Aerosmith(エアロスミス)の徹底解説まとめ
Aerosmithは1970年にボストンで結成されたロックバンドだ。地元のバンドでドラムを担当していたスティーヴン・タイラーと、Gt.のジョー・ペリーを中心に活動を開始。1973年のシングル『Dream On』など、ヒット曲を連発して成功を収めた。1980年代前半にはメンバーの薬物問題で一時活動が停滞したが、1980年代後半に克服。その後、アルバム『Pump』など再び支持を得て、復活を果たす。全米のみならず世界でその人気を確立し、ロック界のレジェンドバンドとして知られている。
『Draw the Line』
1977年12月9日発売
1. Draw the Line
2. I Wanna Know Why
3. Critical Mass
4. Get It Up
5. Bright Light Fright
6. Kings and Queens
7. The Hand That Feeds
8. Sight for Sore Eyes
9. Milk Cow Blues
バンドが当時のツアーを含め過密スケジュールの中、困難に直面していた時期に制作されたアルバムであり、それまでのバンドサウンドとは異なり、楽曲全体でラフさが伝わってくるが、エネルギッシュであることは変わりなく、黄金期を迎えるきっかけとなった1枚。全米チャート11位。カナダのアルバムチャート9位。スウェーデンのアルバムチャート37位。
『Night in the Ruts』
1979年11月1日発売
1. No Surprize
2. Chiquita
3. Remember(Walking in the Sand)
4. Cheese Cake
5. Three Mile Smile
6. Reefer Head Woman
7. Bone to Bone(Coney Island White Fish Boy)
8. Think About It
9. Mia
メンバーの個人的な問題やバンド内部の緊張感が高まっていた時期に制作された1枚。バンドに途中加入したジミー・クレスポがギターを弾くなど、サウンドにまとまりがなく人気を徐々に落とすきっかけとなった。ただ「Remember(Walking in the Sand)」や「Reefer Head Woman」など、カバー曲が複数収録されていることでファンではない層からも一定数の人気を得て、急激な売り上げ低下にはつながらなかった。全米チャート14位。イギリスのアルバムチャート45位。
『Rock in a Hard Place』
1982年8月1日発売
1. Jailbait
2. Lightning Strikes
3. Bitch's Brew
4. Bolivian Ragamuffin
5. Cry Me a River
6. Prelude to Joanie
7. Joanie's Butterfly
8. Rock in a Hard Place(Cheshire Cat)
9. Jig Is Up
10. Push Comes to Shove
ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードのギター2枚看板が不在のまま制作され、一時的に人気を落とすきっかけにもなったアルバムだ。スティーブン・タイラーを中心としたメンバーで楽曲が作られたが、当時のバンドの状況を表すようなやや荒々しいボーカルとバンドサウンドが特徴的だ。全米チャート32位。カナダのアルバムチャート49位。
『Done with Mirrors』
1985年11月4日発売
1. Let the Music Do the Talking
2. My Fist Your Face
3. Shame on You
4. The Reason a Dog
5. Shela
6. Gypsy Boots
7. She's on Fire
8. The Hop
9. Darkness
ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードが復帰し、オリジナルメンバーで再始動後の最初の1枚。2人のギターで奏でられるロックサウンドは圧巻で、イントロから“2人が帰ってきた”と感動したファンも多いはず。メンバーからの同アルバムの評価は高くはないが、音楽評論家からは高い評価を受けるなど、賛否両論を巻き起こした。全米チャート31位。イギリスのアルバムチャート48位。
『Permanent Vacation』
1987年8月18日
1. Heart's Done Time
2. Magic Touch
3. Rag Doll
4. Simoriah
5. Dude(Looks Like a Lady)
6. St. John
7. Hangman Jury
8. Girl Keeps Coming Apart
9. Angel
10. Permanent Vacation
11. I'm Down
12. The Movie
ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードが復帰し、バンドの人気が再び高まる中で発表された。「Dude(Looks Like a Lady)」や「The Other Side」など、スティーブン・タイラーとほかのオリジナルメンバーがおりなすロックに、ポップな要素も取り入れ、商業的にも成功を収めた作品となっている。全米チャート11位。イギリスのアルバムチャート16位。オーストラリアのアルバムチャート5位。
『Pump』
1989年9月12日発売
1. Young Lust
2. F.I.N.E.
3. Going Down/Love in an Elevator
4. Monkey on My Back
5. Water Song/Janie's Got a Gun
6. Dulcimer Stomp/The Other Side
7. My Girl
8. Don't Get Mad, Get Even
9. Hoodoo/Voodoo Medicine Man
10. What It Takes
前作『Permanent Vacation』の成功に続いて制作された10枚目のアルバム。ハードロックとポップロックの要素を融合させ、音楽的な幅を更に広げた。収録されている「What It Takes」は、同アルバムの中でファンに最も人気の高い曲の1つだ。全米チャート5位。1990年の年間チャート4位。
『Get a Grip』
1993年4月20日発売
1. Intro
2. Eat the Rich
3. Get a Grip
4. Fever
5. Livin' on the Edge
6. Flesh
7. Walk On Down
8. Shut Up and Dance
9. Cryin'
10. Gotta Love It
11. Crazy
12. Line Up
13. Amazing
14. Boogie Man
1990年代に入ってから初めてリリースされたアルバムで、「Cryin'」や「Crazy」、「Amazing」など、スティーブン・タイラーのロックボーカルに、ジョー・ペリーの泣きのギターが加わり、それぞれの曲が全てシングルのようだと称されるほど、多くのヒット曲が収録されている。
『Nine Lives』
1997年3月18日発売
1. Nine Lives
2. Falling in Love (Is Hard on the Knees)
3. Hole in My Soul
4. Taste of India
5. Full Circle
6. Something's Gotta Give
7. Ain't That a Bitch
8. The Farm
9. Crash
10. Kiss Your Past Good-Bye
11. Pink
12. Attitude Adjustment
13. Fallen Angels
収録曲「ピンク」がグラミー賞の最優秀ロック・パフォーマンス部門を受賞するなど、バンドのキャリアの中でも最も商業的に成功を収めたアルバムの1つ。「Falling in Love」、「Hole in My Soul」などの名曲もあり、R&R魂が完全に復活したと称された。全米チャート1位。イギリスのアルバムチャート3位。
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目次 - Contents
- Aerosmithの概要
- Aerosmithの活動経歴
- Aerosmithの原点
- バンド結成からデビューまで
- 3rdアルバムからチャート上位に入る有名バンドに変貌
- 1980年代前半はメンバーの薬物問題などで低迷期が続く
- 第2次黄金期を迎えてヒット作を連発
- 映画の主題歌に楽曲が起用され爆発的な人気を獲得
- 2017年にフェアウェル・ツアーの開催を発表
- Aerosmithのメンバー
- 現メンバー
- スティーヴン・タイラー(Steven Tyler)
- ジョー・ペリー(Joe Perry)
- ブラッド・ウィットフォード(Brad Whitford)
- トム・ハミルトン(Tom Hamilton)
- ジョーイ・クレイマー(Joey Kramer)
- 旧メンバー
- レイモンド・タバーノ(Raymond Tabano)
- ジミー・クレスポ(Jimmy Crespo)
- リック・デュファイ(Rick Dufay)
- Aerosmithのディスコグラフィー
- シングル
- 『Dream On』
- 『Walk This Way』
- 『Dude(Looks Like a Lady)』
- 『Angel』
- 『What It Takes』
- 『The Other Side』
- 『I Don't Want to Miss a Thing』
- 『Jaded』
- 『Girls of Summer』
- 『Can't Stop Lovin' You』
- アルバム
- 『Aerosmith』
- 『Get Your Wings』
- 『Toys in the Attic』
- 『Rocks』
- 『Draw the Line』
- 『Night in the Ruts』
- 『Rock in a Hard Place』
- 『Done with Mirrors』
- 『Permanent Vacation』
- 『Pump』
- 『Get a Grip』
- 『Nine Lives』
- 『Just Push Play』
- 『Honkin' on Bobo』
- 『Music from Another Dimension!』
- ベスト盤
- 『Greatest Hits』
- 『O, Yeah!The Ultimate Aerosmith Hits』
- 『Devil's Got a New Disguise:The Very Best of Aerosmith』
- 『Tough Love:Best of the Ballads』
- Aerosmithの代表曲とミュージックビデオ(MV/PV)
- Sweet Emotion
- Cryin'
- Crazy
- Amazing
- The Other Side
- Dude(Looks Like a Lady)
- Angel
- I Don't Want to Miss a Thing
- Jaded
- Girls Of Summer
- Aerosmithの名言・発言
- スティーブン・タイラー「ステージに上がって観客に受け入れられるように活動してきたわけだけど、言い換えれば戦争に行くようなものだ。今ではある意味PTSDみたいになっているけど、それが生き抜いている証拠でもあるんだ。」
- スティーブン・タイラー「ジョン・ケリー(大統領候補)とは仲が良くてよく話すんだ。民主党大会で演奏してくれと頼まれたけど、残念ながらその日はライブがあるから、大統領に当選することができたら就任式で演奏してやるよ」
- スティーブン・タイラー「人生の中で何度も手に負えない事態や出来事はあった。でもそれがあったからこそ今の俺がここにいるんだ。」
- スティーブン・タイラー「ロックは自由の象徴だ。だから制限があるもの、制限をかけるものはロックで全て排除しようぜ。」
- ジョー・ペリー「俺らはバンドとして1980年代を迎えるための準備が不十分だ」
- Aerosmithの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- スティーヴンとジョーの愛称は「トキシック・ツインズ」
- スティーブン・タイラーは女優のリヴ・タイラーの父親
- 日本の番組やCMのタイアップ曲としても多数起用
- 親交の深いバンドやアーティストはGuns N' RosesやLenny Kravitz
- B'zの楽曲制作への参加やライブでの共演も多数