青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)のネタバレ解説・考察まとめ

『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』は、鴨志田一によるライトノベルシリーズ作品およびそれを原作としたアニメ作品である。電撃文庫から発行され、思春期症候群と呼ばれる超常現象をテーマにしている。物語は、高校生の梓川咲太が、不可解な現象に巻き込まれる少女たちと出会い、彼女たちの問題を解決していく過程を描く。彼はバニーガール姿の先輩・桜島麻衣と出会い、彼女の存在が他人に認識されなくなる現象を解決する過程で、自己成長を遂げる。アニメはその独特な世界観と心理描写で多くの視聴者を魅了している。

『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の概要

『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』とは、鴨志田一によるライトノベルシリーズおよび、それを原作とするアニメ作品である。2018年10月から12月にかけて放送されたこのテレビアニメは、心揺れる少女たちとの切ない思春期ファンタジーを描いており、多くの視聴者を魅了した。略称は「青ブタ」と呼ばれ、特に若い世代の間でカルト的な人気を博している。
アニメは、主人公・梓川咲太(あずさがわ さくた)が「思春期症候群」と呼ばれる不思議な現象に巻き込まれることから始まる。彼は、人目につかなくなってしまった先輩・桜島麻衣(さくらじま まい)と出会い、彼女の問題を解決する過程で、他の少女たちとも交流を深めていく。この作品は、青春の輝きと痛みをリアルに描き出し、視聴者に強い共感を呼んだ。
アニメーション制作はCloverWorksが担当し、キャラクターデザインは田村里美が手掛けた。音楽はfox capture planが提供し、そのクオリティの高さも話題となった。また、アニメは原作の第1巻から第6巻の序盤までをカバーしており、その後のストーリーは劇場版アニメで描かれている。
このアニメは、ただの学園ものではなく、登場するキャラクターたちが抱える心の葛藤や成長を、ファンタジーの要素を交えながら丁寧に描いており、そのドラマチックな展開が多くのファンを惹きつけている。
社会に与えた影響としては、一部のファンの間で「思春期症候群」という言葉が広まり、日常の様々な不思議現象や心理状態を指す際に用いられるようになった。またキャラクターたちの心情を描いた物語は、多くの人々にとって共感や慰めを提供し、現代の青春像を反映する作品として評価されている。

『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』のあらすじ・ストーリー

病院送りとバニーガール

5月のはじめ、梓川 咲太(あずさがわ さくた)が図書館にいると、バニーガールが通り過ぎていった。周りの人は見えていないようだ。梓川がバニーガールを見ていると彼女は「君は見えているみたいだね」と言い、去ろうとした。「桜島先輩ですよね」と声をかけると、先輩である桜島 麻衣(さくらじま まい)は「同じ学校の生徒なのかな」と聞き、梓川は「峰ヶ原高校の2年1組の梓川 咲太だ」と自己紹介する。桜島は「今日見たことは忘れて。金輪際関わらないで」と言い放つ。梓川は何も言えず、その態度に桜島は憮然として去っていく。

梓川は親友でクラスメイトの国見 佑真(くにみ ゆうま)と学校へ通いながら、桜島のことが見えているかを聞く。すると国見にも見えているという。梓川は桜島が1年の時は芸能の仕事でほとんど学校へ来ていないこと、そのせいで周りから浮いた存在になり、自身も空気のように振る舞っていることを国見から聞く。
学校帰り、ケータイで桜島を撮ろうとした人を梓川が間に入ってやめさせ、桜島から感謝される。梓川は桜島と電車で帰り、桜島は梓川に「あなたの噂を調べたわよ。病院送りにしたとか、すごいじゃない」と言われるが、梓川は淡々とした態度で返す。桜島は「病院送りにした人物が、堂々と学校に通ったりしない」と結論づける。「空気と戦ってもどうしようもない」と梓川は言う。梓川は誤解はそのままにして、戦う前から諦めているのだ。梓川は桜島がどうしてあのようなことをしたのか聞く。桜島は少し前から、自分のことを見えてない人がいることに気がついたという。喫茶店に入った時、店のマスターに無視されて、他の客が入ってきた時に「いらっしゃいませ」と言っていたので確信に変わった。実験も兼ねて、桜島は野生のバニーガールをしているのだ。「こういう話を信じる?」との桜島の言葉に、梓川は「思春期症候群ですよね」と返す。思春期症候群とは、不安定な精神状態によって引き起こされる不思議な現象のことである。具体的には「暴行などを受けたわけでもないのに、身体に痣や傷などができる」や「自分の姿や声などが他人に認識されなくなり、記憶からも消える」、「同じ日を何度も繰り返す」といった症状が特徴だ。
梓川は桜島を自宅に招き、梓川は自宅で自分の上半身の裸を桜島に見せる。そこには大きな爪痕のような傷があった。梓川の妹の梓川 かえで(あずさがわ かえで)は、SNSでのいじめで実際にされたわけではないのに、梓川の前で体のあちこちが傷つく現象に見舞われた。梓川はこれがきっかけで、思春期症候群を信じるようになったという。胸の傷も朝起きたら血まみれで、これが病院送りの噂の真相だった。
梓川は桜島に、「芸能界に復帰すれば誰もが気にせざるを得なくなり、症状は回復するだろう」と言う。それを聞いた桜島の態度が豹変し、明らかに機嫌が悪くなって帰ってしまう。梓川は何か地雷を踏んだらしい。

その日以降、桜島は学校に来なくなった。
梓川の数少ない友人の双葉 理央(ふたば りお)によると、観測者問題というものがあり、見るものが少なくなってくるとそのものはいないも同然だという。
自宅に帰ると、玄関前に桜島が腹を空かせて待っていた。1週間ぐらい前から買い物が出来ないという。
梓川は桜島と一緒に買い物をしながら、彼女に「水着撮影がそんなに嫌だったんですか」と問う。すると桜島は、事務所をしていた母親が勝手にグラビアの仕事を受け、水着での撮影をさせられたことが恥ずかしかったのだと怒っていた。梓川はそのことを、テレビ局のアナウンサーの南条 文香(なんじょう ふみか)から胸の傷の写真と引き換えに聞いていた。南条は思春期症候群に興味を持ち、病院送りの真相が知りたくて、梓川にしつこく付き纏っていたのだ。それを聞いた桜島は「報道を舐めすぎよ」と、南条に連絡し近く芸能界復帰する際の独占インタビューと引き換えに、梓川の胸の傷の写真を報道しないことを約束させる。桜島は、梓川に仕事のことを言われ、確かに芸能の仕事は好きだったことを思い出し復帰する覚悟を決めたのだという。

しかし、桜島はどんどん人から見えなくなり、忘れ去られようとしていた。梓川は桜島と電車で遠くの県まで出掛けるが、状況は変わらない。梓川は困って国見に電話をかけると、桜島のことを覚えているという。梓川が双葉にも電話をかけると、「学校に原因があるかもしれない。学校の人は桜島を認識していたでしょ」と考察を述べる。
その日は梓川は眠れず次の日学校へ行く。双葉と梓川以外、桜島のことを見えず、忘れていた。双葉も昨日寝ていなかったという。双葉は眠っている間に周りの認識に侵食されて桜島を認識できなくなるのではと仮説を立てる。忘れまいと、栄養ドリンクを飲んで梓川は頑張った。双葉も別の日には桜島を忘れていた。それをこっそり見ていた桜島は、期末テストの勉強会を梓川の部屋で開き、飲み物に睡眠剤を入れて梓川を眠らせる。「これまでありがとう」と言い桜島は梓川の元を去る。梓川はこうなる前に、日記にこれまでのことを書いていた。

5月の終わり、起きると梓川は桜島のことを忘れていた。日記を見ても、桜島の名前は見えない。梓川が学校へ行くと、双葉が「この手紙を梓川に渡すように」と書かれた手紙を渡してきた。梓川が読んでみると、周りの認識を上回る愛のようなものがあればこの窮状を打開できるはずだと双葉の言葉で書いてある。どうすれば窮状を打開できるか分からず期末テストを受けていると、「ほしょう」の設問で桜島との勉強会のことを思い出す。梓川はトイレに行くと先生に言い、学校内を走り、校庭に出る。梓川は校舎に向かって大声で、桜島のことが好きだと思いの丈をぶつける。すると、「近所迷惑でしょ」と桜島が現れた。「本当に私のことが好きなの?」と桜島は梓川に詰め寄る。「嘘です。大好きです」と梓川は桜島に言う。この模様を校舎の生徒たちは認識しているようであった。こうして世界は、桜島麻衣を取り戻した。

ループする日にち

どうも梓川の6月27日が繰り返されているらしい。次の日になってもテレビでは同じサッカーのニュースが流れているし、友人たちも同じことを喋っている。2日続いたところで梓川が双葉のところに相談に行くと、「この現象は思春期症候群で、起こしている人物がいるはずだ。同じことをしていないのがそうだ」と言われた。偶然誰もいない教室にいないはずの一年生の古賀 朋絵(こが ともえ)が教卓の下に隠れようとして、この人物だと梓川は確信する。どうやらバスケ部の前沢 陽介(まえさわ ようすけ)から逃げてるらしい。前沢は古賀に告白しようとしているようなのだ。古賀はは友人の香芝 玲奈(かしば れな)が前沢が好きなのを知っていて、友人関係が壊れるのを恐れていた。成り行きで梓川も教卓の下に隠れることになったが、狭いところに2人いたものだから、バランスを崩して梓川が古賀を押し倒したような格好になってしまう。それを前沢は見て、諦めて去っていく。桜島もその光景を見てしまっていた。

要らぬ誤解を生んだが、日付は次の日に進んだ。梓川のバイト先のファミレスに古賀がバイトとして入ってきた。帰り際、古賀が梓川に1学期の間恋人のフリをしてほしいと頼んでくる。梓川は古賀が妹と同じ「1人は恥ずかしいから」というセリフでその頼みを引き受ける。

7月18日。デート中に喧嘩別れするという設定で、梓川と古賀は海に行く。楽しいひとときを過ごした後、次の日になってみると、7月18日になっている。梓川が双葉に相談すると、古賀が嘘をついて、故意に7月18日を繰り返している可能性があるという。4回目の7月18日になり、梓川はデートは海ではなく江ノ島に行き、そこで古賀に「嘘はやめないか」と言う。古賀はこのまま関係が終わって、梓川とは友達になって丸く収まって欲しいのに、好きという気持ちがどんどん大きくなって次の日になってくれないと言う。梓川は「我慢しなくていいんだ」と優しく声をかけると、「先輩(梓川)のことが大好き!」と思いの丈を吐き出す古賀。

次の日、日付は6月27日に戻っていた。古賀とのことは全部無かったことになったのだ。
桜島との関係も悪くなる前に戻り、桜島が頬にキスをしてくれ進展を見せた。後は体験したことと同じことがまた起きた。古賀の思春期症候群は未来予知のようなものだったのだ。古賀は前沢の告白を断り、梓川と友達になった。それにしてもなぜこのようなことが起きたのか。梓川が双葉に聞くところによると、梓川と古賀が何らかの衝撃で互いにもつれた状態になり起きた現象だという。梓川は古賀と、彼女が見知らぬ少女に親切にしようとしていた梓川を誘拐犯だと勘違いして尻を蹴り、古賀がお詫びに蹴ってと梓川が彼女の尻を蹴りあったことを思い出す。

2人の双葉

雨の中、梓川が桜島と帰宅中に捨て猫を見ている少女と出会う。梓川は捨て猫は一旦自分が引き取り、少女が引き取りたいというから連絡先を教える。梓川は少女の名前を聞いて驚く。初恋の相手、牧之原 翔子(まきのはら しょうこ)だったからだ。しかも高校生から中学1年生になっている。
梓川のバイト終わりを桜島が待ち、2人で一緒に帰っていたところ、双葉がネットカフェに入って行った。これを不審に思った梓川たちも2人でネットカフェへ入る。どこにいるのかわからないので、梓川は桜島からケータイを借り、双葉に電話をかける。双葉が出て、話している最中にネットカフェ内を歩く双葉を桜島が見つけて、梓川が彼女の手を掴みなぜここにいるのか問い詰める。双葉の話によると3日前からこの世界に双葉が2人いるという。思春期症候群だ。もう1人は家にいて学校に通っているというので双葉は仕方なくネットカフェで寝泊まりしていたという。梓川は双葉に「自宅に来い」というと、その状態を恋人として嫌だと感じた桜島は一緒に寝泊まりすることにする。
学校の双葉の様子を見に行った帰り、国見の彼女の上里 沙希(かみさと さき)から、双葉の裏アカウントのことを教えられる。そこには彼女の際どい写真がアップされていた。梓川の自宅に寝泊まりしている双葉に聞いてみると、「誰かにかまってもらいたかったから、自分の唯一持っているものを出した」と言う。だが、唯一持っているものとして挙げた自分の体に、男子の視線が注がれることに対しコンプレックスを持っていて許せない自分もいる。かまってもらいたい自分と許せない自分が分離したのが、多分今の状態をつくっているというのが双葉の推察だった。梓川はかまってもらいたい学校へ行く双葉と、許せない梓川の家にいる双葉と話しながらしばらく過ごす。1人でいることが怖いと言う「かまってもらいたい双葉」に、梓川は俺がいると言う。さらに国見を夜に呼び出して、3人で浜辺で徹夜で花火大会をする。市の花火大会に3人で行く約束もする。
浜辺からの帰り際に「かまってもらいたい双葉」が、「私はもう大丈夫。重症なのはもう1人の方だよ」と自分のケータイを渡して梓川に託す。帰宅して、ケータイを「許せない双葉」に渡した梓川はそのまま眠った。起きると、妹が「許せない双葉」がまだ帰ってこないという。梓川は嵐の中、「かまってもらいたい双葉」の家へ行き、もう1人の双葉が行きそうなところを聞き出し学校へ行く。教室に「許せない双葉」がいて、梓川が「花火大会に行くぞ」と言う。「許せない双葉」は、「かまってもらいたい双葉」のケータイの待ち受けが3人の花火大会の写真だったのを見て私はいらないと考えていた。「許せない双葉」が「行かない」と言ったのと同じタイミングで梓川が倒れてしまう。嵐の中、無茶をしたからだった。梓川は病院に運ばれ、大したことはなく、待合室で「許せない双葉」と話をして「自分を嫌いでいいんだよ」と一回り回った慰め方をした。双葉はその言葉にホッとする。
「許せない双葉」は「かまってもらいたい双葉」に電話をかけ、「私も花火大会へ行きたい」と言うと、その場から許せない双葉は消え去った。
2人の双葉は1人に戻ったのだ。

かえでと桜島と

梓川の妹梓川 かえでは本名を梓川 花楓(あずさがわ かえで)と称する中学生の女の子だ。彼女は、SNSでのいじめを受けたことがきっかけで、思春期症候群と解離性障害を発症した。
思春期症候群の発症により、ストレスから体に物理的な痣や傷ができるようになった。そして13歳の時に解離性障害を発症し、家族のことなど全てを忘れてしまい、別人格を形成したのだ。この別人格のかえでは、右利きでパンダが好きな明るい性格で、誰に対しても敬語を使う。梓川咲太が「今の花楓はかえでだから」と言うので自分のことを「かえで」と呼び、元の自分を「花楓さん」と呼んでいる。かえでは兄の咲太に憧れておりブラコンの傾向がある。毎朝咲太を起こすのが日課だった。一方で、初対面の年上の人には警戒心が強く、SNSいじめのトラウマから電話の音にも過敏に反応していた。不登校になり、一時は外にも出られない状態だったが、徐々に社会復帰の目標を立てて周りの協力を得ながら外出や学校への通学練習をするようにはなった。しかし、まだ学校には行けず、たまに痣ができていた。
梓川は、かえでと一緒に彼女の好きな動物園へ行き、プリンを買って夜の学校へ忍び込む。そしてちょっとズルだが、これをかえでの初登校とする。

次の日かえでは消え去り、花楓の人格に戻っていた。花楓は、かえでの2年間の記憶を持たず、その間は空白だったそうなのだ。性格はかえでほど明るくはないものの、やはりお兄ちゃん子の傾向があった。梓川は今までのことはなんだったんだと、納得がいかなかった。雨の中、花楓のいる病院を飛び出して泣いていると、そこには傘をさした年上の牧之原がいたのだ。牧之原は梓川を家まで連れていくと、やる気のない梓川の世話をし、かえでの日記を読み上げてくれた。「かえでが消えたらお兄ちゃんが悲しまないように」との内容に、梓川は泣くまいとしていたが牧之原は「その涙もかえでさんのくれたものです」との配慮で風呂場で号泣する。次の日梓川がある程度回復すると、牧之原は「大丈夫そうなので帰ります」と書き置きを残していなくなってしまう。中学生の牧之原とも連絡はつかなかった。桜島がロケの合間を抜けてやってきて、大丈夫か聞いてきたが牧之原の書き置きを見た途端、帰ってしまう。やる気なくバイトへ出た帰りに桜島の妹の豊浜 のどか(とよはま のどか)がやってきて、「今日はお姉ちゃんの誕生日だよ」と言う。梓川は豊浜のケータイを借りて新幹線に乗り、桜島の元へ向かう。金沢で桜島に会い、「お誕生日おめでとうございます」と告げる。15分間の2人だけの時間をもらい、桜島が混乱してすぐ帰ってしまったことを謝ったり、梓川がわざわざ時間を作ってきたくれたことを感謝したりしてお互いの愛を深め合う。

花楓はかえでの日記を読み今までのことを理解し、梓川に「ありがとう、お兄ちゃん」と言って学校へ行きたいと続ける。痣はもう出なくなっていた。

こうして現状抱えていたおおよその問題は解決されたのだった。

『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の登場人物・キャラクター

主人公

梓川 咲太(あずさがわ さくた)

CV:石川界人
「青春ブタ野郎」シリーズの主人公。彼は4月10日生まれの172cmの高校2年生で、峰ヶ原高校に通う。梓川は学校では有名な変わり者として知られている。中学時代に暴力事件を起こしたという噂が広まり、それ以来孤立していた。しかし、その事件の真相は、突然胸が血だらけになり病院に搬送されたことだった。入院中に抜け出して行った七里ヶ浜で、峰ヶ原高校の2年生である牧之原翔子と出会い、強い影響を受ける。そして、解離性障害で生まれた妹の別人格「かえで」を受け入れることを決めたのだ。
梓川は、藤沢市に引っ越して妹と二人暮らしをすることにした。恩人の翔子を追う形で、峰ヶ原高校に進学したのだ。ケータイの類いを所持せずに生活しており、妹のスマホ恐怖症も克服されていない。普段は無気力のように見えるが、数少ない友人や妹を大切にしている。自分や妹が経験した思春期症候群に悩む人を助けたいという思いが強く表れ、時に大きな行動力を見せる。小説の9巻では、国民的女優である麻衣と交際していることが知れ渡り、大学内の有名人となっている。『このライトノベルがすごい!』では、男性キャラクター部門で高い評価を得ている。

ヒロインたち

桜島 麻衣(さくらじま まい)

CV:瀬戸麻沙美
「青春ブタ野郎」シリーズのメインヒロイン。12月2日生まれのAB型で、身長は165cm。
黒髪のロングヘアーで、普段はウサギの形をした髪留めとヘアピンで数カ所髪を留めているのが特徴。スマホにもウサギ耳のついたケースをつけている。梓川とかえでが住むマンションの向かい側にあるマンションに一人暮らしをしていたが、小説の4巻終盤より異母妹の豊浜のどかが引っ越してきて共に暮らすようになった。
峰ヶ原高校3年1組に所属しており、梓川の1年年上である。子役出身の国民的女優で、6歳の時にデビューし、その後も数多くのヒット作品に出演してきた。しかし中学生の時に母親から無理矢理押し付けられた水着姿のグラビア撮影がきっかけで、母親との関係が険悪になり、高校入学を機に芸能活動の休止を宣言した。真面目で礼儀正しく、成績優秀で料理も上手だ。一方で、少し女王様気質で、梓川に対してからかったり意地の悪いことを言うこともある。また、梓川との関係にも複雑な感情を抱いている。小説の1巻で咲太に告白され、2巻より実際に付き合い始める。その後、スキャンダルなどの波乱もあったが、梓川との交際を続けている。8巻では、梓川と同じ大学に入学するため1年休学し、仕事と大学生活で多忙ながらも順調に交際を続けた。『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では、高い評価を得ている。

牧之原 翔子(まきのはら しょうこ)

CV:水瀬いのり
「青春ブタ野郎」シリーズの重要なヒロイン。4月10日生まれで、中学生時は身長150cm、大学生時は160cm。
黒髪のロングヘアーで、左右をそれぞれ少し編み込んでいる。作中では、同姓同名で似た外見だが年齢が異なる人物が2人登場しているが、後に同一人物であることが判明した。『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2020年度版で9位を獲得している。
梓川の初恋相手である中学2年生の牧之原 翔子は、胸の傷による入院中、病室から抜け出してきた梓川が七里ヶ浜に来たとき声をかけ、彼の人生観を変えた。包み込むような優しさを見せる一方で悪戯っぽく、時折ふてぶてしい態度を見せる。梓川は彼女を追って峰ヶ原高校に入学したが見つけられず、桜島からは複雑な感情を抱かれていた。
小説の第5巻にて自称19歳で大学生になった牧之原本人が出現し、梓川の家に居候する。この牧之原の正体は6〜7年後の未来からやって来た、梓川の心臓を移植されて生き延びた存在だった。小説の第7巻では、桜島の心臓を移植された未来の翔子が現れ、梓川と結婚したと語る。その後新たに作られた歴史では、中学1年生の牧之原が咲太に出会わなかったため、「夢の中に出てきて、助けてくれた女性」として認識されていた。中学1年生の牧之原は、生まれながら心臓に重い病気を抱えており、心臓の移植手術を受けない限り中学校を卒業するのは難しかったのだ。梓川は彼女の初恋の相手だったと語られており、猫の世話などを通して交流を深めていた。しかし病状が悪化し入院した牧之原は、思春期症候群を起こし、自分についての記憶を咲太達から消そうとした。だが、別のドナーからの提供により、無事に心臓移植を受けることができたのである。その後、体への負担を少なくするために沖縄に引っ越し、梓川と文通している。

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