神さま学校の落ちこぼれ(小説・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『神さま学校の落ちこぼれ』とは、日向夏の原作小説をもとに赤瓦もどむが漫画化した作品。『花とゆめ』で2021年17号より連載開始となった。現代日本のごく普通の世界が舞台だが、少し変わっているのは「この世界には神さまがいる」ということ。高校受験を控えた陽美谷ナギは、「神さま学校」の合格通知を受け取る。エリートばかりの学校でナギの成績は学年最下位に。落ちこぼれとなったナギが超難関の国家資格「神さま」を目指す、超能力・学園・友情・恋愛・陰謀が絡むスピリチュアルスクールドラマである。

『神さま学校の落ちこぼれ』の登場人物・キャラクター

主人公

陽美谷ナギ(ひびやなぎ)

陽美谷神社の娘で二卵性双生児の兄、陽美谷たけるの妹。身長155センチ、体重は48キロ。誕生日は6月6日。長く伸ばした茶髪を後ろで一つ結びにしており、黄色のリボンでまとめている。明るくまっすぐな性格で、持ち前のバイタリティを活かして実家のさびれた神社を切り盛りしている。ひょんなことから惟神學園の高等部に入学することとなる。一般教科の成績はよいが、惟神學園は祝詞(のりと)や和歌といった特殊なカリキュラムが多いため、そちらの成績は底辺をさまよっている。神通力は幼い頃に検査を受けていたにもかかわらず発見されておらず、改めて検査しても詳細は不明。しかし、たけるの精神感応(テレパシー)をウザイと拒絶したり、神隠しの子供を助けた際に誘拐犯の神通力を解呪したりと、他者の神通力に干渉する力の片鱗を見せている。また、実技の授業で呼び水を暴走させた為、その身には通常のヒミコ数十人分の神力があるのではと推測される。このため、祖父江マサユキからは興味深い実験対象として見られている。ただし、能力が未知数なうえ、ナギ自身も制御できない為、実技の評価は散々で「落ちこぼれ」扱いされている。好物はエビの天ぷらで、ショッパイ系のお菓子が好き。特技は祖母直伝の神楽舞で、時おり練習している。また、同時に祖母から神楽舞護身術を教わっており、腕っぷしはふつうに強い。呼び水で神力を高めた際、暴走した逢坂サガミを護身術で気絶させた為、「熊殺し」として名を馳せ、不本意な思いを抱えることとなる。運動神経抜群で、サガミすら驚くほど体力があり、困っている人を見捨てられないしっかり者。タロウ曰く、人との距離が近い。自分には神通力はないと思っており、なかなか神通力が何かわからなかったが、特殊な能力である神通力強化(じんつうりききょうか)と判明した。

陽美谷家のヒミコ

陽美谷たける(ひびやたける)

ナギの二卵性双生児の兄。誕生日は6月6日。神社の跡取りで、5年前まではやんちゃな少年だったが、10歳の時に祖母のウズメと事故に巻き込まれ、大ケガを負った後、引きこもりとなる。ヒミコとしての神通力は、観念動力(テレキネシス)と精神感応(テレパシー)の複合能力で、その力を応用し、狛犬をデフォルメしたぬいぐるみを念動力(サイコキネシス)であやつり、テレパシーでナギと会話する。部屋から一歩も出ずにナギと行動を共にする為、元気過ぎる引きこもりとしてナギからも若干ウザがられている。テレパシーで会話できるのはナギだけな為、基本的に人目の付かない場所でのみナギに話しかける。また、ナギの周囲につきまとっているが、人形を動かしているだけで、周囲の様子を見ることはできない。ナギからはかなり雑に扱われており、オリエンテーションの際には、そのウザさから薪の代わりに燃やされそうになった。引きこもりと思われていたが、実は事故は超自然学派によるもので、たけるはそのまま誘拐されたことが判明した。

天宇受賣命(あまのうずめのみこと)

陽美谷ナギと陽美谷たけるの祖母。「天宇受売命(あまのうずめのみこと)」を拝命する神さま。芸能と舞いの神である天宇受売命の名を拝命しているだけに、その神楽舞はみごとな舞いだと評判だった。陽美谷神社の神さまだったが、5年前に事故で亡くなる。ヒミコとしての神通力は、ヒーリングと未来予知(フォアサイト)の複合能力者。その力と神楽舞の評判から、生前は多くの人々に慕われ、陽美谷神社は活気に満ちたものとなっていた。ナギの神楽舞は祖母直伝によるもので、ナギに神楽舞を応用した護身術も伝授している。実は予知能力によって自分の死期を予知しており、それが周囲に大きな影響をもたらすのを知っていた。ウズメはなんとかそれを避けようとしていたが、失敗した事態に備えて、ナギにいくつもの手紙を助言として残している。ただし、ウズメの予知能力はかなり変動的なものだった為、手紙には予知で見た未来についてはほとんど書かれていない。惟神學園の卒業生で、學園長の元教え子。若かりし頃は能力が安定しなかった為、実技は赤点ばっかりだった。しかし學園長は、同時に誰よりも努力家だったと語っている。

ナギの友人達

田中モナカ(たなかもなか)

惟神學園の高等部に通う女子で陽美谷ナギのクラスメイト。身長164センチ、体重51キロ。誕生日は12月25日。黒髪をストレートロングヘアにしており、スタイル抜群でしっかり者な優等生。落ちこぼれとなったナギの世話係を担当している。口調は辛らつで、ナギの面倒も自分の内申点が上がるからと表向きは言っているが、姉御肌で面倒見がよく、実質的に学園でのナギの保護者的な存在となっている。寮ではナギと同室で、のちにナギに懐いた美馬みるるも部屋に入り浸り、三人いっしょでいることが多くなる。毒舌家のみるるのことは苦々しく思っており、よく口ゲンカをしている。逢坂サガミから思いを寄せられているが、毎回彼を冷たい言葉で一刀両断しており、これはクラスの恒例行事ともなっている。実家は和菓子屋「ふくふく庵」で、「田中モナカ」の名前は和菓子職人の曽祖父が和菓子の「最中」から名づけた。しかし自分の名前を気に入っておらず、名前で呼ばれると「モナカいうな」とお決まりのセリフを返している。校則で名前を呼ぶことが決められているが、名前で呼ばれると毎回怒るため、親しい人からは「姐さん」と呼ばれている。兄も自分と同じく和菓子由来の「外郎(ういろう)」と名づけられた。兄は和菓子職人として非常に優秀ながら、兄のやり方には不満を抱いており、実家に帰った時には物申すことを誓っている。栗系のお菓子が好きで、洋菓子が大好き。和菓子作りはかなりの腕前でこだわりも強く、なんだかんだ言って和菓子も大好き。ヒミコとしての神通力は瞬間移動(テレポート)。移動距離は5メートルとかなり短いが、精度はかなり高く、寸分の狂いなく瞬間移動することができる。また、瞬間移動の連続で疑似的な空中飛行を可能とするが、瞬間移動はただでさえ燃費が悪く、連続使用後はかなり体力を消耗する。

美馬みるる(みまみるる)

惟神學園の高等部に通う女子で陽美谷ナギのクラスメイト。身長144センチ、体重32キロ。誕生日は4月10日。ふわふわなピンク色のセミロングが特徴で、年齢の割に小柄な体格は小動物的な雰囲気を漂わせている。両親が超自然学派で、国に登録するのを拒んだ為、隔離され育てられた。虐待同然の育児だったようで、ほとんど部屋に閉じ込められてまともに教育も受けさせてもらえなかったが、国に保護され、惟神學園に通うこととなる。神通力は精神感応(テレパシー)と残留思念読取(サイコメトリ)の複合能力者で、人の思念を読み取るのが得意。しかし、学園に編入されたのが中等部3年生であった為、本来なら年単位で行う制御装置の調整が間に合っておらず、強すぎるその能力を周囲から恐れられている。その境遇も周知されている為、学園では腫れ物のように扱われている。ナギが捨てられていた両親の手紙を修復して持ってきたうえ、自分の能力を恐れず抱きしめてくれたことで、一気にナギに懐く。実は可憐な容姿と重すぎる過去とは裏腹に、鋼のようなメンタルを持っており、自分の境遇をしっかり割り切っているリアリスト。両親に対しても、まともな教育を受けさせなかった娘が漢字を読めないことも知らずに、漢字で手紙を書いてきていることに呆れている。それに加え、残留思念読取で手紙に込められた悪意も読み取っているため、完全に両親のことを見限っている。漢字が読めない為成績も悪いが、能力が強力で警察関係と非常に相性がよいことから、神さまになれずとも将来は引く手あまた。そのため成績をまったく気にする様子もなく、マイペースに過ごしている。口調が幼いが、特技は人を煽ることで、かなりの毒舌家。好物はシュークリーム。

逢坂サガミ(おうさかさがみ)

惟神學園の高等部に通う男子で陽美谷ナギのクラスメイト。身長177センチ、体重70キロ。誕生日は10月30日。赤みがかった髪で、よくも悪くも単純な性格の脳筋男子。同郷で幼なじみの田中モナカのことが気になっており、モナカの気を引こうとするが、いつも冷たくあしらわれている。筋肉を鍛えることが趣味で、鉱物はチョコ味のプロテイン。鍛え上げられた体は、クラスメイトからひそかに「熊」と呼ばれている。ヒミコとしての神通力は、念動力(サイコキネシス)と発火能力(パイロキネシス)の複合能力者。念動力は100キロの重りを持ち上げられるほど強力だが、発火能力はマッチ代わりになる程の弱い力しかない。呼び水を使った念動力の訓練中に暴走し、その際にナギに掌底を食らって気絶させられた。ナギはこの出来事がきっかけで「熊殺し」と呼ばれるようになった。実家は寺で、四人兄弟の末っ子。上に兄が二人、姉が一人いる。神力が強かったために惟神學園に通うこととなったが、学校に進学したのは不本意で最初の1年は荒れていた。しかし、モナカが学校に通い始めたことで落ち着いた。

江道トータ(えとうとーた)

Syoto0075
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@Syoto0075

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