刃牙らへん(刃牙シリーズ第6部)のネタバレ解説・考察まとめ

『刃牙らへん』とは、2023年から『週刊少年チャンピオン』で始まった格闘漫画『刃牙シリーズ』第6部の作品であり作者は板垣恵介。シリーズ本編で初めて、主人公の範馬刃牙ではなく、彼の異母兄、ジャック範馬が中心だ。ジャックは骨を継ぎ合わせる危険な外科手術やドーピングを繰り返し、自身の肉体を極限まで改造。前人未到の噛みつき技も開発して、なりふり構わず人の限界を超えようとする。立ち向かう、紐切り空手の鎬昂昇や、白亜紀最強のピクルらシリーズお馴染みの強者達との勝負も異質な匂いを漂わせている。

実子であるジャック範馬(左)を初めて褒める地上最強の生物・範馬勇次郎(『刃牙らへん』より)

ジャック範馬が剣豪・左部京一郎を一蹴した後、実父の範馬勇次郎と歩きながら、会話をしている場面。ほとんどの格闘家が忌み嫌っている”噛む”というジャック範馬の特殊な攻撃に対して、範馬勇次郎は「『噛みつき』という聖地に 独り踏み入った 稀なる純度だ」と称賛してみせた。初めて父に褒められたジャックは嬉しさのあまり赤面している。

本部以蔵「踏んだ修羅場 場数が風貌に『武』を宿す」

地下最大トーナメントの予選で空手家・愚地独歩の弟子である加藤清澄(かとうきよすみ)に、睾丸の片方を潰されて敗れて以来、表舞台から遠ざかっていた愛弟子・花田純一。彼が何の前触れもなく、自分の道場に久々に現れて驚く本部以蔵だったが、以前とは様変わりした愛弟子の精悍なたたずまいに対して、「踏んだ修羅場 場数が風貌に『武』を宿す」と発言。弟子から言葉による説明を受けなくても、そのたたずまいから武者修行の激しさを推察して、絶賛した。

『刃牙らへん』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

タイトル『刃牙らへん』の由来について話す作者

『刃牙シリーズ』の作者・板垣恵介(いたがきけいすけ)

作者の板垣恵介(いたがきけいすけ)は「長く継続(つづ)けた『心がけ』は本能に刻まれる。いつしか『…らへん』と成る」とコメントしている。また、『刃牙らへん』の前作である『バキ道』では、最終話直前の第150話「ガブリ」において、本部流柔術創始者である本部以蔵(もとべいぞう)が「あそこらへんー刃牙らへんは皆」と言い、本部の弟子ガイアが「一人残らずエエカッコしい」と続けて、なりふり構わず強さのみを純粋に追求しているジャック範馬を別格扱いする旨の会話を交わし、新シリーズである『刃牙らへん』のテーマをほのめかしている。

喝采を欲するジャック範馬のインナーチャイルド

ジャック範馬には”食”も強くなるための手段のひとつ(『刃牙らへん』より)

戦う理由に関して、『刃牙シリーズ』を通して主役を張る範馬刃牙(はんまばき)の場合は、母の仇でもある父範馬勇次郎(はんまゆうじろう)を倒す事だった。そのため、「地上最強」という称号には興味がなく、「父親より強ければいい」というほどだった。『刃牙らへん』の中心に座っているジャック範馬は、なりふり構わず純粋な強さのみを追求しているようにも見えるが、観客の喝采を欲している意外な一面もある。これは幼少期にジャックが親から与えられた愛情の薄さによる”インナーチャイルド”(心理学用語で”内なる子供”と呼ぶ)の暴走に原因があるという説もある。

”噛道(ごうどう)”誕生は父のアドバイスから

地上最強の生物・範馬勇次郎(はんまゆうじろう)

「噛みつきは戦場格闘技の基本の一つ。狙いは頸動脈のみに絞るのが得策だ」。そう範馬勇次郎はかつてジャック範馬にアドバイスしたことがある。明言されてはいないが、その言葉を愚直に守り続けて、極めたのがジャックの”噛道”という見方がある。

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