Web版における「波」の黒幕である女神。自らの経験値を稼ぐ目的で、己の魂の欠片を転生させた「無自覚の分け身」を様々な異世界の様々な国にばら撒いて干渉していた。「神」を名乗るだけあって、様々な超常能力を有し、対「神の力」に特化した武器「0シリーズ」でも軽傷を負わせるのがやっとであるなど、尚文たちを一方的に圧倒する絶大な力を持つ。性格は冷酷かつ傲慢で、自らの目的のために送り込んだ尖兵たちを使い捨ての手駒としか思っていない。常に相手を見下した言動・行動を取るが、やたらと「絶対」や「無限」といった言葉に拘りを見せたり、多少でも自身の余裕を崩されると烈火の如く怒り狂うなど、精神的に幼稚な面が見受けられる。

過去の神を僭称する者

守がいた過去の時代に波を起こしていた神を僭称する者。猫のマスコットの着ぐるみの頭部を被った男で、波の戦いを実況し、自分たちの世界に中継を行っていた。テンションが高く、陽気な様をしているが、波によって勇者同士の殺し合いを強要させ、さらに逆らった勇者を見せしめとして殺し、その世界を滅ぼすなど、残虐で冷酷な性格である。尚文たちでは決して太刀打ちできない無敵の「神の力」を持つ。自分に歯向かった錬や尚文たちをエキジビションゲームと称して襲い掛かり圧倒するも、対「神の力」に特化した武器「0シリーズ」による奇襲で攻撃され、思わぬ痛みに動揺した隙に畳み掛けられて死亡し、魂も消された。

新たに現れた神を僭称する者

過去の神を僭称する者の仲間で、犬のマスコットの着ぐるみの頭部を被っている。過去の神を僭称する者が殺された直後に現れ、尚文たちを「人殺し」、「下等な原始人」と罵るも、自分たちを殺せる尚文たちを恐れ、負け惜しみの台詞と仕返しをすることを宣言しながら仲間の死体とともに撤退する。その後、尚文たちを排除するため、剣と槍の世界で聖武器の勇者と世界を人質に眷属器の勇者を従わせ、尚文たちの敵対国ピエンサと手を組む。尚文たちとピエンサ軍との戦いの隙をついて、聖域にあった馬車の眷属器を奪い、さらにメルティを人質として誘拐する。また、尚文のはったりから神狩りが糸を引いていると思っており、結界の解除と早々に手を引くよう要求した。

『盾の勇者の成り上がり』の用語

勇者

伝説の武器の聖武器や眷属器の精霊に選ばれ、所持者となった者を指す。勇者に選ばれると、武器の機能により一般の冒険者よりも強い力を手に入れるが、世界のために戦うことが義務付けられる。勇者となる者は出身世界や人種を問わず、魔物が選ばれることもある。日本人のゲーマーやヲタク気質な人物が召喚されることが多い。勇者に選ばれる基準は、武器の技術や経験よりも「世界を守る勇者の資質」と「その武器を上手く扱える才能」が重視される傾向がある。勇者が使命を放棄したり、間違った行いをすれば、武器の精霊に見限られ、勇者としての力を失うことがある。

四聖勇者

聖武器の所持者となった者を指す。聖遺物を使用することで召喚される異世界人の中からなる。四聖勇者には第一から第三までの候補者が存在し、現地の異世界には彼らの特徴や助言が石碑に記されている。精霊も候補者の中から自由に選べるわけではない。四聖勇者は世界の要のような重要な存在であり、世界が非常に危機的でない限りはめったに召喚されず、四聖全員が一度に召喚されることもない。所持者が死亡すると波の激しさが増し、全員が死亡した状態で波が起こると世界は崩壊する。聖武器の所持者を新たに召喚するには、波が発生していない状況で一度揃った四聖全員が死亡していなければならない。基本的に異世界に渡ることはできないが、特例で数人行くことは可能。世界を無事に救った、もしくは波を乗り越えた際には、伝説の武器から次の3つのうち1つの褒美が与えられる。「元の世界の因果律を弄ることで、どんな物でも三つ叶えてもらい元の世界に帰還する」「異世界に残って、勇者として崇め称えられながら永住する」「一度元の世界に帰れるが、再度異世界へ来ることができる権利」である。

眷属器の勇者

眷属器の所持者となった者を指す。尚文たちが担当する異世界では七星勇者と呼ばれる。召喚者の他にも、現地の住民や波によってその武器がある世界に訪れた異世界人が眷属器の勇者となることができる。眷属器を使って召喚され、四聖勇者と異なり、他の異世界に波や何らかの移動方法が確立していれば自由に行き来できる。死亡した場合、適正者がいれば即座に認定されることがある。四聖勇者に比べて制限は緩い一方で、資質があっても精神が未熟だと選ばれなかったり、使命を放棄、または間違った行いをすると武器の精霊に見限られ、勇者としての力を失うことがあるなど、所有資格には厳しい面もある。

武器

伝説の武器

世界を守るために存在する特殊な武器で、聖武器・眷属器にはそれぞれ精霊がついており、精霊具とも呼ばれる。所持者には様々な恩恵と制限が与えられる。勇者が所持した当初は弱い初心者用の武器の形をとっているが、魔物や素材を吸収することで新たな武器が解放され、その武器に変化することができる。武器ごとに強化方法があり、強化方法を共有することで力を増す。ウェポンコピー機能を使い、既製品でも同系統の武器をコピーでき、品質の良い武器をコピーするとボーナスが付く。解放した武器はステータス画面でスキルツリーとして表示される。武器ごとに技能やスキル、ステータスアップなどの装備ボーナスがあり、熟練度によって能力が開放される。技能が他の武器で重複している場合、ステータスアップに置き換わる。専用効果のある武器も存在し、形状の変化によって現れる。勇者専用のステータス「SP(絆の異世界では魂力)」を使用して詠唱不要のスキルが使用可能で、装備ボーナスとして内包される。トラウマや強い負の感情が生じると、七つの大罪の武器「カースシリーズ」が発動し、これらを乗り越えると「ブレスシリーズ」が発現する。デメリットとして、所持者の意思で捨てることができず、他の武器を使用できず、素手の攻撃は弱くなり、龍脈法などの魔法習得の加護も受けづらくなる。

聖武器

異世界から聖遺物を使用し召喚された勇者のみが扱える伝説の武器で、眷属器とは異なり安置場所が存在せず、勇者召喚前にはその所在が不明である。四聖勇者同様、波から世界を守るための重要な存在であり、世界の要となる。眷属器よりも力や権限が強く、波の尖兵に奪われても、所有者が聖武器との繋がりを自覚していれば取り戻すことが可能である。所持者には、眷属器の勇者の勇者資格剥奪の権限が与えられ、波の尖兵や勇者として不適正な者から眷属器を開放することができる。

眷属器

聖武器の眷属的存在であり、聖武器1つに対して2つの眷属器が存在する。強化方法はそれぞれの眷属器に依存し、1つの眷属器で1つの方法が存在する。所持した勇者が死亡すると、適性者がいれば即座にその勇者の代わりとして認定されることがあるが、適性者がいない場合は安置場所に戻る。安置場所は挑戦者に公開されており、適性者または波の尖兵のような不正手段を持つ者がその場所から引き抜くことができる。眷属器は安置場所から適性者の元へ自ら向かうこともある。

龍刻の長針

『槍の勇者のやり直し』で登場する槍。能力として「時間遡行」を持ち、専用効果として「分岐した世界」を持つ。この槍は幾つかの条件が成立すると、持ち主が召喚された時点まで巻き戻すことができ、それまでに得たスキルやレベルは引き継がれる。元康がいつ手に入れたかの記憶は曖昧だったが、20巻にてフィトリアの遺跡で偶然手に入れた1人限定の武器であることが判明した。

世界観

尚文たちの担当世界

主人公の岩谷尚文が召喚された異世界で、人間の他に亜人や獣人が住んでいる。過去に「人間側」と「亜人/獣人側」に分かれて戦争をしており、現在でも差別や宗教による大きな溝が残っている。メルロマルクの女王の外交により、各国はひとまず互いに争わずに波の対処を行う方針を取っている。絆たちの異世界と比べると波に関する記録も少なく、波の尖兵などによって重要な情報が紛失していることが多い。そのため当初は波を単に魔物が大量に出現する災害だと思われていた。この世界では聖武器が盾、剣、槍、弓であり、眷属器は槌、斧、ツメ、杖、小手、鞭、投擲具、馬車とされている。

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