青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ないのレビュー・評価・感想

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青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
10

何気ない優しさに惹かれていく

通称青ブタと言われるこの作品は主人公「梓川咲太」と「思春期症候群」と呼ばれる都市伝説がテーマとなって進む物語です!

思春期症候群とは、「シュレディンガーの猫」や「ラプラスの悪魔」、「ドッペルゲンガー」など有名な話がそのまま現実に起こってしまうということです。
主人公である咲太は自身や友人に起こる思春期症候群と向き合い、問題を解決していくのですが、その中で、咲太が友人に見せる優しさが素敵すぎるんです。人に見せるためアピールをするためではなく、その人を思って発する言葉、行動なのだというのがよくわかることを自然にするんですね。その一例がこちら。
麻衣(咲太にのみ見えている)「ねえ、どうして咲太は私に構うの?」
咲太「困っているのに、誰にも頼れないのはしんどいからですよ」
これはアニメ一話で出るセリフなのですが、困った人がいたら見過ごせない、助けるのが仲間だ、のようなヒーローの言いそうなことではなく、「困っているのに頼れないのはしんどい」というその人に寄り添ってくれるかのような温かく、大きな優しさを咲太は持っているんです。
いかがでしょうか?その他の登場人物もとても魅力的な人物で描かれていて、最初から最後まで次の話を早く見たい!と思わせてくれる飽きることのない作品なので気になった方は是非ご覧ください。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
9

ありふれた、だからこそ胸に刺さる優しいラブコメディ

インパクトの強いタイトルから少々敬遠されがちで間口が狭くなっている印象のアニメ。タイトルで損をしているのではとの声もよく耳にします。実際あらすじとしてざっくり説明すると、SFチックな要素を盛り込んだハーレム色の強いラブコメ、という身も蓋もないことになりかねないのですが、それらの要素はあくまでエッセンス。メインは思春期の少年少女のありふれた、だけどその時の本人にとってはどんな事よりも重たい問題を主人公を中心とした他人との触れ合いの中で氷解させていく温かなストーリー。どのキャラクターの問題にも、直接戦うでもなく、逃げるのでもなく、うまく躱しながら丁寧に折り合いをつけていくような、穏やかで優しい解決を用意してくれています。また、ストーリーも画面も音もすべてが洗練された印象を受けるのがアニメ作品として素敵なところ。心情に寄り添うような舞台設定や、苦しさよりも温かさを強く感じられる尺の使い方、声優さんたちの丁寧で感情豊かなお芝居など、挙げれば切りがありません。年代性別問わず何かを感じ取れる作品だと思います。ただしひとつだけ難点を上げるとすれば、あらゆる点においてリアリティが強い為に、大きな時代の変化などによって過去の作品になってしまった時にどれだけ魅力が残るのかが不明瞭なところ。視聴できる環境にある方にはなるべく早く見てほしい作品です。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
9

清々しいほど素直な主人公

2018年10月から始まった「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」という作品。
最初は女の子ばかりが出てきて「コイツもただのハーレム野郎か。」なんて思いつつ、まずは1話を視聴。
石川界人演じる、主人公の梓川咲太(あずさがわさくた)は一見、ただの「ダルそうにしながらも何でも余裕でこなしちゃうチート系男子」に見えるのですが、そんなことなくて「不器用に生活してるただの変態のブタ野郎男子」でした。
ある事件がきっかけで学校中から「ヤバい奴扱い」を受けており、親友の男友達と根暗に見える理系女子しか話す友達がいない不自由な生活を過ごす咲太。「1人で行動したほうが楽だし…」なんていう考え方を持っているらしく、「ああ、厨二病入ってるね~」て感じるシーンもしばしば。
そんなある日、たまたま通っていた図書館に「かわいく、それでいて綺麗なバニーガール」が平然と図書館の中を歩き回っていたのです。
そのバニーガールは同じ高校の先輩で女優の桜島麻衣(さくらじままい)だった。そんな桜島麻衣と、いろんな問題をかかえる女の子たちとで、キャッキャウフフの生活風景とちょっとした事件が起こります。

見所としては咲太の清々しいまでの本音や変態な言動、麻衣先輩の咲太のこと好きなのに上から目線の口調に合わない行動ですね。
変態心をオープンにみると楽しいです。