冒険家になろう!(スキルボードでダンジョン攻略)のネタバレ解説・考察まとめ

『冒険家になろう!(スキルボードでダンジョン攻略)』とは萩鵜アキの同名小説のコミカライズ作品で、作画は栗山廉士が担当する。世界中でダンジョンの存在が確認されてから5年後の世界。初心者冒険家空星晴輝(からぼしはるき)は、自宅にできたダンジョンで魔道具「スキルボード」を発見する。空星は、スキルボードを駆使して有名な冒険家「ランカー」を目指すこととなる。魔物との緊張感漂うバトルシーンと仲間たちとのコミカルな掛け合いが楽しいダンジョン冒険活劇。

『冒険家になろう!(スキルボードでダンジョン攻略)』の登場人物・キャラクター

主要人物

空星晴輝(からぼしはるき)

主人公。27歳男性。初心者冒険者。自身の存在感が異常に薄いことを気にしており、派手な服を着たりして少しでも目立とうとしている。冒険者になった理由も、少しでも目立って、誰も無視できない存在になるため。異様なほど存在感がなく、影が薄いことを悩んでいる。印刷会社に勤務していたが、存在感のなさから苦労の連続で、一念発起して冒険家となる。なお、印刷会社時代の癖で無意識に景色や物のCMYKを判定しようとすることがある。「冒険家になろう!」にも登録しており、ハンドルネームは「空気」でブログを連載している。ブログのタイトルは「気づかれる存在感への道」。ブログでは少しでも目立つため、顔文字を多用するやたらハイテンションな文章を書くが、空星晴輝自身の影の薄さを反映してかアクセス数は伸びていない。冒険家としての活動も鳴かず飛ばずで、まったく目立たなかったが、ある日、実家に帰ったところ自宅の車庫がダンジョンと化し、落ちていた魔道具「スキルボード」を拾ったことで運命が大きく変わる。「成長加速」のスキルを手に入れたことで急速に成長するスピードが上がり、頭角を現していく。「隠密」のスキルに大きな適性を持つが、これ以上影が薄くなるのを嫌い、絶対に成長させないようにしている。しかし冒険中に、隠密のスキルが勝手に成長しており、最近では一部の特殊な探知スキルを持っている人間以外にはほとんど気づかれないようになっているため、無駄に目立つ「仮面」を気に入っている。ただし、隠密スキルの上昇に伴って仮面以外が認識されないようになっており、最近は「宙に浮かぶ仮面」として怪奇現象扱いされている。冒険では短剣を使うが、短剣は手数の多さに反してリーチが短いため、戦闘で使う人間は少ない。逆にいえば非常に珍しがられるため、空星は目立つのを目的に短剣を使っている。自身の目の良さと回転数で奮闘するも攻撃力の低さがネックだったが、のちに「打倒神」の加護を受けたことで攻撃力が大幅にアップした。しかし打倒神の加護によって、さらに影が薄くなってしまっている。存在感のなさを除けばふだんはまともな良識人だが、根っこの部分は危険の先にまだ見ぬ景色を求める冒険家で、危険な状況になればなるほど生き生きとする異常性を持つ。

黒崎火蓮(くろさきかれん)

新米冒険家の少女。年齢は18歳。茶色の髪をミディアムにセットし、赤いリボンと桃色の服を身につけている。魔物の出現で両親を失い、生活も大きく激変したため、魔物を倒し、人々の生活を守るべく冒険家になった。武器は当初、番磨製の棍棒を使っており、後にちかほの地下20 階でドロップした杖を使うようになった。上層のエンジョイ勢の存在を知り、冒険家の実態に失望しており、自身は真剣に活動をすべく、「冒険家になろう!」でレベルアップのための臨時パーティーを募集したところ、不良冒険家の四釜が応募して、命の危機に瀕すことになる。そこを晴輝に助けられ、以降は彼と行動を共にするようになる。ひたむきな努力家で、自分が弱いことを自覚し、強くなることを目標としている。そのため、四釜たちからの報復を警戒してちかほにいられなくなった際には、空星と共に車庫ダンジョンの攻略を手伝っている。現在確認されている冒険家の中では、唯一の「魔力」スキルの保持者。火や雷を使った攻撃魔法を使える。ただし魔法を使える人間は未確認であり、身を守るために秘密にしている。魔法を使えるのはダンジョン内部のみで、外では著しく威力が下がり、まともに使えない。のちに空星のスキルボードにより魔力を大幅に強化して、加護を得たことで、ダンジョンの外でも魔法をある程度の威力で出せるようになった。

夕月朱音(ゆうづきあかね)

ちかほの武具販売店で支店長を務める女性で、一菱の社員。年齢は27歳。赤毛の髪をポニーテールにした美女で、抜群のプロモーションを誇る。強気で自信家な女王様気質で、仕事で結果を出して優秀な自分をアピールするのが大好き。感情が高ぶると「アッハハァーン」と独特な言葉を発する。素の言動はひどいが、仕事でミスをするのが嫌いなため仕事ぶりはまじめ。ちかほの武具店に勤めていた際には、空星晴輝に言葉巧みな営業セールで、大量の装備と在庫になっていた仮面を売りつけ、大きな利益を出した。空星を一目見て、初心者ながら急速に成長しているのを見抜き、彼が上客になると考え、大井素の素材買取店で店長でもないのに勝手に便宜を図る。しかし、このことが責任問題となり、車庫ダンジョン前の素材買取店に左遷される。僻地に飛ばされたため、店はプレハブ小屋、机を含めた備品は手作りという悪条件で、当初は現実逃避していた。空星との関係はケンカするほど仲がいいを地でいく関係で、店で売り買いするたびに、お互いに煽り合いをしている。元凄腕の冒険家。店でふらちな行いをする冒険家を鉄拳制裁するため、一部では「戦う店員」の名で呼ばれている。黒崎火蓮の悩みを見抜き、あえて辛らつな言葉を掛けて、彼女と対決。その後、彼女や空星のダンジョン攻略に手を貸している。戦闘ではジェットエンジンのブレードが付いた攻守一体型トンファーを使って戦う。また人を見る目は確かで、夕月朱音に見いだされて有名冒険家に仲間入りした者もいるため、一部の冒険家からも師匠扱いされている。

その他の人物

マサツグ

ランカー冒険家の1人で、涼しげな雰囲気を漂わせた青年。不動のランキング1位で、名実ともに「最強の冒険家」。数々の実績を持ち、「攻略組」、「不動のランカー」、「勇者」等の通称で呼ばれる。男女問わず多くの人から慕われていて、誰も嫉妬すら湧かないほどの完璧人間であり、本人もランカー冒険家として模範的な行動を心がけている。「冒険家になろう!」には「マサツグ」名義で登録しているが、本名は「九重正次」。時雨が対人特化であるのに対して、マサツグは対魔物戦最強。強くなりたい、お金を稼ぎたいと、己の欲望を優先しがちな冒険家の中では珍しく、人々を守るという使命感に人一倍燃えており、率先して危険な魔物と戦う。日本最大級のダンジョン「新宿駅」をホームにしてチームブレイブを組織して活動し、新宿駅の攻略最前線にいるが、時折、各地の魔物討伐のために遠征に出ることもある。

ベーコン

ランカー冒険家の1人で、筋骨隆々とした大男。上半身裸で強面という厳つい見た目をしているが、気さくな性格でノリがいい。いつも筋肉を誇示する「筋肉キャラ」を演じており、冒険家からは「筋肉」「裸」「おっさん」と認識されている。愉快なキャラクターなために人気が高く、マサツグに並ぶ不動のランカーとして周知されている。また面倒見がよく、暇を見つけては初心者講習を行っている。講習はかなり人気があり、毎回、多くの初心者が参加している。本人は純粋に冒険を楽しむ「エンジョイ勢」を自称しているが、かなりの実力者であり、最難関の新宿駅ダンジョンで活動している。

時雨(しぐれ)

ランカー冒険家の1人で、艶のある黒い髪を長く伸ばした侍然とした女性剣士。物静かで浮世離れした雰囲気を漂わせている。幼い頃より居合いを学んでおり、強くなることに関して非常にストイック。剣の腕前はマサツグですら勝てない対人戦最強の冒険家だが、対魔物の戦闘ではマサツグに一歩譲ると評価されている。愛刀は「血桜」の通称で呼ばれている。強くなること以外にはかなり無頓着で、性格も天然気味。よく武者修行のために遠征に出るが、携帯電話などの充電をしょっちゅう忘れることから基本的に連絡が取れない。日本中を震撼させた新宿陥落の際も、連絡が取れなかったうえに、本人もずっと携帯電話の充電をしなかったため、ずっと知らずにいた。刀を武器に戦う正統派剣士で、予備動作なしで高速移動する「縮地」と居合いの組み合わせによる戦闘を得意とする。冒険家の身体能力で強化された高速抜刀術は、相当な達人でも彼女の動きを目で追うのは不可能で、対人戦では無類の強さを発揮する。ブログのタイトルは「今日も五月雨」。

カゲミツ

ランカー冒険家の1人で、精悍な雰囲気を漂わせた黒髪の青年戦士。本名は鳴海青児。パーティー「エアリアル」を率いる爽やかな好青年で、気さくな性格もあって仲間からも慕われている。ふだんは標準語で話すが、時折、北海道弁が出る。スキル「存在感」を持ち、その効果でただ立っているだけでも目立つという、影の薄い空星晴輝とは正反対の人物。性格のよさから、その存在感はカリスマの域にまで高められており、空星からはあらゆる意味でうらやましがられている。ただカゲミツ自身は、その存在感ゆえに昔から自分の意図に反して悪目立ちして苦労してきたため、カゲミツは隠れることが上手な「忍者」にあこがれている。空星とは方向性が真逆だが、同じく存在感に悩みを抱く同志として意気投合するが、カゲミツの存在感のせいで空星がさらに影が薄くなるという被害をもたらしている。戦闘では鎧を身にまとい、両手剣で戦う。実は北海道出身ではないが、地元でも悪目立ちしすぎたため、北海道に引っ越してきた過去がある。

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