青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(青ブタ)のネタバレ解説・考察まとめ
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』は、鴨志田一によるライトノベルシリーズ作品およびそれを原作としたアニメ作品である。電撃文庫から発行され、思春期症候群と呼ばれる超常現象をテーマにしている。物語は、高校生の梓川咲太が、不可解な現象に巻き込まれる少女たちと出会い、彼女たちの問題を解決していく過程を描く。彼はバニーガール姿の先輩・桜島麻衣と出会い、彼女の存在が他人に認識されなくなる現象を解決する過程で、自己成長を遂げる。アニメはその独特な世界観と心理描写で多くの視聴者を魅了している。
梓川 かえで(あずさがわ かえで) /梓川 花楓(あずさがわ かえで)
CV:久保ユリカ
梓川かえでは、本名は梓川花楓である。中学生のころにSNSでクラスメイトからいじめを受けたことがある。そのストレスが原因で、体に物理的な痣や傷ができる思春期症候群に罹患した。さらに13歳の時に解離性障害を発症し、家族のことなど全てを忘れてしまい、別人格を形成したのである。別人格のかえでは、右利きで、パンダ好きである。誰に対しても敬語を使う。自分のことを「かえで」と呼び、元の自分を「花楓さん」と呼んでいる。明るい性格で、毎朝兄の梓川を起こすのが日課だ。兄に憧れており、ブラコンの傾向がある。一方で、初対面の年上の人には警戒心が強い。SNSいじめのトラウマから、電話の音にも過敏に反応する。不登校で、一時は外にも出られない状態であった。しかし、徐々に社会復帰の目標を立て、麻衣やのどかの協力も得ながら、外出や学校への通学練習をするようになった。
しかし2年後の朝、かえでは消え去り、花楓の人格に戻っている。花楓は、かえでの2年間の記憶を持たず、その間は空白なのであった。性格はかえでほど明るくはないが、やはりお兄ちゃん子の傾向がある。ボブカットにした髪型が特徴である。
兄の勧めもあり、通信制高校に進学することを決意した。症状は改善され、3学期から中学校に登校できるようになった。高校生活では、兄と二拠点生活を送り、ライブにも足を運ぶなど、充実した日々を送っているのである。
双葉 理央(ふたば りお)
CV:種崎敦美
峰ヶ原高校2年生で科学部に所属。メガネをかけているが、コンタクトレンズの時もあり、大学生になってからはその割合が高い。長い癖毛を無造作に下ろしているが、ポニーテールにする時もある。双葉は梓川の数少ない友人の一人で、相談相手でもある。梓川のことを「青春ブタ野郎」と命名した張本人である。梓川によく毒舌を吐くが、友人として見ており、相談には乗っているのだ。感情を表に出さず、第三者視点から冷めた目線で論理的に分析する傾向がある。変人の噂があり孤立していたが、1年生時に同じように孤立していた梓川に声をかけられ、友人になったのだ。国見佑真にも好意を抱いているが、友人として接しているにすぎない。男性の視線が苦手で、大きな胸を隠すため制服に白衣を着用している。自虐的に自分の外見を低く評価しているのだ。科学部の唯一の部員で、ひとりで活動を行い、物理実験室をほぼ私物化している。変人として知られ、停電やボヤ騒ぎを起こしたこともある。物理学に長け、思春期症候群を量子論などで考察し、梓川に解説することがある。両親は仕事で不在が多く、ほぼ一人暮らしで家事ができる。自宅最寄り駅は本鵠沼駅。峰ヶ原高卒業後は、理系の国立大に通い、梓川と同じ塾で講師のアルバイトをしている。国見とも連絡を取り合っているのである。
古賀 朋絵(こが ともえ)
少し癖のあるショートヘアで、前髪の左側を「T」の文字形の髪留めでまとめているのが特徴。峰ヶ原高校1年4組に所属し、梓川の1年後輩。梓川の数少ない友人の一人でもある。
福岡県出身で、父親の転勤で引っ越してきた際に、周りに馴染むためにイメージチェンジを図った。標準語を話そうとしているが、興奮すると博多弁が出てしまう。正義感は強いが、そそっかしい一面もある。梓川との初対面時には不審者と勘違いし、尻を蹴った仲なのだ。その後はファミレスでアルバイト仲間となり、梓川にセクハラまがいの言動をよくされている。尻が大きいことを気にしてしょっちゅうダイエットを口にする。小説の第2巻で「ラプラスの小悪魔」と呼ばれる思春期症候群を引き起こし、梓川と同じ日を何度も繰り返すという現象が起きる。これがきっかけで、双葉から「プチデビル」と表されている。引っ越してきたばかりで友人が少ないため、ひとりになることを極度に恐れている。周りの空気を読もうと必死で、イマドキの女子高生なのだ。3年生になり、肩までの長髪に変わり、後輩の花楓とも親しくなった。指定校推薦で大学合格が決まっている。
豊浜 のどか(とよはま のどか)
CV:内田真礼
金髪のサイドポニーテールが特徴。アイドル「スイートバレット」のメンバーで、「どかちゃん」の愛称で呼ばれている。桜葉学園の2年生。
自他共に認める麻衣のシスコンであり、芸能事務所の公式プロフィールでも「好きなもの」が「桜島麻衣」と書かれているのである。幼い頃から桜島のことを憧れの姉と思っていた。勝気で気が強く、やや気が短い性格である。梓川への態度はとげとげしいことが多いが、本質は良く、思春期症候群の際は梓川に助けられ感謝しているのだ。桜島を独占したい気もあるが、梓川と桜島の仲がうまくいくことを望んでいる。母親の期待に応えるためアイドル活動や勉強に打ち込んでいたが、プレッシャーともなり家出した。その後は桜島の家に住み込むようになったのである。家事はまるでできず、ギャル雰囲気だが、頭は良く梓川たちに勉強を教えることもあるのだ。
小説の9巻で桜島、梓川と同じ大学に進学し、アイドル活動を続けながら優等生としても認知されつつある。
広川 卯月(ひろかわ うづき)
CV:雨宮天
長い黒髪をストレートに下ろしているのが特徴。「スイートバレット」のメンバーかつリーダーで、「づっきー」と呼ばれている。初登場時は通信制高校2年生、大学生編では咲太と同じ大学の統計科学学部1年生。
「空気が読めない」と言われており、テンションが高く天然ボケな一面があり、予想外の言動が目立つ。他人との距離の取り方が個性的で、梓川のことを「お兄さん」と呼ぶのも、その一例である。元は全日制高校に通っていたが、アイドル活動で友人と馴染めなくなり不登校になり、通信制に転入した。のどかに感化され、卒業後は梓川らと同じ大学に進学する。アイドル活動とモデル活動を並行し、テレビ出演も増え、一時は人気者となった。しかし同時に、周囲の空気が読めるようになり、自身へのネガティブな見方を知る。過去の自分と向き合い続ける選択をし、再び空気が読めなくなった。その後、ソロデビューとスイートバレット活動の両立を宣言し、大学を中退した。しかし、その後も梓川や花楓らと友人として接しているのである。
赤城 郁実(あかぎ いくみ)
CV:山根綺
梓川と同じ大学に通う医学部看護学科の1年生である。彼女はボブカットが特徴的な静かな性格の持ち主で、中学時代に咲太と同じクラスだった。大学入学式で再会した際、以前はメガネをかけていたが、その後は外している。郁実はあまり多くを語らないが、話す時は落ち着いた口調で、正義感と責任感が強い性格だ。委員会活動やボランティアに熱心で、異性に対しては潔癖な一面がある。
梓川とは中学以来ほとんど話すことはなかったが、彼が異世界を体験した際、赤城もまた峰ヶ原高校の生徒として存在していた。そこでは梓川に普通に話しかける数少ない人物の一人であり、彼に対して何かを感じているようだった。しかし、大学では学部が異なるため、ほとんど顔を合わせることはなかった。
小説の11巻では、予想外の形で梓川と関わることになる。梓川が異世界に行った際、峰ヶ原高校の生徒だった赤城と、元々梓川の世界にいた別の高校に通っていた赤城が入れ替わっていたことが明らかになる。この二人は「どこかに逃げたい」という思いから、思春期症候群を発症し、入れ替わっていた。彼女たちは痛覚や触覚を共有し、身体に文字を書くことで情報を共有していた。
それぞれ異なる世界で生活していた二人の赤城は、元の世界に戻ることになる。梓川の推測によれば、赤城の潔癖さが「逃げる」という行為を許さなかったためだという。
別の世界にいた赤城は、中学3年生の時に起きたイジメ問題を梓川が解決したのを見て、自分の無力さを感じていた。梓川と同じ高校に進学し、彼が他の問題を解決するのを見て、自分がなりたかった人間になったのは梓川だと感じていた。大学受験に失敗し、別の世界に逃げた赤城は、梓川がいる大学の新入生として生活し、ボランティア活動を通じて人の役に立つことで、なりたい自分になれたと感じていたのだ。
一方、元々の世界にいた赤城は、優等生としてクラスの役に立とうとしていたが、中学3年生の時に起きたイジメ問題と、それに続く思春期症候群の現象に対して何もできず、無力さを感じていた。地元の高校に通い、生徒会長を務めるなど活動的な一面を持ちながらも、卒業前には恋人の家に住み込むなどの経験もしている。大学入学式で梓川が中学時代の問題から立ち直っているのを見て、自分がまだ過去を引きずっていることに恥じ入り、「逃げたい」と思った結果、別の世界の赤城と入れ替わった。その世界では、中学でのイジメ問題も解決しており、気が楽になっていた。
別の世界にいた赤城は、口数が少なく、特に自分のことに関しては必要最小限のことしか話さない傾向がある。恋人がいた経験があるため、梓川に対する態度も異性慣れしていた。違う世界の自分から届けられた警告文に責任を感じ、梓川が北海道に行く際には同行するほどだった。
姫路 紗良(ひめじ さら)
小説の第12巻のヒロインで、初登場は10巻。峰ヶ原高校1年生。梓川が塾講師を務める塾の生徒である。山田健人とは同じクラスだ。体育祭実行委員で一緒だった古賀に懐いている。古賀からは、やや苦手意識を持たれていた。人なつっこい一方で根は真面目だが、他人をからかいたがる悪癖がある。
山田に遠回しに誘われて咲太の授業に興味を持ち、実際に授業を見学している。梓川のことを「咲太せんせ」と呼ぶ。幼馴染みで人気もあった加西虎之助と仲が良く、自分も周囲もカップルだと思っていたが、加西に好きな人(双葉)ができた。「失恋した自分を他者が笑っているのではないか」という恐怖を感じるなど他者が信じられなくなった結果、「体がぶつかった相手の考えがわかるようになる」という思春期症候群を起こす。その能力を使って異性の気を引いたり他人の恋心を牽制してからかったりすることで満足感を得ていた。しかし、梓川を桜島から奪うことはできないと悟り、また桜島が梓川と「一緒に幸せになるため」に付き合っているという話などを聞かされ、自分が何のために先述の行動をしているのかわからなくなった結果満足感は解消された。だが本気で梓川に惚れ、いずれ梓川に再度交際を申し込むことを宣言する。
小説の13巻では、梓川と古賀、花楓と同じファミレスでアルバイトを始めている。
岩見沢 寧々(いわみざわ ねね)
誕生日が3月30日、身長が161cmで小説の第13巻のヒロイン。初登場は10巻だ。梓川と同じ大学の国際教養学部の3年生である。髪型は肩より長いセミロングヘアが特徴。梓川の入学前年のミスコンのグランプリ受賞者である。「霧島透子」を名乗る人物のひとりである。北海道出身。高校2年生の頃から地元でモデル活動をしていた。関東で仕事をするため神奈川県の大学に進学する。東京のモデル事務所に所属し、ファッション雑誌を中心に活動していた。SNSには徐々に増える仕事が誇らしげに綴られていたが、それもあまり上手くいかなくなって焦り始める。やがてネットにアップした歌っている動画が「霧島透子に似ている」と言われて本人もその気になり、そのまま霧島透子になりきってしまう。梓川の入学年の4月6日を最後に更新が途切れている。梓川と美東美織、赤城の推測によると、そのころに麻衣が復学し大学の有名人としての注目を奪っていった。一方、岩見沢は「霧島透子に似ている」と言われたことが救いになって本当に霧島透子になりきり、結果周囲の人間から認識されなくなっていったのではないかとしている。
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目次 - Contents
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の概要
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』のあらすじ・ストーリー
- 病院送りとバニーガール
- ループする日にち
- 2人の双葉
- かえでと桜島と
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 梓川 咲太(あずさがわ さくた)
- ヒロインたち
- 桜島 麻衣(さくらじま まい)
- 牧之原 翔子(まきのはら しょうこ)
- 梓川 かえで(あずさがわ かえで) /梓川 花楓(あずさがわ かえで)
- 双葉 理央(ふたば りお)
- 古賀 朋絵(こが ともえ)
- 豊浜 のどか(とよはま のどか)
- 広川 卯月(ひろかわ うづき)
- 赤城 郁実(あかぎ いくみ)
- 姫路 紗良(ひめじ さら)
- 岩見沢 寧々(いわみざわ ねね)
- 高校生編の登場人物
- 国見 佑真(くにみ ゆうま)
- 上里 沙希(かみさと さき)
- 香芝 玲奈(かしば れな)
- 日南子(ひなこ)
- 亜矢(あや)
- 米山 奈々(よねやま なな)
- 前沢 陽介(まえさわ ようすけ)
- 大学生編の登場人物
- 吉和 樹里(よしわ じゅり)
- 山田 健人(やまだ けんと)
- 加西 虎之助(かさい とらのすけ)
- 美東 美織(みとう みおり)
- 福山 拓海(ふくやま たくみ)
- 小谷 良平(こだに ようへい)
- 千春(ちはる)
- 明日香(あすか)
- スイートバレット
- 安濃 八重(あのう やえ)
- 中郷 蘭子(なかごう らんこ)
- 岡崎 ほたる(おかざき ほたる)
- その他
- 南条 文香(なんじょう ふみか)
- 花輪 涼子(はなわ りょうこ)
- 鹿野 琴美(かの ことみ)
- 梓川と花楓の父親
- 梓川と花楓の母親
- 桜島 麻衣の母親
- 豊浜 のどかの母親
- 広川 卯月の母親
- なすの
- はやて
- 友部 美和子(ともべ みわこ)
- 高坂 誠一(たかさか せいいち)
- 謎の少女
- 霧島 透子(きりしま とうこ)
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の用語
- 思春期症候群
- 青春ブタ野郎
- バニーガール先輩
- 博多弁
- スイートバレット
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 梓川 咲太「困っているのに誰にも頼れないのはしんどいからですよ」
- 梓川 咲太「これから僕が相手をするのは空気だ」
- 梓川 咲太「世界中に嫌われたとしてもその1人が必要としてくれたら生きていける」
- 梓川 咲太「自分を嫌いでいいんだよ」
- 桜島 麻衣「たぶん咲太が思っているより咲太のことが好きよ」
- 牧之原 翔子「人生って優しくなるためにあるんだと思っています」
- 牧之原 翔子「人に理解されない苦しみを知った咲太君ならきっと誰よりも優しくなれます」
- 桜島が梓川にキスではなく頬をつねる場面
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アニメ制作の背景
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の国内外での評価
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』と量子力学の関係
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』のキャラクター名は地名に由来
- 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):the peggies「君のせい」
- ED(エンディング): 桜島 麻衣 (CV:瀬戸麻沙美) 古賀 朋絵 (CV:東山奈央) 双葉 理央 (CV:種崎敦美) 豊浜 のどか (CV:内田真礼) 梓川 かえで (CV:久保ユリカ) 牧之原 翔子 (CV:水瀬いのり)「不可思議のカルテ」